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公開番号2025149619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024050370
出願日2024-03-26
発明の名称ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物
出願人ロート製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20251001BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】加齢によるソフトCL装用時の不具合又は不快感を抑制するためのソフトCL用眼科組成物を提供する。
【解決手段】アミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制するためのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。不具合又は不快感としては、フィッティング不良、疲労感、目の乾き、異物感、摩擦感、眼表面の傷付き、見え方変化、及び見え難さなどがある。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
アミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制するためのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
不具合又は不快感が、フィッティング不良、疲労感、目の乾き、異物感、摩擦感、眼表面の傷付き、見え方変化、及び見え難さから選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載の眼科組成物。
【請求項3】
装用によるソフトコンタクトレンズの硬化、ごわつき、又は弾性の増大を抑制することにより、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制する、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
【請求項4】
装用によるソフトコンタクトレンズの摩擦の増大を抑制することにより、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制する、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
【請求項5】
使用に伴いソフトCLが硬くなる、ごわごわする、又は弾性が増大するのを抑制するための、ソフトCL用眼科組成物。
【請求項6】
使用に伴いソフトCLの摩擦が大きくなるのを抑制するための、ソフトCL用眼科組成物。
【請求項7】
使用が高齢者の使用である、請求項5又は6に記載の眼科組成物。
【請求項8】
ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物にアミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含ませることにより、そのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物に、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制する機能を付与する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者が快適に使用するためのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。具体的には、高齢者は、涙液分泌量の低下、涙液油分の減少などにより涙液安定性が低下しているため、コンタクトレンズ使用時の見え方の変化や悪化、眼の乾燥などの諸症状が強くなるが、本発明は、コンタクトレンズ使用時の見え方の変化や悪化、眼の乾燥などの諸症状を抑制して、高齢者が快適にソフトコンタクトレンズを使用するための眼科組成物に関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
今後の高齢化社会では、社会全体のデジタル化が進むことや、労働年齢上限が引き上げられることなどに伴い、スマホ、タブレット、パソコンなどのVDT(Visual Display Terminal)を日常的に使用する高齢者が増えることが予想される。
一方、高齢者のほとんどは、VDTを使う際に眼鏡やコンタクトレンズ(以下、「CL」ということもある)を装用している。近年、おしゃれのために、眼鏡に代えてCLを使用する人が増えており、CLに慣れた世代が高齢者になるとCLを使い続けることが予想される。ここ数年、CLの性能は素材、エッジや薄さなどの形状、光学デザインの面で大きく進化しており、中でも乱視用や遠近両用CLでは光学デザインの多様化が進んだことで見え方が格段に改善されており、個々に合ったCLを選べるようになっている。そのため、CLに慣れた世代が高齢者になったときは、遠くを見る際にも手元を見る際にも使える遠近両用CLを使用する高齢者が非常に増えることが予想される。また、近年、化粧感覚でカラーCLを使用する人が増えており、カラーCLを常用する世代は、高齢者になっても、身なりを整えるためにカラーCLを使用し続けることが予想される。
【0003】
ところが、CLを装着すると、眼表面上の涙液が分断されて、CL上の涙液層が薄くなり不安定化する。このため、エアコンによる乾燥や、長時間、近距離でのVDT作業の影響を受けると、涙液層が簡単に破綻してしまい、見え方が変化又は見え難くなったり、目の乾燥さらにはドライアイの症状が出易くなったりする。涙液の菲薄化や破綻がおこると、CLの状態が変化するため、さらに目の乾きが促進されたり、CLの眼表面への貼り付きや違和感を覚えたり、眼表面とのフィッティング不良が生じやすくなる。フィッティングが悪くなると、CLの視力矯正機能が十分に得られず、見え方が変化したり、見え難くなったりする。また、瞬目時にCLとの摩擦も生じることで、瞬目時の痛みや違和感、不快感を感じ易くなる。さらに、これらの症状により、傷や炎症が眼表面に起きると、CLを装着する際の装着不良や不快感につながる。
特に、高齢者は、加齢によって涙液量が減少しており、またマイボーム腺の働きの低下や閉塞により涙液への油分の分泌が減少しているため、涙液の安定性が低下している。そのため、瞼と眼表面との擦れが生じたり、涙による眼表面の浄化機能が低下して涙液中にほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物が滞り易い状態になっている。従って、高齢者はCL装着時及び装用時の不快感が特に強くなる。CLには、ハードCLとソフトCLがあり、ソフトCLは、より柔らかい素材でできており、異物感を感じ難く、またレンズが眼表面にフィットしてずれ難いというメリットがある。しかし、上記の理由から高齢者は、ソフトCLでさえ若年層に比べてCL装着時及び装用時の不快感が強い。
従って、高齢者がソフトCLを快適に使うことができる眼科組成物が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高齢者がソフトCLを快適に使うことができるソフトCL用の眼科組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、高齢者がソフトCLを使用すると、涙液中に溜まったほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物でソフトCLが硬くなり易く、それによりCL装着時及び装用時のCLのフィッティングが悪くなるため、CL装用による疲労感、眼の乾き、異物感、見え方が変わる、見え難くなるなどの不具合又は不快感を感じるようになることを見出した。
また、高齢者は、涙液中の老廃物でCLと眼球表面との摩擦が大きくなっている一方、加齢に伴う結膜弛緩や涙液の減少や涙液の質の変化のため、眼がCLと擦れ易い状況にあり、これによっても、CL装用による痛み、異物感などの不具合又は不快感が生じるようになることを見出した。
そして、アミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる成分(以下、(A)成分ということもある)の少なくとも1種を含むソフトCL用眼科組成物を使用すれば、ソフトCLが硬くなる(粘弾性が上がる、ごわごわする)のを抑制することができ、また、CLとの摩擦を低減でき、それによりレンズの視力機能を維持することができるため見え方や見え易さを改善することができ、また異物感や眼の乾燥などのCL使用に伴う諸症状を改善して、高齢者が快適にソフトCLを装用できるようになることを見出した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の〔1〕~〔5〕を提供する。
〔1〕 アミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制するためのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
〔2〕 不具合又は不快感が、フィッティング不良、疲労感、目の乾き、異物感、摩擦感、眼表面の傷付き、見え方変化、及び見え難さから選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載の眼科組成物。
〔3〕 使用に伴いソフトコンタクトレンズが硬くなる、ごわごわする、又は弾性が増大するのを抑制するための、ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
〔4〕 使用に伴いソフトCLの摩擦が大きくなるのを抑制するための、ソフトCL用眼科組成物。
〔5〕 ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物にアミノ酸、水溶性高分子化合物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ビタミン類、テルペノイド、HLB10以上の非イオン性界面活性剤、及び油からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含ませることにより、そのソフトコンタクトレンズ用眼科組成物に、加齢に伴うソフトコンタクトレンズ装用時及び/又は装着時の不具合又は不快感を抑制する機能を付与する方法。
【発明の効果】
【0007】
高齢者がソフトCLを使用すると、涙液中に溜まったほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物でソフトCLが硬くなり易く、また加齢による涙液の減少や涙液の質の変化などの目の老化が進むことによりソフトCLと眼との摩擦が大きくなり易く、それによりソフトCLのフィッティングが悪くなり、疲労感、眼の乾き、異物感が生じて、不快感を強く感じるようになったり、見え方や見えやすさが低下するといった不具合が生じる。この点、本発明の眼科組成物をソフトCL装用時に眼に使用したり、ソフトCL保存液などのケア用液として使用すれば、高齢者であってもソフトCLが固くなり難く、フィッティングの低下に伴う異物感、乾燥、疲労感などの不調が抑えられ、またレンズの視力機能が維持されるために見え方や見えやすさを長く維持することができ、ソフトCLを快適に使用することができる。
また、遠近両用ソフトCLとカラーソフトCLは、高齢者が使用すると特に硬くなり易いため、本発明の眼科組成物は、特に遠近両用ソフトCL又はカラーソフトCL用の眼科組成物として適している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の眼科組成物は、加齢に伴うソフトCL装用時の不具合又は不快感を抑制するためのソフトCL用眼科組成物である。
ソフトCLは、イオン性(イオン性モノマー濃度1モル%以上)及び非イオン性(イオン性モノマー濃度1モル%未満)の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルCL及び非シリコーンハイドロゲルCLの双方を包含し、高含水(含水率50%以上)及び低含水(含水率50%未満)の双方を包含する。
また、ソフトCLには、近視用、遠視用、正乱視用、遠近両用、化粧又は装飾用(カラーCL)などの用途のものがあるが、前述した通り、遠近両用のソフトCL及びカラーCLは高齢者が装用した場合に特に硬くなり易く、従って不快感が強く感じられるため、本発明の眼科組成物は、遠近両用ソフトCL用及びカラーCL用の眼科組成物として特に好適である。
【0009】
高齢者は、例えば、55歳以上、60歳以上、65歳以上、又は70歳以上の人とすることができる。また、本発明における高齢者は、前期高齢者(65~74歳)及び後期高齢者(75歳以上)の他、予備高齢者(例えば、55~64歳)も含む。同様に、加齢は、55歳以上、60歳以上、65歳以上、又は70歳以上になることであり得る。この年齢の人は、マイボーム腺の機能低下や閉塞などにより涙液中にほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物が溜まり易く、また涙液が減少や破綻し易いため、本発明の眼科組成物の好適な対象となる。また、高齢者は、ドライアイなどの眼疾患を有している人と、眼疾患を有さない人を含む。
「加齢に伴うソフトCL装用時の不具合又は不快感を抑制する」は「高齢者がソフトCLを快適に使用するための」と言い換えることができる。ソフトCL装用時の不具合又は不快感としては、ソフトCLのフィッティング不良、それに伴う、疲労感、眼の乾き、異物感、眼表面の傷つき、見え方の変化、見え難さなどが挙げられる。「快適に使用する」ことは、ソフトCLを装着時に容易に眼にフィットし違和感や不快感(痛み、異物感など)なく装着できること、ソフトCLを装用時に眼にフィットすること、疲れ難いこと、眼が乾き難いこと、異物感が少ないこと、眼表面が傷つき難いこと、見え方が維持されること、見えやすいことなどを包含する。また、本発明の眼科組成物は、加齢に伴うソフトCLの長時間装用時の不具合又は不快感を抑制するための組成物、又は高齢者が長時間にわたりソフトCLを快適に使用するための組成物であり得る。
また、本発明は、使用に伴いソフトCLが硬くなる(弾性が上がる、ごわごわする)のを抑制するためのソフトCL用眼科組成物、中でも使用に伴い目のほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物によりソフトCLが硬くなる(弾性が上がる、ごわごわする)のを抑制するためのソフトCL用眼科組成物を包含する。これらはさらに高齢者用として好適である。
また、本発明は、使用に伴いソフトCLの摩擦(白目、黒目、結膜との摩擦)が大きくなるのを抑制するためのソフトCL用眼科組成物、中でも使用に伴い目のほこりや眼脂、タンパク質などの老廃物によりCLの摩擦(白目、黒目、結膜との摩擦)が大きくなるのを抑制するためのソフトCL用眼科組成物を包含する。これらはさらに高齢者用として好適である。
【0010】
本発明の眼科組成物は、液状(粘性を有するものを含む)、ゲル状、半固形状(軟膏等)などの性状にすることができる。
本発明の眼科組成物の剤型としては、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤であることが好ましい)、人工涙液(コンタクトレンズ装用中に使用可能な人工涙液であることが好ましい)、洗眼剤(コンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤であることが好ましい)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ保存剤、コンタクトレンズ洗浄剤、コンタクトレンズ洗浄保存剤など)、コンタクトレンズパッケージ液などが挙げられる。本発明の眼科組成物は、コンタクトレンズと何等か接触する態様で使用すればよく、コンタクトレンズ装着時または装用中に適用してもよく、コンタクトレンズ装着前及び又はコンタクトレンズを一時的に外した際に適用してもよい。中でもコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤、コンタクトレンズ装用中に使用可能な人工涙液、コンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤、コンタクトレンズ装着液であることが好ましく、コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤、コンタクトレンズ装用中に使用可能な人工涙液、コンタクトレンズ装着液であることがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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