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公開番号
2025151701
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053254
出願日
2024-03-28
発明の名称
微粒子複合酸化物黄色顔料及びその製造方法
出願人
大日精化工業株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
C01G
49/00 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約
【課題】耐熱性、透明性、及び耐久性に優れる微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法を提供すること。
【解決手段】Fe、Al、及びTiから構成されるシュードブルッカイト型の微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法であって、Alの金属塩とアルカリにて、水中でAlの沈殿を生成して、第一反応液を得る工程と、前記第一反応液と、Fe及びTiの金属塩とアルカリにて、水中で顔料前駆体を生成して、第二反応液を得る工程と、前記顔料前駆体を、濾過し、水洗し、乾燥した後、600℃以上900℃以下の温度で焼成して、微粒子複合酸化物黄色顔料を得る工程と、を備え、前記微粒子複合酸化物黄色顔料の平均一次粒子径が80nm以下である、微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Fe、Al、及びTiから構成されるシュードブルッカイト型の微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法であって、
Alの金属塩とアルカリにて、水中でAlの沈殿を生成して、第一反応液を得る工程と、
前記第一反応液と、Fe及びTiの金属塩とアルカリにて、水中で顔料前駆体を生成して、第二反応液を得る工程と、
前記顔料前駆体を、濾過し、水洗し、乾燥した後、600℃以上900℃以下の温度で焼成して、微粒子複合酸化物黄色顔料を得る工程と、を備え、
前記微粒子複合酸化物黄色顔料の平均一次粒子径が80nm以下である、
微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記微粒子複合酸化物黄色顔料が、各構成金属をそれぞれの酸化物の構成単位に変換し、分割し、これらをFe
2
O
3
、Al
2
O
3
、及びTiO
2
としたとき、Fe
2
O
3
の割合が30質量%以上40質量%以下であり、Al
2
O
3
の割合が20質量%以上30質量%以下であり、TiO
2
の割合が35質量%以上45質量%以下である、請求項1に記載の微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法。
【請求項3】
Fe、Al、及びTiから構成されるシュードブルッカイト型の微粒子複合酸化物黄色顔料であって、
各構成金属をそれぞれの酸化物の構成単位に変換し、分割し、これらをFe
2
O
3
、Al
2
O
3
、及びTiO
2
としたとき、Fe
2
O
3
の割合が30質量%以上40質量%以下であり、Al
2
O
3
の割合が20質量%以上30質量%以下であり、TiO
2
の割合が35質量%以上45質量%以下であり、
前記微粒子複合酸化物黄色顔料の平均一次粒子径が80nm以下である、
微粒子複合酸化物黄色顔料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性、耐熱性、及び耐久性に優れる微粒子複合酸化物黄色顔料、並びに、その製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
顔料は、塗料、インキ、又は建材等の着色剤として様々な場面で使用され、使用範囲が広いものである。それゆえに、使用場面によっては、色ばかりでなく、耐熱性、耐候性、及び耐薬品性等が要求されることもある。無機黄色顔料は、一般的に耐熱性及び耐候性に優れるが、近年は環境問題からCd、Cr、又はPbを含む顔料を控えようとする動きが強くなり、その使用が制限されつつある。過去カドミウムイエロー又は黄鉛等の黄色系の顔料があったが、現在はほとんど使用されなくなっている。複合酸化物系ではチタンイエローがあるが、Cr、Sb、又はNi等の金属が含まれ、これらを含まない顔料が求められている。一方、有機黄色顔料は、鮮明な色相を呈するが、耐熱性は低く、耐候性も弱い顔料が多く、用途によってはその使用が制限されるものである。また、有害金属を含まない黄色顔料としてゲータイト(α-FeOOH)があり、実使用されているが、この顔料は耐熱性が低く、200℃を超えてくると加熱脱水によりヘマタイト(α-Fe
2
O
3
)となり茶褐色に変色してしまう。このことから、用途によっては、使用できない場合がある。この顔料には、微粒子タイプの顔料もあるが、化学構造は同じであるから同様に耐熱性は低い。
このような中、有害金属を含まない耐熱性のある顔料として、Fe
2
TiO
5
(シュードブルッカイト)系の顔料が提案されてきている。しかしながら、これらの顔料は微細なものでもサブミクロンの大きさであり、透明性に優れるようなナノサイズの顔料は見当たらない。
【0003】
従来、Fe、及びTiからなる複合酸化物の黄色顔料について種々の試みがなされている。例えば、特許文献1では、Alが固溶したシュードブルッカイト型と酸化チタンのルチル型との混合物からなる黄色顔料が開示されている。この顔料は、含水酸化チタンに鉄塩、及びアルミニウム塩を添加し、アルカリにて中和した後、焼成して顔料を得られるが、この顔料の粒子径は、サブミクロン領域にあるものである。
特許文献2では、Fe、及びTi以外の種々の金属を含むものであり、シュードブルッカイト構造の顔料が開示されている。しかしながら、この顔料の製造方法は、サブミクロンの原料粉末を混合し、それを1000℃以上の高温で焼成していることから、得られるものは、サブミクロンの顔料であり、透明性に優れるような微粒子の顔料ではないことが想定される。
特許文献3は、Fe、Ti、及びAlからなる顔料もしくは、これにその他の金属を導入した顔料が開示されている。この顔料の製造方法は、原料粉末をメカノケミカル的に処理し、発色、及び着色力に優れる顔料とするものであるが、ここでも得られる顔料は、サブミクロンの顔料であり、サブミクロンよりも微細な微粒子の顔料は得られていない。
非特許文献1では、気相法を用いて微粒子が合成されている。ここでは、TiCl
4
-FeCl
3
を用い、800℃~1250℃での気相反応によりTiO
2
-Fe
2
O
3
系で平均粒子径0.03μm~0.1μmの微粉末を得ている。しかしながら、この微粒子はTiO
2
とFe
2
TiO
5
とαFe
2
O
3
からなり、色調はFe
2
O
3
の混入から赤みの強い顔料であるため、黄色顔料としては使用できるものではなかった。
このように従来技術では、黄色顔料で、耐熱性、透明性、及び耐久性に優れる微粒子顔料は、得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-73224号公報
特開平9-221323号公報
国際公開第2001/070632号
【非特許文献】
【0005】
陶山容子、加藤昭夫、色材、53,1035-1043(1980)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
環境問題の高まりから、有害金属を含まない顔料の開発が望まれ、無機黄色顔料ではFe
2
TiO
5
系シュードブルッカイト型の顔料が提案されてきている。これらは、耐熱性に優れ、耐久性にも優れていることから、塗料又はプラスチックへの着色に応用されてきている。一方、従来の顔料にはない有害金属を含まないこと、耐熱性、及び耐久性の良い点を生かして応用範囲を広げようとして、例えばインクジェットに応用しようとすると、その比重の大きいこと、又は粒子径の大きいこと等から、インクの安定性を持たせることが困難である。塗料では、メタリック塗料用又はクリアー塗料用に応用しようとすると、隠ぺい性が高く、透明性が劣ることから、メタリック感が得られない等の課題がある。また、ガラス又はフィルムへの着色では、透明感のある着色が望まれる場合では、粒子径が小さいとされるサブミクロンの粒子でも隠ぺい性が高く、透明感が得られない等の課題がある。
黄色顔料として、耐熱性、及び耐久性に優れたFeTi系シュードブルッカイト型顔料であるが、その応用範囲を広げようとすると上記のような課題がある。従来技術では、サブミクロンよりも微細な微粒子顔料は得られておらず、試みられても赤みの強いものでしかなく、黄色の顔料として上記のような課題を解決する発色の良好な微粒子の黄色顔料が強く求められている。
【0007】
本発明は、耐熱性、透明性、及び耐久性に優れる微粒子複合酸化物黄色顔料、並びに、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下に示す微粒子複合酸化物黄色顔料及びその製造方法が提供される。
[1] Fe、Al、及びTiから構成されるシュードブルッカイト型の微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法であって、
Alの金属塩とアルカリにて、水中でAlの沈殿を生成して、第一反応液を得る工程と、
前記第一反応液と、Fe及びTiの金属塩とアルカリにて、水中で顔料前駆体を生成して、第二反応液を得る工程と、
前記顔料前駆体を、濾過し、水洗し、乾燥した後、600℃以上900℃以下の温度で焼成して、微粒子複合酸化物黄色顔料を得る工程と、を備え、
前記微粒子複合酸化物黄色顔料の平均一次粒子径が80nm以下である、
微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法。
[2] 前記微粒子複合酸化物黄色顔料が、各構成金属をそれぞれの酸化物の構成単位に変換し、分割し、これらをFe
2
O
3
、Al
2
O
3
、及びTiO
2
としたとき、Fe
2
O
3
の割合が30質量%以上40質量%以下であり、Al
2
O
3
の割合が20質量%以上30質量%以下であり、TiO
2
の割合が35質量%以上45質量%以下である、請求項1に記載の微粒子複合酸化物黄色顔料の製造方法。
[3] Fe、Al、及びTiから構成されるシュードブルッカイト型の微粒子複合酸化物黄色顔料であって、
各構成金属をそれぞれの酸化物の構成単位に変換し、分割し、これらをFe
2
O
3
、Al
2
O
3
、及びTiO
2
としたとき、Fe
2
O
3
の割合が30質量%以上40質量%以下であり、Al
2
O
3
の割合が20質量%以上30質量%以下であり、TiO
2
の割合が35質量%以上45質量%以下であり、
前記微粒子複合酸化物黄色顔料の平均一次粒子径が80nm以下である、
微粒子複合酸化物黄色顔料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、耐熱性、透明性、及び耐久性に優れる微粒子複合酸化物黄色顔料、並びに、その製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例2及び比較例5の黄色顔料のTEM画像を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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