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公開番号2025154039
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056817
出願日2024-03-29
発明の名称流動接触分解触媒及びその製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類B01J 29/08 20060101AFI20251002BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高いガソリン収率で、且つ高いLPGオレフィン性(olefinicity)で、炭化水素の流動接触分解を行うことができる流動接触分解触媒を提供すること。
【解決手段】フォージャサイト型ゼオライト、ベーマイト、結合剤、及び粘土鉱物類を含み、粉末X線回折分析においてA/B≦1.2及びA/C≧0.8を満たす流動接触分解触媒。
〔式中、Aはベーマイトの(020)面に、Bはベーマイトの(120)面に、Cはフォージャサイト型ゼオライトの(331)面にそれぞれ帰属されるXRD回折ピークの積分強度である。〕
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フォージャサイト型ゼオライト、ベーマイト、結合剤、及び粘土鉱物類を含み、
粉末X線回折分析において下記式(1)及び式(2)を満たす流動接触分解触媒。
A/B≦1.2 …(1)
〔式中、Aはベーマイトの(020)面に帰属される回折ピークの積分強度であり、Bはベーマイトの(120)面に帰属される回折ピークの積分強度である。〕
A/C≧0.8 …(2)
〔式中、Aはベーマイトの(020)面に帰属される回折ピークの積分強度であり、Cはフォージャサイト型ゼオライトの(331)面に帰属される回折ピークの積分強度である。〕
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
下記条件下での擬平衡化処理後の前記流動接触分解触媒に対して測定される窒素吸着等温線をt-plot解析することにより求められるマトリックス比表面積が、10~40m
2
/gである、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
擬平衡化処理平衡化処理条件:前記流動接触分解触媒に1000ppmのニッケル及び2000ppmのバナジウムを担持し、次いで780℃で13時間スチーミング処理を施す。
【請求項3】
下記式(3)を満たす請求項1に記載の流動接触分解触媒。
(1-(擬平衡化処理後マトリックス比表面積)/(擬平衡化処理前マトリックス比表面積))×100%≧40% …(3)
〔式中、擬平衡化処理後マトリックス比表面積は、下記条件下での擬平衡化処理後の前記流動接触分解触媒に対して測定される窒素吸着等温線をt-plot解析することにより求められるマトリックス比表面積であり、
擬平衡化処理前マトリックス比表面積は、前記擬平衡化処理前の前記流動接触分解触媒に対して測定される窒素吸着等温線をt-plot解析することにより求められるマトリックス比表面積である。
擬平衡化処理条件:前記流動接触分解触媒に1000ppmのニッケル及び2000ppmのバナジウムを担持し、次いで780℃で13時間スチーミング処理を施す。〕
【請求項4】
下記式(4)を満たす請求項1に記載の流動接触分解触媒。
(擬平衡化処理後マトリックス比表面積)/細孔容積≦120m
2
/ml …(4)
〔式中、擬平衡化処理後マトリックス比表面積は、下記条件下での擬平衡化処理後の前記流動接触分解触媒に対して測定される窒素吸着等温線をt-plot解析することにより求められるマトリックス比表面積であり、
細孔容積は、下記条件下での擬平衡化処理後の前記流動接触分解触媒に対して水銀圧入法によって測定される細孔径4.0~10000nmの細孔の容積である。
擬平衡化処理条件:前記流動接触分解触媒に1000ppmのニッケル及び2000ppmのバナジウムを担持し、次いで780℃で13時間スチーミング処理を施す。〕
【請求項5】
前記ベーマイトがカードハウス構造を形成している、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
【請求項6】
前記ベーマイトが下記特性(i)~(iv)を有するベーマイト結晶凝集体である、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
(i)前記ベーマイト結晶の、X線回析測定における(020)面のピークから算出される結晶子径が10~70nmである。
(ii)前記凝集体の、窒素吸着法により測定される比表面積が40~150m
2
/gである。
(iii)前記凝集体の、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における体積基準のd
50
(メジアン径)が2.0~10μmである。
(iv)前記凝集体のCBD(Compact Bulk Density)が0.20~0.50g/mlである。
【請求項7】
前記ベーマイトのAl
2

3
換算の含有量が5~50質量%である、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
【請求項8】
前記フォージャサイト型ゼオライトが超安定化Y型ゼオライトである、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
【請求項9】
前記フォージャサイト型ゼオライトの含有量が20~40質量%である、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
【請求項10】
希土類金属(RE)を酸化物(RE
2

3
)換算で0.5~3.5質量%含む、請求項1に記載の流動接触分解触媒。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流動接触分解触媒及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
炭化水素油の流動接触分解に用いられる触媒(以下「FCC触媒」又は「流動接触分解触媒」とも記載する。)及びその製造方法として、流動接触分解におけるガソリン留分の収率を高めるなどの目的から、種々の開発がなされている。
【0003】
例えば特許文献1には、炭化水素油の接触分解において、重質留分の分解性を向上させると同時に、コークの生成量を低減させ、且つガソリン収率を向上させて、ガソリン留分を効率良く高収率できる接触分解触媒の提供を目的として、メジアン径が30μm以下であるベーマイト、結晶性アルミノケイ酸塩、シリカゾル由来のケイ素酸化物、及び粘土鉱物を含有する炭化水素油の接触分解触媒が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、接触分解中にニッケルとバナジウムを不動態化するゼオライト系流動接触分解用触媒が開示され、その製造方法について、
最初にカオリンと結合剤と分散性ベーマイトアルミナを含有させておいた微細球から製造される;
次に、標準的なインサイチューYゼオライト成長手順を用いて、この微細球に変換を受けさせることでY含有触媒を生じさせる;
アンモニウムそして希土類カチオンによる交換に加えて適切な焼成によって、ベーマイトから得られる遷移アルミナを含有するFCC触媒を生じさせる;
と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-88137号公報
特表2005-532146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
炭化水素油の流動接触分解で得られるLPGのうち、オレフィン(プロピレン、ブテン類(1-ブテン、2-ブテン、イソブテン))は、石油化学工業の原料として有用であることから、ガソリンと共にこれらのオレフィン類を高い収率で生成させることのできる触媒は、産業上、非常に有用である。
【0007】
そこで本発明は、高いガソリン収率で、且つ高いLPGオレフィン性(olefinicity)(すなわち、炭素数3~4のLPGに占めるプロピレン及びブテン類の割合が高いこと)で、炭化水素の流動接触分解を行うことができるFCC触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る流動接触分解触媒は、
フォージャサイト型ゼオライト、ベーマイト、結合剤、及び粘土鉱物類を含み、
粉末X線回折分析において下記式(1)及び式(2)を満たす。
A/B≦1.2 …(1)
〔式中、Aはベーマイトの(020)面に帰属される回折ピークの積分強度であり、Bはベーマイトの(120)面に帰属される回折ピークの積分強度である。〕
A/C≧0.8 …(2)
〔式中、Aはベーマイトの(020)面に帰属される回折ピークの積分強度であり、Cはフォージャサイト型ゼオライトの(331)面に帰属される回折ピークの積分強度である。〕
【0009】
また、本発明に係る流動接触分解触媒の製造方法は、
下記特性(i)~(iv)を有するベーマイト結晶凝集体を準備する工程(α)、
フォージャサイト型ゼオライト、前記ベーマイト結晶凝集体、結合剤形成成分、及び粘土鉱物類を含む触媒原料スラリーを調製する工程(β)、及び
前記触媒原料スラリーを前記噴霧乾燥して粒子を得る工程(γ)
を含む。
(i)前記ベーマイト結晶の、X線回析測定における(020)面のピークから算出される結晶子径が10~70nmである。
(ii)前記凝集体の、窒素吸着法により測定される比表面積が40~150m
2
/gである。
(iii)前記凝集体の、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における体積基準のd
50
(メジアン径)が2.0~10μmである。
(iv)前記凝集体のCBD(Compact Bulk Density)が0.20~0.50g/mlである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のFCC触媒を用いることにより、高いガソリン収率で、且つ高いLPGオレフィン性(olefinicity)を可能とする、炭化水素の流動接触分解を行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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