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公開番号
2025151533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053019
出願日
2024-03-28
発明の名称
金属酸化物粒子の分散液、塗布液、および膜付基材の製造方法
出願人
日揮触媒化成株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
G02B
1/14 20150101AFI20251002BHJP(光学)
要約
【課題】膜の耐擦傷性を高められる金属酸化物粒子の分散液を提供する。
【解決手段】
本発明による分散液は、光硬化性の官能基をもつ金属酸化物粒子と、光重合開始剤と、有機溶媒と、を含み、金属酸化物粒子の単位表面積に対して、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤のモル数が1.5×10
-26
mol/nm
2
以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
光硬化性の官能基をもつ金属酸化物粒子と、光重合開始剤と、有機溶媒と、を含み、
前記金属酸化物粒子の単位表面積に対して、前記金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤のモル数が1.5×10
-26
mol/nm
2
以上である、
金属酸化物粒子の分散液。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記光重合開始剤が式*の構造であることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
R
3
P=O ・・・式*
ただし、Rは炭化水素基である。Rは同じであっても異なっていてもよい。
【請求項3】
光硬化性の官能基を有する金属酸化物粒子と、光硬化性の官能基を有する有機バインダと、光重合開始剤と、有機溶媒と、を含み、
前記金属酸化物粒子の単位表面積に対して、前記金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤のモル数が1.0×10
-25
mol/nm
2
以上である膜形成用の塗布液。
【請求項4】
塗布液の固形分濃度が0.5~20重量%であり、
塗布液の固形分中の前記金属酸化物粒子の含有量が10~80重量%であり、
塗布液の固形分中の前記有機バインダの含有量が30~90重量%であり、
塗布液の固形分中の前記光重合開始剤の含有量が1~10重量%である請求項3に記載の塗布液。
【請求項5】
金属酸化物粒子の分散液を準備する工程と、
前記金属酸化物粒子に光重合開始剤を付着させる工程と、
前記分散液と有機バインダを混合する工程と、を順に備える膜形成用の塗布液の製造方法。
【請求項6】
前記金属酸化物粒子の単位表面積に対して、前記金属酸化物粒子に1.5×10
-26
mol/nm
2
以上の光重合開始剤を付着させることを特徴とする請求項5に記載の塗布液の製造方法。
【請求項7】
請求項3に記載の塗布液を基材上に塗布することを特徴とする膜付基材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は金属酸化物粒子の分散液に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【0002】
テレビ、スマートフォン、カーナビ等のディスプレイや、メガネ、レンズ等には、機能性の膜を形成するために、金属酸化物粒子の分散液と有機バインダを混合することにより得られた塗布液が用いられている。金属酸化物粒子を配合した膜では、金属酸化物粒子と有機バインダ間に界面が存在するため、摩擦等の外力により膜から金属酸化物粒子が外れ易く、良好な耐擦傷性が得られない。膜の耐擦傷性を高めるために、金属酸化物粒子の表面に光硬化性の官能基を設けて、金属酸化物粒子と有機バインダを結合させることが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-137097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、光硬化性の官能基を介して、金属酸化物粒子と有機バインダを結合させることにより、膜の耐擦傷性を高めている。近年では、タッチパネル型のディスプレイの増加に伴い、ディスプレイ表面への物理的な接触が増えていることもあり、耐擦傷性の高い膜が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、分散液中の金属酸化物粒子にあらかじめ光重合開始剤を付着させることにより、膜の耐擦傷性が高くなることを見出した。この分散液を用いて調製した塗布液中では、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤の量が多くなる。紫外線照射による硬化の際に光重合開始剤を起点に重合が開始するので、金属酸化物粒子表面に付着した光重合開始剤は、金属酸化物粒子と有機バインダの結合に寄与し易くなる。すなわち本発明は、光硬化性の官能基をもつ金属酸化物粒子と、光重合開始剤と、有機溶媒と、を含み、金属酸化物粒子の単位表面積に対して、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤のモル数が1.5×10
-26
mol/nm
2
以上の分散液である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、光硬化性の官能基をもつ金属酸化物粒子と、光重合開始剤と、有機溶媒と、を含む分散液に関し、あらかじめ特定量の光重合開始剤を金属酸化物粒子に付着させている。このとき、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤のモル数と、金属酸化物粒子の表面積(nm
2
)の合計と、の比〔以下、単位付着量と称す〕が1.5×10
-26
mol/nm
2
以上である。このような分散液を塗布液(光硬化性の官能基をもつ有機バインダを含む)に用いることにより、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤を多くすることができる。この塗布液で膜を形成したとき、光重合開始剤を起点に官能基が反応を開始する。そのため、光重合開始剤が金属酸化物粒子に近いほど、金属酸化物粒子が有機バインダに結合し易い。すなわち、光重合開始剤が付着していない金属酸化物粒子よりも、光重合開始剤が付着している金属酸化物粒子の方が有機バインダに結合し易い。ここで、金属酸化物粒子に付着している光重合開始剤の量が多いほど、膜中で金属酸化物粒子と有機バインダの結合数が大きくなり、膜の耐擦傷性が高くなる。そのため、単位付着量は7×10
-26
mol/nm
2
以上が好ましく、10×10
-26
mol/nm
2
以上がより好ましい。なお、有機バインダのそばに存在する光重合開始剤(すなわち、金属酸化物粒子から離れている光重合開始剤)を起点とする反応では、有機バインダ同士が結合し易い。有機バインダの結合が進むと、有機バインダの分子量が大きくなる。そのため、有機バインダは、移動しづらくなり、金属酸化物粒子と結合し難い。
【0007】
光重合開始剤は、リン(P)を含むことが好ましい。Pは金属酸化物粒子表面のOH基に吸着すると考えられるので、光重合開始剤が金属酸化物粒子に付着し易い。P含有光重合開始剤として、ホスフィンオキシド系の光重合開始剤〔以下、ホスフィンオキシドと称す〕がより好ましい。ホスフィンオキシドは以下の式(A)の構造である。
【0008】
R
3
P=O・・・・・・式(A)
Rは炭化水素基である。炭化水素基の炭素原子数は、例えば、1~15である。Rは同じであっても異なっていてもよい。Rとして、フェニル基や、トリメチルベンゾイル基等のフェニル基の誘導体が挙げられる。Rがフェニル基(もしくは、その誘導体)の場合、ホスフィンオキシドが金属酸化物粒子に吸着しやすい。これはフェニル基(もしくは、その誘導体)の電子供与性によるものと考えられる。また、3つのRのうち少なくとも1つはフェニル基が好ましく、3つのRのうち2つがフェニル基であることがより好ましい。フェニル基は膜の耐擦傷性を高め易い。
【0009】
官能基は、アクリレート基、メタアクリレート基、ビニル基、およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの官能基は、金属酸化物粒子を溶媒中に分散させやすくする。アクリレート基、メタアクリレート基は金属酸化物粒子と有機バインダをより結合させやすくするため、より好ましい。
【0010】
官能基をもつ表面処理剤を金属酸化物粒子に結合または吸着させることにより、官能基を金属酸化物粒子表面に設けることができる。表面処理剤としてカップリング剤が挙げられる。カップリング剤は、金属酸化物粒子と有機バインダに結合でき、金属酸化物粒子と有機バインダを結ぶはたらきをする。例えば、アルコキシ基と官能基をもつカップリング剤では、アルコキシ基が金属酸化物粒子表面のOH基と反応し、官能基が有機バインダと結合する。カップリング剤として、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤は金属酸化物粒子の表面に均一に修飾され易い。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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