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公開番号2025138269
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037264
出願日2024-03-11
発明の名称研磨用シリカ系粒子分散液およびその製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 33/14 20060101AFI20250917BHJP(無機化学)
要約【課題】アルミハードディスク仕上げ研磨用途において研磨スラリーとして使用した場合に、平滑性及び平坦性と高い研磨速度を両立できる研磨用シリカ系粒子分散液の提供。
【解決手段】下記の条件を満たすシリカ系粒子群を含む研磨用シリカ系粒子分散液。動的光散乱法による平均粒子径および比表面積換算粒子径が特定範囲内であること。動的光散乱法による平均粒子径と比表面積換算粒子径の比で表される異形度が特定範囲内であること。凹状に窪んだ部分を有するシリカ系粒子の割合が5個数%未満の範囲であること。投影面積相当粒子径が比表面積換算粒子径の1.8倍より大きい粒子の割合が5個数%未満の範囲であること。アスペクト比(長径/短径比)が1.3以上の粒子の割合が8~20個数%の範囲内であること。体積基準粒子径分布を波形分離すると、分離ピークが4つ検出され、それぞれの成分割合が5~40体積%の範囲内であること。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
異形シリカ系粒子および球状シリカ系粒子からなるシリカ系粒子群を含むシリカ系粒子分散液であって、前記シリカ系粒子群が下記[1]~[7]の条件を満たす、研磨用シリカ系粒子分散液。
[1]前記シリカ系粒子群の動的光散乱法による平均粒子径(Dd)が10~50nm、比表面積換算粒子径(De)が6~35nmの範囲内であること。
[2]動的光散乱法による平均粒子径(Dd)と比表面積換算粒子径(De)の比で表される異形度(Dd/De)が1.35~1.65の範囲内であること。
[3]前記シリカ系粒子群の電子顕微鏡写真または画像において、凹状に窪んだ部分を有するシリカ系粒子の割合が5個数%未満の範囲であること。
[4]前記シリカ系粒子群において、画像解析法によるシリカ系粒子の個別投影面積相当粒子径(DF)が比表面積換算粒子径(De)の1.8倍より大きい粒子の割合が5個数%未満の範囲であること。
[5]前記シリカ系粒子群において、画像解析法によるアスペクト比(長径/短径比)が1.3以上2.0以下の範囲の粒子の割合が8~20個数%の範囲内であること。
[6]前記シリカ系粒子群における画像解析法によるシリカ系粒子の個別投影面積相当粒子径のうち最小粒子径と最大粒子径との間の範囲を3等分し、粒子径の小さい方からそれぞれを小粒子範囲、中粒子範囲、大粒子範囲とした場合の各粒子範囲に該当するシリカ系粒子に関する平均周囲長(M)/平均投影面積相当周囲長(N)/平均投影面積相当粒子径(Df)の値((M)/(N)/(Df))が、小粒子範囲で0.04~0.08、中粒子範囲で0.03~0.06、大粒子範囲で0.02~0.05の範囲内であること。
[7]前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離すると、分離ピークが少なくとも4つ検出され、それぞれの成分割合が5~40体積%の範囲内であること。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記シリカ系粒子群の電子顕微鏡写真または画像における長径/短径比の平均値が1.15以上1.25以下の範囲にある請求項1記載の研磨用シリカ系粒子分散液。
【請求項3】
前記シリカ系粒子群の電子顕微鏡写真または画像における平均包絡度が0.90以上0.94以下の範囲にある請求項1又は請求項2記載の研磨用シリカ系粒子分散液。
【請求項4】
濁度が0.01cm
-1
以上0.70cm
-1
以下の範囲にある請求項1又は請求項2記載の研磨用シリカ系粒子分散液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク基板研磨用研磨スラリーあるいは磁気ディスク基板研磨用組成物に好適な研磨用シリカ系粒子分散液と、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
アルミハードディスク用の仕上げ研磨材(研磨用砥粒分散液)においては、研磨処理後の基板表面についての低スクラッチ化の要求に応えるために、その砥粒として真球状で粒子径分布がシャープな研磨粒子が使用されている。しかしながら、このような研磨粒子は、研磨速度が比較的遅いという問題が指摘されている。そのため、近年は高研磨速度で、かつ低スクラッチ化が達成できる砥粒が要望されている。
アルミハードディスク研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカおよびヒュームドアルミナ等が用いられている。アルミハードディスク基板の製造においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であること、および高い研磨速度が求められている。
【0003】
高い研磨速度を得る方法としては、サイズの大きな砥粒を使用することが一般的である。しかし、砥粒の粒子径が大きくなると、研磨後の基板表面の平滑性及び平坦性が悪化する傾向にある。そこで、表面の平滑性及び平坦性を悪化させることなく高い研磨速度を得るために、粒子径を維持しつつ砥粒を非球形とする、つまり砥粒を異形形状の粒子(異形粒子)とすることが有効である事が知られている。異形形状の粒子を得る方法として、特許文献1のように、多孔質シリカゲルをビーズミルなどによって粉砕して異形多孔質ゲルを調製し、この異形多孔質ゲルを珪酸などによって粒子成長させることで、異形度の高い異形形状の粒子を得る方法が知られている。
【0004】
高い研磨速度を得る別の方法としては、特許文献2のように、珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液にハロゲン化アルカリを添加し、ハロゲン化アルカリとシリカのモル比を0.01~0.5として、加熱攪拌し、レイノルズ数が2000~1,000,000の範囲で攪拌しながら酸性珪酸液を添加することで、一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化したシリカ粒子の製造法が知られている。
【0005】
高い研磨速度を得るさらに別の方法としては、特許文献3のように珪酸アルキルを加水分解して得られる加水分解液を、アルカリ触媒及び水を含む液に添加して、混合液のpHを制御することで、屈曲構造及び/または分岐構造をもつ非球形のシリカ粒子、すなわち異形シリカ粒子を得る方法が開示されている。高い研磨速度を得るさらに別の方法としては、特許文献4のように真球型のシリカ粒子と会合型のシリカ粒子を混合する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-177576号公報
特許第6207345号公報
国際公開2010/035613号公報
特開2017-155242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の研磨用組成物は、研磨速度は高いものの、研磨後の基板表面において高い平滑性及び平坦性を得ようとした場合は、異形粒子の粒子径をより小さく調製する必要があった。特許文献1の方法を用いて粒子径を小さくしようとした場合、原料に使用する多孔質シリカゲルを更に小さなサイズに粉砕するために繰り返し粉砕を行う必要がある。繰り返し粉砕を行うことで異形多孔質ゲルのサイズを小さくすることはできるが、同時に異形多孔質ゲルの異形度も低くなる。その結果として、珪酸などにより粒子成長させた後の異形シリカ粒子の異形度も低くなるため、研磨速度が低下するといった問題があった。また、異形多孔質ゲルを所定のサイズに粉砕するためには、何度も繰り返して粉砕を行う必要があるため、非効率で経済的でないという課題もあった。
【0008】
特許文献2に記載のシリカ粒子は、球状のシリカ粒子と比較して研磨速度は高いものの、ハードディスクの仕上げ研磨用途においては、基板の高い平滑性及び平坦性を実現できないという課題があった。
特許文献3に記載のコロイダルシリカは、ケイ酸アルキルを加水分解して得られる加水分解液を用いて屈曲構造及び/または分岐構造を備える粒子が開示されているが、該コロイダルシリカは原料にケイ酸アルキルを用いているため、非常に高価であり経済性が非常に悪く、ハードディスク用途には適用できないという課題があった。さらに筆者らが実際に再現実験を行ったところ、屈曲または分岐構造は得られるものの、ケイ酸アルカリを原料とした異形シリカ粒子と比較すると、粒子の硬さが不足しているためか、研磨速度が著しく遅いという課題もあった。
【0009】
特許文献4には、合成石英ガラス基板の最終研磨工程等に用いるコロイダルシリカ研磨材であって、真球型コロイダルシリカ砥粒と会合型コロイダルシリカ砥粒を含むコロイド溶液を含有してなるコロイダルシリカ研磨材が開示されており、特にコロイダルシリカ研磨材中の会合型コロイダルシリカの会合度を調整することで研磨レートを向上させることができ、従来のコロイダルシリカを用いた研磨よりも早い研磨レート等が得られることを報告している。しかし、平均粒子径が70nm未満の会合型コロイダルシリカは、粒子が球形に近づき十分な研削力が得られずに研磨レートが向上しにくい場合があるとされていた。また、他用途例えば、アルミハードディスクの研磨においては、平均粒子径が40nm以上の研磨粒子を適用した場合、研磨基板上でのスクラッチ発生が生じやすいといった問題があった。
【0010】
本発明は、アルミハードディスク仕上げ研磨用途において研磨スラリーとして使用した場合に、平滑性及び平坦性と高い研磨速度を両立できる研磨用シリカ系粒子分散液およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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