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公開番号
2024096666
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-17
出願番号
2023190968
出願日
2023-11-08
発明の名称
加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理装置及び方法
出願人
北京工業大学
代理人
弁理士法人IPX
主分類
C02F
3/34 20230101AFI20240709BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】曝気エネルギー消費量及び有機炭素源を大幅に減少させ、廃水中の肥窒素肥料、有機汚染物の高度な除去、及びリン資源の回収を実現する養殖廃水処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】装置は、嫌気性加水分解システム2、脱窒アンモニア酸化同期リン回収システム4及びショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システム8を含む。廃水中の高濃度有機物は、嫌気性加水分解プロセスにより微生物に利用されやすい短鎖脂肪酸を生成して有機炭素源とする。高濃度アンモニア窒素廃水が硝酸態窒素を含むショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化放流水と同時に脱窒アンモニア酸化システムにポンプ注入され、一部のアンモニア窒素と硝酸態窒素の同期除去が完了し、ハイドロキシアパタイトを形成して、リンを回収し、放流水が、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムに入り、独立栄養脱窒により処理する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理装置であって、流入水タンク(1)、嫌気性加水分解反応器(2)、第1中間水タンク(3)、脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)、リン回収池(5)、カルシウム塩投与システム(6)、第2中間水タンク(7)、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)、放流水タンク(9)を含み、
嫌気性加水分解反応器(2)は、第1蠕動ポンプ(2.1)、第1流入水口(2.2)、第1サンプリング口(2.5)、第1放流水口(2.8)、第1pH検出口(2.9)、第1溶存酸素検出口(2.10)、第1pH検出器(2.11)、第1溶存酸素検出器(2.12)を含み、脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)は、第2蠕動ポンプ(4.1)、排泥口(4.2)、リンリッチ沈殿領域(4.3)、第2放流水口(4.4)、第2サンプリング口(4.5)、第2流入水口(4.7)、炭素源注入口(4.8)、第1撹拌装置(4.9)、生体膜リッチ領域(4.10)、薬剤投与口(4.11)、第2溶存酸素検出口(4.12)、第2溶存酸素計(4.13)、第3蠕動ポンプ(4.14)、第1排水弁(4.15)を含み、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)は、第4蠕動ポンプ(8.1)、第2排水弁(8.2)、第3サンプリング口(8.4)、第3放流水口(8.5)、第3流入水口(8.6)、第2撹拌装置(8.7)、第2pH検出口(8.8)、第3溶存酸素検出口(8.9)、第2pH検出器(8.10)、第3溶存酸素検出器(8.11)、エアポンプ(8.12)、流量計(8.13)、曝気装置(8.14)を含み、放流水タンク(9)は、第5蠕動ポンプ(9.1)を含み、
流入水タンク(1)は、第1蠕動ポンプ(2.1)を介して嫌気性加水分解反応器(2)の第1流入水口(2.2)に接続され、第1放流水口(2.8)は、第1中間水タンク(3)に接続され、第1pH検出口(2.9)及び第1溶存酸素検出口(2.10)はそれぞれ、第1pH検出器(2.11)及び第1溶存酸素検出器(2.12)に接続され、第1中間水タンク(3)は、第2蠕動ポンプ(4.1)を介して脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)の第2流入水口(4.7)に接続され、第2放流水口(4.4)は、第1排水弁(4.15)を介して第2中間水タンク(7)に接続され、排泥口(4.2)は、リン回収池(5)に接続され、カルシウム塩投与装置(6)は、第3蠕動ポンプ(4.14)を介して薬剤投与口(4.11)に接続され、第2溶存酸素検出口(4.12)は、第2溶存酸素計(4.13)に対応し、第2中間水タンク(7)は、第4蠕動ポンプ(8.1)を介してショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)の第3流入水口(8.6)に接続され、第3放流水口(8.5)は、第2排水弁(8.2)を介して放流水タンク(9)に接続され、エアポンプ(8.12)は、流量計(8.13)を介して曝気装置ヘッド(8.14)に接続され、第2pH検出口(8.8)及び第3溶存酸素検出口(8.9)はそれぞれ第2pH計(8.10)及び第3溶存酸素計(8.11)に接続され、放流水タンク(9)は、第5蠕動ポンプ(9.1)を介して第1中間水タンク(3)に接続されることを特徴とする装置。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の装置を利用して加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リンリ回収の共同による養殖廃水処理を行う方法であって、
嫌気性処理システムの活性汚泥を嫌気性加水分解反応器に接種し、接種した後に、混合液の汚泥濃度(MLVSS)は、5.0~8.0g/Lであり、前記高アンモニア窒素養殖廃水に含まれるアンモニア窒素の質量濃度は600~1000mg/Lであり、廃水の化学的酸素要求量(COD)は6000~15000mg/Lであり、全リン濃度は100~150mg/Lであり、流入水タンクにおける廃水は、嫌気性加水分解反応器に連続的にポンプ注入し、下から上まで加水分解酸性化反応により、水理学的滞留時間(HRT)を1~2dに制御し、放流水は、第1中間水タンクに入り、放流水中のCOD濃度が、1000mg/Lより低く、7日間以上維持する場合、嫌気性加水分解反応器の起動が成功し、放流水CODが600mg/Lより低い場合、嫌気性加水分解反応器HRTを減少させ、HRTが1dに低下して、放流水CODが600mg/Lより低い場合、放流水CODを600mg/L以上にするために、HRTを低下し続けることができ、動作段階に、起動段階の動作パラメータを続けて、嫌気性加水分解システムを動作し続け、即ちHRTを1~2dに制御する、嫌気性加水分解反応器の起動及び動作プロセス(1)と、
汚水場の活性汚泥を脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器に接種し、キャリアフィラーの充填体積比は20~40%であり、接種後にMLVSSは2000~4000mg/Lであり、生体膜上のMLVSSは2000~5000mg/Lであり、嫌気性加水分解反応器における放流水は、第1中間水タンクに入り、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムの放流水も第1中間水タンクに還流し、還流の流量比を制御することにより第1中間水タンクにおけるアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比を調整して1.3~3.0に保持させ、同時に生化学的酸素要求量(BOD
5
)と硝酸態窒素の質量濃度比を2.0~3.5に5日間保持させ、混合液を脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムにポンプ注入し、2.0~4.0h低酸素撹拌し、HRTを4.5~7.5hに保持させ、システムにカルシウム塩を投与し、システムにおけるCa/Pモル比を2.5~5.0にして、ハイドロキシアパタイト沈殿を生成して、リンリッチ沈殿区に集中して、リン回収池に注入し、毎日1~2回にして、リン回収が完了し、脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムにおける流入水pH<7.5の場合、炭酸水素ナトリウムを投与することによりpHを8.0~8.5に調整し、システム総窒素除去≧50%の場合、システムが起動し、総窒素除去率が50%より低く、放流水アンモニア窒素質量濃度が200mg/Lより高い場合、放流水タンクの還流比を向上させる必要があり、第1中間水タンクにおけるアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比はやはり、1.3~3.0の間に保持する必要があり、動作段階に起動成功段階の動作パラメータを続けて使用し、硝化アンモニア酸化同期リン回収システムを動作し続け、即ち流入水のアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比を1.3~3.0、BOD
5
と硝酸態窒素の質量濃度比を2.0~3.5に調整して保持させ、2.0~4.0h低酸素撹拌し、HRTを4.5~7.5hに保持し、Ca/Pモル比は2.5~5.0であり、pHは8.0~8.5である、脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムの起動及び動作プロセス(2)と、
汚水処理場の残りの汚泥及び嫌気性アンモニア酸化顆粒汚泥をショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムに接種し、両者MLVSSの比は1:5~1:3であり、接種した後に、MLVSSは2000~4000mg/lであり、システムにおける流入水アンモニア窒素の質量濃度は100~200mg/Lであり、HRTは8.0~16.0hであり、溶存酸素濃度は0.3~0.8mg/Lであり、システムのアンモニア窒素除去率≧80%且つ7日間以上維持する場合、システムの起動が成功し、動作段階に、起動成功段階の動作パラメータを続けて、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムを動作し続け、即ち流入水アンモニア窒素の質量濃度を100~200mg/L、HRTを8.0~16.0h、溶存酸素濃度0.3~0.8mg/Lkに制御するプロセス(3)と、を含むことを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理技術に関し、汚水生物処理の分野に属する。
続きを表示(約 6,100 文字)
【背景技術】
【0002】
過去30年間で、中国の水産養殖、家畜、家禽養殖産業は急速に発展し、2030年の養殖廃水は150万トンに達すると予想され、大量の養殖廃水が直接排出され、豊富な窒素、リン、および有機物が含まれているため、河川や湖などの自然水域に大面積の水域富栄養化という問題を引き起こし、そのうちリンは、生命体の必要な元素として、替えがきかない重要な位置があり、しかし、リンに対する需要の増加に伴い、グローバルな既存のリン岩の埋蔵量は、今後50~100年で使い果たされる可能性がある。したがって、どのように廃水における高窒素含有量の除去を実現し、同時にリン資源の回収を達成することは、汚水処理プロセスの最適化に対して少なからぬ挑戦を提出した。
【0003】
従来の汚水処理場では、窒素の除去を達成するために、硝化と脱窒のプロセスに大量の外部炭素源を投与する必要があり、これにより汚水処理場の動作コストが大幅に増加し、また、廃水中の高分子有機物は効果的に使用できず、放流水CODの含有量が増加した。嫌気性消化技術は、加水分解酸性化プロセスを介して廃水の高分子有機物を、微生物に使用できる連鎖切断型脂肪酸に変換することができ、その後の硝化および脱窒プロセスのために十分な有機炭素源を提供し、経済的および環境的利益を生み出すことができる。
【0004】
ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化技術は、炭素源に必要がなく、約60%の曝気量を節約し、泥産量が少なく、温室効果ガスN
2
Oをほぼ生じない等の利点を有し、アンモニア窒素から窒素ガスまでの変換を実現できる。2つの段階式のショートカット硝化、嫌気性アンモニア酸化は、機能微生物アンモニア酸化菌(AOB)及び嫌気性アンモニア酸化菌の活性をより容易に調節し、単一の反応器は、AOBと嫌気性アンモニア酸化菌の相乗効果を達成でき、低コストと低エネルギー消費により、より多くの実際の応用価値がある。しかしながら、高アンモニア窒素廃水を処理した後、嫌気性アンモニア酸化プロセスには、高濃度硝酸態窒素を残し、除去できず、この技術的課題では、嫌気性アンモニア酸化をエンドとする処理プロセスは、養殖廃水のような高アンモニア窒素廃水の脱窒素処理を満たすことができないため、より高く要求される脱窒素効果を実現するために、完全のプロセス構造を最適化する必要がある。
【0005】
ショートカット脱窒嫌気性アンモニア酸化プロセスは、脱窒アンモニア酸化(DEAMOX)とも呼ばれ、該技術的ルートは、79%の外部炭素源需要及び45%の曝気エネルギー消費量を節約することができ、C型DEAMOXにおける脱窒菌は、小分子有機物を利用して、硝酸態窒素(NO
3
-
-N)を脱窒中間生成物である亜硝酸性窒素(NO
2
-
-N)に変換することができ、廃水中のアンモニア窒素及び生成したNO
2
-
-Nは、嫌気性アンモニア酸化プロセスにより除去されるが、水中の有機質の存在により、嫌気性アンモニア酸化菌の活性に直接影響を与え、脱窒菌と嫌気性アンモニア酸化菌との間のバランスを破壊しやすいため、完全脱窒が支配的な優位性を占める。生体膜システムの添加により、外部環境要因の影響を高め、脱窒菌は、生体膜の外層において、嫌気性アンモニア酸化菌のために天然の障壁を形成して、安定的、効率的なDEAMOX脱窒素プロセスを達成しやすい。カルシウム塩を投与すると、アルカリ性調節システム環境下で、ハイドロキシアパタイト(HAP)沈殿を形成することができ、同期窒素除去とリン除去により、リン資源の回収を実現するだけでなく、嫌気性アンモニア酸化菌に新しいキャリアを提供することができ、バイオマス保有能力を高める。
【0006】
これに基づき、本発明は、養殖廃水における高濃度のアンモニア窒素、有機物、およびリンを処理するために、嫌気性加水分解、脱窒アンモニア酸化同期リン回収、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化という三次処理ユニット連用技術を革新的に提供する。養殖廃水の高度な脱窒素、有機質の合理的利用及びリン資源回収を実現するために、新しい方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、嫌気性消化加水分解酸産生技術、脱窒アンモニア酸化同期リン回収技術、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化独立栄養脱窒技術に基づき、加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理技術を提供し、汚水の高度な脱窒素及びリン資源の回収と再利用を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は以下の技術的解決手段により実現される。
加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理装置であって、流入水タンク(1)、嫌気性加水分解反応器(2)、第1中間水タンク(3)、脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)、リン回収池(5)、カルシウム塩投与システム(6)、第2中間水タンク(7)、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)、放流水タンク(9)を含み、
嫌気性加水分解反応器(2)は、第1蠕動ポンプ(2.1)、第1流入水口(2.2)、第1サンプリング口(2.5)、第1放流水口(2.8)、第1pH検出口(2.9)、第1溶存酸素検出口(2.10)、第1pH検出器(2.11)、第1溶存酸素検出器(2.12)を含み、脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)は、第2蠕動ポンプ(4.1)、排泥口(4.2)、リンリッチ沈殿領域(4.3)、第2放流水口(4.4)、第2サンプリング口(4.5)、第2流入水口(4.7)、炭素源注入口(4.8)、第1撹拌装置(4.9)、生体膜リッチ領域(4.10)、薬剤投与口(4.11)、第2溶存酸素検出口(4.12)、第2溶存酸素計(4.13)、第3蠕動ポンプ(4.14)、第1排水弁(4.15)を含み、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)は、第4蠕動ポンプ(8.1)、第2排水弁(8.2)、第3サンプリング口(8.4)、第3放流水口(8.5)、第3流入水口(8.6)、第2撹拌装置(8.7)、第2pH検出口(8.8)、第3溶存酸素検出口(8.9)、第2pH検出器(8.10)、第3溶存酸素検出器(8.11)、エアポンプ(8.12)、流量計(8.13)、曝気装置(8.14)を含み、放流水タンク(9)は、第5蠕動ポンプ(9.1)を含み、
流入水タンク(1)は、第1蠕動ポンプ(2.1)を介して嫌気性加水分解反応器(2)の第1流入水口(2.2)に接続され、第1放流水口(2.8)は、第1中間水タンク(3)に接続され、第1pH検出口(2.9)及び第1溶存酸素検出口(2.10)はそれぞれ、第1pH検出器(2.11)及び第1溶存酸素検出器(2.12)に接続され、第1中間水タンク(3)は、第2蠕動ポンプ(4.1)を介して脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器(4)の第2流入水口(4.7)に接続され、第2放流水口(4.4)は、第1排水弁(4.15)を介して第2中間水タンク(7)に接続され、排泥口(4.2)は、リン回収池(5)に接続され、第2溶存酸素検出口(4.12)は、第2溶存酸素計(4.13)に対応し、第2中間水タンク(7)は、第4蠕動ポンプ(8.1)を介してショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化反応器(8)の第3流入水口(8.6)に接続され、第3放流水口(8.5)は、第2排水弁(8.2)を介して放流水タンク(9)に接続され、エアポンプ(8.12)は、流量計(8.13)を介して曝気装置ヘッド(8.14)に接続され、第2pH検出口(8.8)及び第3溶存酸素検出口(8.9)はそれぞれ第2pH計(8.10)及び第3溶存酸素計(8.11)に接続され、放流水タンク(9)は、第5蠕動ポンプ(9.1)を介して第1中間水タンク(3)に接続されることを特徴とする装置。
【0009】
前記装置を利用して加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リンリ回収の共同による養殖廃水処理を行う方法であって、
嫌気性処理システムの活性汚泥を嫌気性加水分解反応器に接種し、接種した後に、混合液の汚泥濃度(MLVSS)は、5.0~8.0g/Lであり、前記高アンモニア窒素養殖廃水に含まれるアンモニア窒素の質量濃度は600~1000mg/Lであり、廃水の化学的酸素要求量(COD)は6000~15000mg/Lであり、全リン濃度は100~150mg/Lであり、流入水タンクにおける廃水は、嫌気性加水分解反応器に連続的にポンプ注入し、下から上まで加水分解酸性化反応により、水理学的滞留時間(HRT)を1~2dに制御し、放流水は、第1中間水タンクに入り、放流水中のCOD濃度が、1000mg/Lより低く、7日間以上維持する場合、嫌気性加水分解反応器の起動が成功し、放流水CODが600mg/Lより低い場合、嫌気性加水分解反応器のHRTを減少させ、HRTが1dに低下して、放流水CODが600mg/Lより低い場合、放流水CODを600mg/L以上にするために、HRTを低下し続けることができ、動作段階に、起動段階の動作パラメータを続けて、嫌気性加水分解システムを動作し続け、即ちHRTを1~2dに制御する、嫌気性加水分解反応器の起動及び動作プロセス(1)と、
汚水場の活性汚泥を脱窒アンモニア酸化同期リン回収反応器に接種し、キャリアフィラーの充填体積比は20~40%であり、接種後にMLVSSは2000~4000mg/Lであり、生体膜上のMLVSSは2000~5000mg/Lであり、嫌気性加水分解反応器における放流水は、第1中間水タンクに入り、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムの放流水も第1中間水タンクに還流し、還流の流量比を制御することにより第1中間水タンクにおけるアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比を調整して1.3~3.0に保持させ、同時に生化学的酸素要求量(BOD
5
)と硝酸態窒素の質量濃度比を2.0~3.5に5日間保持させ、混合液を脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムにポンプ注入し、2.0~4.0h低酸素撹拌し、HRTを4.5~7.5hに保持させ、システムにカルシウム塩を投与し、システムにおけるCa/Pモル比を2.5~5.0にして、ハイドロキシアパタイト沈殿を生成して、リンリッチ沈殿区に集中して、リン回収池に注入し、毎日1~2回にして、リン回収が完了し、脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムにおける流入水pH<7.5の場合、炭酸水素ナトリウムを投与することによりpHを8.0~8.5に調整し、システム総窒素除去≧50%の場合、システムが起動し、総窒素除去率が50%より低く、放流水アンモニア窒素質量濃度が200mg/Lより高い場合、放流水タンクの還流比を向上させる必要があり、第1中間水タンクにおけるアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比はやはり、1.3~3.0の間に保持する必要があり、動作段階に起動成功段階の動作パラメータを続けて使用し、硝化アンモニア酸化同期リン回収システムを動作し続け、即ち流入水のアンモニア窒素と硝酸態窒素の質量濃度比を1.3~3.0、BOD
5
と硝酸態窒素の質量濃度比を2.0~3.5に調整して保持させ、2.0~4.0h低酸素撹拌し、HRTを4.5~7.5hに保持し、Ca/Pモル比は2.5~5.0であり、pHは8.0~8.5である、脱窒アンモニア酸化同期リン回収システムの起動及び動作プロセス(2)と、
汚水処理場の残りの汚泥及び嫌気性アンモニア酸化顆粒汚泥をショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムに接種し、両者MLVSSの比は1:5~1:3であり、接種した後に、MLVSSは2000~4000mg/lであり、システムにおける流入水アンモニア窒素の質量濃度は100~200mg/Lであり、HRTは8.0~16.0hであり、溶存酸素濃度は0.3~0.8mg/Lであり、システムのアンモニア窒素除去率≧80%且つ7日間以上維持する場合、システムの起動が成功し、長期動作の後、システムにおいて、ショートカット硝化と嫌気性アンモニア酸化機能を備えた粒状汚泥が培養により生み出され、動作段階に、起動成功段階の動作パラメータを続けて、ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化システムを動作し続け、即ち流入水アンモニア窒素の質量濃度を100~200mg/L、HRTを8.0~16.0h、溶存酸素濃度を0.3~0.8mg/Lに制御するプロセス(3)と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明により提供される加水分解酸性化と脱窒アンモニア酸化同期リン回収の共同による養殖廃水処理装置及び方法は、以下の利点を有する。
(1)嫌気性消化技術中の加水分解酸性化プロセスは、廃水中に存在する高分子有機物を十分に利用し、短鎖脂肪酸の形式で、電子供与体として、後続の硝酸態窒素還元プロセスに大量の外部炭素源を必要とし、且つ嫌気性アンモニア酸化菌に抑制効果を生成するという問題を解決し、外部炭素源を節約し且つ放流水COD濃度を減らす。
(2)ショートカット硝化カップリング嫌気性アンモニア酸化技術は、曝気エネルギー消費量を節約でき、プロセスに、炭素源なしでショートカット硝化生成物である亜硝酸性窒素及び廃水中のアンモニア窒素から窒素ガス、硝酸態窒素までの変換を実現でき、同時に泥産量が少なく、温室効果ガスの排出を減少させ、生体膜の形成は、嫌気性アンモニア酸化菌の保持を助長し、嫌気性アンモニア酸化脱窒素の安定性を向上させる。
(3)脱窒アンモニア酸化プロセスは、嫌気性加水分解により生成した分解しやすい炭素源を利用して硝酸態窒素を亜硝酸性窒素に還元させ、嫌気性アンモニア酸化プロセスと共同に、効率的に脱窒素し、嫌気性アンモニア酸化により過剰な硝酸窒素を生成するという問題を解決する。脱窒及び嫌気性アンモニア酸化システムにより、ハイドロキシアパタイトを形成し、リンの資源化回収を実現し、このような高濃度廃水の高度な処理及び資源化利用のために新しい手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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