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公開番号2025077396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189562
出願日2023-11-06
発明の名称脱窒処理システム及び脱窒処理方法
出願人株式会社クイックリン
代理人個人
主分類C02F 3/34 20230101AFI20250512BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】脱窒ペレットの表面に産生する石膏等の付着物の発生を抑えた脱窒処理システムの提供。
【解決手段】硝酸性窒素等を含む排水から窒素を除去する脱窒処理を行う脱窒処理システム11であって、脱窒処理を行う硫黄酸化細菌を担持させる担体のペレットを積層したペレット層25を含み、外部から導入された排水をペレット層25を通して窒素を除去した処理水とする処理槽13と、処理槽13に接続され、ペレット層25の脱窒処理の上流側に外部から排水を導入する導入配管18と、ペレット層25の脱窒処理の下流側から処理水をペレット層の脱窒処理の上流側に通流させる循環配管15と、導入配管18及び循環配管15の少なくとも一方の配管に設けられ、配管内部に磁場及び電場を発生させる電磁場発生装置17と、を有する構成である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
硝酸性窒素等を含む排水から窒素を除去する脱窒処理を行う脱窒処理システムであって、
脱窒処理を行う硫黄酸化細菌を担持させる担体のペレットを積層したペレット層を含み、外部から導入された前記排水を前記ペレット層を通して窒素を除去した処理水とする処理槽と、
前記処理槽に接続され、前記ペレット層の脱窒処理の上流側に外部から前記排水を導入する導入配管と、
前記ペレット層の脱窒処理の下流側から前記処理水を前記ペレット層の脱窒処理の上流側に通流させる循環配管と、
前記導入配管及び前記循環配管の少なくとも一方の配管に設けられ、配管内部に磁場及び電場を発生させる電磁場発生装置と、
を有する脱窒処理システム。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記処理槽は、処理槽内の中間部に前記ペレット層を設け、更に前記ペレット層の脱窒処理の下流側である前記ペレット層の上部に前記処理水を濾過する濾過材を設け、
前記導入配管は前記ペレット層の脱窒処置の上流側となる前記処理槽の下部に接続され、
前記循環配管は、前記処理槽の外部に設けられ、一端が前記ペレット層の脱窒処理の下流側となる前記処理槽の上部に、他端が前記ペレット層の脱窒処理の上流側となる前記処理槽の下部にそれぞれ接続される、請求項1に記載の脱窒処理システム。
【請求項3】
前記導入配管には、前記排水を外部から前記処理槽へ導入させる第1のポンプが設けられ、前記循環配管には、前記一端から前記他端に向けて前記処理水を前記ペレット層の下流側から上流側に循環させる第2のポンプが設けられる、請求項1又は2に記載の脱窒処理システム。
【請求項4】
前記電磁場発生装置は、前記配管を巻回するコイル部と、前記コイル部に交流電流を流す電源部と、前記電源部からの交流電流を所定の周波数帯域で、経時的に周波数を変調させる制御部と、を有する請求項1に記載の脱窒処理システム。
【請求項5】
硝酸性窒素等を含む排水から窒素を除去する脱窒処理方法であって、
前記排水を脱窒処理を行う処理槽へ導入する排水導入ステップと、
前記処理槽に導入された排水を、脱窒処理を行う硫黄酸化細菌を担持させる担体のペレットを積層したペレット層を通して窒素を除去して処理水とする排水処理ステップと、
前記処理水を前記処理槽の排水側に循環させる循環ステップと、
前記排水を導入する導入配管及び前記処理水を循環させる循環配管の少なくとも一方の配管に設けられた電磁場発生装置により配管内部に磁場及び電場を発生させる電磁場発生ステップと、
を有する脱窒処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水から硫黄酸化細菌により窒素を除去させる脱窒処理システム及び脱窒処理方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、硫黄及び炭酸塩を含む脱窒用資材(脱窒ペレット)の表面に担持された硫黄酸化細菌によりリアクター内を通流する排水から窒素を除去させる脱窒処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
上記脱窒処理装置は、硫黄酸化細菌が,無酸素条件下で硫黄を酸化しながら硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素を含む硝酸性窒素等を窒素に還元する働きを利用したものである。上記脱窒は、脱窒用資材を含むリアクター内の脱窒用資材層を排水が通過する際に、脱窒用資材層に含まれる硫黄の表面等に生育している硫黄酸化細菌の働きによる硫黄脱窒反応により、硝酸性窒素等を窒素に変化させてリアクターの外部へ排出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021ー79324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記脱窒処理装置によれば、脱窒の活性が高く、脱窒用資材が処理の対象となる水槽に混入することなく、例えば水生生物の長期間の飼育が可能となるものと期待されているが、窒素除去に比例して産生される硫酸イオンの濃度が高くなると、硫黄酸化細菌の活性が低下してしまうという問題がある。更に、硫酸イオンと、脱窒ペレットに含まれる炭酸カルシウムによる、もしくは排水中に含まれるカルシウムイオンと、が結合して石膏(硫酸カルシウム)が析出し、これが脱窒ペレットの表面において結晶化することで、脱窒反応の低下、更には脱窒反応の停止につながることになる。
【0006】
特許文献1の脱窒処理装置で使用する脱窒ペレットは、硫黄と炭酸カルシウムを溶融攪拌して成型したものであるが、石膏の析出という問題を解決するために、上記炭酸カルシウムの代わりに炭酸マグネシウムに変更することが提案されているが、炭酸マグネシウムが非常に高価であり、脱窒システムのイニシャルコストが上昇するという問題が発生し、脱窒ペレットの材料変更は適切ではない。もう一つの解決策として、ペレット自体を非常に細かくして、石膏の結晶固着が生じる前にペレットを消費させるということが考えられるが、ペレットが理論値より早く消耗してしまい、期待される脱窒の効果を奏することができないおそれがある。
【0007】
本発明は、脱窒ペレットの表面に産生する石膏等の付着物の発生を抑えた脱窒処理システム及び脱窒処理方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る脱窒処理システムは、硝酸性窒素等を含む排水から窒素を除去する脱窒処理を行う脱窒処理システムであって、脱窒処理を行う硫黄酸化細菌を担持させる担体のペレットを積層したペレット層を含み、外部から導入された前記排水を前記ペレット層を通して窒素を除去した処理水とする処理槽と、前記処理槽に接続され、前記ペレット層の脱窒処理の上流側に外部から前記排水を導入する導入配管と、前記ペレット層の脱窒処理の下流側から前記処理水を前記ペレット層の脱窒処理の上流側に通流させる循環配管と、前記導入配管及び前記循環配管の少なくとも一方の配管に設けられ、配管内部に磁場及び電場を発生させる電磁場発生装置と、を有する構成である。
【0009】
このような構成によれば、硫黄酸化細菌により排水から窒素を除去する脱窒処理において、導入配管及び循環配管の少なくとも一方の配管に電磁場発生装置を設けているので、排水や処理水に含まれる水分子及び水中の荷電粒子には磁場の影響によりローレンツ力が働き、溶液に大きな流れが生じる(MHD効果)。このような現象から、発生する電場磁場により析出してくる結晶に違いが生じるものと考えられる。すなわち、電場磁場が発生しない場合には単結晶系の結晶であるが、電場磁場が発生した場合には三斜結晶系の結晶であるため、表面が滑らかで滑りやすく、付着しにくいので、ペレット表面における石膏等のスケール付着を抑制し、脱窒処理を継続することができる。電磁場発生装置は、導入配管、循環配管の何れか一方に設けてもよく、また両方の配管に設けてもよい。ただし、循環配管に電磁場発生装置を設けるほうが電場磁場による効果が大きいと考えられる。また、循環配管は脱窒処理の下流側と上流側とを接続させて処理水を循環させるものである。なお、循環配管の途中に処理水を一時的に貯留する処理水貯留槽を設けることで、脱窒処理の水量調整を図り、更に処理水の水質を計測することができる。また、硝酸性窒素等とは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を意味するものである。更に、前記処理槽と他の処理槽との間で処理水を循環させる循環配管を設け、当該循環配管の経路途中に電磁場発生装置と、処理水を循環させるポンプと、を設けることができる。
【0010】
本発明に係る脱窒処理システムにおいて、前記処理槽は、処理槽内の中間部に前記ペレット層を設け、更に前記ペレット層の脱窒処理の下流側である前記ペレット層の上部に前記処理水を濾過する濾過材を設け、前記導入配管は前記ペレット層の脱窒処置の上流側となる前記処理槽の下部に接続され、前記循環配管は、前記処理槽の外部に設けられ、一端が前記ペレット層の脱窒処理の下流側となる前記処理槽の上部に、他端が前記ペレット層の脱窒処理の上流側となる前記処理槽の下部にそれぞれ接続される構成とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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