TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025052708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023161558
出願日2023-09-25
発明の名称層状酸化物の層間への選択的インターカレーション方法、層状化合物構造体の合成方法、及び層状化合物構造体
出願人国立大学法人信州大学
代理人弁理士法人MTI特許事務所
主分類C01G 55/00 20060101AFI20250328BHJP(無機化学)
要約【課題】層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法、その方法で合成する層状化合物構造体の合成方法、及びその合成方法で得られる層状化合物構造体を提供する。
【解決手段】層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法であって、層状ルテニウム酸0.9水和物が有する層間水を1層おきに脱離させた層状ルテニウム酸0.5水和物を合成し(合成工程)、その層状ルテニウム酸0.5水和物において層間水が脱離していない部位で有機種をインターカレーション(インターカレーション工程)するように構成して上記課題を解決する。このとき、有機種はCTAカチオンであることが好ましく、そのCTAカチオンはセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を構成するカチオンであることが好ましい。
【選択図】図2



特許請求の範囲【請求項1】
層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法であって、層状ルテニウム酸0.9水和物が有する層間水を1層おきに脱離させた層状ルテニウム酸0.7水和物を合成し、該層状ルテニウム酸0.5水和物において層間水が脱離していない部位で有機種をインターカレーションする、ことを特徴とする方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記有機種が、CTAカチオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インターカレーションを、セチルトリメチルアンモニウムブロミド水溶液中で行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法で得られた層状酸化ルテニウム構造体を剥離して、2つの酸化ルテニウムナノシートを含む多層ナノシートを製造する、ことを特徴とする層状酸化ルテニウムの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の製造方法で得られた層状酸化ルテニウムナノシートである、ことを特徴とする酸化ルテニウムナノシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法、その方法で合成する層状化合物構造体の合成方法、及びその合成方法で得られる層状化合物構造体に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
層状化合物の層1つに対応するナノシートは、層状化合物を剥離して得ることができ、厚さが原子レベルで横方向サイズがマイクロメートルという高い異方性を示す二次元ナノ材料である。ナノシートは、構成する原子がすべて表面に露出しており、反応に関与できる原子数が多い。ナノシートは、こうした構造上の特性を活かし、熱材料、磁性体、ガスセンサー、光触媒、電極触媒といった用途での研究が進められている。ナノシートを層状化合物から剥離して得るには、かさ高い有機種を層間にインターカレーションする必要がある。インターカレーションした有機種が層間に存在することによって、層間の静電相互作用が弱まり、ナノシートを得ることができる。
【0003】
ナノシートを得るための層状化合物は、層間環境がすべて等しいことが知られているが、非特許文献1では、K型構造の層状酸化ルテニウムを酸処理によりH型に変換し、適切な条件で乾燥させることで、一層おきに水和環境が異なる構造を形成できることが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
K. Fukuda, H. Kato, J. Sato, W. Sugimoto and Y. Takasu, Swelling, intercalation, and exfoliation behavior of layered ruthenate derived from layered potassium ruthenate, J. Solid State Chem., 182, 2997(2009).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1では、層状酸化ルテニウムを酸処理して一層おきに水和環境が異なる構造に変換できることが報告されている。層間環境がすべて等しい層状化合物において、層間の構造が変化するように有機種のインターカレーションを選択的に起こすことができれば、剥離し易い部位が選択的に存在する新しい層状化合物構造体を得ることができることになる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法、その方法で合成する層状化合物構造体の合成方法、及びその合成方法で得られる層状化合物構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る方法は、層状酸化物の層間で選択的にインターカレーションを行う方法であって、層状ルテニウム酸0.9水和物が有する層間水を1層おきに脱離させた層状ルテニウム酸0.5水和物を合成し、該層状ルテニウム酸0.5水和物において層間水が脱離していない部位で有機種をインターカレーション(インターカレーション工程)する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、層状ルテニウム酸0.5水和物において層間水が脱離していない部位で有機種をインターカレーションすることができる。そうしたインターカレーションは、水の入り方が異なる層状酸化物の構造(ステージ構造ともいう。)を維持したままで実現できる。こうして得られた層状酸化ルテニウム構造体は、剥離し易い部位が選択的に存在する新しい層状化合物構造体であるので、任意の多層ナノシートを得るための前駆物質として極めて有望である。
【0009】
本発明に係る方法において、前記有機種が、CTAカチオンであることが好ましい。
【0010】
この発明によれば、層間水が脱離していない部位にCTAカチオンをインターカレーションすることができる。CTAカチオンは、第四級アンモニウムカチオンであるセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を構成するカチオンである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

国立大学法人信州大学
二次電池
1か月前
国立大学法人信州大学
流体デバイス
6日前
セイコーエプソン株式会社
固体電解質
20日前
国立大学法人信州大学
水分解光触媒シート、その製造方法および水分解装置
1か月前
信越化学工業株式会社
Y2Ti2O5S2の製造方法
6日前
国立大学法人信州大学
気体貯蔵材、及びその製造方法、並びに、気体貯蔵方法
15日前
新日本電工株式会社
カラム型水処理装置及び水処理方法
1か月前
株式会社チャーリーラボ
シルクフィブロイン管状体
8日前
セイコーエプソン株式会社
ガーネット型結晶および前駆体溶液
1か月前
国立大学法人信州大学
リポソーム製造用基板およびその製造方法、ならびにリポソームの製造方法
1か月前
三和油化工業株式会社
酸化グラフェンの製造方法
1か月前
三和油化工業株式会社
酸化グラフェンの製造方法
1か月前
NT&I株式会社
コーティング剤、コーティング膜、物品、方法、及び製造方法
1か月前
国立大学法人信州大学
不織布補強固体電解質シート、全固体電池、及び不織布補強固体電解質シートの製造方法
15日前
国立大学法人信州大学
ベッドマットレスの沈み込み量推定方法、選定支援方法、沈み込み量推定システム、選定支援システム、沈み込み量推定プログラム、および、選定支援プログラム
2か月前
デンカ株式会社
無機質粉末
14日前
株式会社タクマ
アンモニア改質燃焼システム
15日前
株式会社タクマ
アンモニア改質燃焼システム
27日前
株式会社日本触媒
炭素材料粒子およびその製造方法
26日前
株式会社トクヤマ
シリカ粉末、樹脂組成物、及び基板。
9日前
ジカンテクノ株式会社
炭素素材の製造方法
23日前
大陽日酸株式会社
窒素ガス精製装置
8日前
吉澤石灰工業株式会社
吸湿剤及び吸湿剤の製造方法
2日前
御国色素株式会社
導電性炭素材料分散液及びその製造方法
27日前
ダイハツ工業株式会社
水素製造装置
8日前
河合石灰工業株式会社
鱗片状ベーマイト造粒体及びその製造方法
19日前
任彩國際股ふん有限公司
遠赤外線放射材料及びその製造方法
14日前
セトラスホールディングス株式会社
酸化マグネシウム
27日前
セトラスホールディングス株式会社
酸化マグネシウム
27日前
株式会社豊田中央研究所
水素貯蔵システム
2日前
株式会社豊田中央研究所
水素貯蔵システム
2日前
株式会社豊田中央研究所
水素貯蔵システム
2日前
東亞合成株式会社
水酸化カリウムの製造方法
2日前
出光興産株式会社
ハロゲン化リチウムの製造方法
16日前
日本メディア株式会社
水素ガスの製造方法及び製造装置
1日前
河西工業株式会社
多孔質体の製造方法及び多孔質体
26日前
続きを見る