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公開番号2025054489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023163552
出願日2023-09-26
発明の名称水素検出用素子および水素検出装置
出願人TOPPANホールディングス株式会社,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人第一国際特許事務所
主分類G01N 21/41 20060101AFI20250331BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、水素検出用素子においてコストを抑えつつ水素吸蔵時間(応答速度)が向上する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の水素検出用素子は、基板上に水素吸蔵金属膜からなる所定の形状および大きさのメタ構造体を所定のピッチで周期的に配置した電磁メタマテリアルであって、ピッチが1、000nm以下であり、入射電磁波の反射、透過、または吸収スペクトルを制御するものである。水素吸蔵金属膜には貴金属が配合されないことを特徴とし、水素吸蔵金属としてパラジウムを用いることができる。さらに入射波のスペクトルは、可視光から近赤外光をとることができる。さらに本発明は、上述した水素用検出素子と、入射電磁波を出射可能な光源部と、水素検出用素子を反射または透過した光を受光する受光部と、受光部の受光結果に基づいて水素を検出する検出部と、を備える水素検出装置も提供するものである。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に水素吸蔵金属膜からなる所定の形状および大きさのメタ構造体を所定のピッチで周期的に配置した電磁メタマテリアルであって、前記ピッチが1、000nm以下であり、入射電磁波の反射、透過、または吸収スペクトルを制御する水素検出用素子。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記水素吸蔵金属膜には貴金属が配合されないことを特徴とする、請求項1に記載の水素検出用素子。
【請求項3】
前記水素吸蔵金属膜にはパラジウムが含まれる、請求項2に記載の水素検出用素子。
【請求項4】
前記入射電磁波のスペクトルは、可視光から近赤外光であることを特徴とする、請求項1に記載の水素検出用素子。
【請求項5】
前記水素吸蔵金属膜の厚さが1.0μm以下である、請求項1~4のいずれか一つに記載の水素検出用素子。
【請求項6】
前記メタ構造体が、一の正方形の前記水素吸蔵金属膜で構成されている、請求項1~4のいずれか一つに記載の水素検出用素子。
【請求項7】
前記メタ構造体が、異なる大きさの長方形の前記水素吸蔵金属膜の組み合わせで構成されている、請求項1~4のいずれか一つに記載の水素検出用素子。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一つに記載の水素用検出素子と、前記入射電磁波を出射可能な光源部と、前記水素検出用素子を反射または透過した光を受光する受光部と、前記受光部の受光結果に基づいて水素を検出する検出部と、を備える水素検出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素検出用素子および水素検出装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素を排出しない新しいエネルギー源としての水素の利用が注目を集めており、その市場は世界的に拡大するとされている。しかし、水素が可燃性ガスであることや水素に対する社会的な認知度の低さに起因する安全上の課題、または水素を利用する環境がまだ発展途上であることや水素自体が高価であることに起因する価格の課題などが水素関連産業の障害となっている。解決手段の一つとして、高精度で高安全性、かつ安価な水素検出技術の開発が挙げられる。
【0003】
従来の水素検出手段は、接触燃焼方式や半導体方式が多く用いられてきた。しかし、これらの方式は、センサ部に電気的な接点が存在するために発火の危険が伴い防爆の対策が必要になる、また加熱が必要なため電力消費が大きく有線でつなぐための工事が必要になるという欠点がある。そこで、上記のような欠点がなく、安全性が高いことと加熱が不要なことからセンサ部が全て光学系で構成される水素検出の方式が研究されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、水素感応調光ミラーを用いて、その水素化に伴う光の反射率や透過率の変化を検出することにより水素を検出する技術が記載されている。また、特許文献2には、水素吸蔵金属であるパラジウム(Pd)の薄膜に周期的な開口を形成して構成した電磁メタマテリアルからなる表面プラズモン共鳴素子を利用して、その水素吸蔵に伴う光周波数特性の変化を検出することにより水素を検出する技術が記載されている。特許文献3もパラジウムで電磁メタマテリアルを構成し、水素吸蔵前後のスペクトル変化で水素を検出する技術が記載されている。
【0005】
電磁メタマテリアルはメタマテリアルのもつメタ原子・メタ分子などと呼ばれるメタ構造体を所定ピッチの周期で配置する微細構造により電磁波の吸収、透過、反射などを精密に制御できる技術である。金属(または負の誘電率をもつ物質)で、使用する電磁波の波長より小さい周期的な構造を作製し、表面プラズモン共鳴により任意の波長の電磁波の透過や反射を制御することができる。さらに使用する金属の屈折率により性質が大きく変化する特徴を有する。図1は、電磁メタマテリアルによる水素検出用素子の概念図である。電磁メタマテリアルで用いる金属にPdなどの水素吸蔵金属を用いると、水素存在下でPd内に水素が吸蔵されると屈折率が変化し表面プラズモン共鳴波長(吸収ピーク波長)がシフトすることから(図1の例では860nmから930nmにシフト)、水素の存在を検知することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-265590号公報
国際公開第2011/027899号
特許第6775236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電磁メタマテリアルを用いた水素検知技術において水素吸蔵時間(応答速度)の向上に関する課題認識は特許文献2のように必ずしも十分でない。特許文献3では、応答速度の向上のため水素吸蔵金属に金などの貴金属を配合する必要があり、製造工程が増える、高価になるという課題がある。さらに、使用する電磁波の波長が3~6μmほどであり、これを検出するには特殊な分光器が必要なことからセンサ自体が高価になると考えられる。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、水素検出用素子においてコストを抑えつつ水素吸蔵時間(応答速度)が向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の水素検出素子の一つは、基板上に水素吸蔵金属膜からなる所定の形状および大きさのメタ構造体を所定のピッチで周期的に配置した電磁メタマテリアルであって、前記ピッチが1、000nm以下であり、入射電磁波の反射、透過、または吸収スペクトルを制御するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水素検出用素子においてコストを抑えつつ水素吸蔵時間(応答速度)を向上させることが可能となる。例えば、水素吸蔵金属に貴金属を配合しなくても、水素の吸蔵にかかる時間(応答速度)が10秒台で、しかも安価な分光器で測定可能な波長帯域である可視光から近赤外光の検出光で高精度に検出可能な水素検出用素子を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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