TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025058597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168622
出願日2023-09-28
発明の名称匣鉢
出願人日本碍子株式会社
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類F27D 3/12 20060101AFI20250402BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】リチウム正極材の粉体を効率よく熱処理する技術を提供する。
【解決手段】匣鉢は、箱状のセラミック部と箱状の金属部とを備えている。セラミック部は、外底面部と、外底面部から上方に突出する外側壁部と、を備えている。金属部は、内底面部と、内底面部から上方に突出する内側壁部と、を備えており、セラミック部の内部に着脱可能に配置される。常温の状態で金属部がセラミック部の内部に配置されたときに、外側壁部と内側壁部との間にはクリアランスが形成されている。外側壁部は、上端から下端に向かって窪む一対の凹部を少なくとも備えている。金属部を平面視したときに、一対の凹部は、金属部の中心を挟んで対向する位置に設けられている。金属部は、内側壁部の上端から外側に向かって延びる一対の鍔部を少なくとも備えている。金属部がセラミック部の内部に配置されたときに、一対の鍔部は一対の凹部内に位置している。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
リチウム正極材の粉体を収容した状態で熱処理炉内に配置されて前記粉体を熱処理するための匣鉢であって、
外底面部と、前記外底面部から上方に突出する外側壁部と、を備えており、上方が解放され、かつ、セラミックで形成される箱状のセラミック部と、
内底面部と、前記内底面部から上方に突出する内側壁部と、を備えており、上方が解放され、かつ、前記セラミック部の内部に着脱可能に配置される箱状の金属部と、を備えており、
常温の状態で前記金属部が前記セラミック部の内部に配置されたときに、前記外側壁部と前記内側壁部との間にはクリアランスが形成されており、
前記外側壁部は、上端から下端に向かって窪む一対の凹部を少なくとも備えており、
前記金属部を平面視したときに、前記一対の凹部は、前記金属部の中心を挟んで対向する位置に設けられており、
前記金属部は、前記内側壁部の上端から外側に向かって延びる一対の鍔部を少なくとも備えており、
前記金属部が前記セラミック部の内部に配置されたときに、前記一対の鍔部は前記一対の凹部内に位置している、匣鉢。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記金属部は、少なくとも表面がアルミニウムを含有する金属で形成されている、請求項1に記載の匣鉢。
【請求項3】
前記金属部は、アルミニウムを含有するニッケル基合金で形成されている、請求項1に記載の匣鉢。
【請求項4】
前記セラミック部と前記金属部は、平面視すると矩形状を有しており、
前記外側壁部は、一対の第1外側壁部と、前記一対の第1外側壁部と直交する一対の第2外側壁部と、を備えており、
前記内側壁部は、一対の第1内側壁部と、前記一対の第1内側壁部と直交する一対の第2内側壁部と、を備えており、
前記金属部が前記セラミック部の内部に配置されたときに、前記一対の第1外側壁部と前記一対の第1内側壁部とが平行となると共に、前記一対の第2外側壁部と前記一対の第2内側壁部とが平行となり、
前記セラミック部の熱膨張率をa、前記金属部の熱膨張率をb、前記匣鉢内の粉体を熱処理するときの最高温度をTとしたときに、
前記第1外側壁部と前記第1内側壁部との間に形成されるクリアランスは、前記第1外側壁部の内寸をL1o、前記第1内側壁部の外寸をL1iとすると、(L1i×b×T)-(L1o×a×T)より大きくされており、
前記第2外側壁部と前記第2内側壁部との間に形成されるクリアランスは、前記第2外側壁部の内寸をL2o、前記第2内側壁部の外寸をL2iとすると、(L2i×b×T)-(L2o×a×T)より大きくされている、請求項1に記載の匣鉢。
【請求項5】
前記金属部が前記セラミック部の内部に配置されたときに、前記内底面部は、前記外底面部に接触している、請求項1に記載の匣鉢。
【請求項6】
前記金属部が前記セラミック部の内部に配置されたときに、前記鍔部の上面は、前記外側壁部の上端より下方に位置している、請求項1に記載の匣鉢。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、リチウム正極材の粉体を熱処理する際に用いる匣鉢に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
熱処理炉(例えば、ローラハースキルン等)を用いて、リチウム正極材の原料となる粉体を熱処理することがある。リチウム正極材の粉体(以下、単に粉体ともいう)を熱処理炉内で熱処理する際には、粉体を匣鉢に収容し、粉体が収容された匣鉢を熱処理炉内で搬送させる。リチウム正極材の粉体を熱処理するための温度は高温であるため、一般的には、粉体は高い耐熱性を有するセラミックで形成された匣鉢内に収容される。しかしながら、近年では、金属製の匣鉢を用いて粉体を熱処理する技術が開発されている。金属製の匣鉢は、熱伝導率が高いため、熱処理炉で熱処理する際に、匣鉢内に収容された粉体を効率良く加熱して熱処理することができる。例えば、特許文献1には、金属製の匣鉢の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-137814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粉体を熱処理する際の生産性を向上させるために、熱処理炉で熱処理する際には、匣鉢を上下方向に複数重ねることがある。しかしながら、金属製の匣鉢は、垂直荷重に対する耐久性が低いため、上下方向に複数重ねることが難しいという問題があった。
【0005】
本明細書は、リチウム正極材の粉体を効率よく熱処理する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する技術の第1の態様では、匣鉢は、リチウム正極材の粉体を収容した状態で熱処理炉内に配置されて粉体を熱処理するための匣鉢である。匣鉢は、箱状のセラミック部と、箱状の金属部と、を備えている。セラミック部は、外底面部と、外底面部から上方に突出する外側壁部と、を備えており、上方が解放され、かつ、セラミックで形成される。金属部は、内底面部と、内底面部から上方に突出する内側壁部と、を備えており、上方が解放され、かつ、セラミック部の内部に着脱可能に配置される。常温の状態で金属部がセラミック部の内部に配置されたときに、外側壁部と内側壁部との間にはクリアランスが形成されている。外側壁部は、上端から下端に向かって窪む一対の凹部を少なくとも備えている。金属部を平面視したときに、一対の凹部は、金属部の中心を挟んで対向する位置に設けられている。金属部は、内側壁部の上端から外側に向かって延びる一対の鍔部を少なくとも備えている。金属部がセラミック部の内部に配置されたときに、一対の鍔部は一対の凹部内に位置している。
【0007】
上記の匣鉢では、セラミック部の内部に金属部が配置されるため、匣鉢に粉体を収容すると、粉体は金属部に接触する。このため、粉体を効率良く加熱できる。また、金属部の外側にセラミック部が配置されるため、セラミック部で垂直荷重を受けることで垂直荷重に対する耐久性が高くなる。このため、匣鉢を上下方向に複数重ねることができる。これらの特徴により、生産性を向上させることができる。また、金属部は、セラミック部の内部に着脱可能に配置されており、金属部の鍔部がセラミック部の凹部内に位置している。匣鉢から熱処理後の粉体を回収する際には、例えば、匣鉢を反転させて収容する粉体を落下させて回収することができる。例えば、金属部をセラミック部に接着してしまえば、匣鉢を反転させたときに金属部が落下することを防止できる一方で、匣鉢を廃棄する際は、再利用可能な金属部を匣鉢から取り外すことが難しくなる。金属部の鍔部がセラミック部の凹部内に位置することによって、鍔部が位置する部分で匣鉢を把持して反転させれば、金属部が落下することを防止できる。このため、金属部の鍔部がセラミック部の凹部内に位置していることによって、金属部をセラミック部に接着させなくても、金属部が落下しないように匣鉢を容易に反転できる。このため、粉体の回収を容易にできると共に、再利用する際には金属部をセラミック部から容易に取り外すことができる。また、金属はセラミックより熱膨張率が高いため、匣鉢が熱処理条件下に置かれたとき(例えば、熱処理炉内に配置されたとき)に、セラミックより金属のほうが大きく膨張し易い。セラミック部の側面と金属部の側面との間にクリアランスが形成されていることによって、セラミック部の内部に位置する金属部が膨張しても、金属部によってセラミック部が破損することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例に係る匣鉢の上面図。
実施例に係る匣鉢の側面図。
図1のIII-III線における断面図。
実施例に係る匣鉢の各部の寸法を説明するための図。
実施例1、2及び比較例1~5の匣鉢を用いて粉体を熱処理したときに、匣鉢及び粉体に生じる影響を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
本明細書に開示する技術の第2の態様では、上記の第1の態様において、金属部は、少なくとも表面がアルミニウムを含有する金属で形成されていてもよい。このような構成によると、金属部の表面にアルミニウムを含有する金属が配置される。これにより、匣鉢が熱処理条件下に置かれたとき(例えば、熱処理炉内に配置されたとき)に、金属部の表面にアルミナ被膜が形成される。これにより、熱処理中に匣鉢内の粉体により金属部が酸化することを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本碍子株式会社
匣鉢
25日前
日本碍子株式会社
ガスセンサ
24日前
日本碍子株式会社
プロトン伝導性材料
2日前
日本碍子株式会社
プロトン伝導性材料
2日前
日本碍子株式会社
車両用空調システム
6日前
日本碍子株式会社
除湿機用吸湿デバイス及び除湿機
6日前
日本碍子株式会社
静電チャックおよびサセプタ
4日前
日本碍子株式会社
複合基板および複合基板の製造方法
10日前
個人
屑鉄の大量溶解装置
7か月前
キヤノン電子株式会社
焼成炉
7か月前
株式会社プロテリアル
スラグ除滓装置
4か月前
サンファーネス株式会社
熱処理炉
7か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
7か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
7か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
7か月前
ファーネス重工株式会社
熱風循環炉
17日前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
7か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
26日前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
18日前
中外炉工業株式会社
連続式熱処理炉
9か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
26日前
成都大学
合金粉末酸化防止熱処理装置
1か月前
株式会社不二越
圧力制御システム
2日前
大同特殊鋼株式会社
溶解炉
5か月前
三菱重工業株式会社
炉設備
1か月前
トヨタ自動車株式会社
ノロ取りシステム
9か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理炉
8か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
7か月前
大同特殊鋼株式会社
昇降扉の落下防止装置
10か月前
株式会社神戸製鋼所
等方圧加圧装置
11か月前
大同特殊鋼株式会社
坩堝スカムの除去方法
7か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
7か月前
住友金属鉱山株式会社
水冷ジャケット
6か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理設備
3か月前
株式会社エス.ケーガス
電気式連続型焼付炉
11か月前
株式会社島川製作所
バッチ式ロータリーキルン
5か月前
続きを見る