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公開番号2025086168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023200049
出願日2023-11-27
発明の名称熱交換器
出願人日本碍子株式会社
代理人弁理士法人松阪国際特許事務所,個人,個人,個人
主分類F28D 7/16 20060101AFI20250530BHJP(熱交換一般)
要約【課題】熱交換部材の大型化を抑制しつつ第1流体と第2流体との熱交換を効率良く行う。
【解決手段】熱交換器7は、複数の熱交換部材5と、外壁部6とを備える。複数の熱交換部材5はそれぞれ、ハニカム構造体1の外周面を筒状の被覆部4にて覆った構造体である。ハニカム構造体1は、筒状の外周壁と、外周壁の内部空間を区画して軸方向に延びる隔壁と、を有する。隔壁は、第1流体が流れる複数のセルを形成する。複数の熱交換部材5は、軸方向の同じ位置に並列配置される。外壁部6は、複数の熱交換部材5の外周面から外側に離間した状態で複数の熱交換部材5の外周面を覆うことにより、複数の熱交換部材5の外周面との間に、第1流体と熱交換を行う第2流体が流れる第2流路70を形成する。これにより、熱交換部材5の大型化を抑制しつつ、第1流体と第2流体との熱交換を効率良く行うことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
熱交換器であって、
それぞれが、筒状の外周壁と前記外周壁の内部空間を区画して軸方向に延びるとともに第１流体が流れる複数のセルを形成する隔壁とを有するハニカム構造体の外周面を筒状の被覆部にて覆った構造体であり、前記軸方向の同じ位置に並列配置される複数の熱交換部材と、
前記複数の熱交換部材の外周面から外側に離間した状態で前記複数の熱交換部材の前記外周面を覆うことにより、前記複数の熱交換部材の前記外周面との間に前記第１流体と熱交換を行う第２流体が流れる流路を形成する外壁部と、
を備える熱交換器。
続きを表示（約 1,400 文字）【請求項２】
請求項１に記載の熱交換器であって、
前記流路は、各ハニカム構造体の全長に亘って設けられる熱交換器。
【請求項３】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
各ハニカム構造体の上流側の端部における前記流路の断面積は、前記各ハニカム構造体の他の部位における前記流路の断面積よりも大きい熱交換器。
【請求項４】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
前記流路は、前記複数の熱交換部材の上流側の端部または下流側の端部を一体的に囲むとともに前記第２流体を一時的に貯留する第２流体バッファ部を備え、
前記第２流体は、前記第２流体バッファ部から前記複数の熱交換部材のそれぞれの周囲に分割して供給される熱交換器。
【請求項５】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
前記流路は、
前記複数の熱交換部材の前記軸方向の一方側の端部から前記軸方向の中央までを一体的に囲む前部流路と、
前記前部流路と仕切壁を介して前記軸方向において隣接し、前記複数の熱交換部材の前記軸方向の他方側の端部から前記軸方向の中央までを一体的に囲むとともに、前記前部流路との間に設けられた連通口を介して前記前部流路から前記第２流体が流入する後部流路と、
を備え、
前記連通口は、前記仕切壁が設けられる前記軸方向の位置において前記軸方向に垂直な所定方向の一方側の端部に設けられ、
前記第２流体は、前記前部流路の前記所定方向の他方側の端部から前記前部流路に供給され、
前記第２流体は、前記後部流路の前記所定方向の他方側の端部から前記後部流路の外部へと排出される熱交換器。
【請求項６】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
前記複数の熱交換部材の上流側に配置されて前記複数の熱交換部材に前記第１流体を供給する第１流体供給部をさらに備え、
前記第１流体供給部は、前記第１流体を一時的に貯留して前記複数の熱交換部材に分割して供給する第１流体バッファ部を備え、
前記流路は、前記第１流体バッファ部に隣接する補助流路を備え、
前記第１流体バッファ部内の前記第１流体と前記補助流路を流れる前記第２流体との熱交換が行われる熱交換器。
【請求項７】
請求項６に記載の熱交換器であって、
前記第１流体供給部は、前記第１流体バッファ部に前記第１流体を供給する第１流体供給管をさらに備え、
前記補助流路は、前記第１流体バッファ部を挟んで前記第１流体供給管の供給口と前記軸方向に対向する熱交換器。
【請求項８】
請求項６に記載の熱交換器であって、
前記補助流路は、前記第１流体バッファ部の内部空間の周囲を囲む熱交換器。
【請求項９】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
前記ハニカム構造体の前記複数のセルは、前記外周壁の内周面に沿って周状に配置されており、前記複数のセルの内側の空間は、前記ハニカム構造体の前記軸方向の端部において閉塞される熱交換器。
【請求項１０】
請求項１または２に記載の熱交換器であって、
前記複数の熱交換部材の前記ハニカム構造体は、セラミックスを主成分とする熱交換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、熱交換器に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、自動車の燃費向上が求められている。例えば、エンジン始動時等のエンジン温度が低い状態での燃費向上のため、エンジンオイルやオートマチックトランスミッションフルード（ＡＴＦ）等を迅速に昇温し、摩擦損失を低減する技術が求められている。また、排ガス浄化用触媒の早期活性化のために、触媒を迅速に昇温する技術も求められている。自動車以外においても、金属工場、窯業工場、パルプ紙業工場、化学工場、食品工場等の各種工場において、カーボンニュートラルに向けたＣＯ
２
削減および省エネ対策の観点から、排ガス、温水、蒸気等に含まれる熱エネルギーを有効利用することが求められている。
【０００３】
これらの技術的要求に応えるために、例えば、熱交換器が利用されている。当該熱交換器では、高温の流体（例えば、排ガス）から熱が回収され、低温の流体（例えば、冷却水）に付与される。冷却水等に付与された熱は、上述のような様々な目的に利用される。
【０００４】
このような熱交換器として、例えば、第１流体の流路となる複数のセルを有する柱状のハニカム構造体と、当該ハニカム構造体の外周壁面に嵌合される内筒部材と、当該内筒部材の径方向外側に、第２流体の流路を構成するように間隔をおいて配置される外筒部材と、を備える熱交換器が提案されている（特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２１－４２９２２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、特許文献１のような熱交換器において熱回収量を増大させようとすると、熱交換部材であるハニカム構造体を大型化する必要がある。具体的には、柱状のハニカム構造体の直径を大きくするか、ハニカム構造体の軸方向の長さを長くする必要がある。しかしながら、ハニカム構造体の直径を大きくすると、ハニカム構造体の中心軸近傍のセルを流れる第１流体と、ハニカム構造体の径方向外側を流れる第２流体との距離が増大するため、ハニカム構造体の単位体積当たりの熱回収量が減少するおそれがある。また、ハニカム構造体の軸方向の長さを長くすると、ハニカム構造体の下流側の部位において第１流体が大きく降温し、第１流体と第２流体との温度差が小さくなるため、ハニカム構造体の単位体積当たりの熱回収量が減少するおそれがある。
【０００７】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、熱交換部材の大型化を抑制しつつ第１流体と第２流体との熱交換を効率良く行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の態様１は、熱交換器であって、それぞれが、筒状の外周壁と前記外周壁の内部空間を区画して軸方向に延びるとともに第１流体が流れる複数のセルを形成する隔壁とを有するハニカム構造体の外周面を筒状の被覆部にて覆った構造体であり、前記軸方向の同じ位置に並列配置される複数の熱交換部材と、前記複数の熱交換部材の外周面から外側に離間した状態で前記複数の熱交換部材の前記外周面を覆うことにより、前記複数の熱交換部材の前記外周面との間に前記第１流体と熱交換を行う第２流体が流れる流路を形成する外壁部と、を備える。
【０００９】
本発明の態様２は、態様１の熱交換器であって、前記流路は、各ハニカム構造体の全長に亘って設けられる。
【００１０】
本発明の態様３は、態様１または２の熱交換器であって、各ハニカム構造体の上流側の端部における前記流路の断面積は、前記各ハニカム構造体の他の部位における前記流路の断面積よりも大きい。
（【００１１】以降は省略されています）

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