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公開番号2025070828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181389
出願日2023-10-20
発明の名称樹脂組成物、複合材料及び成形体
出願人出光興産株式会社,国立大学法人福井大学
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類C08L 71/08 20060101AFI20250424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】強化繊維に対する界面せん断強度に優れる樹脂組成物、複合材料及び成形体を提供する。
【解決手段】標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×1015~9.0×1017spin/gである芳香族ポリエーテル(A)と、前記芳香族ポリエーテル(A)100質量部に対して0.05~1.0質量部の界面強化剤(B)と、を含む、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gである芳香族ポリエーテル(A)と、前記芳香族ポリエーテル(A)100質量部に対して0.05~1.0質量部の界面強化剤(B)と、を含む、樹脂組成物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記芳香族ポリエーテル(A)が、ポリアリーレンエーテルケトンである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記芳香族ポリエーテル(A)が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)及びポリエーテルケトン(PEK)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記界面強化剤(B)が、リン酸化合物、フェノール化合物、アミン化合物及び硫黄系化合物からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物と、前記樹脂組成物100質量部に対して0.01~500質量部の強化繊維(C)と、を含む、複合材料。
【請求項7】
前記強化繊維(C)が、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上を含む、請求項6に記載の複合材料。
【請求項8】
前記複合材料中の前記強化繊維(C)の平均繊維長が5mm以上である、請求項6又は7に記載の複合材料。
【請求項9】
請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、成形体。
【請求項10】
請求項6~8のいずれかに記載の複合材料からなる、成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、複合材料及び成形体に関する。
具体的には、本発明は、強化繊維に対する界面せん断強度に優れる樹脂組成物、複合材料及び成形体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の重合触媒作用を有する成分を反応系中に存在させることにより製造された特定の芳香族ポリエーテルに対して、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸塩カルシウム、珪酸カルシウム等の強化材や充填剤を混合して用いることが開示されている。
特許文献2には、ポリアリーレンエーテルケトンをベースとする組成物を熱酸化に対して安定化させる(溶融粘度の経時変化を抑制する)ために、リン酸塩を配合することが開示されている。
非特許文献1には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の安定性を向上させるために、2種類の酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤)を用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭64-065129号公報
特開2023-60050号公報
【非特許文献】
【0004】
Journal of Macromolecular Science, Part A : Pure and Applied Chemistry (2012) 49, 571-577
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2及び非特許文献1をはじめとする従来の技術には、樹脂組成物の強化繊維に対する界面せん断強度を向上する観点で、さらなる改善の余地が見出された。
【0006】
本発明の目的の1つは、強化繊維に対する界面せん断強度に優れる樹脂組成物、複合材料及び成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のラジカル量を有する芳香族ポリエーテルと、界面強化剤とを含む樹脂組成物が、強化繊維に対する界面せん断強度に優れることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等を提供できる。
1.標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gである芳香族ポリエーテル(A)と、前記芳香族ポリエーテル(A)100質量部に対して0.05~1.0質量部の界面強化剤(B)と、を含む、樹脂組成物。
2.標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gである、1に記載の樹脂組成物。
3.前記芳香族ポリエーテル(A)が、ポリアリーレンエーテルケトンである、1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記芳香族ポリエーテル(A)が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)及びポリエーテルケトン(PEK)からなる群から選択される1種以上を含む、1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.前記界面強化剤(B)が、リン酸化合物、フェノール化合物、アミン化合物及び硫黄系化合物からなる群から選択される1種以上を含む、1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.1~5のいずれかに記載の樹脂組成物と、前記樹脂組成物100質量部に対して0.01~500質量部の強化繊維(C)と、を含む、複合材料。
7.前記強化繊維(C)が、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上を含む、6に記載の複合材料。
8.前記複合材料中の前記強化繊維(C)の平均繊維長が5mm以上である、6又は7に記載の複合材料。
9.1~5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、成形体。
10.6~8のいずれかに記載の複合材料からなる、成形体。
11.前記成形体が射出成形体である、9又は10に記載の成形体。
12.前記成形体が押出成形体である、9又は10に記載の成形体。
13.前記成形体が圧縮成形体である、9又は10に記載の成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、強化繊維に対する界面せん断強度に優れる樹脂組成物、複合材料及び成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の樹脂組成物、複合材料及び成形体について詳述する。
尚、本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
また、以下において記載される本発明に係る態様の個々の実施形態のうち、互いに相反しないもの同士を2つ以上組み合わせることが可能であり、2つ以上の実施形態を組み合わせた実施形態もまた、本発明に係る態様の実施形態である。
【0010】
1.樹脂組成物
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、標準物質をTEMPOL、標準物質の溶媒をベンゼンとして測定した、25℃におけるラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gである芳香族ポリエーテル(A)と、前記芳香族ポリエーテル(A)100質量部に対して0.05~1.0質量部の界面強化剤(B)と、を含む。
本態様に係る樹脂組成物によれば、強化繊維に対する界面せん断強度に優れる効果が得られる。
そのような効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、界面強化剤(B)と、芳香族ポリエーテル(A)のラジカルの一部との複合効果により、強化繊維に対する接着効果を有する構造が新たに形成されていることが推定される。ここで、界面強化剤(B)は、ラジカル捕獲剤として、その一部が芳香族ポリエーテルと反応してもよい。
また、ラジカル量が6.5×10
15
~9.0×10
17
spin/gという高濃度である芳香族ポリエーテル(A)は、単独では、混練や成形加工条件等によっては構造の一部が変化し、架橋、ゲル等を生成し、強度向上に限界があると考えられる。これに対して、本態様に係る樹脂組成物においては、界面強化剤(B)によって、このような好ましくない構造変化を低減することができ、芳香族ポリエーテル(A)自体の凝集破壊が抑制される。このことも、界面せん断強度の向上に寄与すると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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