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公開番号
2025072142
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2023182695
出願日
2023-10-24
発明の名称
溶融塩電解装置及び、金属マグネシウムの製造方法
出願人
東邦チタニウム株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C25C
7/00 20060101AFI20250430BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】回収室の熱交換器により、溶融浴を良好に冷却することができる溶融塩電解装置及び、金属マグネシウムの製造方法を提供する。
【解決手段】この発明の溶融塩電解装置11は、内部に回収室2b及び電解室2aが設けられた電解槽1と、前記回収室2bに配置されて管状部材を有する熱交換器6とを備えるものであって、前記電解槽1が、前記回収室2bと前記電解室2aとを区画する隔壁4、及び、前記回収室2bにて前記隔壁4に対して前記熱交換器6の後方に位置する後壁2cを有し、前記熱交換器6に、前記電解室2aから前記回収室2bに斜め下向きに流入する溶融浴Bmの流れの少なくとも一部を上昇させて、当該熱交換器6の後方の前記後壁2c側に向ける浴流れ調整板7が設けられているというものである。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に回収室及び電解室が設けられた電解槽と、前記回収室に配置されて管状部材を有する熱交換器とを備える溶融塩電解装置であって、
前記電解槽が、前記回収室と前記電解室とを区画する隔壁、及び、前記回収室にて前記隔壁に対して前記熱交換器の後方に位置する後壁を有し、
前記熱交換器に、前記電解室から前記回収室に斜め下向きに流入する溶融浴の流れの少なくとも一部を上昇させて、当該熱交換器の後方の前記後壁側に向ける浴流れ調整板が設けられている溶融塩電解装置。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記熱交換器が、互いに離隔して位置して前記電解槽の深さ方向に延びる複数本の主管、及び、前記主管の相互を連通させる一本以上の枝管を有する請求項1に記載の溶融塩電解装置。
【請求項3】
前記浴流れ調整板が、前記枝管に取り付けられている請求項2に記載の溶融塩電解装置。
【請求項4】
前記浴流れ調整板が、前記枝管から前記隔壁側に突き出るとともに、前記深さ方向に対して傾斜し又は直交する向きで設けられている請求項3に記載の溶融塩電解装置。
【請求項5】
前記枝管が、該枝管により連通される二本の前記主管の一方から他方に向かって前記深さ方向に直交する方向に延びる直管部分を含み、
前記浴流れ調整板が、前記直管部分に沿って設けられている請求項2に記載の溶融塩電解装置。
【請求項6】
前記隔壁に、前記電解室及び前記回収室のそれぞれに開口して前記電解室と前記回収室とを連通する隔壁流路が設けられており、
前記電解槽の深さ方向に沿う断面で、前記隔壁流路の回収室側開口部が電解室側開口部よりも深い位置に存在し、前記浴流れ調整板が、前記回収室側開口部の深さ中心点よりも深い位置に設けられている請求項1に記載の溶融塩電解装置。
【請求項7】
前記深さ方向に沿う断面で、前記浴流れ調整板が、前記回収室側開口部の深いほうの端点と同じ深さ方向の位置又は、該端点よりも深い位置に設けられている請求項6に記載の溶融塩電解装置。
【請求項8】
前記浴流れ調整板が、前記熱交換器に着脱可能に設けられている請求項1に記載の溶融塩電解装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の溶融塩電解装置を用いて、前記電解槽の内部の溶融浴にて塩化マグネシウムの電気分解を行うことを含む、金属マグネシウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部に回収室及び電解室が設けられた電解槽と、回収室に配置されて管状部材を有する熱交換器とを備える溶融塩電解装置、及び、それを用いる金属マグネシウムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
金属チタンを工業的に製造するに際しては、クロール法による四塩化チタンの還元で副次的に生成される塩化マグネシウムを、溶融塩電解により金属マグネシウムと塩素ガスとに分解することが行われる。溶融塩電解で得られる金属マグネシウムは、上記の四塩化チタンの還元に使用される。このようにしてマグネシウムの循環利用を実現している。なお、溶融塩電解で金属マグネシウムとともに得られる塩素ガスは、四塩化チタンの還元よりも前工程のチタン鉱石の塩化に用いることができる。
【0003】
溶融塩電解では、電解槽内にて塩化マグネシウムを含む溶融塩を溜めて溶融浴とし、電極の陽極及び陰極間への電圧の印加により、電解室の溶融浴中で塩化マグネシウムが金属マグネシウムと塩素とに分解される。金属マグネシウムは、溶融浴の流れに従って電解室から回収室に流入し、回収室にて溶融塩との密度差によって溶融浴の浴面側に浮上した後に回収される。
【0004】
溶融塩電解に関する技術として、特許文献1には、「捕集室でのMg捕集率を高めることができるMg電解製造装置を提供する」との目的の下、「陽極及び陰極を備えた電解室に隔壁を介して捕集室を隣接させ、電解室で溶融浴塩中のMgCl
2
を電気分解して金属Mgを析出させると共に、電解室内の溶融浴塩が捕集室に循環するように前記隔壁に浴塩流通口を上下2段に設けた電解槽と、電解槽の電解室から上段の浴塩流通口を通って捕集室に流入する溶融浴塩の少なくとも一部が衝突するように、上段の浴塩流通口に対向して捕集室に設けられた浴塩衝突部材とを具備することを特徴とするMg電解製造装置」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-226683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶融塩電解の間、溶融浴の温度が上昇すると、溶融塩電解で一旦生成した金属マグネシウムと塩素ガスとが反応し、塩化マグネシウムに戻る再反応が起こり得る。このことは、電流効率の低下を招く。これを抑制するには、電解槽の回収室に配置した熱交換器を用いて、溶融浴の温度を、ある程度低く維持することが必要になる。
【0007】
しかしながら、回収室に配置される一般的な熱交換器の運転条件では、溶融浴の温度が所期したほどに低下しないことがある。例えば、溶融浴の温度を低下させようとして、熱交換器の運転条件の変更等によって更なる冷却を試みたときは、回収室の熱交換器の上方側で浴面付近に滞留している金属マグネシウムが過度に冷却され、そこで固化が起こり、操業を停止せざるを得ない場合がある。特許文献1では、このような回収室の熱交換器を用いて溶融浴を冷却する上での問題点について何ら着目されていない。
【0008】
この発明の目的は、回収室の熱交換器により、溶融浴を良好に冷却することができる溶融塩電解装置及び、金属マグネシウムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者はシミュレーションを利用して鋭意検討した結果、熱交換器の後方の後壁付近で溶融塩が円滑に流れず、そこが熱交換器で過度に冷却される一方で、溶融浴の全体の温度が低下し難くなっていることを見出した。かかる知見の下、発明者は、次に述べる発明をするに至った。
【0010】
この発明の溶融塩電解装置は、内部に回収室及び電解室が設けられた電解槽と、前記回収室に配置されて管状部材を有する熱交換器とを備えるものであって、前記電解槽が、前記回収室と前記電解室とを区画する隔壁、及び、前記回収室にて前記隔壁に対して前記熱交換器の後方に位置する後壁を有し、前記熱交換器に、前記電解室から前記回収室に斜め下向きに流入する溶融浴の流れの少なくとも一部を上昇させて、当該熱交換器の後方の前記後壁側に向ける浴流れ調整板が設けられているというものである。
(【0011】以降は省略されています)
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