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公開番号2025093850
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2024141739
出願日2024-08-23
発明の名称転写体、機能性素子の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250617BHJP()
要約【課題】塗布型導電膜を転写可能とする転写体とその転写体を用いた機能性素子の製造方法を提供することである。
【解決手段】シランカップリング剤を用いて表面処理されたシリコーン系基材と、前記シリコーン系基材上に、少なくとも、前記シランカップリング剤と同様の官能基を有する界面活性剤と水またはアルコール系溶媒に分散可能な導電材料とを含む導電膜を有する転写体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シランカップリング剤を用いて表面処理されたシリコーン系基材と、前記シリコーン系基材上に、少なくとも、前記シランカップリング剤と同様の官能基を有する界面活性剤と水またはアルコール系溶媒に分散可能な導電材料とを含む導電膜を有する転写体。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記シリコーン系基材の処理に用いるシランカップリング剤の官能基が、アルキル鎖またはポリエーテル鎖を含む請求項1に記載の転写体。
【請求項3】
前記シリコーン系基材の処理に用いるシランカップリング剤の官能基が、アルキル基である請求項1に記載の転写体。
【請求項4】
前記導電膜中に、多価アルコール、エーテル、ケトンおよびスルホキシド化合物の群から選ばれる少なくとも1種の高沸点溶媒を有する請求項1または2に記載の転写体。
【請求項5】
前記導電材料が、ポリスチレンスルホン酸が添加されたポリエチレンジオキシチオフェンである請求項1または2に記載の転写体。
【請求項6】
請求項1に記載の転写体に、多価アルコール、エーテル、ケトンおよびスルホキシド化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含む高沸点溶媒を含ませる工程と、基板上に少なくとも第1の電極と機能層とを有する機能性基板と、前記転写体とを、対向するように配置し、前記転写体の導電膜を、前記機能性基板上に第2の電極として転写させる転写工程とを有する、少なくとも第1の電極、機能層、第2の電極がこの順に積層された機能性素子の製造方法。
【請求項7】
前記高沸点溶媒が2価のアルコールである請求項6に記載の機能性素子の製造方法。
【請求項8】
前記転写工程において、転写体と機能性基板が張り合わされた状態で加熱される工程が含まれる請求項6に記載の機能性素子の製造方法。
【請求項9】
請求項6に記載の機能性素子の製造方法であって、前記機能性基板の機能層の最表に金属酸化物が含まれる機能性素子の製造方法。
【請求項10】
請求項6~9いずれかに記載の機能性素子の製造方法において、光電変換層に有機半導体が含まれる光起電力素子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は転写体と機能性素子の製造方法、光起電力素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大量に電子機器を普及させることで、トリリオンセンサ社会やInternet of Things(IoT)社会が促進し、人類の生活がより快適となることが予期されている。これを実現するには、電子機器を構成する機能性の電子素子(以降では、機能性素子と呼称する)の大量製造が欠かせない。そのため、従来の真空蒸着や真空スパッタといった環境・材料負荷の大きな製造工程よりも、簡便に大量製造可能な手法が必要とされている。
【0003】
そこで、溶液塗布によって機能性素子を構築することができる塗布型製造工程が注目されている。この塗布型製造工程では、溶媒分散可能な電子材料(有機半導体や有機無機ペロブスカイト化合物、金属酸化物などの半導体材料や、金属ナノ・マイクロ構造体やナノカーボン、導電性高分子などの導電材料)を用いた溶液塗布により、機能性素子を製造できる。ここで機能性素子とは、基板上に少なくとも第1の電極、機能層、第2の電極を含み、この順に形成されている素子を指す。
【0004】
具体的にはトランジスタや整流素子、光起電力素子、センサ素子などが最たる例である。これらの機能性素子を塗布型製造工程で実現できれば、アクティブマトリクスディスプレイやRadio frequency identification(RFID)タグ、太陽電池などといった電子機器の大量製造が簡便となり、トリリオンセンサ社会やIoT社会が促進すると期待できる。
【0005】
この塗布型機能性素子の実用化に向けた課題としては、塗布積層による下層への物理的・化学的ダメージが挙げられる。特に、最表に積層される第2の電極層の形成工程では、他の構成部材を含む基板上に塗布工程が実施されるため、素子全体への影響が特に大きい。具体的には、塗布工程に伴って生じる、溶液の流れによる下層の剥離や大量の溶媒の浸透等による素子性能の劣化が最たる例である。この解決策としては、予め基材に塗布形成した導電膜を転写し電極を形成する工程が、これまでに検討されており、以下のような開示がされている。
【0006】
特許文献1では、撥水性の高いポリパラキシリレン膜を剥離層に、液相を剥離促進のために用いることで、基材からの転写膜の剥離を容易とさせている。これにより、トランジスタを含む回路構造をプラスチック基板上などの耐熱性の低い基板上に精緻に積層することが可能とされている。
【0007】
特許文献2では、基材上に剥離層と導電膜をこの順に有する転写体を用いて、有機半導体上に張り合わせ、電極を転写積層することが可能な工程が開示されている。剥離層には、ポリマー材料が挙げられており、特に加熱プレスを経る熱転写法が好ましいとされている。この開示された技術により、下層に短絡経路やダメージを極力生じさせることなく、有機太陽電池の製造が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第4410456号
特開2004-335737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の転写工程では、転写体の剥離層に撥水性のポリマー材料(ポリパラキシリレン)を用いているため、水またはアルコール系の溶媒に分散された導電材料では、剥離層上では塗布はじきを生じ、均一性の高い膜を形成することが困難である。
【0010】
また、特許文献2では、水溶性ポリマー材料を剥離層に用いる例があるが、水またはアルコール系の溶媒に分散された導電材料を塗布する際に、剥離層が溶解し剥離層と導電材料とが混合するという課題がある。これらの解決策として、レーザアブレーションを代表とするエネルギー照射を用いた転写工程により導電膜に対して物理的な応力変化を生じさせ、導電膜の転写を行うことが考えられる。しかし、エネルギー照射を伴う工程は、転写先である機能層などの素子構成材料の膜質を変化させる可能性がある。結果として、機能性素子の性能低下が懸念される。
(【0011】以降は省略されています)

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