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公開番号2025076303
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024166817
出願日2024-09-26
発明の名称照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化を予測する方法及びシステム
出願人天津大学
代理人個人
主分類G21C 17/00 20060101AFI20250508BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】照射下原子力発電システム金属構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】原子力発電システム金属構造材料の照射条件下でのミクロ組織予測の技術分野に属し、原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー、ヘリウム原子形成エネルギー、気体定数、モル体積分率及び絶対温度に基づいて、原子力発電構造材料の化学的自由エネルギー密度を取得するステップと、原子力発電構造材料の弾性定数及び弾性歪みに基づいて、原子力発電構造材料の弾性自由エネルギー密度を取得するステップと、化学的自由エネルギー密度及び弾性自由エネルギー密度に基づいて、原子力発電構造材料の空孔及びヘリウム原子の拡散係数、並びに照射下ヘリウム原子の生成速度を採取することにより、フェーズフィールド方程式に基づく動力学モデルを構築し、照射下原子力発電構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測するステップとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化を予測する方法であって、
原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー、ヘリウム原子形成エネルギー、気体定数、モル体積分率及び絶対温度に基づいて、前記原子力発電構造材料の化学的自由エネルギー密度を取得するステップと、
前記原子力発電構造材料の弾性定数及び弾性歪みに基づいて、前記原子力発電構造材料の弾性自由エネルギー密度を取得するステップと、
前記化学的自由エネルギー密度及び前記弾性自由エネルギー密度に基づいて、照射下原子力発電システム金属構造材料中のヘリウムバブルの進化を記述するためのフェーズフィールド方程式の熱力学モデルを構築し、界面モビリティ、ヘリウム及び空孔の化学的移動度、並びに照射条件下でのヘリウム及び空孔の生成速度を取得することにより、フェーズフィールド方程式の動力学モデルを構築し、照射下原子力発電構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測するステップと、
を含み、
照射下原子力発電構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測する過程において、現時間ステップの濃度場及び秩序変数場を取得し、可視化し、現時間ステップのヘリウムバブルの進化を取得し、前記秩序変数場に基づいてヘリウムバブルの密度及びサイズを定量的統計した後、反復計算を行い、照射下ヘリウムバブルの進化過程を取得することを特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー及びヘリウム原子形成エネルギーを取得する過程において、最適化後の空孔含有単位格子の総エネルギー及び最適化後の格子間ヘリウム原子含有単位格子総エネルギーを取得し、最適化後の完全な単位格子の総エネルギー及び総粒子数に基づいて、分子動力学計算を行い、前記空孔形成エネルギー及び前記ヘリウム原子形成エネルギーをそれぞれ取得することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化学的自由エネルギー密度を取得する過程において、基体の第1自由エネルギー密度及びヘリウムバブルの第2自由エネルギー密度に基づいて、補間関数を設定することにより、前記化学的自由エネルギー密度を生成し、ここで、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、前記第1自由エネルギー密度及び前記第2自由エネルギー密度を取得することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1自由エネルギー密度を取得する過程において、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、モル体積分率、アボガドロ定数、気体定数及び絶対温度に従って前記第1自由エネルギー密度を取得することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2自由エネルギー密度を取得する過程において、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、ヘリウムバブルにおけるヘリウムの平衡濃度及びヘリウムバブルにおけるヘリウムの最大濃度、並びに前記モル体積分率、前記気体定数及び前記絶対温度に従って、前記第2自由エネルギー密度を取得することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
弾性定数及び弾性歪みを取得する過程において、前記原子力発電構造材料のj方向における小歪み、正の歪み条件下での応力及び負の歪み条件下での応力を取得することにより、前記原子力発電構造材料の弾性定数を取得し、
前記原子力発電構造材料の総歪みに基づいて、前記原子力発電構造材料の照射によるヘリウムバブルの固有歪み及び前記原子力発電構造材料の塑性歪みに応じて、前記弾性歪みを取得することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
照射によるヘリウムバブルの固有歪みを取得する過程において、ヘリウムバブルの内圧及び前記弾性定数の成分を取得し、クロネッカーのデルタに従って照射ヘリウムバブルの固有歪みを取得し、ここで、ヘリウムバブル内のヘリウム濃度、ボルツマン定数、絶対温度、原子体積及びファンデルワールス定数により、前記ヘリウムバブルの内圧を取得することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塑性歪みを取得する過程において、初期塑性剪断速度、転位剪断速度、歪み感度指数、Schimidテンソル因子、応力テンソル、限界剪断応力、総すべり系数及び現在のすべり系に基づいて、前記塑性歪みを取得することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化を予測するシステムであって、
原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー、ヘリウム原子形成エネルギー、気体定数、モル体積分率及び絶対温度を採取するためのデータ採取モジュールと、
前記原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー、ヘリウム原子形成エネルギー、気体定数、モル体積分率及び絶対温度に基づいて、前記原子力発電構造材料の化学的自由エネルギー密度を取得するための化学的自由エネルギー密度計算モジュールと、
前記原子力発電構造材料の弾性定数及び弾性歪みに基づいて、前記原子力発電構造材料の弾性自由エネルギー密度を取得するための弾性自由エネルギー密度計算モジュールと、
前記化学的自由エネルギー密度及び前記弾性自由エネルギー密度に基づいて、照射下原子力発電システム金属構造材料中のヘリウムバブルの進化を記述するためのフェーズフィールド方程式の熱力学モデルを構築し、界面モビリティ、ヘリウム及び空孔の化学的移動度、並びに照射条件下でのヘリウム及び空孔の生成速度を採取することにより、フェーズフィールド方程式の動力学モデルを構築し、前記原子力発電構造材料の照射下ヘリウムバブルの進化を予測する照射下ヘリウムバブル進化予測モジュールと、
を含み、
照射下原子力発電構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測する過程において、現時間ステップの濃度場及び秩序変数場を取得し、可視化し、現時間ステップのヘリウムバブルの進化を取得し、前記秩序変数場に基づいてヘリウムバブルの密度及びサイズを定量的統計した後、反復計算を行い、照射下ヘリウムバブルの進化過程を取得することを特徴とする、システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電システム用金属構造材料の照射条件下でのミクロ組織の予測技術分野に属し、具体的には、照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化(Evolution of helium bubble in metal materials under irradiation)を予測する方法及びシステムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
現代社会のクリーンエネルギーへの需要が高まるにつれ、原子力エネルギーは現代のエネルギーシステムの重要な部分となっている。高速増殖炉を主とする先進的な原子力エネルギーシステムの材料問題は、プロジェクト開発の重要な問題である。他の産業と比較して、原子力構造材料は使用中に中性子照射にさらされ、継続的な変位損傷により空孔や格子間原子などの飽和点欠陥が発生する場合がある。拡散、温度、応力及び固有微細構造(例えば、粒界、転位、界面)の共同作用下で、これらの点欠陥は転位ループ、ボイド、バブルに発展することがよくあります。照射硬化と高温ヘリウム脆化が金属の粒界破壊を引き起こすため、照射された材料中の核変換ヘリウムによるヘリウムバブルは特に注目されている。しかし、実験機器の空間的及び時間的分解能により、ナノ及びミクロンスケールでのヘリウムバブルの研究は大きく制限されている。コンピュータシミュレーション技術の発展に伴い、多くの研究成果により、Heバブルの核形成、成長、粗大化のプロセスが原子スケール、ナノスケール及びマイクロスケールで明らかになり、照射下材料内のHeバブルについての理解が深まっている。しかし、実際の使用中、Heバブルの発生は材料の応力及び歪み状態と強い相互作用を有する。Heバブル内の高圧により、高温で塑性変形が発生することで使用条件下で材料が降伏する可能性がある。一方、原子力発電構造材料は応力下で使用されることが多いが、照射によるHeバブルに対する応力状態の影響を報告した研究はほとんどない。したがって、物理的に意味のあるHeバブルの進化方程式を確立することは、照射下Heバブルの形成を理解し、材料の照射欠陥を予測する上で非常に重要である。照射によるHeバブルと応力状態の間の相互作用を深く理解でき、原子力発電構造材料の性能評価と寿命予測に重要な理論的基礎を提供することができる。
【発明の概要】
【0003】
上記の問題を解決するために、本発明の目的は、ヘリウムバブルの進化(evolution)を定量的に予測する技術を提供することで照射条件下でのヘリウムバブルの進化をより機序的に理論的基礎を築くことである。
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は、照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化を予測する方法であって、
原子力発電(nuclear power)構造材料の空孔形成エネルギー、ヘリウム原子形成エネルギー、気体定数、モル体積分率及び絶対温度に基づいて、原子力発電構造材料の化学的自由エネルギー密度を取得するステップと、
原子力発電構造材料の弾性定数及び弾性歪みに基づいて、原子力発電構造材料の弾性自由エネルギー密度を取得するステップと、
化学的自由エネルギー密度及び弾性自由エネルギー密度に基づいて、原子力発電構造材料の空孔及びヘリウム原子の拡散係数、並びに照射下ヘリウム原子の生成速度を採取することにより、フェーズフィールド方程式に基づく動力学モデルを構築し、照射下原子力発電構造材料中のヘリウムバブルの進化を予測するステップと、
を含む方法を提供する
【0005】
好ましくは、原子力発電構造材料の空孔形成エネルギー及びヘリウム原子形成エネルギーを取得する過程において、最適化後の空孔含有単位格子の総エネルギー及び最適化後の格子間ヘリウム原子含有単位格子総エネルギーを取得し、最適化後の完全な単位格子の総エネルギー及び総粒子数に基づいて、分子動力学計算を行い、空孔形成エネルギー及びヘリウム原子形成エネルギーをそれぞれ取得する。
【0006】
好ましくは、化学的自由エネルギー密度を取得する過程において、基体の第1自由エネルギー密度及びヘリウムバブルの第2自由エネルギー密度に基づいて、補間関数を設定することにより、化学的自由エネルギー密度を生成し、ここで、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、第1自由エネルギー密度及び第2自由エネルギー密度を取得する。
【0007】
好ましくは、第1自由エネルギー密度を取得する過程において、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、モル体積分率、アボガドロ定数、気体定数及び絶対温度に従って第1自由エネルギー密度を取得する。
【0008】
好ましくは、第2自由エネルギー密度を取得する過程において、空孔濃度及びヘリウム濃度に基づいて、ヘリウムバブルにおけるヘリウムの平衡濃度及びヘリウムバブルにおけるヘリウムの最大濃度、並びにモル体積分率、気体定数及び絶対温度に従って、第2自由エネルギー密度を取得する。
【0009】
好ましくは、弾性定数及び弾性歪みを取得する過程において、原子力発電構造材料のj方向における小歪み、正の歪み条件下での応力及び負の歪み条件下での応力を取得することにより、原子力発電構造材料の弾性定数を取得し、
原子力発電構造材料の総歪みに基づいて、原子力発電構造材料の照射によるヘリウムバブルの固有歪み及び原子力発電構造材料の塑性歪みに応じて、弾性歪みを取得する。
【0010】
好ましくは、照射によるヘリウムバブルの固有歪みを取得する過程において、ヘリウムバブルの内圧及び弾性定数の成分を取得し、クロネッカーのデルタに従って照射ヘリウムバブルの固有歪みを取得し、ここで、ヘリウムバブル内のヘリウム濃度、ボルツマン定数、絶対温度、原子体積及びファンデルワールス定数により、ヘリウムバブルの内圧を取得する。
(【0011】以降は省略されています)

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