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公開番号2025076609
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188268
出願日2023-11-02
発明の名称膜構造体、及び膜構造体の製造方法
出願人学校法人 埼玉医科大学
代理人個人,個人
主分類C12N 9/08 20060101AFI20250509BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】簡便かつ迅速に標的細胞に発現している標的タンパク質の同定を行うことができる膜構造体の提供。
【解決手段】PL(Proximity labeling)酵素を膜表面上に有する膜構造体。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
PL酵素を膜表面上に有することを特徴とする膜構造体。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記PL酵素が、HRP(Horseradish peroxidase)、APEX(Ascorbate peroxidases)、及びBioID(Biotin ligase)の少なくともいずれかである、請求項1に記載の膜構造体。
【請求項3】
前記膜構造体が、ウイルス及び脂質膜小胞の少なくともいずれかである、請求項1から2のいずれか一項に記載の膜構造体。
【請求項4】
前記膜構造体がProximity labeling法に用いられる、請求項1から2のいずれか一項に記載の膜構造体。
【請求項5】
細胞にPL酵素発現ベクターを導入して、細胞膜上にPL酵素を発現するPL酵素発現細胞を形成する工程と、
前記PL酵素発現細胞から、PL酵素を膜表面上に有する膜構造体を形成する工程と、
を有することを特徴とする膜構造体の製造方法。
【請求項6】
前記PL酵素が、HRP(Horseradish peroxidase)、APEX(Ascorbate peroxidases)、及びBioID(Biotin ligase)の少なくともいずれかである、請求項5に記載の膜構造体の製造方法。
【請求項7】
前記細胞がパッケージング細胞または脂質膜小胞産生細胞であり、
前記膜構造体がウイルスまたは脂質膜小胞産生細胞である、請求項5から6のいずれか一項に記載の膜構造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膜構造体、及び膜構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ウイルスのパンデミックは人類の脅威として恐れられており、COVID-19(SARS-CoV-2)のパンデミックは2020年から世界全体に多大なダメージを与えている。これらパンデミックは今後も起こりうる事象であり、その都度人類が対処していく上で原因となるウイルスの生物学的特徴を理解することは脅威を軽減するために不可欠である。
特に、宿主細胞へのウイルスの侵入に関与するウイルス受容体や補助受容体などの感染因子の同定作業は、ワクチンおよび抗ウイルス薬の開発などに寄与する重要な知見を提供すると考えられる。
【0003】
しかしながら、これらの感染因子の同定作業は、複雑な分子生物学実験プロセスを経る必要があることから、時間とコストがかかる。上記SARS-CoV-2受容体がACE2であることは比較的早期に判明したが、これは2003年に出現したSARS-CoV-1の研究成果を利用できたためであり、次のパンデミックウイルスが同様の経過をたどるとは限らない。
このような背景から、次のパンデミックに備えて、宿主細胞の膜表面に発現するウイルス受容体・感染因子(以下、「標的タンパク質」と称することがある)の同定を簡便かつ迅速に行うシステムの構築が必要であると考えられる。
【0004】
また、ウイルス受容体・感染因子の同定以外にも、がん細胞や免疫細胞による自己免疫なども人類の脅威として恐れられており、これらの標的細胞に作用する細胞外小胞(エクソソームなどを含めた脂質膜でできた小胞全般を含む。以下「脂質膜小胞」と称することもある)医薬の早期開発も近年望まれている。
細胞外小胞医薬は、上記ウイルスと同様に標的細胞(ウイルスで言えば宿主細胞)上の「受容体」を介して結合・侵入を行うことで効能を発揮することが知られている。これら「細胞外小胞受容体」(以下、「標的タンパク質」と称することがある)の同定作業もウイルス受容体・感染因子同様に複雑な分子生物学実験プロセスを経る必要がある。そのため、これらの標的タンパク質の同定には時間とコストがかかるという問題がある。
【0005】
そこで、近年、上記標的タンパク質の同定方法として、PL(Proximity labeling)酵素を用いたProximity labelingが注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Norihiro Kotani et al, J. Biol. Chem. (2022) 298(11) 102500 : 1-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、簡便かつ迅速に宿主細胞または標的細胞に発現している標的タンパク質の同定を行うことができる膜構造体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> PL酵素を膜表面上に有することを特徴とする膜構造体である。
<2> 前記PL酵素が、HRP(Horseradish peroxidase)、APEX(Ascorbate peroxidases)、及びBioID(Biotin ligase)の少なくともいずれかである、<1>に記載の膜構造体である。
<3> 前記膜構造体が、ウイルス及び脂質膜小胞の少なくともいずれかである、<1>から<2>のいずれか一項に記載の膜構造体である。
<4> 前記膜構造体がProximity labeling法に用いられる、<1>から<3>のいずれか一項に記載の膜構造体である。
<5> 細胞にPL酵素発現ベクターを導入して、細胞膜上にPL酵素を発現するPL酵素発現細胞を形成する工程と、
前記PL酵素発現細胞から、PL酵素を膜表面上に有する膜構造体を形成する工程と、
を有することを特徴とする膜構造体の製造方法である。
<6> 前記PL酵素が、HRP(Horseradish peroxidase)、APEX(Ascorbate peroxidases)、及びBioID(Biotin ligase)の少なくともいずれかである、<5>に記載の膜構造体の製造方法である。
<7> 前記細胞がパッケージング細胞または脂質膜小胞産生細胞であり、
前記膜構造体がウイルスまたは脂質膜小胞である、<5>から<6>のいずれか一項に記載の膜構造体の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、簡便かつ迅速に宿主細胞または標的細胞に発現している標的タンパク質の同定を行うことができる膜構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る膜構造体としてのウイルスの構造を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る膜構造体を用いたPL酵素による標的タンパク質の標識方法の一例を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る膜構造体を用いたPL酵素による標的タンパク質の標識方法の一例を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る膜構造体を用いたPL酵素による標的タンパク質の標識方法の一例を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る膜構造体を用いたPL酵素による標的タンパク質の標識方法の一例を示す概略図である。
本発明の一実施形態におけるHRPが発現しているかを確認するウエスタンブロットの結果である。
本発明の一実施形態におけるDAF-HRPウイルスの産生効率の結果である。
本発明の一実施形態におけるウイルス感染細胞の蛍光顕微鏡での感染確認の結果である。
本発明の一実施形態におけるProximity labeling法(Proximity labeling法の1つの方法としてのEMARS)実施後の標識タンパク質の電気泳動および蛍光検出の結果、および抗FITC抗体を用いたウエスタンブロットの結果である。
本発明の一実施形態におけるEV(細胞外小胞)にHRPが発現しているかを確認するウエスタンブロットの結果およびEV-DAF-HRPによるEMARS産物の電気泳動および蛍光検出の結果である。
本発明の一実施形態における膜構造体の製造方法に用いられるベクターの構造の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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