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公開番号2025077043
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2024223616,2021061889
出願日2024-12-18,2021-03-31
発明の名称多孔質膜
出願人三菱ケミカル株式会社,公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 71/34 20060101AFI20250509BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】PVDFのα晶を多く含む樹脂組成物あるいは多孔質膜を容易に製造できる樹脂組成物の製造方法、及び多孔質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリフッ化ビニリデンを含む多孔質膜であって、前記多孔質膜は非溶媒誘起相分離法(NIPS法)のみにより製造され、前記ポリフッ化ビニリデンが一方向において無配向であり、前記ポリフッ化ビニリデンの赤外線吸収スペクトルによる吸収強度から求められる結晶構造が、前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶に由来する吸光度と前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶およびβ晶に由来する吸光度の合計との比(α晶に由来する吸光度/α晶に由来する吸光度およびβ晶に由来する吸光度の合計)が25%以上100%以下である、多孔質膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリフッ化ビニリデンと、前記ポリフッ化ビニリデンを10質量%以上溶解可能な良溶媒のうち、いずれか2種以上と、を含む原液を調製し、
前記原液と凝固液とを接触させる、樹脂組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
ポリフッ化ビニリデンと、前記ポリフッ化ビニリデンを10質量%以上溶解可能な良溶媒のうち、いずれか2種以上と、を含む製膜原液を調製し、
前記製膜原液と凝固液とを接触させて多孔質膜前駆体を得る、多孔質膜の製造方法。
【請求項3】
前記多孔質膜前駆体中に残存する溶剤の一部または全部を除去した後、前記多孔質膜前駆体を乾燥して多孔質膜を得る、請求項2に記載の多孔質膜の製造方法。
【請求項4】
ポリフッ化ビニリデンを含み、前記ポリフッ化ビニリデンが一方向において無配向であり、
前記ポリフッ化ビニリデンの赤外線吸収スペクトルによる吸収強度から求められる結晶構造が、前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶に由来する吸光度と前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶およびβ晶に由来する吸光度の合計との比(α晶に由来する吸光度/α晶に由来する吸光度およびβ晶に由来する吸光度の合計)が25%以上100%以下である、多孔質膜。
【請求項5】
ポリフッ化ビニリデンを含み、前記ポリフッ化ビニリデンが一方向において無配向であり、
前記ポリフッ化ビニリデンのX線回折法によって求められる結晶構造が、前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶に由来するピーク面積比と前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶、β晶およびγ晶に由来するピーク面積比の合計との比(α晶に由来するピーク面積比/α晶に由来するピーク面積比、β晶に由来するピーク面積比およびγ晶に由来するピーク面積比の合計)が15%以上100%以下である、多孔質膜。
【請求項6】
前記ポリフッ化ビニリデンにおけるラマン分光法によって算出される配向パラメータが1.5未満である、請求項4又は5に記載の多孔質膜。
【請求項7】
前記ポリフッ化ビニリデンにおけるX線回折法によって算出される配向パラメータが0.4以下である、請求項4又は5に記載の多孔質膜。
【請求項8】
可塑剤の含有量が1質量%以下である、請求項4~7のいずれか1項に記載の多孔質膜。
【請求項9】
前記多孔質膜の一方の表面から他方の表面にわたって、前記多孔質膜の細孔の内径が漸次的に変化する、請求項4~8のいずれか1項に記載の多孔質膜。
【請求項10】
無機塩の含有量が1質量%以下である、請求項4~9のいずれか1項に記載の多孔質膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物の製造方法、多孔質膜の製造方法、及び多孔質膜に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む膜の製造方法としては、非溶媒誘起相分離法(Nonsolvent Induced Phase Separation、NIPS、以下、「NIPS法」と略すこともある。)と熱誘起相分離法(Thermally
Induced Phase Separation、TIPS、以下、「TIPS法」と略すこともある。)が知られている。
【0003】
TIPS法では、PVDFのα晶を多く含む膜を製造できることが知られている(例えは、特許文献1参照)。また、NIPS法においても、PVDFを溶解した製膜原液に臭化リチウム(LiBr)等の塩を添加することにより、α晶を多く含む膜を製造できることが知られている(例えは、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-171557号公報
特開2018-069115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PVDFがα晶を多く含む場合、耐候性、耐薬品性、耐熱性に優れる膜が得られる。従って、従来、PVDFのα晶を多く含む膜を製造するために様々な試みがなされてきた。
TIPS法で製造された膜は、α晶を多く含むものの、NIPS法で製造された膜と比較すると、透水性に劣るという課題があった。また、NIPS法において、PVDFを溶解した製膜原液に塩を添加することにより、α晶の割合が高くなることが知られている。しかしながら、塩を含む凝固液を用いると、製膜後の膜から塩を取り除く工程が必要となり、製造工程が複雑になるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、PVDFのα晶を多く含む樹脂組成物あるいは多孔質膜を容易に製造できる樹脂組成物の製造方法、及び多孔質膜の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、PVDFのα晶を多く含む多孔質膜を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成する本発明の構成は下記の通りである。
[1] ポリフッ化ビニリデンと、前記ポリフッ化ビニリデンを10質量%以上溶解可能な良溶媒のうち、いずれか2種以上と、を含む原液を調製し、
前記原液と凝固液とを接触させる、樹脂組成物の製造方法。
[2] ポリフッ化ビニリデンと、前記ポリフッ化ビニリデンを10質量%以上溶解可能な良溶媒のうち、いずれか2種以上と、を含む製膜原液を調製し、
前記製膜原液と凝固液とを接触させて多孔質膜前駆体を得る、多孔質膜の製造方法。
[3] 前記多孔質膜前駆体中に残存する溶剤の一部または全部を除去した後、前記多孔質膜前駆体を乾燥して多孔質膜を得る、[2]に記載の多孔質膜の製造方法。
[4] ポリフッ化ビニリデンを含み、前記ポリフッ化ビニリデンが一方向において無配向であり、
前記ポリフッ化ビニリデンの赤外線吸収スペクトルによる吸収強度から求められる結晶構造が、前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶に由来する吸光度と前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶およびβ晶に由来する吸光度の合計との比(α晶に由来する吸光度/α晶に由来する吸光度およびβ晶に由来する吸光度の合計)が25%以上100%以下である、多孔質膜。
[5] ポリフッ化ビニリデンを含み、前記ポリフッ化ビニリデンが一方向において無配向であり、
前記ポリフッ化ビニリデンのX線回折法によって求められる結晶構造が、前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶に由来するピーク面積比と前記ポリフッ化ビニリデンにおけるα晶、β晶およびγ晶に由来するピーク面積比の合計との比(α晶に由来するピーク面積比/α晶に由来するピーク面積比、β晶に由来するピーク面積比およびγ晶に由来するピーク面積比の合計)が15%以上100%以下である、多孔質膜。
[6] 前記ポリフッ化ビニリデンにおけるラマン分光法によって算出される配向パラメータが1.5未満である、請求項[4]又は[5]に記載の多孔質膜。
[7] 前記ポリフッ化ビニリデンにおけるX線回折法によって算出される配向パラメータが0.4以下である、請求項[4]又は[5]に記載の多孔質膜。
[8] 可塑剤の含有量が1質量%以下である、[4]~[7]のいずれかに記載の多孔質膜。
[9] 前記多孔質膜の一方の表面から他方の表面にわたって、前記多孔質膜の細孔の内径が漸次的に変化する、[4]~[8]のいずれかに記載の多孔質膜。
[10] 無機塩の含有量が1質量%以下である、[4]~[9]のいずれかに記載の多孔質膜。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、PVDFのα晶を多く含む樹脂組成物あるいは多孔質膜を容易に製造できる樹脂組成物の製造方法、及び多孔質膜の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、PVDFのα晶を多く含む多孔質膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例および比較例の多孔質膜において、PVDFの赤外線吸収スペクトルを示す図である。
実施例および比較例の多孔質膜において、PVDFのX線回折スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の多孔質膜の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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