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公開番号2025086529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200566
出願日2023-11-28
発明の名称プラスチックフィルムの分離回収方法、及び再生プラスチックペレットの製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250602BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】 少なくとも2枚の基材が積層された積層体において、積層体の剥離性を向上させることができ、積層体を構成する基材(プラスチックフィルム)を容易に分離回収する方法、及び当該方法により回収したプラスチック破砕物を用いて高品質な再生プラスチックペレットを製造する方法を提供する。
【解決手段】 樹脂基材Aと樹脂基材Bの間に、少なくとも接着剤層と脱離性プライマー層を有する積層体の分離回収方法であって、積層体を破砕する工程1と、積層体を無機塩基を含有する洗浄液中に浸漬する工程2と、破砕した前記積層体を液体の存在下で攪拌することにより、前記積層体を単層のプラスチック破砕物に分離する工程3を有する積層体の分離回収方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂基材Aと樹脂基材Bの間に、少なくとも接着剤層と脱離性プライマー層を有する積層体の分離回収方法であって、
前記積層体を破砕する工程1と、
前記積層体を無機塩基を含有する洗浄液中に浸漬する工程2と、
破砕した前記積層体を液体の存在下で攪拌することにより、前記積層体を単層のプラスチック破砕物に分離する工程3
を有する積層体の分離回収方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記接着剤層がエーテル系接着剤またはエステル系接着剤から選ばれる
請求項1に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項3】
前記樹脂基材Aと前記樹脂基材Bとの間に更に印刷層を有する
請求項1または2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項4】
前記脱離性プライマー層の一方の面は接着剤層と接触し、他方の面は樹脂基材A又は樹脂基材Bと接触する
請求項1または2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項5】
前記接着剤層は、前記脱離性プライマー層が設けられる面とは反対側の面に印刷層を有し、
前記印刷層は、前記接着剤層が設けられる面とは反対側の面に第二の脱離性プライマー層を有する
請求項1または2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項6】
前記接着剤層は、前記脱離性プライマー層が設けられる面とは反対側の面に印刷層を有し、
前記印刷層は、前記接着剤層が設けられる面とは反対側の面に第二の脱離性プライマー層を有さない
請求項1または2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項7】
前記工程2において、
洗浄液中の水の含有量は60質量%以上であり、
ノニオン系界面活性剤を含み、
前記ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類を含有する
請求項1又は2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項8】
破砕した前記積層体を攪拌しながら液体の存在下で破砕する湿式破砕処理により、
破砕した前記積層体から前記接着剤層及び脱離性プライマー層を除去する
請求項1又は2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項9】
前記工程3において、前記湿式破砕処理により得られるプラスチック破砕物の平均体積は、
前記工程1において、破砕された積層体の平均体積に対して0.99倍以下とする
請求項8に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項10】
前記樹脂基材A及び/又は前記樹脂基材Bがポリオレフィン樹脂である
請求項1又は2に記載の積層体の分離回収方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムの分離回収方法、及び当該方法により回収したプラスチック破砕物を用いた再生プラスチックペレットの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在、プラスチックごみの分別回収しているリサイクル率は、世界全体でみると製造されたプラスチックの9%である。ゴミとなった91%のプラスチックのうち、焼却処分されたものは12%であり、79%は埋め立て処分されたか、もしくは環境中に漏れ出ている(非特許文献1)。このようにリサイクル率が低い状態が続いている理由の一つに、分別回収システムの困難性があげられる。プラスチックをリサイクルするためには、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の異種のプラスチック材料が一体化された廃プラスチックを、材料ごとに分離して回収する必要がある。しかし、積層フィルムをはじめとするプラスチック製品の多くは、異種プラスチック材料が接着して積層されていることから、材料ごとに分離・回収することが困難な状況である。そのため、廃プラスチックを簡易に分離・回収可能なリサイクルシステムの構築が強く求められている。
【0003】
また、リサイクルされたプラスチック製品は、コストの観点から同じ製品に戻ることは難しく、基本的にはリサイクルするたびに劣化するため、品質が落ちた製品に生まれ変わらざるを得ない。リサイクルプラスチックの品質が落ちる理由としては、プラスチックにインキや顔料が不純物として混在していることがあげられる。しかし、多くのプラスチック製品はその表面に印刷加工が施されているため、リサイクル工程で脱色することが難しく、結果として再生プラスチック製品は着色している。顔料やインキなどを含んだ再生プラスチックは、着色のため商品価値が著しく低いだけではなく、不純物が起点となって物性的に劣化したプラスチックにしかならないのが実情であり、良品質の再生プラスチックを生み出すリサイクル方法も求められている。
【0004】
このような課題に対して、特許文献1は、破砕した多層フィルムからアルミニウム層をアルカリで溶解したのち、複層のフィルムを比重差で分離し、更に溶剤中で選択的に溶融させることで有価成分を分離してリサイクルする方法を提案し、特許文献2は、印刷済みフィルムを破砕、インキ除去、リンス、乾燥の工程を提案しているが、いずれも工程が長く煩雑である。
【0005】
また、特許文献3は、印刷済みのロール状態にあるフィルムを溶剤と非研磨布を使用しインキを除去する方法を、特許文献4は、印刷済みのロール状態にあるフィルムを溶剤とブラシとワイパーブレードを使用しインキを除去する方法を提供しているが、ロール状態にあるフィルムからインキを除去した無印刷のフィルムを作製しているだけに留まっている。
【0006】
特に近年は包装材の多様化に伴い、包装材の高機能性、インキ膜のプラスチック基材への密着性の向上、印刷物の高意匠性がより一層求められていることから、包装材やインキの種類の多様化が進み、それと同時に、インキ層(印刷層)の剥離はより困難となる状況である。例えば、複数のフィルムを接着剤層を介して積層した積層体、あるいはフィルム上に印刷層を設けた後、接着剤層を介して他のフィルム等を重ね合わせてラミネートした積層体において、積層体の分離は困難であり、また、印刷層が複数のフィルムの間に設けられている(裏刷り)積層フィルムの場合、印刷層を除去するには複数のフィルムの分離が必要となるため、印刷層の剥離はより困難となる。このような課題に対して、基材上に脱離可能プライマー層を設けることにより、プライマー層の上に形成された印刷層を取り除くことが可能な包装材が知られている。例えば特許文献5には、印刷層の除去が可能で印刷基材の脱離性に優れた包装材として、第1の基材、プライマー層、印刷層。第2の基材をこの順に備えた包装材について開示されている。
【0007】
しかし、複数のフィルムを積層した積層体を分離回収し、高品質なリサイクルプラスチックとして再生させるには、積層体の剥離性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Science Advances 19 Jul 2017:Vol. 3, no. 7, e1700782
【特許文献】
【0009】
特開2006-205160号公報
特表2015-520684号公報
特表2016-509613号公報
特表2018-514384号公報
特許第7100750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術における積層フィルムの分離方法は、いずれも積層フィルムを乾式で破砕する工程ののちに、インキ除去又は分離工程を実施しており、その工程は一般的であり、工程が長く煩雑である。また、従来技術の方法では、多種多様な構成の積層フィルムのリサイクルは困難であることから、リサイクルプラスチックの品質や商品価値を低下させている。
(【0011】以降は省略されています)

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