特許ウォッチ

公開番号2025087463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023202141
出願日2023-11-29
発明の名称試料取得装置、品質判定装置及び品質判定方法
出願人中国電力株式会社,ハシダ技研工業株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 1/04 20060101AFI20250603BHJP(測定;試験)
要約【課題】高精度測定による品質判定のための、触媒の貫通孔内の試料を、触媒を破壊せずに取得可能な試料取得装置、品質判定装置及び品質判定方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る試料取得装置10は、触媒Cの貫通孔C1から品質判定用の試料を取得する装置であって、貫通孔C1の内面C1aから試料を分離可能である分離部11と、一端側に分離部11が配置され、分離部11により分離された試料が流通可能な採取管12と、採取管12の他端側の開口から採取管12の内部を吸引可能な吸引部13と、吸引部13により採取管12を介して吸引された試料を回収する回収部14と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
触媒の貫通孔から品質判定用の試料を取得する試料取得装置であって、
前記貫通孔の内面から前記試料を分離可能である分離部と、
一端側に前記分離部が配置され、前記分離部により分離された前記試料が流通可能な採取管と、
前記採取管の他端側の開口から前記採取管の内部を吸引可能な吸引部と、
前記吸引部により前記採取管を介して吸引された前記試料を回収する回収部と、を備える、試料取得装置。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記採取管の一端側に設けられた撮像部を更に備える、請求項１に記載の試料取得装置。
【請求項３】
前記分離部は、刃を有し、前記刃で前記内面を切削し前記内面から前記試料を分離可能である、請求項１又は２に記載の試料取得装置。
【請求項４】
請求項１に記載の試料取得装置と、
前記回収部に回収された前記試料を分析する分析部と、
前記分析部による前記試料の分析で導出された成分濃度に基づき前記触媒の品質を判定する品質判定部と、を備える、品質判定装置。
【請求項５】
前記触媒は、脱硝触媒であり、
前記品質判定部は、前記試料の成分濃度と、脱硝率と、が関連付けられた関連情報に基づいて前記触媒の品質を判定する、請求項４に記載の品質判定装置。
【請求項６】
前記分析部は、分析により少なくとも前記触媒におけるＴｉ、Ａｌ及びＳの少なくともいずれかの成分濃度を測定し、
前記品質判定部は、前記分析部の分析により測定されたＴｉ、Ａｌ及びＳの成分濃度と、前記脱硝率と、が関連付けられた関連情報に基づいて前記触媒の品質を判定する、請求項５に記載の品質判定装置。
【請求項７】
前記品質判定部は、前記触媒の品質の合格判定基準を前記脱硝率が７４．０％以上とした場合に、前記分析部の分析により測定されたＴｉのＴｉＯ
２
換算の成分濃度が８１．０％以上、かつ、ＡｌのＡｌ
２
Ｏ
３
換算の成分濃度が１．５％以下、かつ、ＳのＳＯ
３
換算の成分濃度が２．５％以下であるときに、前記触媒の品質を合格と判定する、請求項６に記載の品質判定装置。
【請求項８】
前記分析部は、Ｘ線分析装置である、請求項４又は５に記載の品質判定装置。
【請求項９】
請求項１に記載の試料取得装置を用いた前記触媒の品質判定方法であって、
前記分離部により前記内面から前記試料を分離する分離工程と、
前記分離工程において分離された前記試料を前記回収部により回収する回収工程と、
前記回収工程において回収された前記試料の成分を分析する分析工程と、
前記分析工程において分析された成分濃度に基づいて前記触媒の品質を判定する品質判定工程と、を含む、品質判定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、試料取得装置、品質判定装置及び品質判定方法に関する。
続きを表示（約 1,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、排気ガスの浄化に用いられるハニカム構造を有する触媒は、使用に伴う性能低下に対して性能を回復させるための再生が行われ、再生後の触媒について品質を判定する技術が知られている。この種の技術を示すものとして特許文献１が挙げられる。特許文献１では、ハニカム触媒の表面に堆積している粒径２μｍ以下の粒子を含む被覆層の厚さを測定することでハニカム触媒の劣化を評価することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
再表２０１７－０２２５８２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、顕微鏡等による表面観察や成分分析等を利用してより高精度に触媒の品質を判定する場合、触媒の貫通孔内からの試料取得のためには触媒の破壊が必要であり、触媒の全数を検査することができず、触媒の品質不良を見落とすおそれがあった。
【０００５】
本発明は、高精度測定による触媒の品質判定のための、触媒の貫通孔内の試料を、触媒を破壊せずに取得可能な試料取得装置、品質判定装置及び品質判定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
（１）本発明に係る試料取得装置は、触媒の貫通孔から品質判定用の試料を取得する試料取得装置であって、前記貫通孔の内面から前記試料を分離可能である分離部と、一端側に前記分離部が配置され、前記分離部により分離された前記試料が流通可能な採取管と、前記採取管の他端側の開口から前記採取管の内部を吸引可能な吸引部と、前記吸引部により前記採取管を介して吸引された前記試料を回収する回収部と、を備える。
【０００７】
（１）の試料取得装置は、高精度測定による触媒の品質判定のための、触媒の貫通孔内の試料を、触媒を破壊せずに取得できる。
【０００８】
（２）（１）に記載の試料取得装置は、前記採取管の一端側に設けられた撮像部を更に備える。
【０００９】
（２）の試料取得装置は、高精度測定による触媒の品質判定のための、触媒の貫通孔内の試料を、触媒を破壊せず、かつ効率的に取得できる。
【００１０】
（３）（１）又は（２）に記載の試料取得装置においては、前記分離部は、刃を有し、前記刃で前記内面を切削し前記内面から前記試料を分離可能である。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許