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公開番号2025088492
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203223
出願日2023-11-30
発明の名称発光性粒子、発光性粒子の製造方法、インク組成物、光変換層、カラーフィルター及び波長変換フィルム
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人
主分類C09K 11/66 20060101AFI20250604BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】水、光及び熱に対する安定性に優れる、ナノ結晶を含む発光性粒子及びその製造方法、前記発光性粒子を含むインク組成物及び前記インク組成物の硬化物を含む光変換層、並びに前記光変換層を備えたカラーフィルター及び波長変換フィルムを提供する。
【解決手段】メタルハライドからなる半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む表面層を備え、前記表面層が1価の陽イオンを有する塩を含み、
前記半導体ナノ結晶が、一般式AaMbXcで表される化合物からなり、前記Aが特定の陽イオンを表し、
前記Mが特定の金属イオンを表し、
前記XがF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる1つ以上のハロゲン化物イオンを表し、
aが1~7の正数を表し、bが1~4の正数を表し、cが1~16の正数を表す、発光性粒子。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
メタルハライドからなる半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む表面層を備え、前記表面層が1価の陽イオンを有する塩を含み、
前記半導体ナノ結晶が、一般式A





で表される化合物からなり、
前記AがCs、Rb、メチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、アンモニウム、2-フェニルエチルアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム及びプロトン化チオウレアからなる群から選ばれる1つ以上の陽イオンを表し、
前記MがPb、Sn、Ge、Bi、Sb、Ag、In、Cu、Yb、Ti、Pd、Mn、Eu、Zr及びTbからなる群から選ばれる金属イオンを表し、
前記XがF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる1つ以上のハロゲン化物イオンを表し、
aが1~7の正数を表し、bが1~4の正数を表し、cが1~16の正数を表す、発光性粒子。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記半導体ナノ結晶が、ペロブスカイト型結晶構造を有する、請求項1に記載の発光性粒子。
【請求項3】
前記1価の陽イオンを有する塩がハロゲンイオンを含む、請求項1に記載の発光性粒子。
【請求項4】
前記1価の陽イオンを有する塩における1価の陽イオンが、有機カチオン又は金属イオンである、請求項1に記載の発光性粒子。
【請求項5】
メタルハライドからなる半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む表面層を備え、前記表面層が1価の陽イオンを有する塩を含み、
前記半導体ナノ結晶が、一般式A





で表される化合物からなり、
前記AがCs、Rb、メチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、アンモニウム、2-フェニルエチルアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム及びプロトン化チオウレアからなる群から選ばれる1つ以上の陽イオンを表し、
前記MがPb、Sn、Ge、Bi、Sb、Ag、In、Cu、Yb、Ti、Pd、Mn、Eu、Zr及びTbからなる群から選ばれる金属イオンを表し、
前記XがF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる1つ以上のハロゲン化物イオンを表し、
aが1~7の正数を表し、bが1~4の正数を表し、cが1~16の正数を表す、発光性粒子の製造方法であって、
前記半導体ナノ結晶を合成可能な原料化合物と、前記半導体ナノ結晶の表面に結合可能な結合性基及び加水分解性シリル基を有するシラン化合物Aと、溶媒とを含む溶液から、前記半導体ナノ結晶を形成しつつ当該半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を形成することにより、前記半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を含む表面層を備えた前駆体粒子を得る工程と、
前記前駆体粒子と、塩基性基を含む構造単位を有する高分子化合物と、加水分解性シリル基を有し前記シラン化合物Aとは異なるシラン化合物Bとを混合して混合物を得、次いで1価の陽イオンを含む塩を含む水溶液を前記混合物に添加して、前記前駆体粒子の表面にシロキサン結合を形成することにより、前記前駆体粒子の表面に、前記塩及び前記高分子化合物を含む前記表面層を備えた発光性粒子を得る工程とを備えた、発光性粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の発光性粒子と、光重合性化合物と、光重合開始剤を含有する、インク組成物。
【請求項7】
請求項6に記載のインク組成物の硬化物を含む、光変換層。
【請求項8】
請求項7に記載の光変換層を備えた、カラーフィルター。
【請求項9】
請求項7に記載の光変換層を備えた、波長変換フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発光性粒子、該発光性粒子の製造方法、該発光性粒子を含有するインク組成物、該インク組成物の硬化物を含む光変換層、カラーフィルター及び波長変換フィルムに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
次世代の表示素子に要求される国際規格BT.2020を満たす発光材料として、半導体性のナノ結晶が注目されており、例えば量子ドット、量子ロッド、その他の無機蛍光体粒子等の発光性ナノ結晶を用いて赤色光又は緑色光を取り出す光変換シートやカラーフィルター画素部のような光変換層、また発光性ナノ結晶をバックライトに用いた表示デバイスや照明装置が提案されている。
発光性ナノ結晶は蛍光又は燐光を発し、発光スペクトルの半値幅が狭いという特徴がある。現在主流のコアシェル型量子ドットでは、当初CdSe等を使用していたが、Cdによる有害性を回避するため、最近ではInP等が用いられている。しかし、粒子としての安定性が低く、安定化改善に向けた検討が精力的に進められている。また、コアシェル型量子ドットは、その粒子サイズにより発光波長が決まるため、半値幅の狭い発光を得るためには粒子径の分散度を精密に制御する必要があり、その生産には課題が多い。
【0003】
一方、近年、ペロブスカイト型結晶構造をもつ量子ドットが見出され注目を集めている。例えば、一般式CsPbX

(Xはハロゲン原子のアニオンを表す。)で示される、ペロブスカイト型結晶構造を有する、セシウムと鉛とハロゲンとからなるメタルハライドであるナノ結晶は、ハロゲン原子の種類とその存在割合を調整することにより発光波長を制御できる利点があり、発光材料としての物性に優れることが非特許文献1に開示されている。また、粒子サイズの制御がInP量子ドット等に比べ容易であり、生産性面で有利である。特許文献1には、ペロブスカイト型結晶構造を有する発光性結晶とアクリレートポリマー由来の固体ポリマー含有組成物及び発光性部品が開示されている。
一般的に、ペロブスカイト型結晶構造を有する発光性ナノ結晶は、ホットインジェクション法、リガンド支援再沈殿(LARP(Ligand-Assisted Reprecipitation)法により合成される。ペロブスカイト型結晶構造を有する発光性ナノ結晶は、水分や酸素の存在下で光や熱により劣化しやすいため、水分、光、熱に対する安定性の向上が求められている。かかる観点から、シラン化合物によりナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む層(シリカ層)を形成する手法が検討されており、例えば非特許文献2には、シリカ層の形成時に無機塩を有機リガンドと共に添加し、表面不動態化する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/028870号
【非特許文献】
【0005】
Nano Letters,2015,15,3692-3696
Chemistry of Materials,2022,34,405-413
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シラン化合物によりナノ結晶の表面にシリカ層を形成する際、シラン化合物の加水分解に関与する水分子、および加水分解時に生成するアルコールによって、ペロブスカイト型結晶構造を有するナノ結晶の劣化が生じやすいという課題がある。また、非特許文献2の手法では、ペロブスカイト型結晶構造を有するナノ結晶のAサイトの脱離による欠陥を抑制することが困難であり、安定性の向上が依然として求められている。
【0007】
本発明の目的は、水、光及び熱に対する安定性に優れる、ナノ結晶を含む発光性粒子を提供することにある。
本発明の目的はまた、かかる発光性粒子の製造方法、かかる発光性粒子を含むインク組成物及び前記インク組成物の硬化物を含む光変換層、並びに前記光変換層を備えたカラーフィルター及び波長変換フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] メタルハライドからなる半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む表面層を備え、前記表面層が1価の陽イオンを有する塩を含み、
前記半導体ナノ結晶が、一般式A





で表される化合物からなり、
前記AがCs、Rb、メチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、アンモニウム、2-フェニルエチルアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム及びプロトン化チオウレアからなる群から選ばれる1つ以上の陽イオンを表し、
前記MがPb、Sn、Ge、Bi、Sb、Ag、In、Cu、Yb、Ti、Pd、Mn、Eu、Zr及びTbからなる群から選ばれる金属イオンを表し、
前記XがF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる1つ以上のハロゲン化物イオンを表し、
aが1~7の正数を表し、bが1~4の正数を表し、cが1~16の正数を表す、発光性粒子。
[2] 前記半導体ナノ結晶が、ペロブスカイト型結晶構造を有する、[1]に記載の発光性粒子。
[3] 前記1価の陽イオンを有する塩がハロゲンイオンを含む、[1]又は[2]に記載の発光性粒子。
[4] 前記1価の陽イオンを有する塩における1価の陽イオンが、有機カチオン又は金属イオンである、[1]~[3]のいずれかに記載の発光性粒子。
[5] メタルハライドからなる半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を有する構造を含む表面層を備え、前記表面層が1価の陽イオンを有する塩を含み、
前記半導体ナノ結晶が、一般式A





で表される化合物からなり、
前記AがCs、Rb、メチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、アンモニウム、2-フェニルエチルアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム及びプロトン化チオウレアからなる群から選ばれる1つ以上の陽イオンを表し、
前記MがPb、Sn、Ge、Bi、Sb、Ag、In、Cu、Yb、Ti、Pd、Mn、Eu、Zr及びTbからなる群から選ばれる金属イオンを表し、
前記XがF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる1つ以上のハロゲン化物イオンを表し、
aが1~7の正数を表し、bが1~4の正数を表し、cが1~16の正数を表す、発光性粒子の製造方法であって、
前記半導体ナノ結晶を合成可能な原料化合物と、前記半導体ナノ結晶の表面に結合可能な結合性基及び加水分解性シリル基を有するシラン化合物Aと、溶媒とを含む溶液から、前記半導体ナノ結晶を形成しつつ当該半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を形成することにより、前記半導体ナノ結晶の表面にシロキサン結合を含む表面層を備えた前駆体粒子を得る工程と、
前記前駆体粒子と、塩基性基を含む構造単位を有する高分子化合物と、加水分解性シリル基を有し前記シラン化合物Aとは異なるシラン化合物Bとを混合して混合物を得、次いで1価の陽イオンを含む塩を含む水溶液を前記混合物に添加して、前記前駆体粒子の表面にシロキサン結合を形成することにより、前記前駆体粒子の表面に、前記塩及び前記高分子化合物を含む前記表面層を備えた発光性粒子を得る工程とを備えた、発光性粒子の製造方法。
[6] [1]~[4]のいずれかに記載の発光性粒子と、光重合性化合物と、光重合開始剤を含有する、インク組成物。
[7] [6]に記載のインク組成物の硬化物を含む、光変換層。
[8] [7]に記載の光変換層を備えた、カラーフィルター。
[9] [7]に記載の光変換層を備えた、波長変換フィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水、光及び熱に対する安定性に優れる、ナノ結晶を含む発光性粒子、前記発光性粒子の製造方法、前記発光性粒子を含むインク組成物及び前記インク組成物の硬化物を含む光変換層、並びに前記光変換層を備えたカラーフィルター及び波長変換フィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係る光変換層を備える積層構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。
本発明に係る光変換層を備える発光素子の一実施形態を模式的に示す断面図である。
アクティブマトリックス回路の構成を示す概略図である。
図3に示すアクティブマトリックス回路の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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