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公開番号2025089518
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2025053079,2020198117
出願日2025-03-27,2020-11-30
発明の名称澱粉非溶出性フィルム、及び成形体の製造方法
出願人株式会社コバヤシ
代理人個人
主分類C08L 3/02 20060101AFI20250605BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
バイオマス素材として澱粉を含有するにもかかわらず、水への澱粉の溶出量が少なく、食品の一次包装可能なフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
澱粉が可塑化された可塑化澱粉と、第一樹脂であるエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)と、相溶化剤である無水カルボン酸変性ポリオレフィンと、を含む澱粉含有第一樹脂と、前記第一樹脂とは異なる第二樹脂と、無水カルボン酸変性ポリオレフィン(但し、前記澱粉含有第一樹脂に含まれる無水カルボン酸変性ポリオレフィンを除く)と、を含む澱粉含有樹脂組成物から形成された澱粉非溶出性フィルムであって、
前記可塑化澱粉は、グリセリン及びエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、水と、を含有し、
前記澱粉非溶出性フィルムの澱粉非溶出性は、前記フィルムに含まれる澱粉の水への溶出性を評価する過マンガン酸カリウム消費量試験によって判定される非溶出性である、澱粉非溶出性フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
澱粉が可塑化された可塑化澱粉と、第一樹脂であるエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)と、相溶化剤である無水カルボン酸変性ポリオレフィンと、を含む澱粉含有第一樹脂と、前記第一樹脂とは異なる第二樹脂と、無水カルボン酸変性ポリオレフィン(但し、前記澱粉含有第一樹脂に含まれる無水カルボン酸変性ポリオレフィンを除く)と、を含む澱粉含有樹脂組成物から形成された澱粉非溶出性フィルムであって、
前記可塑化澱粉は、グリセリン及びエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、水と、を含有し、
前記澱粉非溶出性フィルムの澱粉非溶出性は、前記フィルムに含まれる澱粉の水への溶出性を評価する過マンガン酸カリウム消費量試験によって判定される非溶出性である、
澱粉非溶出性フィルム。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記グリセリンは、前記可塑化澱粉において、前記澱粉100質量部に対し、10~40質量部含有される、請求項1に記載の澱粉非溶出性フィルム。
【請求項3】
前記澱粉は、トウモロコシ澱粉及び/又はタピオカ澱粉である、請求項
1又は2
に記載の澱粉非溶出性フィルム。
【請求項4】
前記第二樹脂は、ポリエチレン樹脂である、請求項
1~3のいずれか1項
に記載の澱粉非溶出性フィルム。
【請求項5】
前記澱粉非溶出性フィルムの用途が食品包装用である、請求項1~

のいずれか1項に記載の澱粉非溶出性フィルム。
【請求項6】
前記澱粉含有第一樹脂及び前記第二樹脂のうちの少なくとも一つが生分解性樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の澱粉非溶出性フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、澱粉非溶出性フィルム、及び成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、食品、医薬品、化粧品、衛生用品等の種々の物品を包装する包装材料として、種々のフィルムが開発されている。
従来のフィルムは、石油系材料から形成されているので、廃棄後に自然環境下では分解し難く、自然環境を汚染する一つの原因となっている。近年、廃棄後に自然環境下で分解される素材が検討され、このような素材として、バイオマス素材を含むフィルムが注目されている。当該フィルムは、バイオマス素材を石油系材料の代替として含むので、燃焼時に排出されるCO2を削減可能である。バイオマス素材としては、例えば廃棄物系バイオマス(食物廃棄物、家畜排泄物、建築廃材、及び古紙など)、未利用バイオマス(農作物非食用部及び林地残材など)、及び、資源穀物を挙げることができる。より具体的なバイオマス素材の例として、例えば、木粉、稲わら、竹、及び古米などを挙げることができる。
【0003】
バイオマス素材として、天然に豊富に存在し、安価な澱粉が使用されている。澱粉は、燃焼に伴って排出される二酸化炭素の量を基準にし、元となる植物(澱粉)が成長過程で吸収した二酸化炭素の量と同じ量となる、いわゆるカーボンニュートラルな素材である。しかし、澱粉自体は、高分子量の素材であり、澱粉のままでは成形時の流動性に乏しく、成形加工性に難点があるため、様々な方法により可塑性を付与した澱粉が利用されている。澱粉を含むプラスチック成形体に関して、例えば、下記特許文献1には、第1の澱粉及び第2の澱粉を含む澱粉系ポリマー材料と、ポリオレフィン系ポリマー材料とを含む、ポリマー内容物を含む物品であって、91日後に生分解するポリマー内容物の量が、約55重量%の水及び約45重量%の有機固形物を有する接種材料を使用して約52℃の温度で行われるバイオメタン潜在性試験の結果に基づいて、第1の澱粉及び第2の澱粉の量よりも多い、物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-521181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
食品の一次包装に用いられるフィルムは、フィルム中に含まれる有機物等の水への溶出量が少ないことが求められている。
しかしながら、バイオマス素材として澱粉を使用してフィルムを形成した際、フィルムに含まれる澱粉及び可塑剤の水への溶出量が多く、食品の一次包装が可能なフィルムを提供することが困難であった。
本技術は、バイオマス素材として澱粉を含有するにもかかわらず、澱粉の水への溶出量が少なく、食品の一次包装可能な澱粉非溶出性フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、澱粉を含む熱可塑性樹脂から形成された澱粉非溶出性フィルムを提供する。
前記澱粉非溶出性フィルムの澱粉非溶出性は、前記フィルムに含まれる澱粉の水への溶出性を評価する過マンガン酸カリウム消費量試験によって判定される非溶出性でありうる。
前記澱粉は、可塑化澱粉でありうる。
前記澱粉は、トウモロコシ澱粉及び/又はタピオカ澱粉でありうる。
前記熱可塑性樹脂は、SP値が7.8(cal/cm)
1/2
以上11.0(cal/cm)
1/2
以下である第一樹脂B1を含みうる。
前記第一樹脂B1は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)でありうる。
前記熱可塑性樹脂は、SP値が7.7(cal/cm)
1/2
以上8.4(cal/cm)
1/2
以下である第二樹脂B2を含みうる。
前記第二樹脂B2は、ポリエチレン樹脂でありうる。
前記第一樹脂B1のSP値と前記第二樹脂B2のSP値とが下記関係式を満たしうる。
ΔSP
B2W
=|第二樹脂B2のSP値-23.4(cal/cm)
1/2
|>ΔSP
B1W
=|第一樹脂B1のSP値-23.4(cal/cm)
1/2

前記熱可塑性樹脂は、相溶化剤を含みうる。
前記相溶化剤は、無水カルボン酸変性ポリオレフィンでありうる。
前記澱粉非溶出性フィルムの用途が食品包装用でありうる。
前記熱可塑性樹脂が生分解性樹脂でありうる。
本技術は、澱粉と第一樹脂B1とを混合して澱粉含有第一樹脂を得る澱粉含有第一樹脂調製工程、前記澱粉含有第一樹脂と第二樹脂B2とを混合して澱粉含有樹脂組成物を得る澱粉含有樹脂組成物調製工程、及び、前記澱粉含有樹脂組成物を成形して成形体を得る成形体形成工程、を含み、前記成形体は澱粉非溶出性である、成形体の製造方法を提供する。
前記成形体がフィルムでありうる。
前記第二樹脂B2は、前記第一樹脂B1と異なる樹脂でありうる。
前記第二樹脂B2は、前記第一樹脂B1と同じ樹脂でありうる。
前記第一樹脂B1のSP値が7.8(cal/cm)
1/2
以上11.0(cal/cm)
1/2
以下でありうる。
前記第二樹脂のSP値が7.7(cal/cm)
1/2
以上8.4(cal/cm)
1/2
以下でありうる。
前記第一樹脂B1のSP値と前記第二樹脂B2のSP値とが下記関係式を満たしうる。
ΔSP
B2W
=|第二樹脂B2のSP値-23.4(cal/cm)
1/2
|>ΔSP
B1W
=|第一樹脂B1のSP値-23.4(cal/cm)
1/2

前記澱粉含有第一樹脂調製工程において、前記澱粉100質量部に対して、前記第一樹脂B1を30質量部以上配合しうる。
前記澱粉含有樹脂組成物調製工程において、前記澱粉含有第一樹脂100質量部に対して、前記第二樹脂B2を60質量部以上配合しうる。
【発明の効果】
【0007】
本技術により、バイオマス素材として澱粉を含有するにもかかわらず、澱粉の水への溶出量が少なく、食品の一次包装可能な澱粉非溶出性フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本技術を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、本技術はこれらの実施形態のみに限定されるものでない。
【0009】
本技術について、以下の順序で説明を行う。
1.第1の実施形態(澱粉非溶出性フィルムの例)
(1)フィルムの構成
(2)物性
(3)フィルムの製造方法
(4)フィルムの用途
2.第2の実施形態(成形体の製造方法の例)
(1)成形体の製造方法
3.実施例
【0010】
1.第1の実施形態(澱粉非溶出性フィルムの例)
(【0011】以降は省略されています)

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