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公開番号2025097036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-30
出願番号2023213089
出願日2023-12-18
発明の名称水性エマルジョン及び接着剤
出願人株式会社クラレ
代理人
主分類C08L 31/04 20060101AFI20250623BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐水性及び耐熱性に優れる水性エマルジョンを提供する。
【解決手段】変性ポリビニルアルコール(A)及びエチレン性不飽和単量体単位を含む重合体(B)を含有し、変性ポリビニルアルコール(A)がエチレン単位及び特定の単量体単位を含有する水性エマルジョン。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
変性ポリビニルアルコール(A)及びエチレン性不飽和単量体単位を含む重合体(B)を含有し、変性ポリビニルアルコール(A)がエチレン単位及び下記式(I)で表される単量体単位を含有する水性エマルジョン。
JPEG
2025097036000007.jpg
75
133
(式(I)中、W及びZは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は-COOR
2
で表される基である。R
1
及びR
2
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。Xは単結合又は炭素数1~5のアルキレン基である。Yは水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。*は結合部位を表す。)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
変性ポリビニルアルコール(A)のケン化度が80モル%以上99.9モル%以下である、請求項1に記載の水性エマルジョン。
【請求項3】
変性ポリビニルアルコール(A)の粘度平均重合度が500~5000である、請求項1に記載の水性エマルジョン。
【請求項4】
式(I)で表される単量体単位が、カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種に由来する単量体単位である、請求項1に記載の水性エマルジョン。
【請求項5】
前記カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体が、エチレン性不飽和ジカルボン酸、並びにそのモノエステル、ジエステル、無水物及び金属塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の水性エマルジョン。
【請求項6】
前記カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、無水マレイン酸、マレイン酸の金属塩、マレイン酸モノアルキルエステルの金属塩、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、フマル酸の金属塩及びフマル酸モノアルキルエステルの金属塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の水性エマルジョン。
【請求項7】
変性ポリビニルアルコール(A)が炭素-炭素二重結合を含有する、請求項1に記載の水性エマルジョン。
【請求項8】
変性ポリビニルアルコール(A)が下記式(II)で表される単量体単位を含有する、請求項1に記載の水性エマルジョン。
JPEG
2025097036000008.jpg
75
131
(式(II)中、Zは水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は-COOR
2
で表される基である。R
1
及びR
2
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。Xは単結合又は炭素数1~5のアルキレン基である。Yは水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。*は結合部位を表す。)
【請求項9】
エチレン単位と式(I)で表される単量体単位のモル比(エチレン単位/式(I)で表される単量体単位)が、50/50~99.9/0.1である、請求項1に記載の水性エマルジョン。
【請求項10】
変性ポリビニルアルコール(A)が、変性ポリビニルアルコール(A-1)及び変性ポリビニルアルコール(A-2)を含有し、変性ポリビニルアルコール(A-1)がエチレン単位を含有し、変性ポリビニルアルコール(A-2)が式(I)で表される単量体単位を含有する、請求項1に記載の水性エマルジョン。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の変性ポリビニルアルコールを含有する水性エマルジョン及びその製造方法に関する。また、本発明は、当該水性エマルジョンを含有する接着剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(以下、「PVOH」と略記することがある。)に代表されるビニルアルコール系重合体は、水溶性の合成高分子として知られており、繊維及びフィルム原料としての用途に加えて、紙加工剤、繊維加工剤、無機物のバインダー、接着剤、乳化重合及び懸濁重合用の安定剤等として広く用いられている。特に、PVOHは酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとして知られており、PVOHを乳化重合用安定剤として用い、乳化重合して得られるビニルエステル系水性エマルジョンは、木工用をはじめとする各種接着剤、塗料ベース、コーティング剤、含浸紙用及び不織製品等の各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、紙加工、繊維加工等の分野で広く用いられている。
【0003】
PVOHを乳化重合用安定剤として用い、乳化重合して得られる水性エマルジョンは、耐水性が低いことが知られている。このような問題を解決するために、特許文献1では、酢酸ビニルモノマーとN-メチロールアクリルアミドを共重合したエマルジョンが提案され、N-メチロールアクリルアミド単量体に由来する構造の架橋反応により高い耐水性を達成している。しかしながら、この方法では架橋反応によりエマルジョンの粘度が経時的に増大するため保管安定性が不十分であり、また、シックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドが発生するという環境上の問題点を有する。
【0004】
耐水性を改善する他の方法として、乳化重合用安定剤であるPVOHを改質する方法が提案されている。特許文献2では、分散剤が炭素数4以下のα-オレフィン単位を特定の割合で含有するPVOHであり、分散質がエチレン性不飽和単量体の重合体である水性エマルジョンが提案されている。この水性エマルジョンは高い耐水性を達成することができる一方で、耐熱性には改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-121017号公報
特開平8-081666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述のような事情に基づいてなされたものであり、耐水性及び耐熱性に優れる水性エマルジョンの提供を目的とする。また、当該水性エマルジョンの製造方法及び当該水性エマルジョンを含有する接着剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、
[1]変性ポリビニルアルコール(A)及びエチレン性不飽和単量体単位を含む重合体(B)を含有し、変性ポリビニルアルコール(A)がエチレン単位及び下記式(I)で表される単量体単位を含有する水性エマルジョン;
【0008】
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2025097036000001.jpg
75
133
【0009】
(式(I)中、W及びZは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は-COOR
2
で表される基である。R
1
及びR
2
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。Xは単結合又は炭素数1~5のアルキレン基である。Yは水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。*は結合部位を表す。)
[2]変性ポリビニルアルコール(A)のケン化度が80モル%以上99.9モル%以下である、[1]の水性エマルジョン;
[3]変性ポリビニルアルコール(A)の粘度平均重合度が500~5000である、[1]又は[2]の水性エマルジョン;
[4]式(I)で表される単量体単位が、カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種に由来する単量体単位である、[1]~[3]のいずれかの水性エマルジョン;
[5]前記カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体が、エチレン性不飽和ジカルボン酸、並びにそのモノエステル、ジエステル、無水物及び金属塩からなる群より選択される少なくとも一種である、[4]の水性エマルジョン;
[6]前記カルボキシ基を有する単量体及びその誘導体が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、無水マレイン酸、マレイン酸の金属塩、マレイン酸モノアルキルエステルの金属塩、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、フマル酸の金属塩及びフマル酸モノアルキルエステルの金属塩からなる群より選択される少なくとも一種である、[4]又は[5]に記載の水性エマルジョン;
[7]変性ポリビニルアルコール(A)が炭素-炭素二重結合を含有する、[1]~[6]のいずれかの水性エマルジョン;
[8]変性ポリビニルアルコール(A)が下記式(II)で表される単量体単位を含有する、[1]~[7]のいずれかに記載の水性エマルジョン;
【0010】
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2025097036000002.jpg
75
131
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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