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公開番号2025091089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206086
出願日2023-12-06
発明の名称光電変換素子及びその製造方法
出願人シャープ株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類H01G 9/20 20060101AFI20250611BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高濃度にムラなく色素を吸着させた多孔質半導体層を備えた光電変換素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】増感色素を含有するペーストを用いて多孔質半導体層に色素を担持させる。そのようにして製造した光電変換素子Aは、第1電極(電極基板10)と、第1電極の対極となる第2電極(対向基板20)と、第1電極と第2電極との間を領域に封入された電解質媒体50と、電解質媒体50を前記領域内に封止する封止壁60と、第1電極における電解質媒体50側に設けられ増感色素を担持する多孔質半導体層30と、を備え、多孔質半導体層30と第2電極との間に、多孔質である有機物固体層40が存在する構成である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極の対極となる第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間の領域に封入された電解質媒体と、
前記電解質媒体を前記領域内に封止する封止壁と、
前記第1電極における前記電解質媒体側に設けられ、増感色素を担持する多孔質半導体層と、を備えた光電変換素子であって、
前記多孔質半導体層と前記第2電極との間に、多孔質である有機物固体層が存在することを特徴とする光電変換素子。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の光電変換素子であって、
前記有機物固体層は、カルボキシル基を有するステロイド化合物を含むことを特徴とする光電変換素子。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光電変換素子であって、
前記有機物固体層の平均厚みは、10μm以上20μm以下であることを特徴とする光電変換素子。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の光電変換素子であって、
前記有機物固体層は、前記有機物固体層の厚み方向における長さが1μm以上である粒子を含有することを特徴とする光電変換素子。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の光電変換素子であって、
前記有機物固体層の平面配置は、パターン状の配置であることを特徴とする光電変換素子。
【請求項6】
請求項1に記載の光電変換素子の製造方法であって、
前記第1電極と増感色素を担持する前の多孔質半導体層とを備えた第1基板の当該多孔質半導体層上に、増感色素を含有するペーストを塗布するペースト塗布工程と、
前記第2電極を備える第2基板上にシール材を枠状に塗布するシール材塗布工程と、
前記シール材の枠内で、前記第2電極上に電解質媒体を滴下する滴下工程と、
前記ペースト塗布工程を経た前記第1基板と、前記滴下工程を経た前記第2基板とを、前記シール材を介して貼り合わせる貼合工程と、
前記貼合工程後に前記シール材を硬化させることで、前記第1電極と前記第2電極との間の領域に前記電解質媒体を封止する封止壁を形成する硬化工程と、を含み、
前記貼合工程後に、前記ペーストに含まれる増感色素が前記多孔質半導体層へと浸透して吸着されることで、前記多孔質半導体層が前記増感色素を担持することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光電変換素子の製造方法であって、
前記ペースト塗布工程において、スクリーン印刷によって、増感色素を担持する前の多孔質半導体層上に、増感色素を含有するペーストをパターン状に塗布することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の光電変換素子の製造方法であって、
第2基板が備える前記第2電極上に、増感色素を含有するペーストを塗布するペースト塗布工程と、
前記第1電極と増感色素を担持する前の多孔質半導体層とを備えた第1基板上に、当該多孔質半導体層を囲う枠状にシール材を塗布するシール材塗布工程と、
前記シール材の枠内で、前記第1基板上に電解質媒体を滴下する滴下工程と、
前記滴下工程を経た前記第1基板と、前記ペースト塗布工程を経た前記第2基板とを、前記シール材を介して貼り合わせる貼合工程と、
前記貼合工程後に前記シール材を硬化させることで、前記第1電極と前記第2電極との間の領域に前記電解質媒体を封止する封止壁を形成する硬化工程と、を含み、
前記貼合工程後に、前記ペーストに含まれる増感色素が、前記電解質媒体を介して、前記多孔質半導体層に浸透して吸着されることで、前記増感色素が前記多孔質半導体層に担持されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法であって、
前記ペースト塗布工程で使用するペーストは、カルボキシル基を有するステロイド化合物、及び含窒素複素環式化合物を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の光電変換素子の製造方法であって、
前記ペースト塗布工程で使用するペースト中に含有する前記増感色素の物質量をXmol、前記ステロイド化合物の物質量をYmolとすると、物質量比Y/Xは10以上100以下であることを特徴とする光電変換素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光電変換素子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光を電力に変換する太陽電池として、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池や薄膜シリコン太陽電池が知られている。結晶系シリコン基板を用いた太陽電池はシリコン基板を用い、薄膜シリコン太陽電池は多種の半導体製造用ガスや装置を用いること等から、いずれも製造コストが増大する傾向がある。
【0003】
これに対し、製造コストの増大を招くシリコン基板等を用いることなく、金属錯体の光誘起電子移動を応用した色素増感太陽電池も提案されている。この種の色素増感太陽電池は、太陽光等の入射光を吸収した増感色素(以下、単に色素ともいう)により、酸化物半導体微粒子が増感され、光エネルギーを電力に変換する光電変換素子として機能する。色素増感太陽電池では、光が照射されると、一方の電極に移動した電子が外部電気回路を通過した後、対向する他方の電極を経由して電解液中のイオンに運ばれて光電変換層に戻ることで、電気エネルギーが取り出される。
【0004】
色素増感太陽電池の製造方法としては、多孔質半導体層を有する基板を色素溶液に浸漬して長時間静置することで、多孔質半導体層に色素を担持(吸着)させる方法がある。しかしながら、この種の浸漬方式では色素吸着に数時間という時間を要するうえ、色素溶液の消費量が多くなり無駄が生じるといった問題点がある。このような問題点に対して、例えば特許文献1には、多孔質半導体層を有する基板に色素溶液をノズルから滴下塗布する処理を行い、その後、多孔質半導体層上の色素溶液から溶媒を蒸発させて除去する溶媒除去処理と、多孔質半導体層の表面に付着している余分な色素を洗い流して除去するリンス処理とを行って、多孔質半導体層に色素を担持させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-12404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のような滴下方式では、多孔質半導体層に対する色素の吸着にムラができるという問題がある。そのことを、図14を用いて説明する。
【0007】
図14は従来の滴下方式(ドット塗布)を模式的に例示した断面図であって、透明基板110上に透明導電層120と多孔質半導体層300とがこの順で積層されており、多孔質半導体層300に対して色素溶液の液滴400が滴下される様子を示している。多孔質半導体層300に液滴400が滴下されると、色素の吸着は滴下直後から始まるものの、色素は分子サイズが大きいため、多孔質半導体層300に対する色素の浸透はまず垂直方向(多孔質半導体層300の厚み方向)に進行する。その後、滴下された箇所からその周囲(水平方向)へと広がるように色素が浸透していき、色素が吸着する。そのため、滴下方式で色素を担持させた多孔質半導体層300を受光面側(図14の下側)から見ると、液滴400が滴下された箇所とその周囲とでは色素濃度に差が発生し、延いては、光電変換効率の低下や外観品質の低下が発生するという問題がある。またこの問題は、多孔質半導体層300に吸着させる色素を高濃度化させた場合に悪化することが懸念される。
【0008】
本開示の内容は斯かる事情に鑑みて見出されたものであり、本開示は、高濃度にムラなく色素を吸着させた多孔質半導体層を備える光電変換素子及びその製造方法の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本開示の光電変換素子は、第1電極と、前記第1電極の対極となる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間の領域に封入された電解質媒体と、前記電解質媒体を前記領域内に封止する封止壁と、前記第1電極における前記電解質媒体側に設けられ、増感色素を担持する多孔質半導体層と、を備えた光電変換素子であって、前記多孔質半導体層と前記第2電極との間に、多孔質である有機物固体層が存在することを特徴とする。
【0010】
上記の光電変換素子にあっては、前記有機物固体層は、カルボキシル基を有するステロイド化合物を含む構成であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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