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公開番号2025096198
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2024213316
出願日2024-12-06
発明の名称炭酸発泡組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 8/19 20060101AFI20250619BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】保存安定性が高く、かつ手触りのざらつきが抑制され、使用感の良好な、炭酸発泡組成物を提供する。
【解決手段】炭酸塩及び有機酸を含有する炭酸発泡組成物であって、炭酸塩を含む粒子(A)及び有機酸を含む粒子(B)を含有し、粒子(A)は有機酸を含まず、粒子(B)は炭酸塩を含まない粒子であり、粒子(A)の原料である炭酸塩粒子(a)のメジアン径が170μm以下であり、粒子(B)の原料である有機酸粒子(b)のメジアン径が500μm以下であり、粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が80μm以上であり、粒子(A)のメジアン径が炭酸塩粒子(a)のメジアン径以上であり、粒子(B)のメジアン径が有機酸粒子(b)のメジアン径以上である、炭酸発泡組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸塩及び有機酸を含有する炭酸発泡組成物であって、
前記炭酸発泡組成物は、前記炭酸塩を含む粒子(A)及び前記有機酸を含む粒子(B)を含有し、
前記粒子(A)は有機酸を含まず、前記粒子(B)は炭酸塩を含まない粒子であり、
前記粒子(A)の原料である炭酸塩粒子(a)のメジアン径が170μm以下であり、前記粒子(B)の原料である有機酸粒子(b)のメジアン径が500μm以下であり、
前記粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が80μm以上であり、
前記粒子(A)のメジアン径が前記炭酸塩粒子(a)のメジアン径以上であり、前記粒子(B)のメジアン径が前記有機酸粒子(b)のメジアン径以上である、
炭酸発泡組成物。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子が、原料粒子を造粒した造粒粒子を含む、請求項1に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項3】
更に、吸湿剤を含有する、請求項1に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項4】
前記有機酸が、クエン酸、コハク酸、酒石酸、及びアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項5】
前記炭酸塩が、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項6】
前記吸湿剤が、酸化マグネシウムである、請求項3に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項7】
前記粒子(A)又は前記粒子(B)が、更に前記吸湿剤を含む造粒粒子である、請求項3に記載の炭酸発泡組成物。
【請求項8】
賦形剤をさらに含有し、
前記粒子(A)もしくは前記粒子(B)、又は前記粒子(A)及び前記粒子(B)の両方が前記賦形剤を含有する、請求項7に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の炭酸発泡組成物の製造方法であって、
原料としてメジアン径が170μm以下の炭酸塩粒子(a)、及び、メジアン径が500μm以下の有機酸粒子(b)を用い、前記炭酸塩粒子(a)及び前記有機酸粒子(b)のうち少なくとも一方を造粒してメジアン径が80μm以上となる造粒粒子を作成する工程を含む、
炭酸発泡組成物の製造方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の炭酸発泡組成物を、界面活性剤含有組成物と接触させて、界面活性剤含有組成物を泡状の剤形にする、炭酸発泡組成物の使用方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸発泡組成物に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、手軽に利用できるという観点から、泡タイプのシャンプーや洗顔料、ボディソープが着目されている。
このような中、炭酸塩と有機酸の混合物は少量の水を加えることで炭酸ガスを発生するという性質を利用した、炭酸ガスの微細な泡を発生させる発泡性化粧品用組成物が報告されている(特許文献1)。この発泡性化粧品用組成物は洗顔石鹸や、シェービングフォーム、シャンプー、ボディソープとして使用できることが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の発泡性化粧品用組成物は、炭酸塩と有機酸との混合物に微量でも水が存在すると保存中に炭酸ガスが発生し、また反応により副生成物として水が発生するため連鎖的に反応が起こり、その結果包材が膨れてしまったり、使用時に発泡性が低下するという課題がある。
【0003】
この課題に対して、保存安定性を向上させる技術が報告されている。例えば、特許文献2には、油性成分を含有し、粒子径を150μm~1500μmとすることで保存安定性を向上させた発泡性顆粒が開示されている。
また、特許文献3には、次の成分(A)~(C):(A)粒子径が180μm以上の粒子が50%以上である炭酸アルカリ金属塩25~55質量%、(B)粒子径が180μm以上の粒子が50%以上である有機酸40~70質量%、及び(C)難水溶性金属酸化物0.01~10質量%を含有することで保存安定性を良好なものとした浴用剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平1-290615号公報
特開2009-62319号公報
特開2009-155213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、圧縮造粒法を用いるため、顆粒の即時溶解性が低下する。そのため、シャンプーなどを手で泡立てる際に使用する炭酸発泡組成物にこの技術を用いた場合、溶け残った成分によるざらつきが生じ、使用時の手触りが悪化することから、使用感が損なわれることが判明した。また、特許文献3は浴用剤に関する技術であり、浴用剤組成物が浴湯表面で溶解すると、炭酸ガスが浴湯に十分溶けずに逸散してしまう為、浴用剤組成物を浴湯中に溶解させる為に浴用剤組成物を浴湯中に沈降させ、一定時間浴湯中に滞留させる必要がある。そこで、浴用剤組成物を構成する粒子として、一定程度粒径の大きな原料粒子を使用することが前提となる。これに対し、手で泡立てる際に使用する炭酸発泡組成物では、少量の液体に短時間で即時に溶解させる即時溶解性が必要である為、粒径の大きな粒子を炭酸発泡組成物として利用した際には溶解性が悪く、上記と同様に、ざらつきの問題が生じる。炭酸発泡組成物は、浴用剤と異なり、毛髪や身体に適用し、肌(皮膚)に直接触れる為、繊細な肌触り(手触り)が要求される。
従って、本発明は、保存安定性が高く、かつ手触りのざらつきが抑制され、使用感の良好な、炭酸発泡組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、検討を行った結果、炭酸塩及び有機酸を含有する炭酸発泡組成物であって、炭酸塩及び有機酸が、それぞれ炭酸塩を含む粒子(A)(以下、単に「粒子(A)」ともいう)及び有機酸を含む粒子(B)(以下、単に「粒子(B)」ともいう)として各々独立した粒子の形態で含有され、それぞれの原料である炭酸塩の粒子(a)(以下「炭酸塩粒子(a)」ともいう)及び有機酸の粒子(b)(以下「有機酸粒子(b)」ともいう)のメジアン径が所定値以下であり、前記粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が所定値以上であり、粒子(A)及び粒子(B)のメジアン径が各原料粒子のメジアン径以上である炭酸発泡組成物が上記課題を解決することを見出した。
本発明は、下記に関する。
炭酸塩及び有機酸を含有する炭酸発泡組成物であって、
前記炭酸発泡組成物は、前記炭酸塩を含む粒子(A)及び前記有機酸を含む粒子(B)を含有し、
前記粒子(A)は有機酸を含まず、前記粒子(B)は炭酸塩を含まない粒子であり、
前記粒子(A)の原料である炭酸塩粒子(a)のメジアン径が170μm以下であり、前記粒子(B)の原料である有機酸粒子(b)のメジアン径が500μm以下であり、
前記粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が80μm以上であり、
前記粒子(A)のメジアン径が前記炭酸塩粒子(a)のメジアン径以上であり、前記粒子(B)のメジアン径が前記有機酸粒子(b)のメジアン径以上である、
炭酸発泡組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保存安定性が高く、かつ手触りのざらつきが抑制され、使用感の良好な、炭酸発泡組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の炭酸発泡組成物は、炭酸塩及び有機酸を含有する炭酸発泡組成物であって、
前記炭酸発泡組成物は、前記炭酸塩を含む粒子(A)及び前記有機酸を含む粒子(B)を含有し、
前記粒子(A)は有機酸を含まず、前記粒子(B)は炭酸塩を含まない粒子であり、
前記粒子(A)の原料である炭酸塩粒子(a)のメジアン径が170μm以下であり、前記粒子(B)の原料である有機酸粒子(b)のメジアン径が500μm以下であり、
前記粒子(A)及び前記粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が80μm以上であり、
前記粒子(A)のメジアン径が前記炭酸塩粒子(a)のメジアン径以上であり、前記粒子(B)のメジアン径が前記有機酸粒子(b)のメジアン径以上である。
本発明の炭酸発泡組成物は粉末又は顆粒状であり、例えば、シャンプーやコンディショニング剤などの界面活性剤含有組成物を泡状の剤形にするために使用するものである。したがって、本発明の炭酸発泡組成物は、界面活性剤含有組成物と組み合わせて、肌や毛髪を含む人体の表面に適用される。そのため、泡立てた際に手触りのざらつきのない、良好な使用感が要求され、また、短時間で即時に溶解させる必要があり、炭酸発泡組成物を構成する粒子の粒径が小さいことが望まれる。しかし、炭酸発泡組成物の粒径が小さいと吸湿剤を加えてもその効きが十分ではなく、包材中での炭酸ガスの発生を抑制することができず、保存安定性が悪いことがわかった。また、さらに検討を重ねた結果、保存中の炭酸ガスの発生を抑制する為には、炭酸塩や有機酸の粒径を特定値以上に大きくする必要があることを見出した。本発明者らは、この相反する要望を解決すべく、鋭意研究を行った結果、原料粒子の径と製造される炭酸発泡組成物を構成する粒子の径を各々特定の範囲とすることで、即時溶解性と保存安定性を両立し得ることを見出した。すなわち、本発明の炭酸発泡組成物によれば、炭酸塩粒子(a)及び有機酸粒子(b)のメジアン径が所定値以下であり、炭酸塩を含む粒子(A)及び有機酸を含む粒子(B)のうち少なくとも一方の粒子のメジアン径が所定値以上であり、該粒子(A)のメジアン径がその原料である炭酸塩粒子(a)のメジアン径以上であり、かつ、該粒子(B)のメジアン径がその原料である有機酸粒子(b)のメジアン径以上であることで、保存安定性を高めることができると共に、使用時に手触りのざらつきを抑え、良好な使用感を得ることができる。
また、炭酸塩と有機酸は、炭酸塩を含む粒子(A)及び有機酸を含む粒子(B)として各々独立した粒子の形態で含有されることで、保存安定性、発泡性をより向上せることができる。
【0009】
本発明の炭酸発泡組成物は、組み合わせて用いる界面活性剤含有組成物の効能を阻害しない範囲であれば界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の含有量は、10質量%未満でもよく、7質量%以下でもよく、5質量%以下でもよく、そして、1質量%以上でもよく、2質量%以上でもよく、3質量%以上でもよい。
なお、界面活性剤含有組成物については、粉末又は顆粒状炭酸組成物の使用方法の項で、詳しく説明する。
【0010】
<界面活性剤>
本発明で用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上用いることができる。以下にそれぞれの具体例を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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