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公開番号2025102340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219703
出願日2023-12-26
発明の名称溶鋼処理用の浸漬管
出願人東京窯業株式会社
代理人個人,個人
主分類C21C 7/10 20060101AFI20250701BHJP(鉄冶金)
要約【課題】使用時に内部の定形耐火物と不定形耐火物との境界から溶湯が侵入しても、芯金に対する内部のレンガ層の脱落が起こらず、耐用寿命が長く長期間に亘って使用可能な浸漬管を提供する。
【解決手段】浸漬管1は、耐火レンガによって筒状に形成された内側定形耐火物2と、金属製の芯金3と、不定形耐火物からなる外側不定形耐火物4とを有している。内側定形耐火物2は、縦長な直方体状の第一耐火レンガ5a,5a・・および第二耐火レンガ5b,5b・・を周状に交互に組み付けることによって円筒状に形成されており、内側定形耐火物2の外周の下側に所定のテーパ部2bが形成された状態になっている。さらに、テーパ部2bに、一定深さの縦長な複数の凹状溝7,7・・が、等間隔に形成された状態になっている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
金属によって筒状に形成された芯金と、耐火レンガによって筒状に形成されており前記芯金の内側に設けられた内側定形耐火物と、前記芯金の外側を覆うように設けられた不定形耐火物からなる外側不定形耐火物とを有する溶鋼処理用の浸漬管であって、
前記内側定形耐火物が、縦長な直方体状の耐火レンガを周状に組み付けることによって円筒状に形成されており、かつ、前記内側定形耐火物の外周の下側に、上方から下方に向かって小径となるように傾斜したテーパ部が形成されているとともに、
そのテーパ部に、一定深さの縦長な複数の凹状溝が等間隔に形成されていることを特徴とする浸漬管。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記凹状溝の深さが、10mm以上50mm以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の浸漬管。
【請求項3】
前記内側定形耐火物が、下記a,bの耐火レンガを交互に組み付けることによって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の浸漬管。
a.縦長な直方体状で、外周の下側に、上方から下方に向かって径方向の幅が小さくなるように傾斜した傾斜面が形成された第一耐火レンガ
b.縦長な直方体状で、外周の下橋際に、上方から下方に向かって径方向の幅が小さくなるように傾斜した傾斜面が形成されており、その傾斜面の形成部分の外径が前記第一耐火レンガよりも小さい第二耐火レンガ

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空脱ガス装置等に用いられる溶鋼処理用の浸漬管に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
製鋼の二次精錬の工程においては、取鍋内の溶鋼に下端を浸漬させた状態で溶鋼を流通させる浸漬管が、真空脱ガス装置の下端に装着されて使用される。そして、そのような浸漬管としては、特許文献1の如く、鉛直軸に沿った円筒状の芯金と、その芯金の内側に複数の略直方体状(水平断面が台形もしくは扇状である角柱状)のレンガを多段に組み付けることによって形成された肉厚な円筒状のレンガ層(内側定形耐火物)と、流動性を有する不定形耐火物(キャスタブル等)を固化させることによって芯金の外周に形成された肉厚な円筒状の不定形耐火物とを備えたものが知られている。
【0003】
また、特許文献1の浸漬管には、使用による加熱・冷却の繰り返しによって下端の不定形耐火物が脱落して内部のレンガ層が脱落する事態を防止するため、内部のレンガ層背面に多数の凹部を設け、かつ、芯金の下端際の内側にフランジ状の支持金具が付設されている。かかる浸漬管は、上方に環流管を載置し、その環流管の下端に設けられた接合用フランジを、上端に設けられた接合用フランジに固着させることによって環流管を接続させた状態で、真空脱ガス装置の下端に装着されて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-259415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の浸漬管は、下端の部分が定形耐火物より耐熱強度に劣る不定形耐火物によって形成されているため、使用時に、下端の不定形耐火物による形成部分が溶鋼流によって溶損して、芯金に熱が伝達されやすくなり、芯金が変形し、内部のレンガ層(定形耐火物)がずり落ちてしまう、という事態が起こり得る。また、そのような不具合を解消するために、内部のレンガ層を下端まで延長させた構造が採用されることもあるが、そのように内部のレンガ層を下端まで延長させると、下端面に内部のレンガ層と外側の不定形耐火物との材質境界ができてしまうため、当該境界から溶湯(溶融した鉄)が侵入し(すなわち、地金差しが起こり)、芯金が溶融したり、溶湯に起因した熱負荷によって芯金が変形したりしてしまい、その結果、芯金に対して内部のレンガ層がずり落ちて、取鍋内から吸い上げられた溶湯が環流管との接合面(すなわち、上端の接合用フランジと環流管の接合用フランジとの間)に入り込んでしまう、という不具合が起こり得る。すなわち、特許文献1の如き従来の浸漬管は、内部のレンガ層のずり落ち防止効果が不十分なものであった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の浸漬管が有する問題点を解消し、使用時に内部の定形耐火物と不定形耐火物との境界から溶湯が侵入しても、芯金に対する内部のレンガ層の脱落が起こらず、耐用寿命が長く長期間に亘って使用可能な溶鋼処理用の浸漬管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、金属によって筒状に形成された芯金と、耐火レンガによって筒状に形成されており前記芯金の内側に設けられた内側定形耐火物(内側定形耐火物層)と、前記芯金の外側を覆うように設けられた不定形耐火物からなる外側不定形耐火物(外側不定形耐火物層)とを有する溶鋼処理用の浸漬管であって、前記内側定形耐火物が、縦長な直方体状の耐火レンガを周状に組み付けることによって円筒状に形成されており、かつ、前記内側定形耐火物の外周の下側に、上方から下方に向かって小径となるように傾斜したテーパ部が形成されているとともに、そのテーパ部に、一定深さの縦長な複数の凹状溝が等間隔に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記凹状溝の深さが、10mm以上50mm以下に調整されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記内側定形耐火物が、下記a,bの耐火レンガを交互に組み付けることによって形成されたものであることを特徴とする。
a.縦長な直方体状で、外周の下側に、上方から下方に向かって径方向の幅が小さくなるように傾斜した傾斜面が形成された第一耐火レンガ
b.縦長な直方体状で、外周の下橋際に、上方から下方に向かって径方向の幅が小さくなるように傾斜した傾斜面が形成されており、その傾斜面の形成部分の外径が前記第一耐火レンガよりも小さい第二耐火レンガ
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の浸漬管は、内側定形耐火物の外周の下側に所定のテーパ部が形成されているとともに、そのテーパ部に一定深さの縦長な複数の凹状溝が等間隔に形成されているため、外側不定形耐火物と接触した内側定形耐火物の表面積が大きいので、内側定形耐火物(定形レンガ等)の脱落を効果的に抑制することができるため、長期間に亘って使用することができる(すなわち、寿命が長い)。
(【0011】以降は省略されています)

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