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公開番号2025105860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2025074723,2019193586
出願日2025-04-28,2019-10-24
発明の名称乳児用栄養組成物
出願人森永乳業株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類A23C 11/02 20250101AFI20250703BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、たんぱく質を過剰に摂取することなく、十分にアミノ酸栄養を確保することができる、より母乳に近いアミノ酸組成の乳児用栄養組成物を提供する。
【解決手段】たんぱく質を含有する乳児用栄養組成物であって、総アミノ酸当たりのフェニルアラニン及びチロシンの合計含有率が7.6重量%以上であり、総たんぱく質の90重量%以上が乳由来である、乳児用栄養組成物。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
たんぱく質を含有する乳児用栄養組成物であって、
総アミノ酸当たりのフェニルアラニン及びチロシンの合計含有率が7.6重量%以上であり、
総たんぱく質の90重量%以上が乳由来である、乳児用栄養組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児用栄養組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの乳児にとって人乳(母乳)は理想の栄養である。しかし、何らかの理由で母乳を与えられない場合には、母乳の代替品として乳児に与える栄養として、調製粉乳や調製液状乳といった栄養組成物が一般的に用いられている。そのような栄養組成物は、牛乳を主原料とし、組成を母乳に近づけるために栄養成分が調整されており、特に乳児用調製乳については法令上の一定の基準が定められている(非特許文献1)。
【0003】
乳児用栄養組成物には、通常、乳児にとって必須の栄養素であるたんぱく質が含まれている。
一般に乳児用栄養組成物を製造する際に、牛乳由来のカゼインや乳清(ホエイ)たんぱく質がたんぱく質源として配合される。乳児用調製乳等の栄養組成物においては、乳児の健康と発達をより向上させるため、その組成をより母乳に近づけるという要請がある。牛乳におけるカゼインと乳清たんぱく質の比率は8:2(重量比)であるが、母乳における同比率は4:6(重量比)とされる。そのため、乳児用栄養組成物の製造においては、カゼインと乳清たんぱく質の比率を母乳に近づけるよう設計されている。
【0004】
たんぱく質の栄養価は、それを構成するアミノ酸によって異なる。また、ヒトが合成できない必須アミノ酸は食事から摂取する必要があるが、必須アミノ酸ごとに乳児が必要とする量は異なる。従来、牛乳由来のカゼインや乳清たんぱく質を用いて製造されてきた乳児用栄養組成物においては、乳児にとって必要なアミノ酸が、その種類によっては母乳に比して不足している場合があることが指摘されてきた。これは、母乳と牛乳においては、同じカゼインや乳清たんぱく質と呼ばれる画分であったとしても、各々の画分を構成しているたんぱく質の組成が異なっており、各々の画分のアミノ酸組成も母乳と牛乳とで異なるためである。そのため、結晶アミノ酸の添加や、牛乳中の乳清たんぱく質画分から一部のたんぱく質を取り除く等によりアミノ酸組成を調整することが提案されている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-214775号公報
特表2011-504365号公報
特表2014-520549号公報
【非特許文献】
【0006】
消食表第296号(令和元年9月9日) 別添1 特別用途食品の表示許可基準
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
牛乳由来のたんぱく質と、母乳たんぱく質とでは、上記のアミノ酸組成の違いに加え、生体内での利用性が異なると考えられているため、牛乳由来のたんぱく質を用いて乳児用栄養組成物を製造する際には、母乳よりも多量のたんぱく質が配合されてきた。一方で、乳児期のたんぱく質、もしくは特定のアミノ酸の過剰摂取は、乳児にとって消化・代謝の負担になるなど、悪影響が指摘されている。
しかしながら、単に乳児用栄養組成物中のたんぱく質含有量を低減するだけでは母乳の組成から乖離し、乳児にとって必要なアミノ酸栄養が不足する懸念がある。
かかる状況において、本発明は、たんぱく質を過剰に摂取することなく、十分にアミノ酸栄養を確保することができる、より母乳に近いアミノ酸組成の乳児用栄養組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、従来の乳児用栄養組成物に含まれる必須アミノ酸においては、フェニルアラニンとチロシンが母乳の組成に比して最も不足する傾向にあることを見出した。表1に示すよう、2007年WHOの委員会は、年齢別の必須アミノ酸必要量を定める中で、母乳のアミノ酸組成を提示しており(WHO/FAO/UNU (2007), WHO technical report series no. 935)、ここで示される母乳のア
ミノ酸組成においては、フェニルアラニンとチロシンの合計の総アミノ酸に対する含有率は9.7重量%であるのに対し、従来の調製粉乳では7.2~7.5重量%と低値であった。
かかる分析に基づき、本発明者らは、乳児用栄養組成物のアミノ酸組成においてフェニルアラニンとチロシンの含有量を高めることに想到した。そして、乳由来のたんぱく質であるカゼインと乳清たんぱく質において、それぞれ含有するアミノ酸の構成比率が異なること、及びカゼインの高い生体利用性に着目し、組成物への配合比率を調整することにより、過剰なアミノ酸を低減しつつ、フェニルアラニンとチロシンの含有量を高め、十分にアミノ酸栄養を確保し、より母乳に近いアミノ酸組成を実現できることに想到し、本発明を完成させた。
【0009】
TIFF
2025105860000002.tif
144
170
【0010】
すなわち、本発明は、たんぱく質を含有する乳児用栄養組成物であって、総アミノ酸当たりのフェニルアラニン及びチロシンの合計含有率が7.6重量%以上であり、総たんぱく質の90重量%以上が乳由来である、乳児用栄養組成物である。
本発明の好ましい態様において、総たんぱく質の33~70重量%がカゼインである。
本発明の好ましい態様において、総アミノ酸当たりのチロシンの含有率が3.6重量%以上である。
本発明の好ましい態様において、総アミノ酸当たりのフェニルアラニンの含有量が3.8重量%以上である。
本発明の好ましい態様において、総たんぱく質含有量が組成物100kcal当たり2.15g未満である。
本発明の好ましい態様において、フェニルアラニン及びチロシンの合計含有量に対するトリプトファンの含有量の割合が21重量%以下である。
本発明の好ましい態様において、栄養組成物は、調製乳である。
なお、本明細書において数値範囲を「~」で記載する場合は、その両端の数値も範囲に含まれるものとする。例えば、33~70重量%は、33重量%以上70重量%以下を表す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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