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公開番号
2025109367
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-25
出願番号
2024003209
出願日
2024-01-12
発明の名称
セラミックス・耐火物用途向けアルミナ水分散液及びその製造方法
出願人
浅田化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01F
7/026 20220101AFI20250717BHJP(無機化学)
要約
【課題】本発明では、600℃以下での焼成でも残炭が残らない、セラミックスなどの焼成により耐火物を形成する用途に有用なアルミナ水分散液を提供する。
【解決手段】本発明は、アルミナ粒子を分散粒子として含むアルミナ水分散液であって、以下の特性:(1)アルミナ分散粒子を個数基準で測定した際の平均粒子径が10~1000nmの範囲であり、(2)アルミナ水分散液を100℃で乾燥時のアルミナ粒子の結晶系が不定形および/またはxアルミナであり、(3)アルミナ水分散液のpHが2.0~5.3の範囲であり、(4)アルミナ水分散液が有機酸およりアルカリを含み、前記有機酸がギ酸またはギ酸と酢酸との組合せであり、前記アルカリがアンモニアであり、(5)アルミナ水分散液に含まれるアルミナ(Al
2
O
3
)換算濃度が0.5~11.5質量%である、を満足するアルミナ水分散液およびその製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミナ粒子を分散粒子として含むアルミナ水分散液であって、以下の特性:
(1)アルミナ分散粒子を個数基準で測定した際の平均粒子径が10~1000nmの範囲であり、
(2)アルミナ水分散液を100℃で乾燥時のアルミナ粒子の結晶系が不定形および/またはχアルミナであり、
(3)アルミナ水分散液のpHが2.0~5.3の範囲であり、
(4)アルミナ水分散液が有機酸およりアルカリを含み、前記有機酸がギ酸またはギ酸と酢酸との組合せであり、前記アルカリがアンモニアであり、
(5)アルミナ水分散液に含まれるアルミナ(Al
2
O
3
)換算濃度が0.5~11.5質量%である、
を満足するアルミナ水分散液。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記アルミナ水分散液が、B型粘度計によるチクソトロピックインデックス(TI値=回転数6rpm/回転数60rpm)2~10を有する請求項1記載のアルミナ水分散液。
【請求項3】
前記アルミナ水分散液が、アルカリ金属またはハロゲン元素をアルミナ水分散液中の固体成分の総重量に基づいて0~0.03質量%の範囲で含む請求項1または2記載のアルミナ水分散液。
【請求項4】
前記アルミナ水分散液が、セラミックスまたは耐火物の形成に使用される請求項1または2記載のアルミナ水分散液。
【請求項5】
硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムのいずれかから選ばれるアルミニウム塩の水溶液にアンモニア水を加えてpH5~8とした後、15~45℃の範囲で0.5~3時間攪拌して非晶質水酸化アルミニウムの沈殿物を生成する第1工程、
生成した非晶質水酸化アルミニウムを洗浄後水分率が60~80%となるように乾燥する第2工程、
乾燥した非晶質水酸化アルミニウムに加水し、分散させた後、アルミニウム1モルに対してギ酸又はギ酸と酢酸との混合物を1.8モル~10モル添加し、40~80℃で1~3時間攪拌してギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液を得る第3工程、および
得られたギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液を90~120℃の温度で1~24時間で濃縮する第4工程、
を包含する請求項1に記載のアルミナ水分散液の製造方法。
【請求項6】
前記第3工程で得られたギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液の体積をCとし、その後第4工程で90~120℃で1~24時間加熱濃縮した時の体積をDとした場合、体積濃縮率(D/C)が0.3~0.8であるように濃縮することを特徴とする請求項5記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスや耐火物用途向けアルミナ水分散液及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミナ粒子を水に分散したアルミナ水分散液は、現在種々の用途に使用されている。
【0003】
特許7308650号(特許文献1)には、アルミナ粒子を分散粒子とし、分散粒子の平均粒子径が50~3000nm、100℃で乾燥させた際のアルミナの結晶形がベーマイト又は擬ベーマイトで、pHが5.5~9であり、アルミナ粒子分散液が有機酸及びアルカリを含有し、有機酸が乳酸及び/又はリンゴ酸であり、アルカリがアンモニア及びアルカリ金属のうちいずれか1種以上であることのすべてを満たす大粒径アルミナ分散液が記載されている。この大粒径アルミナ分散液は、焼成温度を600℃以下で焼成をした際に残炭が残り、低温焼成用途では使用できない課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許7308650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、600℃以下での焼成でも残炭が残らない、セラミックスなどの焼成により耐火物を形成する用途に有用なアルミナ水分散液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は以下の態様を提供する:
[1]
アルミナ粒子を分散粒子として含むアルミナ水分散液であって、以下の特性:
(1)アルミナ分散粒子を個数基準で測定した際の平均粒子径が10~1000nmの範囲であり、
(2)アルミナ水分散液を100℃で乾燥時のアルミナ粒子の結晶系が不定形および/またはχアルミナであり、
(3)アルミナ水分散液のpHが2.0~5.3の範囲であり、
(4)アルミナ水分散液が有機酸およりアルカリを含み、前記有機酸がギ酸またはギ酸と酢酸との組合せであり、前記アルカリがアンモニアであり、
(5)アルミナ水分散液に含まれるアルミナ(Al
2
O
3
)換算濃度が0.5~11.5質量%である、
を満足するアルミナ水分散液。
[2]
前記アルミナ水分散液が、B型粘度計によるチクソトロピックインデックス(TI値=回転数6rpm/回転数60rpm)2~10を有する[1]のアルミナ水分散液。
[3]
前記アルミナ水分散液が、アルカリ金属またはハロゲン元素をアルミナ水分散液中の固体成分の総重量に基づいて0~0.03質量%の範囲で含む[1]または[2]のアルミナ水分散液。
[4]
前記アルミナ水分散液が、セラミックスまたは耐火物の形成に使用される[1]または[2]のアルミナ水分散液。
[5]
硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムのいずれかから選ばれるアルミニウム塩の水溶液にアンモニア水を加えてpH5~8とした後、15~45℃の範囲で0.5~3時間攪拌して非晶質水酸化アルミニウムの沈殿物を生成する第1工程、
生成した非晶質水酸化アルミニウムを洗浄後水分率が60~80%となるように乾燥する第2工程、
乾燥した非晶質水酸化アルミニウムに加水し、分散させた後、アルミニウム1モルに対してギ酸又はギ酸と酢酸との混合物を1.8モル~10モル添加し、40~80℃で1~3時間攪拌してギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液を得る第3工程、および
得られたギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液を90~120℃の温度で1~24時間で濃縮する第4工程、
を包含する[1]のアルミナ水分散液の製造方法。
[6]
前記第3工程で得られたギ酸アルミニウム水溶液またはギ酸アルミニウムと酢酸アルミニウムとの混合物の水溶液の体積をCとし、その後第4工程で90~120℃で1~24時間加熱濃縮した時の体積をDとした場合、体積濃縮率(D/C)が0.3~0.8であるように濃縮することを特徴とする[5]の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるアルミナ水分散液は、600℃以下という低温で有機分を熱分解してアルミナとして使用可能で且つ平均粒子径が10~1000nmであるため、透明性、易焼結性等に優れているため、ガラスや金属等へのアルミナコーティングやセラミック、耐火物の無機粉体を接着するための無機バインダーや触媒担持体の表面修飾、微細研磨剤等としての利用が可能である。本発明のアルミナ水分散液は、600℃以下の低温で焼成しても残炭なく、焼成時に不具合を発生させるアルカリ金属やハロゲンを殆ど含まない。更に、本発明のアルミナ水分散液は無機フィラーと共に混合することで保形性を持たせるためのチクソトロピック性を持っている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1のアルミナ水分散液をガラス製蒸発皿にて100℃で10分乾燥したものをFE-SEM(JSM-7001F日本電子(株)製)にて100000倍で観察した電顕写真である。
実施例1のアルミナ水分散液をガラス製蒸発皿に熱風循環式乾燥機にて100℃で20分乾燥した粉体をX線回折装置(Smartlab 9kw:リガク(株)製)で測定を行ったX線回折図である。
実施例1のアルミナ水分散液をガラス製蒸発皿にて熱風循環式乾燥機にて100℃で20分乾燥した粉体をアルミナ製るつぼに入れて、電気炉(FO200:ヤマト科学(株)製)にて700℃で2時間焼成した粉体をX線回折装置(Smartlab 9kw:リガク(株)製)で測定を行ったX線回折図である。
実施例1のアルミナ水分散液の粒度分布を個数基準で測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好ましい実施形態に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能である。なお、本明細書において数値範囲における「数値1~数値2」という表記は数値1を下限値とし、数値2を上限値とする。両端の数値1及び数値2を含む範囲を意味し、「数値1以上、数値2以下」と同義である。
【0010】
アルミニウムは、酸化数が3であるので、酸と塩を形成する時に全ての結合子が酸基と結合を形成するのでは無く、一部が結合する場合がある。具体的には、後述するようにギ酸との塩は、Al(OH)
2
(OOCH)、Al(OH)(OOCH)
2
およびAl(OOCH)
3
の3種類の形成が考えられる。本明細書中では、酸との塩の場合、この三種類の全ての場合を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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