TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025104611
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023222526
出願日
2023-12-28
発明の名称
トランジスタ型センサ
出願人
JNC株式会社
代理人
個人
主分類
G01N
27/414 20060101AFI20250703BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 誤差があっても影響を低くでき、再現性の高い測定結果が得られ、かつ、多角的に対象の化学物質の濃度推定を行うことができるトランジスタ型センサを提供する。
【解決手段】 溶液中の化学物質を検出するトランジスタ型センサであって、ゲート電極を備える電界効果トランジスタと、前記溶液中に配置され、前記ゲート電極に接続された作用極と、前記溶液中に配置され、前記作用極と離間して配置される対極とを備え、前記作用極が前記ゲート電極に接続され、前記対極には前記水溶液に電圧を印加するための第一印加回路が直列接続し、前記ゲート電極と、前記作用極との間には、前記水溶液に電圧を印加するための第二印加回路が接続しており、前記作用極と前記対極の少なくとも一方は、表面が溶液中の化学物質を捕捉するように構成された捕捉電極である、トランジスタ型センサ。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶液中の化学物質を検出するトランジスタ型センサであって、
ゲート電極を備える電界効果トランジスタと、
前記溶液中に配置され、前記ゲート電極に接続された作用極と、
前記溶液中に配置され、前記作用極と離間して配置される対極とを備え、
前記作用極が前記ゲート電極に接続され、
前記対極には前記水溶液に電圧を印加するための第一印加回路が直列接続し、
前記ゲート電極と、前記作用極との間には、前記水溶液に電圧を印加するための第二印加回路が接続しており、
前記作用極と前記対極の少なくとも一方は、表面が溶液中の化学物質を捕捉するように構成された捕捉電極である、トランジスタ型センサ。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記第一印加回路はキャパシタを含み、前記第一印加回路に接続されている電源と前記対極との間にキャパシタが直列接続で配置される、請求項1に記載のトランジスタ型センサ。
【請求項3】
前記第二印加回路はキャパシタを含み、前記ゲート電極と、前記作用極とを接続する導線に第二印加回路が接続している場所を接続部とした場合、前記第二印加回路に接続されている電源と前記接続部との間にキャパシタが直列で配置される、請求項1に記載のトランジスタ型センサ。
【請求項4】
トランジスタ型センサを用いることによる化学物質を定量的に測定する測定方法であって、
請求項1~3のいずれか一項に記載のトランジスタ型センサの捕捉電極を、
検出対象である化学質物を含む溶液中に配置し、前記化学物質を前記捕捉電極に接触させる工程と、
前記電界効果トランジスタのドレイン電極及びソース電極の間にドレイン電圧を印可する工程と、
前記第一印加回路により前記対極に第一電圧をかける工程と、
前記第二印加回路により前記ゲート電極及び前記作用極に第二電圧をかける工程と、
前記電界効果トランジスタのドレイン電極及びソース電極の間に流れる電流Idを測定する工程を含む、測定方法。
【請求項5】
前記電流Idを、前記化学物質の濃度ごと測定し、濃度-電流Id関係曲線を得る工程と、
前記化学物質を含む溶液に前記捕捉電極に接触させ、前記化学物質の電流Idを得る工程と、
前記化学物質の電流Idと、前記濃度-電流Id関係曲線を比較し、
前記化学物質の電流Idの濃度を決定する工程とをさらに含む、請求項4に記載の測定方法。
【請求項6】
前記濃度-電流Id関係曲線を得る工程が、下記A工程~D工程を含む、請求項5に記載の測定方法;
所定の電圧値において、濃度既知の前記化学物質を含む溶液の電流Id1値を取得する工程(A工程)、
所定の電圧値において、前記化学物質を含まない溶液の電流Id2値を取得する工程(B工程)、
前記A工程と前記B工程とを、前記A工程の化学物質の濃度を変更させながら交互に実施する工程(C工程)、
前記C工程により交互に得られた複数のId1値及びId2値について、一つのId1値の前後の2つのId2値の平均であるId3値を算出する工程(D工程)。
【請求項7】
前記A工程及び前記B工程において、それぞれ電流値を複数回測定し、前記複数の電流Id1値の平均値(Ida1値)及び前記複数の電流Id2値の平均値(Ida2値)を算出し、
前記D工程において、1つのIda1値のその前後の2つのIda2値の平均であるIda3値を算出する、請求項6に記載の測定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は化学物質を検出するトランジスタ型センサ、トランジスタ型センサを用いることによる化学物質を定量的に測定する測定方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、生活の健康志向に伴い、化学物質を簡便にモニタリングする需要が増えてきている。生体サンプル中のバイオマーカー、食品に含まれる栄養分、環境負荷物質などを分析する為にはこれまで大型で高価な質量分析などの分析機器や、高価な分析試薬が必要であった。しかし、今後は迅速で簡便な分析手法が求められ、これにより、人類の暮らしはより快適になると予想される。
【0003】
そうした背景の中、金属電極表面に処理を施し、目的検知対象物質と相互作用させて電気信号を取り出す研究開発が進んできている。相互作用としては共有結合などの化学反応、抗体-抗原反応、ホスト-ゲストによる超分子認識、分子鋳型を用いる方法が挙げられ、このような相互作用を用いる測定デバイスとしては、トランジスタ型センサが知られている。
【0004】
トランジスタ型センサとしては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、分子インプリントポリマーを有する作用極を備えた電界効果トランジスタ型センサ、及び電界効果トランジスタ型センサの製造方法、及び電界効果トランジスタ型センサを用いることによる化学物質を定量的に測定する測定方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-061890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、化合物等の化学物質を検出する方法としてトランジスタ型センサを用いる検出方法をさらに検討した結果、下記構成のトランジスタ型センサは、誤差があっても影響を低くでき、再現性の高い測定結果が得られ、かつ、多角的に対象の化学物質の濃度推定を行うことができ、従来技術よりさらに安定して化学物質を検出できることを発見し、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 溶液中の化学物質を検出するトランジスタ型センサであって、
ゲート電極を備える電界効果トランジスタと、
前記溶液中に配置され、前記ゲート電極に接続された作用極と、
前記溶液中に配置され、前記作用極と離間して配置される対極とを備え、
前記作用極が前記ゲート電極に接続され、
前記対極には前記水溶液に電圧を印加するための第一印加回路が直列接続し、
前記ゲート電極と、前記作用極との間には、前記水溶液に電圧を印加するための第二印加回路が接続しており、
前記作用極と前記対極の少なくとも一方は、表面が溶液中の化学物質を捕捉するように構成された捕捉電極である、トランジスタ型センサ。
[2] 前記第一印加回路はキャパシタを含み、前記第一印加回路に接続されている電源と前記対極との間にキャパシタが直列接続で配置される、[1]に記載のトランジスタ型センサ。
[3] 前記第二印加回路はキャパシタを含み、前記ゲート電極と、前記作用極とを接続する導線に第二印加回路が接続している場所を接続部とした場合、前記第二印加回路に接続されている電源と前記接続部との間にキャパシタが直列で配置される、[1]に記載のトランジスタ型センサ。
[4] トランジスタ型センサを用いることによる化学物質を定量的に測定する測定方法であって、
[1]~[3]のいずれか一項に記載のトランジスタ型センサの捕捉電極を、
検出対象である化学物質を含む溶液中に配置し、前記化学物質を前記捕捉電極に接触させる工程と、
前記電界効果トランジスタのドレイン電極及びソース電極の間にドレイン電圧を印可する工程と、
前記第一印加回路により前記対極に第一電圧をかける工程と、
前記第二印加回路により前記ゲート電極及び前記作用極に第二電圧をかける工程と、
前記電界効果トランジスタのドレイン電極及びソース電極の間に流れる電流Idを測定する工程を含む、測定方法。
[5] 前記電流Idを、前記化学物質の濃度ごと測定し、濃度-電流Id関係曲線を得る工程と、
前記化学物質を含む溶液に前記捕捉電極に接触させ、前記化学物質の電流Idを得る工程と、
前記化学物質の電流Idと、前記濃度-電流Id関係曲線を比較し、
前記化学物質の電流Idの濃度を決定する工程とをさらに含む、[4]に記載の測定方法。
[6] 前記濃度-電流Id関係曲線を得る工程は、下記A工程~D工程を含む[5]に記載の測定方法;
所定の電圧値において、濃度既知の前記化学物質を含む溶液の電流Id1値を取得する工程(A工程)、
所定の電圧値において、前記化学物質を含まない溶液の電流Id2値を取得する工程(B工程)、
前記A工程と前記B工程とを、前記A工程の化学物質の濃度を変更させながら交互に実施する工程(C工程)、
前記C工程により交互に得られた複数のId1値及びId2値について、一つのId1値の前後の2つのId2値の平均であるId3値を算出する工程(D工程)。
[7] 前記A工程及び前記B工程において、それぞれ電流値を複数回測定し、前記複数の電流Id1値の平均値(Ida1値)及び前記複数の電流Id2値の平均値(Ida2値)を算出し、
前記D工程において、1つのIda1値のその前後の2つのIda2値の平均値Ida3値を算出する、[6]に記載の測定方法。
【発明の効果】
【0008】
本願明細書に開示されるトランジスタ型センサにおいては、対象の化学物質が含まれる溶液に配置される対極に第一印加回路が接続され、かつ、当該溶液に配置される作用極に第二印加回路が接続されているため、当該トランジスタ型センサに備えられる電界効果トランジスタの電圧は、第一印加回路の印加及び第二印加回路の印加の影響を受ける。そのため、2つの印加回路の電圧をそれぞれ設定することにより、2つの電圧のそれぞれの設定値に応じて、対象である化学物質の状況を測定することができ、多くのデータを入手することができるため、誤差があってもその誤差の影響を低くでき、多角的に対象の化学物質の濃度推定を行うことができることを発見することができる。
そして、第二印加回路は、ゲート電極と作用極の間に接続しており、この第二印加回路から印加される電位と、第一印加回路から印加される電位を調節し、電位ごとの電流値を測定することができる。また、濃度の変化があると、第二印加回路により、電流値の変動が大きいところを探しやすくすることができ、より容易に測定することが可能となる。なお、第二印加回路から印加される電位をコントロール電位と称する場合がある。
また、第一印加回路及び第二印加回路それぞれにキャパシタを備える場合は、第一印加回路のキャパシタと、電界効果トランジスタの絶縁膜で閉じられた空間は外部と繋がっていないフローティング状態となるため、電気化学反応にて電荷が生じる場合を除いて、電荷は保存されることになる。この場合、電気化学セルの中で生じた電極表面への作用は閉じた空間での電荷の移動となるため、参照電極は無くてもよく、電界効果トランジスタで電荷を取り出す際、より精密な出力として検出することが出来る。
また、濃度不明な水溶液の電流値を測定し、その値から、濃度を決定することにより化学物質を定量的に測定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明のトランジスタ型センサSの回路図で示した図である。
図2は、本発明のトランジスタ型センサSの模式図を示す。
図3は、再現性の高い濃度-電流Id関係曲線を得るための説明図である。
図4は、実施例1において、システインの濃度ごとに測定5回分の電流値の平均をとり、V1=-0.6Vで固定し、V2=-0.8V(図4(a)),V2=―1.0V(図4(b))、V2=―1.2V(図4(c))での電流Idをプロットした図である。
図5は、実施例1の結果において、電流シフトを計算して、システイン濃度ごとにプロットした結果である。
図6は、実施例2において、グルタチオンの濃度ごとに測定5回分の電流値の平均をとり、V1=-0.6Vで固定し、V2=-0.8V(図6(a)),V2=―1.0V(図6(b))、V2=―1.2V(図6(c))での電流Idをプロットした図である。
図7は、実施例2の結果において、電流シフトを計算して、グルタチオンの濃度ごとにプロットした結果である。
図8は、実施例1及び実施例2の電流シフトを濃度ごとに表した図である。
図9は、比較例1において、Vg=-1.5Vでの電流Idをグルタチオン濃度ごとにプロットした図である。
図10は、比較例1において、0.01ppmの電流値の平均値を基に、グルタチオン濃度により電流値がどれくらい変化しているか示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
JNC株式会社
トランジスタ型センサ
1日前
JNC株式会社
トランジスタ型センサ
1日前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
1か月前
日本精機株式会社
計器装置
8日前
株式会社東光高岳
計器
4日前
日本精機株式会社
液面検出装置
10日前
株式会社ミツトヨ
測定器
1日前
大和製衡株式会社
組合せ秤
10日前
大和製衡株式会社
組合せ秤
16日前
大和製衡株式会社
組合せ秤
10日前
個人
フロートレス液面センサー
23日前
大同特殊鋼株式会社
疵検出方法
1日前
エグゼヴィータ株式会社
端末装置
2日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
2日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
11日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
11日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
2日前
ダイハツ工業株式会社
試験用治具
16日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
22日前
タカノ株式会社
試料分析装置
1日前
バイオテック株式会社
容器設置装置
2日前
株式会社クボタ
作業車
15日前
タカノ株式会社
試料分析装置
1日前
富士電機株式会社
エンコーダ
3日前
富士電機株式会社
エンコーダ
3日前
柳井電機工業株式会社
部材検査装置
2日前
旭光電機株式会社
漏出検出装置
22日前
JNC株式会社
トランジスタ型センサ
1日前
JNC株式会社
トランジスタ型センサ
1日前
トヨタ自動車株式会社
歯車の検査方法
11日前
株式会社フジキン
流量測定装置
17日前
TDK株式会社
計測装置
9日前
新電元メカトロニクス株式会社
位置検出装置
8日前
株式会社ノーリツ
通信システム
8日前
株式会社アステックス
ラック型負荷装置
23日前
帝国通信工業株式会社
圧力センサ
2日前
続きを見る
他の特許を見る