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公開番号2025116355
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024010724
出願日2024-01-29
発明の名称格子状構造体および格子状構造体の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 3/12 20060101AFI20250801BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、軽量化が可能でありながら、曲面成形性を十分に有する格子状構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】強化繊維を含む材料からなる、側面から見た形状が長方形状で、その短辺に対して略平行に延在した切り欠き部を櫛歯状に複数有し、前記切り欠き部により長辺の一辺または両辺にて開口した、櫛歯型の板状部材を複数有し、前記複数の板状部材が、前記切り欠き部にて互いに交差して嵌合することで嵌合部が形成された格子状構造体であって、前記複数の板状部材は、すべての隣接する前記嵌合部間の内、少なくとも一部の嵌合部間において、その短辺方向にわたって同一もしくは略同一の曲率で湾曲した領域を有するか、または、短辺方向にわたって同一もしくは略同一の角度で屈曲した領域を有する、格子状構造体。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
強化繊維を含む材料からなる、側面から見た形状が長方形状で、その短辺に対して略平行に延在した切り欠き部を櫛歯状に複数有し、前記切り欠き部により長辺の一辺または両辺にて開口した、櫛歯型の板状部材を複数有し、
前記複数の板状部材が、前記切り欠き部にて互いに交差して嵌合することで嵌合部が形成された格子状構造体であって、
前記複数の板状部材は、すべての隣接する前記嵌合部間の内、少なくとも一部の嵌合部間において、その短辺方向にわたって同一もしくは略同一の曲率で湾曲した領域を有するか、または、短辺方向にわたって同一もしくは略同一の角度で屈曲した領域を有する、格子状構造体。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記板状部材は、すべての隣接する前記嵌合部間の内、半数以上の嵌合部間に前記湾曲または屈曲した領域を有する、請求項1に記載の格子状構造体。
【請求項3】
前記板状部材は、すべての隣接する嵌合部間に前記湾曲または屈曲した領域を有する、請求項1に記載の格子状構造体。
【請求項4】
隣接する前記嵌合部間に湾曲または屈曲した領域を有する場合に、前記嵌合部間の少なくとも一部は、その長辺の表面に沿った長さが、前記隣接する嵌合部間の最短の距離に対して120%以上かつ、200%未満である、請求項2または3に記載の格子状構造体。
【請求項5】
強化繊維を含む材料からなる、側面から見た形状が長方形状で、その短辺に対して略平行に延在した切り欠き部を櫛歯状に複数有し、前記切り欠き部により長辺の一辺または両辺にて開口した、櫛歯型の板状部材であって、すべての隣接する前記切り欠き部間の内、少なくとも一部の切り欠き部間において、その短辺方向にわたって、同一もしくは略同一の曲率で湾曲した領域を有するか、または、短辺の方向について同一もしくは略同一の角度で屈曲した領域を有する板状部材を複数準備する工程と、
前記複数の板状部材を、前記切り欠き部にて互いに交差するように嵌合させ、格子状構造体を形成させる工程と、
を含む、格子状構造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面成形性を有する格子状構造体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ハニカムコアは、セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体であり、ここでのハニカムコアとは、ハチの巣に代表される六角形の細密充填構造のものだけでなく、中空柱状のセル構造を規則的に隣接配置した集合体すべてを対象とし、上下の両端に中空柱状のセルが開口した面(以下、両開口端面)を有するものである。ハニカムコアは、重量比強度、平面精度(特に、ハニカムサンドイッチパネルとして使用した場合)に優れる、という特性を備えている。特に、強化繊維を含む材料で構成されるハニカムコアは、軽量性に一段と優れる。また、上記ハニカムコアは、他の材料を用いたハニカムコアと同様に、いわゆる“コルゲート方式”や“展張方式”にて製造される。コルゲート方式では、シート状の母材を波板に加工し、重ね合わせ、複数の母材における波の頂点部同士を接着することによりハニカム形状を成形する。展張方式では、シート状の母材に一定のピッチで条線状に接着剤を塗布し、塗布された接着剤の間隔が半ピッチずつずれるように複数の母材を重ね合わせ、接着・固化した後に、重ねた方向に引き延ばすことで、ハニカム形状に成形する。これらの製法により製造されたハニカムコアは、多くの場合、両開口端面に平板が接合されたハニカムサンドイッチパネルとされ、その高強度、高剛性等を生かし、例えば航空機のエンジンカバー等として使用される。
【0003】
しかし、上記の製造方法で作られるハニカムコアは、曲面賦形性が低いという課題がある。上記ハニカムコアを平坦なプレート状から円筒形状等の二次曲面に曲面成形しようとすると、平面形状のセル壁には、セル壁自身を面内方向に変形させる力が発生するが、セル壁が変形を抑制する働きを生み、この結果、曲面に沿って曲げることが困難となる。すなわち、セル壁が平面形状であることにより、ハニカムコアの変形を抑制する力が発生し、曲面賦形性を低下させる。以上から、ハニカムコアの曲面賦形性を高めるためには、セル壁を屈曲形状または湾曲形状とし、セル壁の変形を許容する構成とすることが有効である。さらに、セル壁を屈曲形状または湾曲形状とすると、ハニカムコアに圧縮力が加わった際にセル壁自体が傾きづらくなり、その結果、ハニカムコアの圧縮強度が高くなると考えられる。
【0004】
その事例として、特許文献1が開示されている。特許文献1に記載のハニカムコアは、接着されたセル壁にて区画形成されたセルの集合体からなり、接着箇所間のセル壁が断面直線状をなさず、直線状から内外に湾曲した形状を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-329250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、曲面賦形性の高いハニカムコアに関する技術を提供しているが、開示された技術を用いて実際にハニカムコアを製作するには大きな課題がある。特許文献1では、湾曲部を有する波板を積層・接着した後、展張することでハニカムコアを成形する工程が示されているが、この展張の工程では、積層された波板を積層方向へ引っ張ることで、波板同士が接着されていない部分の間隙が広がってハニカムコアのセル構造ができあがり、波板はセル壁を構成することとなる。しかし、この展張の過程で、波板は積層方向に引っ張られると同時に、波板の長手方向にも強い引っ張りの力を受けるため、この結果、波板に予め設けられた湾曲形状が崩れて、長手に伸びた平坦に近い形状となってしまい、期待した曲面賦形性を十分に得る事は難しい。また、別問題として、隣接する波板同士は接着剤で固定されているため、ハニカムコアに圧縮力が加わった際に、接着部が剥がれ、ハニカムコアの破壊の起点となる可能性もある。
【0007】
そこで、本発明は、上記に述べた課題を克服し、高い曲面賦形性を有する格子状構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。
1.強化繊維を含む材料からなる、側面から見た形状が長方形状で、その短辺に対して略平行に延在した切り欠き部を櫛歯状に複数有し、前記切り欠き部により長辺の一辺または両辺にて開口した、櫛歯型の板状部材を複数有し、前記複数の板状部材が、前記切り欠き部にて互いに交差して嵌合することで嵌合部が形成された格子状構造体であって、前記複数の板状部材は、すべての隣接する前記嵌合部間の内、少なくとも一部の嵌合部間において、その短辺方向にわたって同一もしくは略同一の曲率で湾曲した領域を有するか、または、短辺方向にわたって同一もしくは略同一の角度で屈曲した領域を有する、格子状構造体である。
2.さらに、第2の発明は、第1の発明に係る格子状構造体において、前記板状部材は、すべての隣接する嵌合部の内、半数以上の嵌合部間に前記湾曲または屈曲した領域を有する、ことを特徴とする。
3.さらに、第3の発明は、第1の発明に係る格子状構造体において、前記板状部材は、すべての隣接する嵌合部間に前記湾曲または屈曲した領域を有することを特徴とする。
4.さらに、第4の発明は、第2または第3の発明に係る格子状構造体において、隣接する前記嵌合部間に湾曲または屈曲した領域を有する場合に、前記嵌合部間の少なくとも一部は、その長辺の表面に沿った長さが、前記隣接する嵌合部間の最短の距離に対して120%以上かつ、200%未満であることを特徴とする。
5.さらに、第5の発明は、格子状構造体の製法に係るものであって、強化繊維を含む材料からなる、側面から見た形状が長方形状で、その短辺に対して略平行に延在した切り欠き部を櫛歯状に複数有し、前記切り欠き部により長辺の一辺または両辺にて開口した、櫛歯型の板状部材であって、かつすべての隣接する前記切り欠き部間の内、少なくとも一部の切り欠き部間において、その短辺方向にわたって、同一もしくは略同一の曲率で湾曲した領域を有するか、または、短辺の方向について同一もしくは略同一の角度で屈曲した領域を有する板状部材を複数準備する工程と、前記複数の板状部材を、前記切り欠き部にて互いに交差するように嵌合させ、格子状構造体を形成させる工程と、を含む、格子状構造体の製法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、軽量化が可能でありながら、曲面成形性を十分に有する格子状構造体を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
櫛歯型の板状部材1の上面図(上)および側面図(下)
格子状構造体100の上面図
板状部材1の一部であって、屈曲部2の変形状態を示す図
格子状構造体100のセル形状のいくつかのパターン
格子状構造体200の上面図
格子状構造体300の上面図
CFRPからなる板状部材1Aの上面図(上)および側面図(下)
格子状構造体300を製造するための第一の工程にて、複数の板状部材1Aが互いに平行に並べられた状態を示す斜視図
格子状構造体300を製造するための第二の工程にて、板状部材1Aに板状部材1Bが嵌め合わせられ、格子状構造体300として得られた状態を示す斜視図
格子状構造体400を製造するための第三の工程にて、板状部材2Aと板状部材2Bが互いに圧縮し合う状態を示す斜視図
板状部材3Aの上面図(上)および側面図(下)
格子状構造体500を製造するための第一の工程にて、複数の板状部材3Aが互いに平行に並べられた状態を示す斜視図
格子状構造体500を製造するための第二の工程にて、板状部材3Aに板状部材3Bが嵌め合わせられ、格子状構造体500として得られた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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