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公開番号2025113982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-04
出願番号2025000090
出願日2025-01-06
発明の名称積層多孔質膜
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H01M 50/451 20210101AFI20250728BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】多孔層の脱落が少なく、ドライ環境下でのカールが少ない薄い積層多孔質膜を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を有し、前記ポリオレフィン多孔質膜の厚さが10μm以下であり、前記無機粒子100重量部に対するカルボキシメチルセルロースの量が0.7重量部以下であり、前記多孔層の研磨時の脱落量が0.70μm以下であり、カール量が1.5mm以下である積層多孔質膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を有し、前記ポリオレフィン多孔質膜の厚さが10μm以下であり、前記多孔層における無機粒子100重量部に対するカルボキシメチルセルロースの量が0.7重量部以下であり、前記多孔層の研磨時の脱落量が0.70μL以下であり、カール量が1.5mm以下である積層多孔質膜。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記ポリオレフィン多孔質膜の製膜方向に直交する幅方向の引張強度が150MPa以上である請求項1に記載の積層多孔質膜。
【請求項3】
前記積層多孔質膜における前記多孔層の厚さ比率が16%以上である請求項1または2に記載の積層多孔質膜。
【請求項4】
前記無機粒子が沈降性硫酸バリウムであり、粒子径が0.6μm以上、1.6μm以下である請求項1または2に記載の積層多孔質膜。
【請求項5】
ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を有する積層多孔質膜の製造方法であって、ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む塗工液を塗工した後、乾燥することにより、無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を形成する工程を含み、前記カルボキシメチルセルロースがカルボキシメチルセルロースを2重量%含む水溶液とした際の粘度が90mPa・s以下である、積層多孔質膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層多孔質膜に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂多孔質膜は、物質の分離や選択的な透過及び隔離材等として広く用いられている。例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル-水素電池、ニッケル-カドミウム電池等に用いる電池用セパレータや、電気二重層コンデンサ用セパレータ、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、及び精密濾過膜等の各種フィルター、透湿防水衣料、及び医療用材料等である。
【0003】
特に、リチウムイオン二次電池用セパレータとしては、電解液含浸によりイオン透過性を有し、電気絶縁性、耐電解液性及び耐酸化性に優れ、電池異常昇温時に120~150℃程度の温度において電流を遮断し、過度の昇温を抑制する孔閉塞効果を備えているポリオレフィン多孔質膜が好適に使用されている。
【0004】
しかしながら、何らかの原因で孔閉塞後も昇温が続く場合、ポリオレフィン多孔質膜が破膜することがある。この現象はポリオレフィンを用いた場合に限定される現象ではなく、その多孔質膜を構成する樹脂の融点以上では避けることができない。
【0005】
これに対し、ポリオレフィン多孔質膜に対して、無機粒子とバインダー樹脂を主として構成する多孔層をポリオレフィン多孔質膜に被覆した積層多孔質膜が採用されている。この積層多孔質膜は、ポリオレフィン多孔質膜の昇温による収縮が多孔層により抑制されている。例えば、特許文献1では、ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に、板状に形成された長径が4μm以上である無機粒子を含む多孔層を積層し、ドライ環境下でのカールの発生を抑制した積層多孔質膜が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-93565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
積層多孔質膜は、ポリオレフィン多孔質膜と多孔層の構成材料及び構造の違いにより、ドライ環境下で積層多孔質膜がカールし、積層多孔質膜と電極を積層するときにずれ等の不具合が生じることがある。さらに、電池の高性能化に伴い、電池内部への水分の混入を極力減らす取り組みがなされ、より低露点のドライ環境で電池の生産が行われているため、積層多孔質膜はよりカールが発生しやすい状況にある。また、電池の高エネルギー密度化に伴い、積層多孔質膜の薄膜化が進んでおり、ポリオレフィン多孔質膜が薄くなってきている。ポリオレフィン多孔質膜が薄くなると、剛性が低くなり、ドライ環境下での積層多孔質膜のカールが大きくなる傾向である。加えて、電池の生産速度は年々向上しており、電池を製造する際の積層多孔質膜の搬送速度も速くなっている。そのため、積層多孔質膜の多孔層が搬送ロール等で擦られた際に、多孔層に含まれる無機粒子がより脱落しにくい積層多孔質膜が求められている。特許文献1に記載の技術では、ポリオレフィン多孔質膜を薄膜化した場合、ドライ環境下での積層多孔質膜のカールを抑制することが困難であり、多孔層に含まれる無機粒子の脱落も十分に抑制できていなかった。
【0008】
本発明の課題は、多孔層の脱落量が少なく、かつドライ環境下でのカールが抑制された薄い積層多孔質膜の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、従来の技術を鑑み、鋭意検討し、以下の構成により、本課題を解決することを見出した。
(1)ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を有し、前記ポリオレフィン多孔質膜の厚さが10μm以下であり、前記多孔層における無機粒子100重量部に対するカルボキシメチルセルロースの量が0.7重量部以下であり、前記多孔層の研磨時の脱落量が0.70μL以下であり、カール量が1.5mm以下である積層多孔質膜。
(2)前記ポリオレフィン多孔質膜の製膜方向に直交する幅方向の引張強度が150MPa以上である前記(1)に記載の積層多孔質膜。
(3)前記積層多孔質膜における前記多孔層の厚さ比率が16%以上である前記(1)または(2)に記載の積層多孔質膜。
(4)前記無機粒子が沈降性硫酸バリウムであり、粒子径が0.6μm以上、1.6μm以下である前記(1)~(3)のいずれかに記載の積層多孔質膜。
(5)ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を有する積層多孔質膜の製造方法であって、ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む塗工液を塗工した後、乾燥することにより、無機粒子とカルボキシメチルセルロースを含む多孔層を形成する工程を含み、前記カルボキシメチルセルロースがカルボキシメチルセルロースを2重量%含む水溶液とした際の粘度が90mPa・s以下である、積層多孔質膜の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に多孔層を有する積層多孔質膜は、多孔層の脱落量が少なく、かつドライ環境下でのカールが抑制されているため、電池の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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