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公開番号2025116557
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024011045
出願日2024-01-29
発明の名称過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法、プログラム、及び過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システム
出願人国立大学法人鳥取大学,日軽金アクト株式会社
代理人個人,個人
主分類F03D 17/00 20160101AFI20250801BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】過回転抑制誘導体を備えた垂直軸風車の定常解析を行える特性評価方法をベースとした空力弾性解析方法、プログラム、及び過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムを提供すること。
【解決手段】第1回転トルク算出ステップと第2回転トルク算出ステップと風車全体回転トルク算出ステップを有し、第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの風車翼14のアジマスに応じて変化する変動風速と、空気力・重力・遠心力の作用による風車翼14の変形量から得られる変形速度を用いて算出したそれぞれの風車翼14の合計回転トルクを第1回転トルク、第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの過回転抑制部分20のアジマスに応じて変化する変動風速と、空気力・重力・遠心力の作用による過回転抑制部分20の変形量から得られる変形速度を用いて算出したそれぞれの過回転抑制部分20の合計回転トルクを第2回転トルクとする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
風車本体部分と、過回転抑制部分とから構成され、
前記風車本体部分は、
発電部を有する基部と、
前記基部に対して垂直軸周りに回転する回転部と、
前記回転部にアームを介して連結されて前記垂直軸周りに回転する複数の風車翼と
を備え、
前記過回転抑制部分は、
前記アームに設けられ、前記回転部と前記風車翼とを結ぶアーム軸の軸周り又は前記アーム軸に平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部と、
前記可動部に設けられ、前記風車翼の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部を前記アーム軸周りに傾斜させ、前記風車翼の回転停止時には前記可動部を初期状態に戻す過回転抑制誘導体と
を備える
過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法であって、
前記風車本体部分の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出ステップと、
前記過回転抑制部分の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出ステップと、
前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出ステップと
を有し、
前記第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、
前記第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記過回転抑制部分のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとする
ことを特徴とする過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記風車本体部分及び前記過回転抑制部分の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、
前記第1回転トルク算出ステップで算出される前記第1回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記第1構造データを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法。
【請求項3】
前記風車本体部分及び前記過回転抑制部分の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、
前記第2回転トルク算出ステップで算出される前記第2回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記第2構造データを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法。
【請求項4】
前記風車本体部分及び前記過回転抑制部分の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、
前記風車全体回転トルク算出ステップで算出される前記風車全体回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記空力データ、前記第1構造データ、及び前記第2構造データの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法。
【請求項5】
風車本体部分と、過回転抑制部分とから構成され、
前記風車本体部分は、
発電部を有する基部と、
前記基部に対して垂直軸周りに回転する回転部と、
前記回転部にアームを介して連結されて前記垂直軸周りに回転する複数の風車翼と
を備え、
前記過回転抑制部分は、
前記アームに設けられ、前記回転部と前記風車翼とを結ぶアーム軸の軸周り又は前記アーム軸に平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部と、
前記可動部に設けられ、前記風車翼の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部を前記アーム軸周りに傾斜させ、前記風車翼の回転停止時には前記可動部を初期状態に戻す過回転抑制誘導体と
を備える
過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法を行うプログラムであって、
コンピュータに、
前記風車本体部分の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出ステップと、
前記過回転抑制部分の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出ステップと、
前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出ステップと
を実行させ、
前記第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、
前記第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記過回転抑制部分のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとする
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記風車本体部分及び前記過回転抑制部分の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップ
を実行させ、
前記入力ステップで受け付けた前記空力データ、前記第1構造データ、及び前記第2構造データを用いて、前記第1回転トルク算出ステップ及び前記第2回転トルク算出ステップを実行させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
風車本体部分と、過回転抑制部分とから構成され、
前記風車本体部分は、
発電部を有する基部と、
前記基部に対して垂直軸周りに回転する回転部と、
前記回転部にアームを介して連結されて前記垂直軸周りに回転する複数の風車翼と
を備え、
前記過回転抑制部分は、
前記アームに設けられ、前記回転部と前記風車翼とを結ぶアーム軸の軸周り又は前記アーム軸に平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部と、
前記可動部に設けられ、前記風車翼の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部を前記アーム軸周りに傾斜させ、前記風車翼の回転停止時には前記可動部を初期状態に戻す過回転抑制誘導体と
を備える
過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムであって、
前記風車本体部分の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出手段と、
前記過回転抑制部分の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出手段と、
前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出手段と
を有し、
前記第1回転トルク算出手段では、それぞれの前記風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、
前記第2回転トルク算出手段では、それぞれの前記過回転抑制部分のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとする
ことを特徴とする過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直軸風車に関するもので、更に詳細には、過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法、この空力弾性解析方法を行うプログラム、及び過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムに関する。
続きを表示(約 6,600 文字)【背景技術】
【0002】
水平軸風車は商業的理由から一般的に大型であり、強風に晒される海岸線、山岳地帯等に設置場所が限定される、一方、小型の垂直軸風車は平均風速3.0m/s程度の風でも発電可能であるため、日本中のほぼ全域で設置可能であり、地元で発電し地元で消費する地産地消型に適し、期待度の高い風車である。
出願人らは、水平軸風車に比べて低風速である垂直軸風車として、発電部を有する基部と、基部に対して垂直軸周りに回転する回転部と、回転部にアームを介して連結されて垂直軸周りに回転する複数の風車翼とを備え、アームは、回転部と風車翼とを結ぶアーム軸の軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部を有し、可動部に、風車の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって可動部をアーム軸周りに傾斜させ、風車の回転停止時には可動部を初期状態に戻す過回転抑制誘導体を備えた垂直軸風車を既に提案している(特許文献1)。
なお、特許文献2では、垂直軸風車(主にダリウス形風車)について、ブレードの自重を抑制でき、かつ、ブレードに発生する曲げモーメントがブレードスパン方向に変化しても、曲げ応力σ
MAX
をある設定値以下に抑える垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラムを提案している。
特許文献1で開示している過回転抑制誘導体を備えた垂直軸風車によれば、ばねなどの弾性体を不要にし、耐久性が高く、シンプル構造であり、かつ、強風状態における風車回転数は定格回転数(最大回転数)よりも十分に低い状態に抑制することができる。
しかし、このような過回転抑制誘導体を備えた垂直軸風車の特性を評価する方法を確立する必要がある。
なお、特許文献2では、ブレード及びブレード支持部材を設計対象としており、一つの動作体系である風車本体のみの設計であり、互いに動作体系が異なる部分を有する風車についての設計方法を提案していない。
そこで、本出願人らは、過回転抑制機構を備えた垂直軸風車について、最適設計および性能予測の手法として、定常解析を行える特性評価方法を提案している(特許文献3)。
特許文献3の特性評価方法によれば、風車本体部分の慣性モーメントと、過回転抑制部分の慣性モーメントとを、それぞれの運動方程式を使用して、風車本体部分の回転速度変化と過回転抑制部分の回転速度変化を、分離して求めるに際し、風車本体部分のトルクと過回転抑制部分のトルクとを分けて解析しているので、過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の挙動を解析するシミュレーション解析を極めて簡単に行うことができる。このため、シミュレーション結果に基づく風車設計や風車の実測値に基づく風車設計を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-108917号公報
特開2004-308643号公報
特願2023-035441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、風車の耐久性や性能を保証するためには、認証機関による型式認証を取得することが重要になり、そのためには、開発した風車の空気力と構造解析を連成した空力弾性解析を行い、風車の非定常解析/過渡応答解析を行うことが必要となる。
【0005】
本発明は、定常解析を行える特性評価方法をベースとした過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法、プログラム、及び過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法は、風車本体部分10と、過回転抑制部分20とから構成され、前記風車本体部分10は、発電部を有する基部11と、前記基部11に対して垂直軸Z周りに回転する回転部12と、前記回転部12にアーム13を介して連結されて前記垂直軸Z周りに回転する複数の風車翼14とを備え、前記過回転抑制部分20は、前記アーム13に設けられ、前記回転部12と前記風車翼14とを結ぶアーム軸13aの軸周り又は前記アーム軸13aに平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部21と、前記可動部21に設けられ、前記風車翼14の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部21を前記アーム軸13a周りに傾斜させ、前記風車翼14の回転停止時には前記可動部21を初期状態に戻す過回転抑制誘導体22とを備える過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法であって、前記風車本体部分10の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出ステップと、前記過回転抑制部分20の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出ステップと、前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出ステップとを有し、前記第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記風車翼14のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼14の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼14についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、前記第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記過回転抑制部分20のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分20の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分20についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとすることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法において、前記風車本体部分10及び前記過回転抑制部分20の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分10の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分20の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、前記第1回転トルク算出ステップで算出される前記第1回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記第1構造データを変更することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法において、前記風車本体部分10及び前記過回転抑制部分20の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分10の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分20の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、前記第2回転トルク算出ステップで算出される前記第2回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記第2構造データを変更することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法において、前記風車本体部分10及び前記過回転抑制部分20の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分10の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分20の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、前記風車全体回転トルク算出ステップで算出される前記風車全体回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、前記入力ステップでの前記空力データ、前記第1構造データ、及び前記第2構造データの少なくともいずれかを変更することを特徴とする。
請求項5記載の本発明のプログラムは、風車本体部分10と、過回転抑制部分20とから構成され、前記風車本体部分10は、発電部を有する基部11と、前記基部11に対して垂直軸Z周りに回転する回転部12と、前記回転部12にアーム13を介して連結されて前記垂直軸Z周りに回転する複数の風車翼14とを備え、前記過回転抑制部分20は、前記アーム13に設けられ、前記回転部12と前記風車翼14とを結ぶアーム軸13aの軸周り又は前記アーム軸に平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部21と、前記可動部21に設けられ、前記風車翼14の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部21を前記アーム軸13a周りに傾斜させ、前記風車翼14の回転停止時には前記可動部21を初期状態に戻す過回転抑制誘導体22とを備える過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法を行うプログラムであって、コンピュータに、前記風車本体部分10の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出ステップと、前記過回転抑制部分20の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出ステップと、前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出ステップとを実行させ、前記第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記風車翼14のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼14の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼14についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、前記第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの前記過回転抑制部分20のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分20の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分20についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとすることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記風車本体部分10及び前記過回転抑制部分20の翼形状に関する空力データ、前記風車本体部分10の構造に関する第1構造データ、及び前記過回転抑制部分20の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを実行させ、前記入力ステップで受け付けた前記空力データ、前記第1構造データ、及び前記第2構造データを用いて、前記第1回転トルク算出ステップ及び前記第2回転トルク算出ステップを実行させることを特徴とする。
請求項7記載の本発明の過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムは、風車本体部分10と、過回転抑制部分20とから構成され、前記風車本体部分10は、発電部を有する基部11と、前記基部11に対して垂直軸Z周りに回転する回転部12と、前記回転部12にアーム13を介して連結されて前記垂直軸Z周りに回転する複数の風車翼14とを備え、前記過回転抑制部分20は、前記アーム13に設けられ、前記回転部12と前記風車翼14とを結ぶアーム軸13aの軸周り又は前記アーム軸に平行な軸周りに回転可能な過回転抑制用の可動部21と、前記可動部21に設けられ、前記風車翼14の回転時に生じる遠心力、空気力、及び重力の作用によって前記可動部21を前記アーム軸13a周りに傾斜させ、前記風車翼14の回転停止時には前記可動部21を初期状態に戻す過回転抑制誘導体22とを備える過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システムであって、前記風車本体部分10の前記回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出手段と、前記過回転抑制部分20の前記回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出手段と、前記第1回転トルクと前記第2回転トルクから前記垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出手段とを有し、前記第1回転トルク算出手段では、それぞれの前記風車翼14のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記風車翼14の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記風車翼14についての合計回転トルクを前記第1回転トルクとし、前記第2回転トルク算出手段では、それぞれの前記過回転抑制部分20のアジマスに応じて変化する変動風速と、前記空気力・重力・遠心力が作用することによる前記過回転抑制部分20の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの前記過回転抑制部分20についての合計回転トルクを前記第2回転トルクとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、風車本体部分のトルクと過回転抑制部分のトルクとを分け、風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて第1回転トルク及び第2回転トルクを算出しているので、空気力と構造解析を連成した空力弾性解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例による過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の全体構成図
同垂直軸風車の要部斜視図
垂直軸風車を平面視し、同垂直軸風車に入力風が作用した状態を示す図
同垂直軸風車の空力弾性解析方法を示すフローチャート
空力データ準備ステップの説明図
第1構造データ入力ステップの説明図
風車本体部分の計算条件設定ステップの説明図
第1回転トルク算出ステップに用いる式
風車ロータの運動方程式
第1回転トルク算出ステップの説明図
過回転抑制部分の説明図
第2回転トルクの算出を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法は、風車本体部分の回転部周りの第1回転トルクを算出する第1回転トルク算出ステップと、過回転抑制部分の回転部周りの第2回転トルクを算出する第2回転トルク算出ステップと、第1回転トルクと第2回転トルクから垂直軸風車の風車全体回転トルクを算出する風車全体回転トルク算出ステップとを有し、第1回転トルク算出ステップでは、それぞれの風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と、空気力・重力・遠心力が作用することによる風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの風車翼についての合計回転トルクを第1回転トルクとし、第2回転トルク算出ステップでは、それぞれの過回転抑制部分のアジマスに応じて変化する変動風速と、空気力・重力・遠心力が作用することによる過回転抑制部分の変形量から得られる変形速度とを用いて算出したそれぞれの過回転抑制部分についての合計回転トルクを第2回転トルクとするものである。
本実施の形態によれば、風車本体部分のトルクと過回転抑制部分のトルクとを分け、風車翼のアジマスに応じて変化する変動風速と風車翼の変形量から得られる変形速度とを用いて第1回転トルク及び第2回転トルクを算出しているので、空気力と構造解析を連成した空力弾性解析を行うことができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法において、風車本体部分及び過回転抑制部分の翼形状に関する空力データ、風車本体部分の構造に関する第1構造データ、及び過回転抑制部分の構造に関する第2構造データの入力を受け付ける入力ステップを有し、第1回転トルク算出ステップで算出される第1回転トルクが所定の回転トルクとならない場合には、入力ステップでの第1構造データを変更するものである。
本実施の形態によれば、風車本体部分の最適設計を行いやすい。
(【0011】以降は省略されています)

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