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公開番号2025116977
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011556
出願日2024-01-30
発明の名称PdCu系合金からなる水素透過膜
出願人田中貴金属工業株式会社
代理人オリジネイト弁理士法人
主分類C22C 9/00 20060101AFI20250804BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】PdCu系合金からなる水素透過膜であって、150℃以下の低温域における水素透過性が改善されたものを提供する。
【解決手段】本発明に係るPdCu系合金からなる水素透過膜は、前記PdCu合金が、47.0原子%以上49.0原子%以下のPdと、0.01原子%以上0.75原子%以下のAgと、残部Cu及び不可避不純物とからなることを特徴とする。本発明に係る水素透過膜においては、100℃における水素透過係数φ100と300℃における水素透過係数φ300との比(φ100300)が0.4以上となり、低温域における水素透過係数の減少が抑制されている。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
PdCu系合金からなる水素透過膜において、
前記PdCu系合金は、47.0原子%以上49.0原子%以下のPdと、0.01原子%以上0.75原子%以下のAgと、残部Cu及び不可避不純物とからなることを特徴とする水素透過膜。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
任意断面におけるβ相の面積率が95%以上である請求項1記載の水素透過膜。
【請求項3】
100℃における水素透過係数φ
100
と300℃における水素透過係数φ
300
との比(φ
100
/φ
300
)が0.4以上である請求項1又は請求項2記載の水素透過膜。
【請求項4】
厚さ1μm以上250μm以下である請求項1又は請求項2記載の水素透過膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を含むガスから水素を選択的に透過する水素透過膜に関する。特に、低温域における水素透過性が従来技術より改善された水素透過膜に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、各種化合物の合成プロセスにおける水素源や還元剤等の各種分野で広く利用されている。近年では、水素は、再生可能エネルギーとして着目されており、自動車・重機の動力源となる燃料電池や水素エンジンの燃料ガスへの利用も期待されている。更に、水素は、先端医療の分野でも注目されており、例えば、心肺停止後症候群を対象とする水素吸入療法の有効性が報告されている。
【0003】
水素透過膜は、上述した各種分野で活用される水素の取り扱いのための装置に利用される素材である。例えば、燃料分野における水素の活用では、高純度の水素ガスが必要であることから、水素透過膜を用いた水素精製装置が開発されている。また、燃料電池自動車等における電源内部や排ガス中の水素濃度を測定する上で水素センサーが必要となる。水素センサーは、医療分野における治療ガスの正確で厳密な水素濃度の測定のためにも必要である。測定対象ガスから水素のみを選択的に透過させる水素透過膜は、これらの用途における水素センサーに好適に利用することができる。
【0004】
水素透過膜は、選択的に吸蔵した水素を内部で拡散しつつ放出可能な金属合金で構成される。このような金属合金膜としては、特に、Pd(パラジウム)が有する選択的な水素透過性を利用したPd合金膜(PdAg系合金やPdCu系合金等)が知られている。特に、PdCu系合金からなる水素透過膜が、水素脆化や耐食性による問題が少ないことから実用化・量産化が進んでいる(特許文献1、2、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-262252号公報
特開2008-12495号公報
【非特許文献】
【0006】
JamesRaphael Warren,”The Effect of Hydrogen on Palladium-Copper Based Membranes forHydrogen Purification”,THE UNIVERSITY OF BIRMINGHAM,P22-29,37-80.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
PdCu系合金膜からなる水素透過膜における水素の透過現象は、原子拡散に起因することから、このときの水素透過係数は温度依存性を有し、いわゆるアレニウスの式(アレニウスプロット)に従うとされている。アレニウスプロットでは、水素透過係数の対数が温度の逆数(1/T)に対して負に比例することから、適宜の温度域における水素透過係数を測定することで、他の温度域における水素透過係数を予測することができる。
【0008】
しかしながら、本発明者等の検討によると、PdCu系合金からなる水素透過膜においては、上記のようなアレニウスプロットに基づく水素透過係数の予測性が十分に成立しない。具体的には、高温域で測定される水素透過係数に基づいてアレニウスプロットを作成しても、低温域における水素透過係数の実測値は当該アレニウスプロットから逸脱し、予測値よりも低い値となる。即ち、PdCu系合金からなる水素透過膜は、低温域で水素透過性が想定以上に低下する。水素透過係数が温度依存性を有すること自体は回避できるものではないが、このような想定以上の水素透過係数の落ち込みは好ましいものではない。
【0009】
これまでの水素透過膜に関する検討例は、水素透過係数の増大を目指すものが主であり、水素透過膜の温度依存性の改良に関するものはさほど多くはない。これは、水素透過膜にとってその機能を最も明確に示すのは水素透過係数だからである。また、水素透過膜の活用分野として、高温域の操業が許容されている水素精製装置等の機器が従前から多かったこともこうした背景の要因といえる。
【0010】
しかし、水素透過膜が利用される装置には、低温域での運用が必要なものがある。例えば、燃料電池自動車用の水素センサーや医療用途における水素センサーでは、常温域での使用が前提となっている。これらの水素透過膜の利用分野は、近年になって着目されたものであるが、これらに適用される水素透過膜には低温域でより高い水素透過性が求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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