特許ウォッチ

公開番号2025117348
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024012137
出願日2024-01-30
発明の名称換気システム及びシェルター
出願人川崎重工業株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類F24F 7/003 20210101AFI20250804BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】シェルターの室内空間の汚染を抑制する。
【解決手段】外部に対し閉じられた室内空間を換気する換気システムは、ガス透過膜で仕切られた第1流路及び第2流路を有するガス透過膜装置と、第1流路へ室内空間の室内空気を送る送り路と、第1流路から室内空気を室内空間へ戻す戻し路とを含み、室内空気を第1流路へ送り出す第1送風機を有するフィードガスラインと、第2流路へ外部の外気を供給する供給路と、第2流路から外気を外部へ排出する排出路とを含み、外気を第2流路へ送り出す第2送風機と、外部の気圧に対して室内空間の気圧が同じ又は高くなるように第2流路を通る外気の圧力を調整する気圧調整弁とを有するスイープガスラインと、を備える。ガス透過膜は、第1流路を流れる室内空気中の二酸化炭素を第2流路へ透過させ、第2流路を通過する外気中の酸素を第1流路へ透過させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
外部に対し閉じられた室内空間を換気する換気システムであって、
ガス透過膜と、前記ガス透過膜で仕切られた第１流路及び第２流路とを有するガス透過膜装置と、
前記ガス透過膜装置の前記第１流路へ清浄化対象である前記室内空間の室内空気を送る送り路と、前記第１流路から清浄化された前記室内空気を前記室内空間へ戻す戻し路とを含み、前記室内空気を前記第１流路へ送り出す第１送風機を有するフィードガスラインと、
前記ガス透過膜装置の前記第２流路へ前記外部の外気を供給する供給路と、前記第２流路から前記外気を前記外部へ排出する排出路とを含み、前記外気を前記第２流路へ送り出す第２送風機と、前記外部の気圧に対して前記室内空間の気圧が同じ又は高くなるように前記第２流路を通る前記外気の圧力を調整する気圧調整弁とを有するスイープガスラインと、を備え、
前記ガス透過膜は、前記室内空気と前記外気の分圧差を利用して、前記第１流路を流れる前記室内空気中の二酸化炭素を前記第２流路へ透過させ、前記第２流路を通過する前記外気中の酸素を前記第１流路へ透過させる、
換気システム。
続きを表示（約 860 文字）【請求項２】
前記フィードガスラインは、前記戻し路を通る前記室内空気から有害ガスを除去する有害ガス除去器を有する、
請求項１に記載の換気システム。
【請求項３】
前記フィードガスラインは、前記戻し路を通る前記室内空気に含まれる一酸化炭素を酸化させる一酸化炭素酸化器を有する、
請求項１に記載の換気システム。
【請求項４】
前記フィードガスラインは、前記戻し路を通る前記室内空気に含まれる一酸化炭素を酸化させる一酸化炭素酸化器を有する、
請求項２に記載の換気システム。
【請求項５】
前記スイープガスラインの前記供給路と前記フィードガスラインの前記戻し路とを接続可能な第１接続路と、
前記スイープガスラインの前記排出路と前記フィードガスラインの前記送り路とを接続可能な第２接続路と、
前記供給路から前記第１接続路を介して前記戻し路へ前記外気が流れ、前記送り路から前記第２接続路を介して前記排出路へ前記室内空気が流れ、前記ガス透過膜装置への前記室内空気及び前記外気の流れが遮断されるように、前記室内空気及び前記外気の流路を切り替える流路切替弁と、を備える、
請求項１に記載の換気システム。
【請求項６】
外部に対し閉じられた室内空間を有する少なくとも１つの退避室と、
前記少なくとも１つの退避室の前記室内空間を換気する請求項１乃至５のいずれか一項に記載の換気システムと、を備える、
シェルター。
【請求項７】
前記少なくとも１つの退避室は、複数の退避室を含み、
前記フィードガスラインの前記送り路は前記複数の退避室に亘って延びており、前記複数の退避室の各々に前記送り路の出口が配置され、
前記フィードガスラインの前記戻し路は前記複数の退避室に亘って延びており、前記複数の退避室の各々に前記戻し路の出口が配置されている、
請求項６に記載のシェルター。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、シェルターに好適な換気システム及び当該換気システムを備えたシェルターに関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
身を守るためのシェルターは、頑強な壁に囲まれた退避室と、退避室内を換気する換気システムとを備える。例えば、特許文献１には、この種のシェルターが開示されている。
【０００３】
特許文献１に開示されたシェルターは、間仕切壁によって仕切られた前室及び退避室と、退避室の換気を行う換気システムとを備える。前室には、外部から空気を取り入れる吸気管と、外部へ空気を排出する排気管とが接続されている。間仕切壁には、退避室から前室へ排気する過圧排気バルブが設けられている。換気システムは、前室に配置され吸気管と接続されたフィルタと、退避室に配置された送気管と、間仕切壁を貫通してフィルタと送気管とを接続する接続配管と、前室又は退避室に配置されて前記接続配管を流れる空気を送気管へ送り出すファンとを備える。このシェルターでは、ファンの駆動により吸気管を通じて前室に吸い込まれた空気は、フィルタで有害物質が除去されて清浄化されたのち、接続配管及び送気管を通じて退避室内へ供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１４－１６７３７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１のシェルターでは、使用によりフィルタの性能が低下すれば、フィルタを交換する必要がある。フィルタに放射性物質等の汚染物質が付着している場合には、フィルタの交換時に前室に汚染物質が拡散するおそれがあり、退避室の汚染は回避できるが、前室の汚染を回避することが難しい。
【０００６】
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シェルターの室内空間の汚染を抑制可能な換気システム及び当該換気システムを備えるシェルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る換気システムは、外部に対し閉じられた室内空間を換気する換気システムであって、
ガス透過膜と、前記ガス透過膜で仕切られた第１流路及び第２流路とを有するガス透過膜装置と、
前記ガス透過膜装置の前記第１流路へ清浄化対象である前記室内空間の室内空気を送る送り路と、前記第１流路から清浄化された前記室内空気を前記室内空間へ戻す戻し路とを含み、前記室内空気を前記第１流路へ送り出す第１送風機を有するフィードガスラインと、
前記ガス透過膜装置の前記第２流路へ前記外部の外気を供給する供給路と、前記第２流路から前記外気を前記外部へ排出する排出路とを含み、前記外気を前記第２流路へ送り出す第２送風機と、前記外部の気圧に対して前記室内空間の気圧が同じ又は高くなるように前記第２流路を通る前記外気の圧力を調整する気圧調整弁とを有するスイープガスラインと、を備え、
前記ガス透過膜は、前記室内空気と前記外気の分圧差を利用して、前記第１流路を流れる前記室内空気中の二酸化炭素を前記第２流路へ透過させ、前記第２流路を通過する前記外気中の酸素を前記第１流路へ透過させるものである。
【０００８】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るシェルターは、
外部に対し閉じられた室内空間を有する少なくとも１つの退避室と、
前記少なくとも１つの退避室の前記室内空間を換気する前記換気システムと、を備えるものである。
【発明の効果】
【０００９】
本開示によれば、シェルターの室内空間の汚染を抑制可能な換気システム及び当該換気システムを備えるシェルターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
図１は、本開示の一実施形態に係る換気システムの概略構成を示す図である。
図２は、ガス透過膜装置の概略構成を示す図である。
図３は、ガス透過膜装置のガス透過膜によるガス交換の様子を示す図である。
図４は、シェルターの概略構成を示す図である。
図５は、変形例１に係る換気システムを備えるシェルターの概略構成を示す図である。
図６は、変形例１に係る換気システムを備えるシェルターの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許