TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025117633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012463
出願日2024-01-31
発明の名称一体型封止シート、発光型電子部品およびその製造方法
出願人信越ポリマー株式会社
代理人めぶき弁理士法人,個人
主分類C09J 7/35 20180101AFI20250805BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
黒色度を確保し、発光素子間の遮光性能を保ちつつ、ディスプレイの輝度損失および色ムラ等を防止可能な一体型封止シート、当該シートを用いた発光型電子部品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、基板20に複数の発光素子21,22,23が配置された素子付き基板2の複数の発光素子21,22,23が配置された面に圧着するための一体型封止シート1であって、複数の発光素子21,22,23間を遮光する黒色硬化性樹脂層10と、黒色硬化性樹脂層10よりも光透過性の高い透明硬化性樹脂層11と、黒色硬化性樹脂層10および透明硬化性樹脂層11を支持する基材層12とをこの順に積層しており、黒色硬化性樹脂層10の硬化状態における全光線透過率が1~20%である一体型封止シート1に関する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に圧着するための一体型封止シートであって、
前記複数の発光素子間を遮光する黒色硬化性樹脂層と、前記黒色硬化性樹脂層よりも光透過性の高い透明硬化性樹脂層と、前記黒色硬化性樹脂層および前記透明硬化性樹脂層を支持する基材層とをこの順に積層しており、
前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が1~20%である一体型封止シート。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が1~10%である請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項3】
前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が2.35%以上5%未満である請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項4】
前記透明硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が70~99%である請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項5】
前記透明硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が、前記黒色硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率より大きい請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項6】
前記透明硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以下である請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項7】
前記黒色硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以下である請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項8】
前記黒色硬化性樹脂層および前記透明硬化性樹脂層が硬化性樹脂組成物を含み、前記硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項9】
前記透明硬化性樹脂層が重量平均分子量10,000以上のエポキシ樹脂を含む請求項1に記載の一体型封止シート。
【請求項10】
前記黒色硬化性樹脂層がエラストマーを含む請求項1に記載の一体型封止シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型封止シート、発光型電子部品およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ミニLEDまたはマイクロLEDと称する極小の発光ダイオードを用いたディスプレイが注目を浴びている。かかる極小の発光ダイオードをディスプレイに使用する方法としては、大きく分けて2種類の方法が知られている。1つは、基板上に多数の発光ダイオードを配置して液晶のバックライトを構成して、当該バックライトの輝度を局所的に制御する方法である。もう1つは、R(赤)、G(緑)およびB(青)の各色の発光ダイオードを発光させて画素単位でディスプレイの看者の目に各色の光を送る方法である。
【0003】
ミニLEDまたはマイクロLEDのような発光ダイオードは、一般的に、基板上に配置される。複数の発光ダイオード(発光素子という。)を基板上に配置する場合、隣り合う発光素子間を遮光する必要がある。複数の発光素子間を、遮光機能を有する樹脂で遮光する方法として、例えば、ドライフィルムを用いる方法が知られている(特許文献1を参照。)。ドライフィルムは、遮光性の樹脂組成物を保護フィルム上に塗布・乾燥して得られるフィルムである。
【0004】
ドライフィルムを基板上の複数の発光素子の上から圧着すると、発光素子同士の隙間のみならず、発光素子の上面(発光面)にも、遮光性の樹脂層が形成されてしまう。このような状況の下では、当該樹脂層は、ディスプレイの看者に届く光をも遮蔽してしまう可能性がある。これを防止するため、上記従来技術では、発光素子の発光面にプラズマ処理等のエッチングを施して、発光面上の樹脂層を除去して、その除去面に光透過性の封止材で覆う方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-22562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術は、エッチング処理に多大な時間を要するため、製造コストの増大を招く。また、発光素子の発光面上の樹脂層を完全に除去するのは難しく、その結果、ディスプレイの看者側に届くべき光の拡散を完全に防止することは難しい。加えて、エッチング処理の後に透明性の高い封止材のフィルムを積層するという工程も必要であるため、製造上のプロセスが多くなるという問題もある。
【0007】
本発明者らは、上記問題に鑑みて、本発明に先立ち、フィルム基材の一面に1または2以上の硬化性樹脂層を形成した一体型封止シートを開発した。当該硬化性樹脂層側が発光素子の発光面側に向くように、当該一体型封止シートを発光素子に圧着し、硬化性樹脂層を硬化することにより、発光素子間の光拡散を低減でき、かつ発光素子からの発光を遮らない構造を実現できるとの知見を得た。
【0008】
上記のような本発明に先立って開発した一体型封止シートにも、さらなる改善点がある。当該一体型封止シートは、遮光層がプレス圧着によって発光素子間に充填され、透明層が発光素子上を被覆可能な形態を有している。しかし、基板上の複数の発光素子は個々の高さや傾きが異なることが一般的であり、そのような発光素子の天面上に遮光層を全く残留させずに充填することは難しい。特に、高さが低い発光素子上には遮光層が残留しやすいため、発光素子間で遮光層の残留の程度が異なる。遮光層が発光素子の天面上に残留した場合、発光素子の輝度の低下を生じさせるおそれがある。その場合、そのまま硬化した当該遮光層は、ディスプレイの発光時における色ムラおよび輝度損失の原因となる可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、黒色度を確保し、発光素子間の遮光性能を保ちつつ、ディスプレイの輝度損失および色ムラ等を防止可能な一体型封止シート、当該シートを用いた発光型電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る一体型封止シートは、
基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に圧着するための一体型封止シートであって、
前記複数の発光素子間を遮光する黒色硬化性樹脂層と、前記黒色硬化性樹脂層よりも光透過性の高い透明硬化性樹脂層と、前記黒色硬化性樹脂層および前記透明硬化性樹脂層を支持する基材層とをこの順に積層しており、
前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が1~20%である。
(2)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が1~10%であってもよい。
(3)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記黒色硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が2.35%以上5%未満であってもよい。
(4)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記透明硬化性樹脂層の硬化状態における全光線透過率が70~99%であってもよい。
(5)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記透明硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が、前記黒色硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率より大きくてもよい。
(6)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記透明硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以下であってもよい。
(7)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記黒色硬化性樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以下であってもよい。
(8)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記黒色硬化性樹脂層、および前記透明硬化性樹脂層が、硬化性樹脂組成物を含み、前記硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含んでもよい。
(9)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記透明硬化性樹脂層が重量平均分子量10,000以上のエポキシ樹脂を含んでもよい。
(10)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記黒色硬化性樹脂層がエラストマーを含んでもよい。
(11)別の実施形態に係る一体型封止シートにおいて、好ましくは、前記基材層が、前記透明硬化性樹脂層に接している面と反対側の面にハードコート層をさらに備えてもよい。
(12)上記目的を達成するための一実施形態に係る発光型電子部品は、
基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板と、
前記素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に圧着された一体型封止用硬化シートとを備え、
前記一体型封止用硬化シートは、前記素子付き基板に接している側から、前記複数の発光素子間を遮光する黒色樹脂層と、前記黒色樹脂層よりも光透過性の高い透明樹脂層と、前記黒色樹脂層および前記透明樹脂層を支持する基材層とをこの順に積層しており、
前記黒色樹脂層の全光線透過率が1~20%である。
(13)別の実施形態に係る発光型電子部品において、好ましくは、
前記透明樹脂層の厚さが前記複数の発光素子の高さの0.1~5.0倍であり、
前記黒色樹脂層の厚さが前記複数の発光素子の高さの0.1~0.9倍であってもよい。
(14)上記目的を達成するための一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法は、
基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に上記いずれかに記載の一体型封止シートを配置する工程と、
前記黒色硬化性樹脂層と、前記透明硬化性樹脂層の少なくとも一部とを前記複数の発光素子間に充填する工程と、
前記黒色硬化性樹脂層と前記透明硬化性樹脂層とを硬化する工程と、を含む。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

信越ポリマー株式会社
一体型封止シート、発光型電子部品およびその製造方法
4日前
信越ポリマー株式会社
一体型封止シート、発光型電子部品およびその製造方法
4日前
信越ポリマー株式会社
一体型封止シート、発光型電子部品およびその製造方法
4日前
信越ポリマー株式会社
導電性複合体、導電性高分子分散液、導電性積層体、及びキャパシタ
16日前
個人
消火塗料
4か月前
個人
粘着テープ
3か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
ベック株式会社
被覆材
4か月前
ベック株式会社
水性被覆材
2か月前
ベック株式会社
水性被覆材
2か月前
ぺんてる株式会社
固形描画材
3か月前
ベック株式会社
被膜形成方法
11日前
三商株式会社
屋外用塗料組成物
4か月前
アイカ工業株式会社
パテ組成物
3か月前
関西ペイント株式会社
塗料組成物
10日前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
2か月前
株式会社エフコンサルタント
被覆材
3か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
1か月前
株式会社リコー
インクセット
1か月前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
1か月前
artience株式会社
印刷インキ
2か月前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
1か月前
シヤチハタ株式会社
油性インキ組成物
4日前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
2か月前
AGC株式会社
液状組成物
19日前
コニシ株式会社
プライマー組成物
4か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
2か月前
マクセル株式会社
粘着テープ
16日前
株式会社大阪ソーダ
撥水撥油性表面処理剤
4か月前
花王株式会社
レオロジー改質剤
3か月前
株式会社フェクト
透明防錆塗料
2か月前
デンカ株式会社
蛍光体粉末
4か月前
個人
レンズ用防曇剤
3か月前
アイカ工業株式会社
バランスウエイト用組成物
4か月前
ハニー化成株式会社
防反射処理剤
1か月前
続きを見る