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公開番号2025123209
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2025020094
出願日2025-02-10
発明の名称新薬物複合体
出願人興和株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C08F 220/10 20060101AFI20250815BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】薬物の送達技術に利用可能な新規コポリマーを提供する。
【解決手段】次の式(A)、(B)及び(C)で示される構造単位からなるコポリマーXに標的認識分子が結合した薬物複合体。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025123209000105.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">59</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、R1、R2及びR3はH又はC1-3アルキル、R4はC1-3アルキル、R5はH、C1-18アルキル、3~8員シクロアルキル、アダマンチル、C6-18アリール又は5~10員へテロアリール、X1、X2及びX3はO、S又はN-R7、R6はH、脱離基、リンカー、R7はH又はC1-3アルキル基、mは1~100、nは0~3)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の式(A)、(B)及び(C)で示される構造単位を有するコポリマーXに標的認識分子が結合したコポリマー。
TIFF
2025123209000100.tif
61
170
[式中、R

、R

及びR

は同一又は異なって水素原子又はC
1-3
アルキル基を示し、R

はC
1-3
アルキル基を示し、R

は水素原子、C
1-18
アルキル基、置換基を有してもよい3~8員シクロアルキル基、アダマンチル基、置換基を有してもよいC
6-18
アリール基又は置換基を有してもよい5~10員へテロアリール基を示し、X

、X

及びX

は同一又は異なって酸素原子、硫黄原子又はN-R

を示し、R

は水素原子、脱離基又はリンカーを示し、R

は水素原子又はC
1-3
アルキル基を示し、mは1~100の整数を示し、nは0~3の整数を示す]
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ポリマーXが、次の一般式(1)~(3):
TIFF
2025123209000101.tif
37
170
[式中、R

、R

及びR

は同一又は異なって水素原子又はC
1-3
アルキル基を示し、R

はC
1-3
アルキル基を示し、R

は水素原子、C
1-18
アルキル基、置換基を有してもよい3~8員シクロアルキル基、アダマンチル基、置換基を有してもよいC
6-18
アリール基又は置換基を有してもよい5~10員へテロアリール基を示し、X

、X

及びX

は同一又は異なって酸素原子、硫黄原子又はN-R

を示し、R

は水素原子、脱離基又はリンカーを示し、R

は水素原子又はC
1-3
アルキル基を示し、mは1~100の整数を示し、nは0~3の整数を示す]
で示される3種のモノマーの重合によって形成されるコポリマーである請求項1記載のコポリマー。
【請求項3】


が水素原子である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項4】


が水素原子である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項5】


が水素原子である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項6】


がメチル基である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項7】


が置換基を有してもよいC
6-18
アリール基である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項8】


がフェニル基である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項9】


が水素原子である請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項10】


の脱離基が、次式(4):
TIFF
2025123209000102.tif
34
170
で表される基である請求項1又は2に記載のコポリマー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は薬物送達技術に利用可能な新規コポリマーに関する。より詳細には腫瘍を標的とした薬剤送達キャリア用のコポリマー、当該コポリマーに抗がん剤等の生理活性物質を担持させた医薬用組成物、当該組成物を含有する医薬品に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、薬物を疾患部位へ効率的かつ安全に送達する技術として、ドラッグデリバリーシステム(Drug delivery system,DDS)に関する研究が盛んにおこなわれている。その中でも、疾患部位の構造的な特性を利用して薬物集積の選択性を高める技術として、ナノ粒子を薬物送達キャリアとしたDDSの需要が高まっている。
【0003】
例えば固形がん組織においては、新生血管(腫瘍血管)の構造が正常血管と比較して未成熟であるため、血管内皮に数百nm程度の細胞間隙が生じており、物質の透過性が高い。この構造的特徴によりナノ粒子を含む高分子量体は、腫瘍血管を選択的に透過し固形がん組織に集積することが知られている。さらに、固形がん組織では高分子の排出に関与するリンパ系が機能不全を起こしているため、浸透したナノ粒子は組織内で持続的に滞留する(Enhanced permeability and retention effect,EPR効果)。一般的な低分子薬剤は血管細胞の膜透過により血管外に漏出するため、非選択的に組織に分布し、固形がん組織に集積しない。EPR効果の方法論によれば、ナノ粒子を利用した薬物送達は、組織への分布が血管内皮細胞間隙の透過性により支配されるため、薬物の分布に固形がんへの組織選択性の向上をもたらす。それ故にEPR効果は、固形がんを標的としたナノテクノロジー応用医薬品(ナノメディシン)の開発における有力な学術的根拠となっている。
【0004】
EPR効果における薬物の送達過程は血流を介しており、かつナノ粒子の血管外漏出プロセスは受動的であると考えられている。したがって、固形がんに対するナノ粒子の集積を最大化するためには、薬物送達キャリアとなるナノ粒子の構成成分に対して、長期の血中滞留に堪え得る分子デザインを付与することが重要である。それ故に薬物送達キャリアには、血液構成成分との非特異的相互作用、肝臓、脾臓、及び肺における細網内皮系(reticuloendothelial system,RES)による異物認識、腎臓における糸球体ろ過といった障壁を回避する能力が求められる。また、これらの障壁は、粒子径や生体適合性高分子による表面修飾といった粒子特性の最適化によって克服し得ることが知られている。例えば薬物送達キャリアの粒子径は、腎クリアランスの閾値である約6nmよりも大きく、RESによる認識を免れ得る200nmよりも小さいことが望ましい。
【0005】
また、薬物送達キャリアの粒子径は、疾患部位における組織浸透性にも影響を及ぼすことが知られている。例えば、同等の血中滞留性を示す粒子径30nm、50nm、70nm及び100nmの薬物内包ナノ粒子の制がん活性が比較検討されており、粒子径30nmの薬物内包ナノ粒子は疾患部位深部まで到達することから最も高い治療効果を示すことが明らかとなっている(非特許文献1)。したがって、固形がんを標的とした薬物送達キャリア用のナノ粒子の粒子径は、腎クリアランスを回避し得る範囲で可能な限り小径であることが望ましいと考えられる。
【0006】
薬物送達キャリア用のナノ粒子としてはリポソーム、エマルジョン、又はナノパーティクルなどのコロイド分散体を用いる方法、アルブミン等の生物由来原料を用いる方法、天然多糖類等の天然高分子を用いる方法、あるいは合成高分子を用いる方法が開発されてい
る。中でも合成高分子は、構成成分となるモノマーと合成方法を適切に選択することで、粒子径が精密に制御されたナノ粒子を調製することが可能であるため、薬物送達キャリアの構成成分として汎用されている。
【0007】
例えば、親水性セグメントと疎水性セグメントからなる両親媒性ブロック共重合体の薬物送達キャリアとしての利用方法について開示されている。該ブロック共重合体は分子間の疎水性相互作用等を駆動力として水性媒体中で自発的に会合し、コア-シェル型ナノ粒子(高分子ミセル)を形成する。該高分子ミセルの疎水性セグメントには低分子薬剤を内包若しくは結合することが可能であり、得られた薬物内包高分子ミセルは高い血中安定性を示すとともに、EPR効果を介した固形がんへの選択的な集積により低分子薬剤の溶液投与と比較して高い制がん活性をもたらすことが知られている(特許文献1)。しかしながら高分子ミセルは、複数分子の会合体であることから、粒子径約30nm程度が調製可能な下限値であり、腎クリアランスの影響を回避し得る粒子径10nm付近での微細なサイズ制御は困難である。
【0008】
一方、合成高分子により形成されるナノ粒子のうち、1本鎖内の化学架橋、疎水性相互作用、イオン結合等を駆動力として粒子を形成するもの(以下、single chain nanoparticle(SCNP)と略記する)は、粒子径20nm以下の小径なナノ粒子を形成することが知られている(非特許文献2)。したがって、SCNPは薬物送達キャリアとしての有用性が期待されるものの、その粒子径を精密に制御する技術はこれまで見出されていなかった。
【0009】
別の薬物送達技術として、細胞傷害剤(薬物)を抗原発現腫瘍細胞に標的送達可能にする抗体-薬物コンジュゲート(ADC)がある(非特許文献3~5)。ADCは、抗体(Ab)とリンカーと薬物という3つの成分を有している。標的への局所送達のために、薬物は抗体に連結又はコンジュゲートされる。コンジュゲート方法は、抗体のリジン側鎖のアミノ基、又は鎖間ジスルフィド結合を還元して得られるシステインスルフヒドリル基を介した化学修飾が一般的である。ADCの設計は依然として難しいものであり、複数の要素(例えば、抗体の選択、リンカーの安定性、薬物/毒素(ペイロード)及びその切断動態など)を制御しなければならない。その中でも重要なパラメーターは、単一抗体へのペイロード数(薬物抗体比またはDAR(Drug Antibody ratio))である。多くの薬物/毒素分子を結合した抗体は、標的抗原への結合障害や、血流からの速いインビボクリアランスを示すことになり、概して、1つの抗体には、限られた数の薬物/毒素分子しか結合できない(通常、DARは4~6)。その結果、標的細胞を死傷するのに充分な有効性を得るには、IC
50
が1nM未満である非常に毒性の高い薬剤(例えば、カリケアミシンまたはオーリスタチンモノメチルエステル(MMAE)など)を使用しなければならない(非特許文献6、7など)。したがって、コンジュゲートのほんの一部がオフターゲットになると、重大な有害作用が現れることになる。このように、高い有効性と、向上した忍容性を兼ね備える新たなアプローチが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第3270592号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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