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公開番号2025125239
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2024021169
出願日2024-02-15
発明の名称ポリアミド樹脂組成物及びそれから得られるフィルム
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C08L 77/00 20060101AFI20250820BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリアミド樹脂組成物の成形時の樹脂圧力が適度であり、フィルムにした際に、突き刺しに対する強度が優れるとともに、耐ピンホール性や衝撃に対する強度に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及び炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)を含むポリアミド樹脂組成物であり、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)85.00~99.75質量%、及び前記炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)0.25~1.00質量%を含み、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、相対粘度3.50超4.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)70.00~95.00質量%、相対粘度2.80超3.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)3.00~15.00質量%、相対粘度2.00以上2.80以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)1.00~5.00質量%、及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)0~15.00質量%からなる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪族ポリアミド樹脂(A)及び炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)を含むポリアミド樹脂組成物であり、
ポリアミド樹脂組成物100質量%中、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)85.00~99.75質量%、及び前記炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)0.25~1.00質量%を含み、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、相対粘度3.50超4.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)70.00~95.00質量%、相対粘度2.80超3.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)3.00~15.00質量%、相対粘度2.00以上2.80以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)1.00~5.00質量%、及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)0~15.00質量%からなるポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、カルボン酸アミド(C)0.01~0.30質量%を含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、アンチブロッキング剤(D)を0.01~0.50質量%含む、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)の含有量が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、2.00~11.00質量%である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項8】
前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)の相対粘度が、2.90以上4.70以下である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項9】
前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)が、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12及びポリアミド6/66/12からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項10】
前記アンチブロッキング剤(D)が、マイカ、カオリン、ゼオライト、タルク及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物及びそれから得られるフィルムに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、機械的強度、熱的性質、化学的性質や成形加工性が優れているため自動車分野あるいは電子・電気分野での各種部品、さらにはフィルム、繊維、モノフィラメントなどに幅広く使用されている。
これらの用途の中で、ポリアミド樹脂フィルムは、ガスバリア性や機械的特性に優れるため広く使用されている。ポリアミド樹脂フィルムは、ポリアミド樹脂の他に滑剤その他の添加剤の配合された組成物が使用されている。
【0003】
このような添加剤を配合したポリアミド樹脂の製造方法として、特許文献1に無機粒子と滑剤の一部をマスターバッチにしてポリアミド樹脂に添加することが記載されている。特許文献2には、添加剤の種類ごとに異なるマスターバッチを使用したポリアミド樹脂組成物から特定の方法でフィルムを製造することが記載されている。特許文献3には、主成分のポリアミド樹脂として特定の相対粘度のものを用い、主成分よりも相対粘度の低いポリアミドに滑剤を配合したマスターバッチを、主成分のポリアミド樹脂と混合し、フィルムを得ることが記載されている。特許文献4には、相対粘度の範囲の異なるポリアミド樹脂の組み合わせにアンチブロッキング剤と滑剤を添加したポリアミド樹脂組成物からなるフィルムが記載されている。特許文献5には、ポリアミド樹脂に添加する滑剤として、水酸基を有するステアリン酸金属塩が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-131891号公報
特開2021-88190号公報
特開2011-126937号公報
国際公開2023/149547号
特開昭62-119267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリアミド樹脂フィルムは、中身や、外からの接触によって、容易に切れないことも求められる。また、衝撃に対する強度も求められる。その一方で、フィルム製造の際に、装置に過大な圧力がかからない樹脂組成物の圧力とすることも求められる。
【0006】
特許文献1~3では、透明性や光沢については確認されているものの、強度や、製造に負担のないポリアミド樹脂組成物については、検討されていなかった。特許文献4では、突き刺しに対する強度や、樹脂圧について検討されているものの、まだ改善の余地があり、また衝撃に対する強度は確認されていなかった。特許文献5では、滑剤とポリアミドの好適な組み合わせについては検討されていなかった。
【0007】
そこで、本願発明は、ポリアミド樹脂組成物の成形時の樹脂圧力が適度であり、フィルムにした際に、突き刺しに対する強度が優れるとともに、耐ピンホール性や衝撃に対する強度に優れるポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば以下の[1]~[12]である。
[1]脂肪族ポリアミド樹脂(A)及び炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)を含むポリアミド樹脂組成物であり、
ポリアミド樹脂組成物100質量%中、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)85.00~99.75質量%、及び前記炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)0.25~1.00質量%を含み、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、相対粘度3.50超4.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)70.00~95.00質量%、相対粘度2.80超3.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)3.00~15.00質量%、相対粘度2.00以上2.80以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)1.00~5.00質量%、及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)0~15.00質量%からなるポリアミド樹脂組成物。
[2]さらに、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、カルボン酸アミド(C)0.01~0.30質量%を含む、[1]のポリアミド樹脂組成物。
[3]さらに、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、アンチブロッキング剤(D)を0.01~0.50質量%含む、[1]又は[2]のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[5]前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[4]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[6]前記脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)が、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド56、ポリアミド66、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド611及びポリアミド612からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[7]前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)の含有量が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、2.00~11.00質量%である、[1]~[6]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[8]前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)の相対粘度が、2.90以上4.70以下である、[1]~[7]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[9]前記脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)が、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12及びポリアミド6/66/12からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[8]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[10]前記アンチブロッキング剤(D)が、マイカ、カオリン、ゼオライト、タルク及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、[3]~[9]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[11][1]~[10]のいずれかのポリアミド樹脂組成物からなるフィルム。
[12]厚さが3~15μmである[11]のフィルム。
【発明の効果】
【0009】
本願発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物の成形時の樹脂圧力が適度であり、フィルムにした際に、突き刺しに対する強度が優れるとともに、耐ピンホール性や衝撃に対する強度に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及び炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)を含むポリアミド樹脂組成物であり、
ポリアミド樹脂組成物100質量%中、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)85.00~99.75質量%、及び前記炭素数6~24の脂肪酸の金属塩(B)を0.25~1.00質量%を含み、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド樹脂組成物100質量%中の含有量として、相対粘度3.50超4.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A1)70.00~95.00質量%、相対粘度2.80超3.50以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A2)3.00~15.00質量%、相対粘度2.00以上2.80以下の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A3)1.00~5.00質量%、及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A4)0~15.00質量%からなるポリアミド樹脂組成物である。
本明細書において、各成分の含有量は小数点以下第3位を四捨五入した値である。ただし、0質量%と記載した場合は、含まないことを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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