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公開番号2025127692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024543
出願日2024-02-21
発明の名称グミ様食感を有する食品の製造方法
出願人株式会社ニップン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 7/10 20160101AFI20250826BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】従来製造されているゼラチンを使用したグミ様食感を有する食品よりも食感に優れたグミ様食感を有する食品を得ることを課題とする。
【解決手段】下記工程により押出成形物を製造することを含む押出成形食品の製造方法により、グミ様食感を有する食品を製造することができ上記課題が解決される。工程1:澱粉質原料と、澱粉質原料100質量部に対して38~155質量部の水とをエクストルーダーで混練する工程、工程2:工程1で得られた混練物をエクストルーダーから押し出して下記性質(1)~(3)を有する押出成形物を得る工程、(1)押出成形物のα化度が70~95%であり、(2)押出成形物の最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、かつ(3)押出成形物の最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は所定の手順で決定されるものである。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程1及び2により押出成形食品を製造するための押出成形物を製造することを含む、押出成形食品の製造方法であって、
工程1:澱粉質原料と、澱粉質原料100質量部に対して38~155質量部の水とをエクストルーダーで混練する工程、
工程2:工程1で得られた混練物をエクストルーダーから押し出して下記性質(1)~(3)を有する押出成形物を得る工程、
(1)押出成形物のα化度が70~95%であり、
(2)押出成形物の最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、かつ
(3)押出成形物の最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は以下の手順で決定される、上記製造方法:
(a)テクスチャーアナライザーの試料ステージに試料を載置し、接触部分の幅が1mmの楔型プランジャーにより速度0.17mm/秒で押圧していき、物が破断する直前の荷重を最大圧縮荷重(A)とし、
(b)最大圧縮荷重(A)の測定方法に基づき、下記式1により50%圧縮距離を求め、50%圧縮距離における荷重を50%圧縮荷重(B)とする。
式1:50%圧縮距離=(押圧前の物の厚み-最大圧縮荷重(A)時の物の圧縮距離(厚み))×50%
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
工程2で得られた押出成形物をさらに加熱して押出成形食品を製造する工程3、をさらに含む、請求項1に記載の押出成形食品の製造方法。
【請求項3】
前記澱粉質原料におけるアミロース含有率が7質量%以上である、請求項1に記載の押出成形食品の製造方法。
【請求項4】
前記澱粉質原料が、ハイアミロース米粉、ハイアミロース大麦粉、ハイアミロース小麦粉、ハイアミローストウモロコシ粉、及びハイアミロース米澱粉からなる群から選択される1以上である、請求項3に記載の押出成形食品の製造方法。
【請求項5】
前記澱粉質原料はモチ種澱粉質原料を含まない、請求項1~4のいずれかに記載の押出成形食品の製造方法。
【請求項6】
澱粉質原料と水を含むα化された押出成形物であって、
(1)α化度が70~95%であり、
(2)最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、
(3)最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、
ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は下記手順により決定される、上記押出成形物:
(a)テクスチャーアナライザーの試料ステージに試料を載置し、接触部分の幅が1mmの楔型プランジャーにより速度0.17mm/秒で押圧していき、試料が破断する直前の荷重を最大圧縮荷重(A)とし、
(b)最大圧縮荷重(A)の測定方法に基づき、下記式1により50%圧縮距離を求め、50%圧縮距離における荷重を50%圧縮荷重(B)とする。
式1:50%圧縮距離=(押圧前の試料の厚み-最大圧縮荷重(A)時の試料の厚み)×50%
【請求項7】
前記澱粉質原料におけるアミロース含有率が7質量%以上である、請求項6に記載の押出成形物。
【請求項8】
前記澱粉質原料が、ハイアミロース米粉、ハイアミロース大麦粉、ハイアミロース小麦粉、ハイアミローストウモロコシ粉、及びハイアミロース米澱粉からなる群から選択される1以上である、請求項7に記載の押出成形物。
【請求項9】
前記澱粉質原料はモチ種澱粉質原料を含まない、請求項6に記載の押出成形物。
【請求項10】
請求項6~9のいずれかに記載の押出成形物を加熱してなる押出成形食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はグミ様食感を有する食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
グミとは、果汁などをゼラチンで固めた菓子の一種であり、グミ様の食感を有する食品全般を意味する。現在製造されているグミ様食感を有する食品は主にゼラチンを使用して製造されている。ゼラチンは融点が50~60℃ため、加熱後型に入れ、冷蔵することで固まり様々な形状のグミ様食感を有する食品を製造することができる。しかしゼラチンを使用したグミは融点が50~60℃のためにその温度以上に加熱されるスープの具材やパンや麺などの食品には使用することができない。また澱粉質原料を蒸練して整形することでトッポギ用餅のような餅様食品を製造することができるが、α化度がほぼ100%となることで成形後に全体が強固なゲル状となり、茹でた後も食感が硬くなってしまう。そこで加熱耐性のある、弾力があり適度な硬さのグミ様食感を有する食品の製造方法が求められていた。
上記問題を解決するために以下のような技術が提案されているが、更なる改良が求められていた。
特許文献1には、小麦ふすまと大豆たんぱく質を含む穀粉加工品の悪い風味を抑えるために、二軸エクストルーダーでせん断混合する製造方法が記載されており、食感の評価軸としてグミのような硬さとしている。しかしこの文献は熱耐性のあるグミ様食感を有する食品を製造することについての記載はない。
特許文献2では高アミロース米に水を添加し、加熱処理後に得られた糊化物を撹拌処理して得られた米加工素材の製造方法が記載されており、その米加工素材はグミ製造にも使用可能と記載されている。
特許文献3には、カラギナン、寒天、ジェランガム等の非動物性素材よりなる水溶性糊料に加水して、エクストルーダーで押し出すことでグミゼリーを製造する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-092504号公報
特開2013-070663号公報
特開2005-204645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来製造されているゼラチンを使用したグミ様食感を有する食品よりも熱耐性を持ち、グミ様食感を有する食品を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、澱粉質原料を用いて、エクストルーダーを利用することで、従来製造されているゼラチンを使用したグミあるいはグミ様食感を有する食品よりも熱耐性を持ち、食感に優れたグミ様食感を有する食品を得ることができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下を提供する。
〔1〕下記工程1及び2により押出成形食品を製造するための押出成形物を製造することを含む、押出成形食品の製造方法であって、
工程1:澱粉質原料と、澱粉質原料100質量部に対して38~155質量部の水とをエクストルーダーで混練する工程、
工程2:工程1で得られた混練物をエクストルーダーから押し出して下記性質(1)~(3)を有する押出成形物を得る工程、
(1)押出成形物のα化度が70~95%であり、
(2)押出成形物の最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、かつ
(3)押出成形物の最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、
ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は以下の手順で決定される、上記製造方法:
(a)テクスチャーアナライザーの試料ステージに試料を載置し、接触部分の幅が1mmの楔型プランジャーにより速度0.17mm/秒で押圧していき、試料が破断する直前の最大荷重を最大圧縮荷重(A)とし、
(b)最大圧縮荷重(A)の測定方法に基づき、下記式1により50%圧縮距離を求め、50%圧縮距離における荷重を50%圧縮荷重(B)とする。
式1:50%圧縮距離=(押圧前の試料の厚み-最大圧縮荷重(A)時の試料の圧縮距離(厚み))×50%
〔2〕工程2で得られた押出成形物をさらに加熱して押出成形食品を製造する工程3、をさらに含む、〔1〕に記載の押出成形食品の製造方法。
〔3〕前記澱粉質原料におけるアミロース含有率が7質量%以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の押出成形食品の製造方法。
〔4〕前記澱粉質原料が、ハイアミロース米粉、ハイアミロース大麦粉、ハイアミロース小麦粉、ハイアミローストウモロコシ粉、及びハイアミロース米澱粉からなる群から選択される1以上である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の押出成形食品の製造方法。
〔5〕前記澱粉質原料はモチ種澱粉質原料を含まない、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の押出成形食品の製造方法。
〔6〕澱粉質原料と水を含む押出成形物であって、
(1)α化度が70~95%であり、
(2)最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、
(3)最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、
ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は下記手順により決定される、上記押出成形物:
(a)テクスチャーアナライザーの試料ステージに試料を載置し、接触部分の幅が1mmの楔型プランジャーにより速度0.17mm/秒で押圧していき、試料が破断する直前の荷重を最大圧縮荷重(A)とし、
(b)最大圧縮荷重(A)の測定方法に基づき、下記式1により50%圧縮距離を求め、50%圧縮距離における荷重を50%圧縮荷重(B)とする。
式1:50%圧縮距離=(押圧前の試料の厚み-最大圧縮荷重(A)時の試料の厚み)×50%
〔7〕前記澱粉質原料におけるアミロース含有率が7質量%以上である、〔6〕に記載の押出成形物。
〔8〕前記澱粉質原料が、ハイアミロース米粉、ハイアミロース大麦粉、ハイアミロース小麦粉、ハイアミローストウモロコシ粉、及びハイアミロース米澱粉からなる群から選択される1以上である、〔6〕または〔7〕に記載の押出成形物。
〔9〕前記澱粉質原料はモチ種澱粉質原料を含まない、〔6〕に記載の押出成形物。
〔10〕〔6〕~〔9〕のいずれかに記載の押出成形物を加熱してなる押出成形食品。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、加熱食品に添加しても適度な弾力を損なわないグミ様食感を有する押出成形食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
エクストルーダーの内部を示す模式図である。
レオロジー特性評価における最大荷重時の50%圧縮距離における50%圧縮荷重を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第一の実施態様は、下記工程1及び2により押出成形食品を製造するための押出成形物を製造することを含む、押出成形食品の製造方法である。
工程1:澱粉質原料と、澱粉質原料100質量部に対して38~155質量部の水とをエクストルーダーで混練する工程、
工程2:工程1で得られた混練物をエクストルーダーから押し出して下記性質(1)~(3)を有する押出成形物を得る工程、
(1)押出成形物のα化度が70~95%であり、
(2)押出成形物の最大圧縮荷重(A)が760g以下であり、かつ
(3)押出成形物の最大圧縮荷重(A)を50%圧縮荷重(B)で除した値が2.0以上であり、
ただし、最大圧縮荷重(A)及び50%圧縮荷重(B)は以下の手順で決定される:
(a)テクスチャーアナライザーの試料ステージに試料を載置し、接触部分の幅が1mmの楔型プランジャーにより速度0.17mm/秒で押圧していき、試料が破断する直前の荷重を最大圧縮荷重(A)とし、
(b)最大圧縮荷重(A)の測定方法に基づき、下記式1で表される50%圧縮距離を求め、50%圧縮距離における荷重を50%圧縮荷重(B)とする。
式1:50%圧縮距離=(押圧前の試料の厚み-最大圧縮荷重(A)時の試料の圧縮距離(厚み))×50%
【0009】
上記方法により製造された押出成形物は押出成形食品を製造するための中間物である。これをさらに加熱したり、加熱食品に添加したりすることにより、適度な弾力を損なわないグミ様食感を有する押出成形食品を製造することができる。グミとは、果汁などをゼラチンで固めた菓子の一種であり、比較的しっかりした歯ごたえと粘弾性のある特有の食感を有する食品である。本明細書において「グミ様食感を有する食品」とは、グミと類似の食感を有する食品全般を意味しており、通常「グミ」と呼ばれる食品も含まれる。少なくとも澱粉質原料と水とを含む食品であればよい。グミ様食感を有する食品の例としては、例えば白玉、餅などに分類される食品である。グミ様食感を有する食品の形状の例としては、動植物などを模した形状、あるいは、角柱や円柱、多面体、星多面体、球体、錐体などの幾何学立体形状であってもよく、所望する形状に適宜成形することができる。
【0010】
上述した本発明の押出成形食品の製造方法は、まず、澱粉質原料と、澱粉質原料100質量部に対して38~155質量部の水とをエクストルーダーで混練する工程1を有する。
本明細書において「澱粉質原料」とは、穀粉類、穀粉類から得られる澱粉類及びそれを変性した変性澱粉類を含む原料であり、好ましくは、澱粉類及び/又は変性澱粉類を含み、または澱粉類及び/又は変性澱粉類からなる。本発明における押出成形食品を製造するための原料における、水以外の原料における澱粉質原料の含有量は限定されるものではないが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
本発明の課題を達成する範囲においてその他の原料を含んでもよいが、食感の観点から、DEが10以上のデキストリン類や、カラギナン、ジェランガム等の多糖類、さらにスクロース、グルコース等の糖類、マルチトール、ソルビトール等の等アルコール類は含まないことが好ましく、これらの多糖類、糖類、糖アルコール類を含む場合には、澱粉質原料100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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