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公開番号2025130958
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028379
出願日2024-02-28
発明の名称断熱材の製造方法
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16L 59/02 20060101AFI20250902BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 エアロゲルを用い、圧縮-除荷による変形を繰り返しても弾性が低下しにくい断熱材の製造方法を提供する。
【解決手段】 断熱材の製造方法は、エアロゲルと、有機成分と、を有する組成物を製造する組成物製造工程と、該組成物を加圧して成形体を製造する成形工程と、得られた該成形体を、該有機成分の軟化点以上の温度で保持する熱処理工程と、を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
エアロゲルを有する断熱材の製造方法であって、
エアロゲルと、有機成分と、を有する組成物を製造する組成物製造工程と、
該組成物を加圧して成形体を製造する成形工程と、
得られた該成形体を、該有機成分の軟化点以上の温度で保持する熱処理工程と、
を有することを特徴とする断熱材の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記有機成分は、前記エアロゲルの分散剤である請求項1に記載の断熱材の製造方法。
【請求項3】
前記分散剤は、界面活性剤、側鎖に極性および非極性の両方の成分を有する水溶性オリゴマーから選ばれる一種類以上である請求項2に記載の断熱材の製造方法。
【請求項4】
前記界面活性剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、TEMPO酸化セルロースナノファイバー、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコールを有する請求項3に記載の断熱材の製造方法。
【請求項5】
前記有機成分は、ポリエチレンオキサイドを有し、
前記熱処理工程の温度は、65℃以上250℃以下である請求項1に記載の断熱材の製造方法。
【請求項6】
前記熱処理工程の保持時間は、1時間以上24時間以下である請求項5に記載の断熱材の製造方法。
【請求項7】
前記組成物は、さらに赤外線遮蔽粒子および無機繊維から選ばれる一種類以上を有する請求項1に記載の断熱材の製造方法。
【請求項8】
前記エアロゲルは、シリカエアロゲルである請求項1に記載の断熱材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゲルを用いた断熱材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車には、複数のバッテリーセルを収容したバッテリーパックが搭載される。バッテリーパックにおいては、複数のバッテリーセルの積層体が、積層方向の両側から締結部材により固定された状態で筐体内に収容される。積層方向に隣り合うバッテリーセル間などには、バッテリーセルが異常に発熱した場合に熱の移動を抑制し、熱暴走を抑制するために、断熱材が配置される。
【0003】
断熱材の材料としては、熱伝導率が小さいシリカエアロゲルなどが知られている。例えば、特許文献1には、シリカエアロゲル、補強繊維、増粘剤、および無機バインダーを有する断熱層を備えるバッテリーパック用断熱材が記載されている。また、特許文献2には、高温下においても高い断熱性を有する断熱材として、シリカエアロゲル、赤外線遮蔽粒子、無機繊維、および有機添加剤を有する断熱層を備える断熱材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-144879号公報
国際公開第2023/181443号
特開2011-85216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリーセルは、充放電に伴い膨張、収縮する。したがって、バッテリーセル間に配置される断熱材においては、バッテリーセルの膨張、収縮に追従して変形する弾性を有し、断熱性を維持できることが望ましい。より詳細には、バッテリーセルが充電され膨張した場合、その圧縮力により断熱材の厚さが薄くなると共に、ある値以上の反力を発生させてバッテリーセルを付勢して、バッテリーセルの位置ずれなどを回避することが必要になる。また、バッテリーセルが放電され収縮した場合、断熱材がそれに追従して復元すると共に、所定の付勢力でバッテリーセルを固定することが必要になる。しかしながら、従来の断熱材においては、バッテリーセルの膨張、収縮に追従して変形を繰り返すと、断熱材の弾性が低下して、復元性が低下してしまい、バッテリーセルに対する所望の付勢力を維持することが難しくなるという課題があった。
【0006】
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、エアロゲルを用い、圧縮-除荷による変形を繰り返しても弾性が低下しにくい断熱材の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本開示の断熱材の製造方法は、エアロゲルを有する断熱材の製造方法であって、エアロゲルと、有機成分と、を有する組成物を製造する組成物製造工程と、該組成物を加圧して成形体を製造する成形工程と、得られた該成形体を、該有機成分の軟化点以上の温度で保持する熱処理工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
エアロゲルは、数nm程度の一次粒子が連結して骨格をなす多孔質体である。骨格間には数nm~100nm程度の細孔があり、その多くは空気の平均自由行程よりも小さいメソ孔である。この微細な多孔性構造により、熱移動の三形態(伝導、対流、輻射)のうちの主に伝導および対流が抑制される。エアロゲルを製造する際の乾燥方法の違いにより、常圧で乾燥したものを「キセロゲル」、超臨界で乾燥したものを「エアロゲル」、凍結乾燥したものを「クライオゲル」と呼び分けることがあるが、本明細書においては、これらをまとめて「エアロゲル」と称す。
【0009】
エアロゲルを用いた断熱材の製造方法として、エアロゲルの粉末などを成形型に充填して、加圧成形する方法がある。この方法によると、加圧によりエアロゲル粒子が圧縮され、エアロゲル粒子間の空隙が潰される。そして、成形後に除荷されると、エアロゲル粒子の弾性変形分が回復したり、エアロゲル粒子間の空隙が広がったりして、成形体が膨張することがある(この現象は、スプリングバックと称されることがある)。
【0010】
他方、上記特許文献1、2に記載されているように、断熱材には、構成成分を結着するバインダーや、エアロゲルの分散性を向上させるための分散剤などとして、有機成分が配合される場合がある。本発明者が、加圧成形された断熱材の弾性について鋭意検討を重ねたところ、エアロゲルの粉末を有機成分と共に加圧成形した場合、有機成分がエアロゲル粒子の周りに存在することで、除荷後のエアロゲル粒子の弾性変形分の回復や、潰れた空隙の回復(以下、これらをまとめて「エアロゲル粒子の復元」と称する場合がある)が妨げられるという知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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