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公開番号
2025131942
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2022091887
出願日
2022-06-06
発明の名称
サーマルサーキットシステム
出願人
国立大学法人神戸大学
,
国立大学法人東海国立大学機構
,
国立大学法人東京科学大学
,
国立大学法人 岡山大学
,
アサヒグループホールディングス株式会社
,
株式会社ファンクショナル・フルイッド
,
日新電機株式会社
,
森松工業株式会社
代理人
弁理士法人グローバル知財
主分類
F25B
27/02 20060101AFI20250903BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】廃熱によってプロセスに必要な熱源を再生する熱再生システムを提供する。
【解決手段】プロセスから出る温廃熱と冷廃熱を用いて必要な高温熱と低温熱に変換する熱再生システムである。a)温廃熱を吸着熱として用いる吸着材が収容されたサーマルアンプ4、b)その出力熱を蓄熱させる潜熱蓄熱材が収容されたサーマルバッテリー5、c)高圧吸収器での蒸発水を吸収液に吸収させ昇温した熱を熱交換器で取り出し高温熱として出力し、低圧蒸発器で水を蒸発させ水蒸発潜熱により低温プロセス7から出る冷廃熱を冷却して低温熱を出力し、潜熱蓄熱材の潜熱を用いて吸収液を再生するサーマルトランジスタ2、d)高温熱を化学蓄熱材の水和反応により昇温し、高温熱を用いて化学蓄熱材の脱水反応により蓄熱させ、低温熱を用いて脱水反応により生じる蒸気を凝縮させ化学蓄熱材の再生を促進させ、プロセスに必要な熱源を得るサーマルブースター3を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
高温プロセスから出る温廃熱を用いて該プロセスに必要な高温熱源に変換する熱再生システムであって、
第1ヒートポンプ、第2ヒートポンプ及び第3ヒートポンプで構成され、
第1ヒートポンプは、温廃熱を昇温し、
第2ヒートポンプは、第1ヒートポンプからの出力熱を更に昇温して高温熱として出力すると共に冷廃熱を熱源として低温熱を出力し、
第3ヒートポンプは、前記高温熱の熱を更に昇温する、ことを特徴とするサーマルサーキットシステム。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
第1ヒートポンプの出力熱を蓄熱させる潜熱蓄熱材が収容された蓄熱槽を備え、第2ヒートポンプへ供給する熱の温度を安定化させることを特徴とする請求項1に記載のサーマルサーキットシステム。
【請求項3】
第1ヒートポンプは、前記温廃熱を吸着熱として用いる吸着材が収容され、
第2ヒートポンプは、高圧吸収器で蒸発させた水を吸収液に吸収させ昇温した熱を熱交換器で取り出し前記高温熱として出力すると共に、低圧蒸発器で水を蒸発させ水蒸発潜熱により低温プロセスから出る冷廃熱を冷却して低温熱を出力し、前記潜熱蓄熱材の潜熱を用いて前記吸収液を再生し、
第3ヒートポンプは、前記高温熱を化学蓄熱材の水和反応の反応熱により昇温し、前記高温熱を用いて前記化学蓄熱材の脱水反応により蓄熱させ、前記低温熱を用いて脱水反応により生じる蒸気を凝縮させ前記化学蓄熱材の再生を促進させる、ことを特徴とする請求項2に記載のサーマルサーキットシステム。
【請求項4】
前記温廃熱は70~100℃であり、
前記第1ヒートポンプからの出力熱は80~100℃であり、
前記第2ヒートポンプが出力する前記高温熱は100~150℃であり、前記低温熱は5~10℃であり、
前記第3ヒートポンプにおける昇温温度は200~300℃である、ことを特徴とする請求項1~3の何れかのサーマルサーキットシステム。
【請求項5】
前記潜熱蓄熱材は、温度変化に応じて潜熱の吸収及び放出を生じる相変化物質が内包された無孔中空シリカ粒子を含むマイクロカプセルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のサーマルサーキットシステム。
【請求項6】
前記潜熱蓄熱材は、温度変化に応じて潜熱の吸収及び放出を生じる相変化物質が内包された無孔中空シリカ粒子を含むマイクロカプセルの集積体であり、かつ、前記マイクロカプセルがグラファイトで架橋されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のサーマルサーキットシステム。
【請求項7】
請求項1~3の何れかのサーマルサーキットシステムにおいて、
外部供給エネルギーは、送液用ポンプ動力と制御用電力であり、
外部供給の熱量は無く、廃熱がシステム内で消費されることを特徴とするサーマルサーキットシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱や冷却などのプロセスから出る廃熱を用いて、該プロセスに必要な熱源に変換する熱再生システム(以下「サーマルサーキットシステム」という)に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
現状、産業界、特に素材産業では、素材生成における熱源として、化石燃料および電力が用いられている。一方で、カーボンニュートラルが求められている中、化石燃料を用いない熱源が求められている。鉄鋼業のように1000℃程度の熱源が必要な産業では、アンモニアや水素燃焼に頼る必要があるが、食品加工業や化学産業では、200℃程度の熱源が主体であり、貯蔵問題や毒性のある燃料を用いることは最適解ではない。また、素材産業では、化石燃料による加熱など高温プロセスのみならず、常温以下の冷却の低温プロセスが必要となるが、冷熱に関しては電力によって賄われている。そのため、高温プロセスや低温プロセスに関して、カーボンニュートラルを実現することは急務である。
【0003】
ヒートポンプは、小さいエネルギーで熱を集めて大きな熱エネルギーとして利用するものであり、高温プロセスや低温プロセスに関して電力節減のために用いられており、例えば、ケミカルヒートポンプとして特許文献1,2が知られ、吸収式ヒートポンプとして特許文献3,4が知られ、吸着式ヒートポンプとして特許文献5などが知られている。また80℃以上の相転移点を有する相変化物質を利用できる潜熱蓄熱材が知られている(特許文献6)。
しかしながら、高温・低温プロセスから出る廃熱によって、それらのプロセスに必要な熱源を再生し、カーボンニュートラルを実現できるシステムは見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-158299号公報
特開2016-118379号公報
特開2004-270994号公報
特開2006-112686号公報
特開平9-318193号公報
特許第6332812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況に鑑みて、本発明は、プロセスから出る廃熱によってプロセスに必要な熱源を再生する熱再生システム(サーマルサーキットシステム)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明のサーマルサーキットシステムは、高温プロセスから出る温廃熱を用いて該プロセスに必要な高温熱源に変換する熱再生システムであって、第1ヒートポンプ、第2ヒートポンプ及び第3ヒートポンプで構成され、第1ヒートポンプは、温廃熱を昇温し、第2ヒートポンプは、第1ヒートポンプからの出力熱を更に昇温して高温熱として出力すると共に冷廃熱を熱源として低温熱を出力し、第3ヒートポンプは、高温熱を更に昇温する構成とされ、プロセスから出る廃熱によってプロセスに必要な熱源を再生し、カーボンニュートラルを実現する。
【0007】
ここで、高温プロセスとは、200℃以上の熱源を必要とするプロセスであり、プラスティック成形加工など多くの素材生成プロセスが該当する。高温プロセスから出る温廃熱としては70~100℃の廃熱である。第1ヒートポンプによって70~100℃の温廃熱を昇温し、第2ヒートポンプによって、第1ヒートポンプからの出力熱を更に昇温して100~150℃の高温熱として出力すると共に、冷廃熱を冷却して5~10℃の低温熱として出力し、最終的に、第3ヒートポンプによって、プラスティック成形加工など多くの素材生成プロセスが熱源として必要とする200~300℃まで昇温する。
一般的に、吸収式ヒートポンプでは、130℃以上に昇温することは困難であるが、本システムでは、第1ヒートポンプで温廃熱を昇温し、第2ヒートポンプで第1ヒートポンプからの熱を更に昇温して高温熱として出力すると共に冷廃熱を冷却して低温熱として出力し、第3ヒートポンプで高温熱を更に昇温することで、70~100℃の廃熱から200~300℃まで昇温する。
【0008】
本発明のサーマルサーキットシステムにおいて、第1ヒートポンプの出力熱を蓄熱させる潜熱蓄熱材が収容された蓄熱槽を備え、第2ヒートポンプへ供給する熱の温度を安定化させることが好ましい。第2ヒートポンプへ供給する熱の温度を安定化させるだけでなく、例えば、システムが停止した後、半日(12時間ぐらい)温度を保つことができれば、翌日の運転開示時に即座にブートアップできるという効果がある。
【0009】
本発明のサーマルサーキットシステムにおいて、第1ヒートポンプは、温廃熱を吸着熱として用いる吸着材が収容される吸着式ヒートポンプを用いてもよい。また、第2ヒートポンプは、高圧吸収器で蒸発させた水を吸収液に吸収させ昇温した熱を熱交換器で取り出し高温熱として出力すると共に、低圧蒸発器で水を蒸発させ水蒸発潜熱により低温プロセスから出る冷廃熱を冷却し低温熱として出力し、潜熱蓄熱材の潜熱を用いて吸収液を再生する吸収式ヒートポンプを用いてもよい。さらに、第3ヒートポンプは、高温熱を化学蓄熱材の水和反応の反応熱により昇温し、高温熱を用いて化学蓄熱材の脱水反応により蓄熱させ、低温熱の冷熱を用いて脱水反応により生じる蒸気を凝縮させ化学蓄熱材の再生を促進させるケミカルヒートポンプを用いてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、高温・低温プロセスから出る温廃熱と冷廃熱を用いて、該プロセスに必要な高温熱と低温熱に変換する熱再生ができる。
なお、第1ヒートポンプは吸着式ヒートポンプ、第2ヒートポンプは吸収式ヒートポンプ、第3ヒートポンプはケミカルヒートポンプを用いることが、発展性の観点から好ましい態様であるが、例えば、第2ヒートポンプを吸収式からケミカルヒートポンプに置き換えることも可能であり、さらに、第3ヒートポンプを吸着式に置き換えることも可能である。但し、吸着式は再生に時間がかかるため、数個の再生器を準備することが必要になる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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