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公開番号2025145666
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024045965
出願日2024-03-22
発明の名称水添共重合体、ペレット、樹脂組成物、及びタイヤ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 53/00 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂組成物にしたときの加工性及び省燃費性に優れ、かつ単体ではハンドリング性に優れる水添共重合体を提供する。
【解決手段】ビニル基含有量20質量%以下のポリブタジエンブロック(A)を少なくとも1つ有する水添ブロック共重合体(X)と、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び/又は共役ジエン化合物に由来する構造単位を含む重合体(Y)と、を含み、水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量/前記重合体(Y)の数平均分子量の値が2.5以上30以下である水添共重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル基含有量20質量%以下のポリブタジエンブロック(A)を少なくとも1つ有する水添ブロック共重合体(X)と、
芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び/又は共役ジエン化合物に由来する構造単位を含む重合体(Y)と、
を含み、
前記水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量/前記重合体(Y)の数平均分子量の値が2.5以上30以下である水添共重合体。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記水添ブロック共重合体(X)の水添率が80%以上である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項3】
前記水添ブロック共重合体(X)の前記ポリブタジエンブロック(A)以外において、
前記水添ブロック共重合体(X)全体に対する1,2または3.4ビニル結合を有する共役ジエン化合物に由来する構造単位の質量分率をa質量%、前記水添ブロック共重合体(X)全体に対する共役ジエンとランダム共重合している芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の質量分率をb質量%、前記水添ブロック共重合体(X)全体に対する前記ポリブタジエンブロック(A)の1,4結合を有する共役ジエン化合物に由来する構造単位の質量分率をc質量%としたとき、
a+b-cが-15質量%以上40質量%以下である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項4】
前記水添ブロック共重合体(X)と前記重合体(Y)の質量比率が40:60~80:20である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項5】
前記水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量が7万~25万である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項6】
前記重合体(Y)の数平均分子量が0.4万以上3.5万以下である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項7】
前記ポリブタジエンブロック(A)は前記水添ブロック共重合体(X)全体に占める質量比率が5%以上50%未満である請求項1に記載の水添共重合体。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに記載の水添共重合体のペレット。
【請求項9】
請求項1に記載の水添共重合体と、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、及びブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも1つの固形状ゴム成分と、を含む樹脂組成物。
【請求項10】
フィラーをさらに含む、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水添共重合体、ペレット、樹脂組成物、及びタイヤに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
液状ゴムは、常温で流動性を有する高粘度の流体であるため、取り扱い性に難があり、それを用いた樹脂組成物において液状ゴムの濃度を所望の値に調整するのに手間を要したり、高粘度の流体を供給するために専用の設備を必要としたりするという問題があった。これに対し、液状ゴムを溶融袋に充填して取り扱う方法も実施されているが、溶融袋に充填することによるコスト増加や溶融袋の輸送中の破袋という課題があった。
【0003】
上記課題を解決するため、液状ゴムのマスターバッチを作製することが提案されている。例えば、特許文献1~3には、ブロック共重合体と液状ゴムと溶剤の混合物から溶剤を除去することにより、液状ゴムのマスターバッチを作製することが記載されている。また特許文献4には押出機でブロック共重合体と液状ゴムを混合することで、液状ゴムのマスターバッチを作製する方法が開示されている。
しかし、液状ゴムのマスターバッチをタイヤトレッドに使用した場合、ブロック共重合体に含まれるスチレンブロックが組成物の省燃費性を低下させるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2009-530473号公報
特表2009-530474号公報
特表2009-542822号公報
WO2023/127895A1
【発明の概要】
【0005】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、少なくとも1つのビニル基含有量20質量%以下のポリブタジエンブロック(A)を有する水添ブロック共重合体(X)と、水添ブロック共重合体(X)より数平均分子量が小さい芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び/又は共役ジエン化合物に由来する構造単位を含み、水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量/(Y)の数平均分子量の値が2.5以上30以下である重合体(Y)を含む水添共重合体によって、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
ビニル基含有量20質量%以下のポリブタジエンブロック(A)を少なくとも1つ有する水添ブロック共重合体(X)と、
芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び/又は共役ジエン化合物に由来する構造単位を含む重合体(Y)と、
を含み、
水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量/重合体(Y)の数平均分子量の値が2.5以上30以下である水添共重合体。
[2]
水添ブロック共重合体(X)の水添率が80%以上である[1]に記載の水添共重合体。
[3]
水添ブロック共重合体(X)のポリブタジエンブロック(A)以外において、
水添ブロック共重合体(X)全体に対する1,2または3.4ビニル結合を有する共役ジエン化合物に由来する構造単位の質量分率をa質量%、水添ブロック共重合体(X)全体に対する共役ジエンとランダム共重合している芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の質量分率をb質量%、水添ブロック共重合体(X)全体に対するポリブタジエンブロック(A)の1,4結合を有する共役ジエン化合物に由来する構造単位の質量分率をc質量%としたとき、
a+b-cが-15質量%以上40質量%以下である[1]又は[2]に記載の水添共重合体。
[4]
水添ブロック共重合体(X)と重合体(Y)の質量比率が40:60~80:20である[1]~[3]のいずれかに記載の水添共重合体。
[5]
水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量が7万~25万である[1]~[4]のいずれかに記載の水添共重合体。
[6]
重合体(Y)の数平均分子量が0.4万以上3.5万以下である[1]~[5]のいずれかに記載の水添共重合体。
[7]
ポリブタジエンブロック(A)は水添ブロック共重合体(X)全体に占める質量比率が5%以上50%未満である[1]~[6]のいずれかに記載の水添共重合体。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載の水添共重合体のペレット。
[9]
[1]~[7]のいずれかに記載の水添共重合体と、スチレンブタジエンゴム。天然ゴム、及びブタジエンゴムからなる群から選択される1つの固形状ゴム成分と、を含む樹脂組成物。
[10]
フィラーをさらに含む、[9]に記載の樹脂組成物。
[11]
シランカップリグ剤をさらに含む、[9]又は[10]に記載の樹脂組成物。
[12]
[9]~[11]に記載の樹脂組成物を含むタイヤ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、樹脂組成物にしたときの加工性及び省燃費性に優れ、かつ単体ではハンドリング性に優れる水添共重合体が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本実施形態において、重合体を構成する各単量体単位の命名は、該単量体単位が由来する単量体の命名に従っている。例えば、「ビニル芳香族単量体単位」とは、単量体であるビニル芳香族化合物を重合した結果生ずる、重合体の構成単位を意味し、その構造は、置換ビニル基に由来する置換エチレン基の二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。また、「共役ジエン単量体単位」とは、単量体である共役ジエンを重合した結果生ずる、重合体の構成単位を意味し、その構造は、共役ジエン単量体に由来するオレフィンの二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。
【0009】
≪水添共重合体≫
本実施形態の水添共重合体は、ビニル基含有量20質量%以下のポリブタジエンブロック(A)を少なくとも1つ有する水添ブロック共重合体(X)(以下、単に(X)ともいう)と、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び/又は共役ジエン化合物に由来する構造単位を含む重合体(Y)(以下、単に(Y)ともいう)と、を含み、前記水添ブロック共重合体(X)の数平均分子量/前記重合体(Y)の数平均分子量の値が2.5以上30以下である。
本実施形態の水添共重合体において、ポリブタジエンブロック(A)のビニル基含有量は、該ポリブタジエンブロック(A)の質量に対して、20質量%以下である。ビニル基含有量が20質量%以上であれば水添共重合体単体のハンドリング性と樹脂組成物にしたときの省燃費性に優れる。
ポリブタジエンブロック(A)中のビニル基の含有量は好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは3~17質量%であり、さらに好ましくは5~15質量%である。
なお、本実施形態においては、1,2-ビニル結合と3,4-ビニル結合の合計量(但し、共役ジエンとして1,3-ブタジエンを使用した場合には、1,2-ビニル結合量)を「ビニル結合量」とする。水素添加前の共重合体中の共役ジエン単量体単位に基づくビニル結合含量は、赤外分光光度計(ハンプトン法)を用いて求めることができる。
【0010】
本実施形態において、共役ジエン単量体は1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(即ちイソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。特に好ましいのは1,3-ブタジエンとイソプレンである。これらは一種のみならず、二種以上を使用してもよい。
また、ビニル芳香族単量体としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルエチレン、N,N-ジメチル-p-アミノエチルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン等が挙げられ、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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