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公開番号2025152915
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055097
出願日2024-03-28
発明の名称組立体の製造方法および組立体
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C03C 8/04 20060101AFI20251002BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】高温環境における耐潰れ性に優れたガラス接合部を実現する。
【解決手段】ここに開示される製造法は、複数の無機部品を接触させた接続部分に、ガラス粉末を含む接合材を付与する付与工程と、ガラス粉末の溶融温度以上の温度である焼成温度で接合材を焼成する焼成工程とを備えている。そして、ガラス粉末は、酸化物換算のモル比で、14~22mol%のSiO2と、2~4mol%のAl2O3と、12~22mol%のB2O3と、51~60mol%のRO(第2族元素の酸化物)と、5.5~7mol%のZnOとから実質的に構成されている。そして、この製造方法では、焼成工程の前に、ガラス粉末の結晶化温度以上かつ溶融温度以下の温度である予備加熱温度で接合材を加熱する予備加熱工程を実施する。これによって、耐熱性に優れた酸化物結晶がガラス接合部内に生じるため、高温環境における耐潰れ性に優れたガラス接合部を実現できる。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
ガラス接合部を介して複数の無機部品が接合された組立体を製造する方法であって、
前記複数の無機部品を接触させた接続部分に、ガラス粉末を含む接合材を付与する付与工程と、
前記ガラス粉末の溶融温度以上の温度である焼成温度で前記接合材を焼成することによって、前記複数の無機部品の間に前記ガラス接合部を形成する焼成工程と
を備え、
前記接合材内のガラス粉末は、酸化物換算のモル比で以下の組成:
SiO

14~22mol%;
Al



2~4mol%;




12~22mol%;
RO
51~60mol%;
ZnO
5.5~7mol%
(ここで、ROは、第2族元素の酸化物である。)
から実質的に構成されており、
前記焼成工程の前に、前記ガラス粉末の結晶化温度以上かつ前記溶融温度以下の温度である予備加熱温度で前記接合材を加熱する予備加熱工程を実施する、組立体の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記焼成温度は、725℃以上825℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記焼成工程は、前記焼成温度を0.5時間以上維持する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記予備加熱温度は、675℃以上725℃以下である、請求項2または3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記予備加熱工程は、前記予備加熱温度を0.5時間以上維持する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記接合材の総質量を100wt%としたときの前記ガラス粉末の含有量が45wt%以上95wt%以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記複数の無機部品は、電気化学セルの構成部品である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の製造方法によって製造された組立体であって、
接続部分において相互に接触する複数の無機部品と、
前記接続部分に形成されたガラス接合部と
を備えており、
前記ガラス接合部は、酸化物換算のモル比で以下の組成:
SiO

14~22mol%;
Al



2~4mol%;




12~22mol%;
RO
51~60mol%;
ZnO
5.5~7mol%
(ここで、ROは、第2族元素の酸化物である。)
から実質的に構成されており、かつ、X線回折法により得られた結晶化度が30以上である、組立体。
【請求項9】
前記ガラス接合部は、第2族元素を含む酸化物結晶を少なくとも含む、請求項8に記載の組立体。
【請求項10】
前記酸化物結晶は、BaMg

(Si



)、CaB



、Ca





、Ca





、BaAl



、Ba

Al



、Ba

Al



、BaMgSiO

、BaZnSiO

、Ba

(BO



、Al

Ca
0.5
Si


11
からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項9に記載の組立体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、ガラス接合部を介して複数の無機部品が接合された組立体と、当該組立体を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
金属部品やセラミック部品などの無機部品は、ガラス製の接合部(ガラス接合部)を介して接合されることがある。例えば、SOECやSOFCなどの電気化学セルは、当該セルに複数の部材を接合した電気化学スタックの状態で使用される。具体的には、電気化学スタックでは、緻密体であるガラス接合部を介して、セルの電極(燃料極、空気極など)とガス管との接続部分が接合される。また、ガラス接合部は、固体電解質層と金属部材(ガス管、金属板など)との間や、複数の金属部材の間などにも形成される。これによって、複数の無機部品の間の接続部分からガスが漏れて性能が低下することを防止できる。本明細書では、この電気化学スタックのように、ガラス接合部を介して複数の無機部品が接合された構造体のことを「組立体」と称する。
【0003】
ガラス接合部は、ガラス粉末を含む接合材を焼成することで形成される。例えば、特開2020-167093号公報には、ガラス粉末を含む封止用グリーンシートが開示されている。また、特開2020-164377号公報には、ガラス粉末を含むペーストが開示されている。これらの先行技術では、無機部品同士の接続部分に接合材を付与(貼付又は塗布)した後に焼成処理を実施する。これによって、接合材内のガラス粉末が溶融し、接合対象に付着する。そして、焼成処理後に溶融ガラスが固化することによって接続部分に接合部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-167093号
特開2020-164377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、組立体の一部には、ガラス接合部を形成する焼成処理の後に高温環境に再び晒されるものがある。一例として、電気化学スタックは、使用中に750℃以上に昇温する。また、電気化学スタックの製造では、ガラス接合部の形成後に他の部品への熱処理を行うこともある。この場合、ガラス接合部は、高温環境に晒されるため、若干軟化する可能性がある。そして、軟化中のガラス接合部に外部応力が加わると、大幅な形状変形(潰れ)が生じるおそれがある。
【0006】
ここに開示される技術は、かかる課題を解決するものであり、高温環境における耐潰れ性に優れたガラス接合部を実現する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題に対して、以下の構成の組立体の製造方法が提供される。
【0008】
ここに開示される製造方法は、ガラス接合部を介して複数の無機部品が接合された組立体を製造する方法である。この製造方法は、複数の無機部品を接触させた接続部分に、ガラス粉末を含む接合材を付与する付与工程と、ガラス粉末の溶融温度以上の温度である焼成温度で接合材を焼成することによって、複数の無機部品の間にガラス接合部を形成する焼成工程とを備えている。そして、ここに開示される製造方法で使用される接合材内のガラス粉末は、酸化物換算のモル比で以下の組成:
SiO

14~22mol%;
Al



2~4mol%;




12~22mol%;
RO
51~60mol%;
ZnO
5.5~7mol%
(ここで、ROは、第2族元素の酸化物である。)
から実質的に構成されている。さらに、ここに開示される製造方法では、焼成工程の前に、ガラス粉末の結晶化温度以上かつ溶融温度以下の温度である予備加熱温度で接合材を加熱する予備加熱工程を実施する。
【0009】
本発明者は、種々の実験を行った結果、上記構成の製造方法によると、高温環境における耐潰れ性が顕著に向上したガラス接合部を形成できることを発見した。ここに開示される技術を限定することを意図するものではないが、この耐潰れ性の向上は、次のような作用機序で生じたと推測される。まず、ここに開示される製造方法では、ガラス粉末を溶融させる焼成工程の前に予備加熱工程を実施している。この予備加熱工程では、結晶化温度以上かつ溶融温度以下の予備加熱温度で接合材を加熱する。これによって、溶融前のガラス内に、充分に成長した酸化物結晶が多量に生成される。そして、ここに開示される技術では、接合材内のガラス粉末として、第2族元素の酸化物(RO)を多く含み、かつ、B



が一定以下に制限されたホウケイ酸ガラスを使用している。このホウケイ酸ガラスの構成元素から生成された酸化物結晶は、BaMg

(Si



)やCaB



などの耐熱性に優れたものが多い。この耐熱性の酸化物結晶がガラス内に多量に生じることによって、焼成後のガラス接合部の高温環境における耐潰れ性が大きく向上したと予想される。
【0010】
また、ここに開示される技術の他の側面として、ガラス接合部を介して複数の無機部品が接合された組立体が提供される。この組立体は、接続部分において相互に接触する複数の無機部品と、接続部分に形成されたガラス接合部とを備えている。そして、このガラス接合部は、酸化物換算のモル比で以下の組成:
SiO

14~22mol%;
Al



2~4mol%;




12~22mol%;
RO
51~60mol%;
ZnO
5.5~7mol%
(ここで、ROは、第2族元素の酸化物である。)
から実質的に構成されており、かつ、X線回折法により得られた結晶化度が30以上である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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