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公開番号
2025152914
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024055096
出願日
2024-03-28
発明の名称
封止用グリーンシート
出願人
ノリタケ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C03C
8/16 20060101AFI20251002BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】接合性と緻密性とに優れたガス封止部を形成できる封止用グリーンシートを提供する。
【解決手段】ここに開示される封止用グリーンシートは、ガラス粉末と、バインダと、溶媒とを少なくとも含む。そして、この封止用グリーンシートは、ガラス粉末のガラス軟化点Yが670℃以下である。かかる構成によると、800℃以下の低温焼成であるにもかかわらず、高い接合性を有するガス封止部を実現できる。さらに、この封止用グリーンシートは、バインダ97%燃焼温度Xとガラス粉末のガラス軟化点Yとの差分(Y-X)が200℃以上である。これによって、ガラス粉末の軟化が開始する前にバインダを充分に燃焼できるため、焼成後のガス封止部に空隙が形成されることを抑制し、高い緻密性を実現できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
電気化学セルのガス封止部の形成に用いられる封止用グリーンシートであって、
ガラス粉末と、バインダと、溶媒とを少なくとも含み、
前記バインダの重量減少率が97%に達する温度であるバインダ97%燃焼温度をXとし、前記ガラス粉末のガラス軟化点をYとしたとき、下記の式(1)及び式(2)を満たす、封止用グリーンシート。
Y≦670℃ (1)
200℃≦Y-X≦400℃ (2)
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記バインダ97%燃焼温度Xは、250℃以上450℃以下である、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項3】
前記バインダは、側鎖および末端の少なくとも一方にカルボキシ基を有したアクリル樹脂である、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項4】
前記ガラス粉末の質量を100wt%としたときの前記バインダの質量が5wt%以上20wt%以下である、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項5】
前記ガラス粉末のD
50
粒径が20μm以上35μm以下である、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項6】
前記ガラス粉末のD
90
粒径が40μm以上85μm以下である、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項7】
前記ガラス粉末は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
SiO
2
7~20mol%;
Al
2
O
3
1~10mol%;
CaO
10~20mol%;
B
2
O
3
13~25mol%;
BaO
30~45mol%;
MgO
1~10mol%;
ZnO
1~10mol%
から実質的に構成される、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
【請求項8】
焼成温度が800℃以下の低温焼成に用いられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、電気化学セルのガス封止部を形成する封止用グリーンシートに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)は、水の電気分解で酸素ガスと水素ガスを生成する。これによって、貯蔵が困難な電気エネルギーを、貯蔵が容易な化学物質に変換できるため、太陽光発電などの分野において着目されている。一方、SOEC用セルの中には、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)としても使用できるものもある。このSOFCでは、水素ガスと酸素ガスを反応させることによって発電する。本明細書では、このSOECとSOFCの両方に使用できるセルのことを「電気化学セル」と称する。この電気化学セルでは、緻密層である固体電解質層を挟んで、多孔質層である水素極と酸素極とが積層されている。
【0003】
電気化学セルの電極(水素極、酸素極など)には、所望のガスを電極に供給するための配管(ガス管)が接続されることがある。この電極とガス管との接続部分には、ガラス製の緻密体であるガス封止部が形成される。これによって、接続部分からのガス漏れによる性能低下を防止できる。例えば、電気化学セルのガス封止部は、ガラス粉末を含む封止用グリーンシートを接続部分に付着させた後に焼成することによって形成される。この封止用グリーンシートの一例が特開2020-167093号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-167093号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、接続部分からのガス漏れを適切に防止するため、電気化学セルのガス封止部には、高い緻密性が要求される。例えば、特開2020-167093号公報に記載の封止用グリーンシートによると、相対密度が70%~85%程度のガス封止部を形成することができる。しかしながら、近年では、電気化学セルの性能向上の要請から95%程度の非常に緻密なガス封止部を実現することへの要求が高まっている。一方で、電気化学セルの他の部材(電極など)への影響を考慮し、近年では封止用グリーンシートを低温(例えば800℃以下)で焼成することが求められている。このような低温焼成では、焼成後のガス封止部の緻密性がさらに低下する傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上述の課題を解決するために種々の検討を行った結果、以下の知見を得た。まず、一般的な封止用グリーンシートには、各成分を結着してシートの形状を維持するためにバインダが添加されている。このバインダは、通常、焼成初期の低温加熱(脱脂処理)において燃焼する。しかしながら、低温焼成の要請に応じるため、近年の封止用グリーンシートには、ガラス軟化点が低い低温軟化ガラスが使用されている。この低温軟化ガラスは、低温環境でも充分に軟化するため接合性の低下を防止できる。しかしながら、この低温軟化ガラスは、焼成初期のバインダ燃焼段階に軟化し始めるおそれがある。この場合、軟化後のガラスの内部に未燃焼のバインダが包埋される。そして、焼成処理が進んでガラス内のバインダが燃焼すると、焼成後のガス封止部に空隙(ボイド)が形成されるため緻密性が大きく低下する。かかる問題を解決するため、本発明者は、実験と検討を重ねた結果、以下の構成の封止用グリーンシートに想到するに至った。
【0007】
ここに開示される封止用グリーンシートは、電気化学セルのガス封止部の形成に用いられる。この封止用グリーンシートは、ガラス粉末と、バインダと、溶媒とを少なくとも含む。そして、ここに開示される封止用グリーンシートは、バインダの重量減少率が97%に達する温度であるバインダ97%燃焼温度をXとし、ガラス粉末のガラス軟化点をYとしたとき、下記の式(1)及び式(2)を満たす。
Y≦670℃ (1)
200℃≦Y-X≦400℃ (2)
【0008】
まず、ここに開示される封止用グリーンシートでは、ガラス軟化点Yが670℃以下の低温軟化ガラスを使用している。これによって、800℃以下の低温焼成においてもガラス粉末が充分に軟化するため、焼成後のガラス封止部の接合性を充分に維持することができる。次に、ここに開示される封止用グリーンシートでは、ガラス粉末のガラス軟化点Yとバインダ97%燃焼温度Xとの差分(Y-X)が200℃以上400℃以下の範囲内に設定されている。これによって、ガラス粉末の軟化が開始する前にバインダの大部分(典型的には97%以上)を確実に燃焼させることができる。この結果、焼成初期のガラス内に未燃焼のバインダが包埋されることを防止できるため、焼成後のガス封止部の内部に空隙が形成されることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ここに開示される技術の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であってここに開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、電気化学セルの構造など)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の説明において、「A~B(ただし、A,Bが任意の値)」とは、A,Bの値(上限値および下限値)を包含するものとする。
【0010】
≪封止用グリーンシート≫
ここに開示される封止用グリーンシートは、電気化学セルのガス封止部の形成に用いられる。具体的には、電気化学セルにおける2つ以上の被封止部材(例えばガス管と電極極)の間に、ここに開示される封止用グリーンシートを貼り付けて焼成処理を行う。これによって、ガラスを主成分としたガス封止部を被封止部材の接続部分形成できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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