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公開番号2025154863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058104
出願日2024-03-29
発明の名称内燃機関用潤滑油組成物
出願人コスモ石油ルブリカンツ株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20251002BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】使用初期のみならず、劣化した場合でもコーキングの発生が抑制され、ブローバイガス中の水分に対する抗乳化性にも優れる内燃機関用潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】API グループIIIに属する基油と、カルシウム系清浄剤と、ホウ素及び窒素を含むホウ素系分散剤と、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤と、モリブデン系酸化防止剤と、リン系摩耗防止剤と、オレフィン共重合タイプの粘度指数向上剤と、を含有し、前記カルシウム系清浄剤の塩基価が100mgKOH/g以下であり、潤滑油組成物中のカルシウム元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超1500質量ppm以下である、内燃機関用潤滑油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
API グループIIIに属する基油と、
カルシウムを含む金属系清浄剤と、
ホウ素及び窒素を含むホウ素系分散剤と、
フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤と、
モリブデン系酸化防止剤と、
リン系摩耗防止剤と、
を含有し、
前記カルシウムを含む金属系清浄剤の塩基価が100mgKOH/g以下であり、
潤滑油組成物中のカルシウム元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超1500質量ppm以下である、
内燃機関用潤滑油組成物。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
オレフィン共重合体タイプの粘度指数向上剤を含み、前記粘度指数向上剤の含有量が5質量%以下である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【請求項3】
前記ホウ素系分散剤由来のホウ素元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、350質量ppm以上である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【請求項4】
前記フェノール系酸化防止剤及び前記アミン系酸化防止剤の合計含有量が、1質量%以上5.5質量%以下である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【請求項5】
前記モリブデン系酸化防止剤が、アミド系モリブデン化合物、エステル系モリブデン化合物、モリブデン酸アミン化合物、モリブデンジチオカーバメート、及びモリブデンジチオホスフェートからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記モリブデン系酸化防止剤由来のモリブデン元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超100ppm以下である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【請求項6】
前記リン系摩耗防止剤由来のリン元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超500質量ppm以下である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【請求項7】
ガスエンジン用である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関用潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関用潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー対策及び電源の多分散化の観点からコージェネレーションシステムに注目が集まっている。特に、ガスコージェネレーションシステムは、クリーン燃料使用による環境配慮型システムとしても有望視されている。
ガスエンジンは、燃焼温度が高いために、ブローバイガスに含有されるNOxの濃度が比較的高く、潤滑油中にスラッジの生成を引き起こし易い。そのため、潤滑油の定期的な交換が必要であるが、交換回数の増加は、メンテナンスコストの上昇につながることから、潤滑油自体の長寿命化(すなわち、ロングドレイン性)が求められている。
【0003】
近年のガスコージェネレーションシステムは、燃料の最適燃焼によって二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量を極小化し、発電・熱利用の高効率化による省エネルギー化を追求している。従って、ガスエンジンで使用される潤滑油組成物には、発電効率を低下させることなく、優れた高温安定性を保持することも求められる。
【0004】
ガスコージェネレーションシステムには、比較的大型のガスエンジンが採用されることが多く、メンテナンスコストが高いことから、保守点検頻度の低減が重要な課題である。この点、ガスエンジンにおける潤滑油の使用においては、潤滑油に含有される灰分がピストン上部や排気バルブに堆積していき、ガスエンジン内の清浄性が低下する問題点がある。その結果として、エンジン自体のオーバーホールを定期的に複数回実施する必要性が生じるために、メンテナンスに多大な労力がかかる。従って、メンテナンス性の向上の観点から潤滑油の低灰分化が必要である。
【0005】
ガスエンジンは長時間連続運転されると、ガスエンジン含まれる潤滑油が常に高温に晒されており次第に熱酸化劣化していく。また、ディーゼルエンジンと比較して燃焼温度が高いガスエンジンは、ブローバイガスに含有されるNOxの濃度が高い傾向にあるため潤滑油中にスラッジの生成を引き起こし易い。そのため潤滑油の定期的な交換が必要であるが、潤滑油自体の長寿命化によるメンテナンスコスト抑制とエンジン各部における局部的なコーキングによるトラブルを防止するために長寿命性とコーキング性能の両立が求められている。
【0006】
例えば、特許文献1には、コーキングの発生を抑制することなどを目的として、引火点が240℃以上である基油と、モリブデン系酸化防止剤と、引火点が270℃以上である粘度調整剤と、を含有し、ガスエンジン用潤滑油組成物全体の質量に対する、モリブデン原子の質量が20ppm以上800ppm以下であるガスエンジン用潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-151487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されているガスエンジン用潤滑油組成物は、使用初期の耐コーキング性が改善されているが、使用により劣化した場合の耐コーキング性の持続性は改善の余地がある。
また、ガスエンジン用潤滑油組成物は、ブローバイガス中の水分に対する抗乳化性も求められる。
【0009】
そこで、本開示は、使用初期のみならず、劣化した場合でもコーキングの発生が抑制され、ブローバイガス中の水分に対する抗乳化性にも優れる内燃機関用潤滑油組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段には、以下の手段が含まれる。
<1> API グループIIIに属する基油と、
カルシウムを含む金属系清浄剤と、
ホウ素及び窒素を含むホウ素系分散剤と、
フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤と、
モリブデン系酸化防止剤と、
リン系摩耗防止剤と、
を含有し、
前記カルシウムを含む金属系清浄剤の塩基価が100mgKOH/g以下であり、
潤滑油組成物中のカルシウム元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超1500質量ppm以下である、
内燃機関用潤滑油組成物。
<2> オレフィン共重合体タイプの粘度指数向上剤を含み、前記粘度指数向上剤の含有量が5質量%以下である、<1>に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
<3> 前記ホウ素系分散剤由来のホウ素元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、350質量ppm以上である、<1>又は<2>に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
<4> 前記フェノール系酸化防止剤及び前記アミン系酸化防止剤の合計含有量が、1質量%以上5.5質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
<5> 前記モリブデン系酸化防止剤が、アミド系モリブデン化合物、エステル系モリブデン化合物、モリブデン酸アミン化合物、モリブデンジチオカーバメート、及びモリブデンジチオホスフェートからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記モリブデン系酸化防止剤由来のモリブデン元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超100ppm以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
<6> 前記リン系摩耗防止剤由来のリン元素の含有量が、潤滑油組成物全量に対し、0質量ppm超500質量ppm以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
<7> ガスエンジン用である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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