TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025156057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025045616
出願日2025-03-19
発明の名称浸炭窒化鋼材
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐表面剥離特性に優れた浸炭窒化鋼材を提供する。
【解決手段】所定の化学組成を有する浸炭窒化鋼材であって、下記式(1)によって求められるFx1が0.36以上、0.83以下であり、表層窒素量Nsが下記式(2)を満たし、表層の窒化物面積率が3.00%以上である、浸炭窒化鋼材。
Fx1=30×{0.008×(Si%+Mn%)-0.003×(Cr%)} (1)
Ns(質量%)≧0.43×e0.96×Cr% (2)
式(1)と式(2)において、Si%、Mn%、Cr%はそれぞれ、質量%で示した鋼中のSi、Mn、Crの各含有量を示す。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
化学組成が、
C :0.10質量%以上、0.30質量%以下、
Si:0.50質量%以上、2.00質量%以下、
Mn:1.00質量%以上、2.00質量%以下、
Cr:0.10質量%以上、0.60質量%以下、
N :0.0010質量%以上、0.0500質量%以下、
Al:0.010質量%以上、0.100質量%以下、
P :0質量%超、0.100質量%以下、および
S :0質量%超、0.100質量%以下
を含み、
残部がFeおよび不可避不純物である浸炭窒化鋼材であって、
下記式(1)によって求められるFx1が0.36以上、0.83以下であり、
表層窒素量Nsが下記式(2)を満たし、
表層の窒化物面積率が3.00%以上である、浸炭窒化鋼材。
Fx1=30×{0.008×(Si%+Mn%)-0.003×(Cr%)} (1)
Ns(質量%)≧0.43×e
0.96×Cr%
(2)
式(1)と式(2)において、Si%、Mn%、Cr%はそれぞれ、質量%で示した鋼中のSi、Mn、Crの各含有量を示す。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記化学組成が、下記(a)~(e)のうちの1以上を満足する、請求項1に記載の浸炭窒化鋼材。
(a)Mo:0.05質量%超、1.00質量%以下、およびB:0.0005質量%以上、0.0100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(b)Ti:0.005質量%以上、0.1000質量%以下、V:0.005質量%以上、0.500質量%以下、およびNb:0.005質量%以上、0.100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(c)Cu:0.01質量%超、2.00質量%以下、およびNi:0.01質量%超、2.00質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(d)Sn:0質量%超、0.100質量%以下を更に含む。
(e)Bi:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Se:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Ca:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Mg:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、およびREM:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
【請求項3】
最表面から深さ0.025mm位置のビッカース硬さが700HV以上である、請求項1または2に記載の浸炭窒化鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、浸炭窒化鋼材に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、シャフトやギア等の浸炭処理、浸炭窒化処理を施して得られる機械構造部品には、SCrやSCMやSNCM等の機械構造用鋼材、いわゆる肌焼鋼が使用される。機械構造部品は、この肌焼鋼を、鍛造や切削等の機械加工により所望の部品形状に成形した後、浸炭処理、浸炭窒化処理等の表面硬化処理を施すことで得られる。浸炭窒化鋼材または、これを用いて得られる機械構造部品として、これまでに次のような技術が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、耐ピッチング性に優れた歯車が示されている。該歯車は、鍛造あるいは機械加工により歯車形状とした後、真空中で浸炭処理を行い、その後炉内で冷却後に焼入れする際、前記炉内での、浸炭後の炉内冷却から焼入れ前の加熱保持の間に、窒化処理を行い、前記焼入れ後に焼戻し処理される。また特許文献1には、歯車が、所定の成分組成を有し、前記成分組成におけるSi、Crと前記窒化処理による表層最大侵入窒素量による焼戻し軟化抵抗パラメータHSiCrNが所定の(1)式を満たすことが示されている。
【0004】
特許文献2には、優れた耐摩耗性と大きなピッチング強度を確保可能な浸炭窒化層を有する鋼製品が示されている。特許文献2には、該鋼製品が、浸炭窒化層を有し、生地の鋼材が、所定の成分を有し、(1)式:fn=(Si+Mn)/Crで表されるfnが2以上であって、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、浸炭窒化層表面から深さ50μmまでの領域において、分散する合金窒化物がMnSiN
2
のみであり、浸炭窒化層表面におけるオーステナイト量が体積率で30%以上、40%以下であることが示されている。
【0005】
また特許文献3には、異物混入環境下での転動疲労寿命に優れた浸炭窒化軸受鋼が示されている。特許文献3には、該浸炭窒化軸受鋼が、所定の組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20~50%であることが示されている。
【0006】
特許文献4には、所定の成分組成を有する、面疲労寿命を改善した浸炭窒化部品を製造する素材となる浸炭窒化用鋼材が示されている。また特許文献5には、生地が、所定の成分組成を有し、表面から深さ0.1mmまでの領域において、平均のC濃度Caveが0.005~0.30%、平均のN濃度Naveが0.45~0.80%、Cave+Naveが0.60~1.00%であり、表面から深さ0.1mmまでの領域における荷重20gで測定した場合のビッカース硬さの最小値が550HV以上である、浸炭窒化高周波焼入れ部品および窒化高周波焼入れ部品が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-112827号公報
特開2011-168820号公報
特開2005-042188号公報
特開2017-125232号公報
特開2016-102253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~5では、成分組成、浸炭窒化後の表層の形態を制御することで、耐ピッチング性等を高めているが、例えば歯車では、歯面の温度上昇によって生じる歯面スカッフィングや表面起点のピッチング剥離など、様々な表面剥離が生じうる。よって、様々な表面剥離を抑制すること、すなわち耐表面剥離特性に優れた浸炭窒化鋼材が求められる。また近年、自動車の燃費向上への要求が厳しく、車体軽量化のための部品の小型化がますます厳しくなっている。その結果、例えば歯車などの動力伝達部品の摺動負荷が高くなることから、該部品に適用される、より一層、耐表面剥離特性に優れた浸炭窒化鋼材が求められる。本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐表面剥離特性に優れた浸炭窒化鋼材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様1は、
化学組成が、
C :0.10質量%以上、0.30質量%以下、
Si:0.50質量%以上、2.00質量%以下、
Mn:1.00質量%以上、2.00質量%以下、
Cr:0.10質量%以上、0.60質量%以下、
N :0.0010質量%以上、0.0500質量%以下、
Al:0.010質量%以上、0.100質量%以下、
P :0質量%超、0.100質量%以下、および
S :0質量%超、0.100質量%以下
を含み、
残部がFeおよび不可避不純物である浸炭窒化鋼材であって、
下記式(1)によって求められるFx1が0.36以上、0.83以下であり、
表層窒素量Nsが下記式(2)を満たし、
表層の窒化物面積率が3.00%以上である、浸炭窒化鋼材である。
Fx1=30×{0.008×(Si%+Mn%)-0.003×(Cr%)} (1)
Ns(質量%)≧0.43×e
0.96×Cr%
(2)
式(1)と式(2)において、Si%、Mn%、Cr%はそれぞれ、質量%で示した鋼中のSi、Mn、Crの各含有量を示す。
【0010】
本発明の態様2は、
前記化学組成が、下記(a)~(e)のうちの1以上を満足する、態様1に記載の浸炭窒化鋼材である。
(a)Mo:0.05質量%超、1.00質量%以下、およびB:0.0005質量%以上、0.0100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(b)Ti:0.005質量%以上、0.1000質量%以下、V:0.005質量%以上、0.500質量%以下、およびNb:0.005質量%以上、0.100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(c)Cu:0.01質量%超、2.00質量%以下、およびNi:0.01質量%超、2.00質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(d)Sn:0質量%超、0.100質量%以下を更に含む。
(e)Bi:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Se:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Ca:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、Mg:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下、およびREM:0.0001質量%以上、0.0100質量%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社神戸製鋼所
混練機
9日前
株式会社神戸製鋼所
混練装置
9日前
株式会社神戸製鋼所
混練装置
10日前
株式会社神戸製鋼所
混合装置
9日前
株式会社神戸製鋼所
混合装置
9日前
株式会社神戸製鋼所
ボルト用鋼
4日前
株式会社神戸製鋼所
浸炭窒化鋼材
4日前
株式会社神戸製鋼所
焼結鉱の製造方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
アルミニウム合金押出材
3日前
株式会社神戸製鋼所
スラグ流出予兆検知方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
異種金属接合体及びその製造方法
2日前
株式会社神戸製鋼所
熱延鋼板の製造方法および熱延鋼板
15日前
株式会社神戸製鋼所
チタン板およびチタン板の製造方法
9日前
株式会社神戸製鋼所
冷間加工用機械構造用鋼線とその製造方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
移動機械システムおよび移動機械の運用方法
10日前
株式会社神戸製鋼所
アルミニウム合金熱間鍛造材及びその製造方法
1日前
株式会社神戸製鋼所
多孔質炭素の製造方法および二酸化炭素分離方法
9日前
株式会社神戸製鋼所
ガス供給システム改良方法及びガス供給システム改良装置
3日前
株式会社神戸製鋼所
サイドドア
4日前
株式会社神戸製鋼所
二次精錬条件および連続鋳造条件の決定方法と鋼の製造方法
11日前
株式会社神戸製鋼所
連続鋳造鋳片の単位長さ当たり重量の予測方法および連続鋳造鋳片の切断方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
ジオポリマー組成物、ジオポリマー硬化体およびジオポリマー硬化体の製造方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
ジオポリマー組成物、ジオポリマー硬化体およびジオポリマー硬化体の製造方法
8日前
株式会社神戸製鋼所
ガスシールドアーク溶接方法、ガスシールドアーク溶接システム、および溶接ワイヤ
9日前
株式会社神戸製鋼所
ガスシールドアーク溶接方法、ガスシールドアーク溶接システム、溶接金属の製造方法、および溶接ワイヤ
9日前
個人
銅鉄合金の製造
2か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
6か月前
宏幸株式会社
金属回収方法
6か月前
JX金属株式会社
鉛の回収方法
9日前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
5か月前
JX金属株式会社
鉛の回収方法
9日前
古河電気工業株式会社
銅線
4日前
三菱マテリアル株式会社
切削工具
10日前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
続きを見る