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公開番号
2025156257
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2025056785
出願日
2025-03-28
発明の名称
銅線
出願人
古河電気工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
9/00 20060101AFI20251002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】微量添加元素の導入を回避しながらも、繰り返し屈曲したときの疲労特性の改善を図るとともに、レーザーに対して高い吸収特性をもたらすことで、従来よりも低出力および短時間で信頼性の高いレーザー溶接を行なうことが可能な銅線を提供する。
【解決手段】銅線1は、無酸素銅からなり、横断面で見て、横断面の中心位置Cから、銅線1の外表面輪郭線O上にある外表面位置Pに引いた線分長さをLとし、中心位置Cから線分長さLの0.9倍の長さだけ離れた位置を、中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第1境界包囲線BL1で包囲される銅線の中心位置Cを含む領域を第1内側領域2とし、外表面輪郭線Oと仮想第1境界包囲線BL1とで区画される表面環状領域を第1外側領域3とするとき、第1外側領域3における酸素濃度は、第1内側領域2における酸素濃度で除したときの比率が、2.00以上5.00以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
無酸素銅からなる銅線であって、
前記銅線の横断面で見て、前記横断面の中心位置Cから、前記銅線の外表面輪郭線O上にある外表面位置Pに引いた線分長さをLとし、前記中心位置Cから前記線分長さLの0.9倍の長さだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第1境界包囲線BL1で包囲される前記銅線の前記中心位置Cを含む領域を第1内側領域とし、前記外表面輪郭線Oと前記仮想第1境界包囲線BL1とで区画される表面環状領域を第1外側領域とするとき、
前記第1外側領域における酸素濃度は、前記第1内側領域における酸素濃度で除したときの比率が、2.00以上5.00以下である、銅線。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記横断面で見て、前記中心位置Cから、前記線分長さLの6分の1に相当する長さ1/6Lだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第2境界包囲線BL2で包囲される前記銅線の前記中心位置Cを含む領域を第2内側領域とし、前記外表面輪郭線Oから、前記線分長さLの3分の1に相当する長さ1/3Lだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第3境界包囲線BL3と、前記外表面輪郭線Oとで区画される表面環状領域を第2外側領域とするとき、
前記第2内側領域における比重は、前記第2外側領域における比重に比べて、0.002以上0.007以下の範囲で大きい、請求項1に記載の銅線。
【請求項3】
前記銅線が丸線であり、
直径が0.01mm以上3.5mm以下の範囲である、請求項1または2に記載の銅線。
【請求項4】
前記銅線がリボン線であり、
前記横断面の断面積が、70μm
2
以上9.5mm
2
以下の範囲である、請求項1または2に記載の銅線。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅線に関し、例えば、自動車用のコイル線や電子部品のリード線、音響用のケーブルなどの電線や巻線に用いることが可能な銅線に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車用のコイル線や電子部品のリード線、音響用のケーブルなどに用いられる電線や巻線では、性能および信頼性を向上するとともに小型化を図るために、溶接による導体接続が行なわれている。そのため、導体を構成する銅線としては、溶接部にボイドなどのブローホールが生じ難く、かつ溶接部の水素脆化に対する耐性の高い無酸素銅が用いられている。
【0003】
無酸素銅からなる銅線は、溶接部の強度が弱く、曲げ成形や繰り返し加わる振動によって断線し易いなどの問題を有していた。そのため、従来の無酸素銅からなる銅線では、溶接部などの機械的強度や繰り返し屈曲したときの疲労特性の改善を図るために、銅線に含まれる酸素や水素、その他の不純物の濃度を低減し、または金属組織を制御していた。
【0004】
例えば、特許文献1では、マグネットワイヤ用低酸素銅線材の製造方法として、溶解鋳造工程において、注湯ノズルが取り付けられたタンディッシュと、タンディッシュに溶銅を導く樋に加熱手段を設け、樋の入口とタンディッシュの出口に多孔質材製堰を設け、樋およびタンディッシュに固体還元剤を配し、また、注湯ノズルの先端部から前方にある鋳型内を還元性ガスで覆って脱酸し、かつ、タンディッシュ内で脱水素処理を施す方法が記載されている。この方法により、固体還元剤の設置や注湯部を還元雰囲気に制御することによって酸素濃度が低減され、タンディッシュ内で脱水素処理を施すことで水素濃度が低減され、また、溶銅の移送経路に堰を設けて異物混入が抑制されることで、銅線材に含まれる酸素、水素、鉄、硫黄の濃度を制御して、溶接性、曲げ成形性、伸線加工性に優れた無酸素銅からなる銅線材の製造方法を提供することができるとしている。
【0005】
また、特許文献2では、太陽電池用バスバーに用いられる軟質希薄銅合金材料として、4massppm~55massppmのTiと2massppm~12massppmの硫黄と2massppmを超えて30massppm以下の酸素とを含み、残部が銅からなり、該材料の表面から50μm深さまでの表層における平均結晶粒サイズが20μm以下である銅合金材料が記載されている。この銅合金材料では、チタンなどの微量添加元素を含み、また、加工プロセスの制御によって導体の表層近傍の平均結晶粒サイズを小さくすることで、高い導電性を備え、かつ高い屈曲寿命を有する太陽電池用平角導体(バスバー)を提供できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4014900号公報
特許第5499330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、銅線に含まれる酸素の濃度を低減することには限度があり、また、銅線の機械的特性を向上させるために、銅線に微量添加元素を導入すること、さらには、微量添加元素の導入と加工プロセスの制御によって、銅線の金属組織を微細にすることは、銅線の導電率などの特性を低下させる原因となる。また、導体を銅線に接続する際の溶接の手法として、溶接に要する時間が短く、効率よく溶接を行なえる溶接手法としては、レーザー溶接を挙げることができるが、無酸素銅からなる銅線はレーザーに対して高い反射率を有するため、銅線のレーザーに対する吸収特性をより一層高めるべき点でも、改善の余地がある。
【0008】
本発明は、微量添加元素の導入を回避しながらも、繰り返し屈曲したときの疲労特性の改善を図るとともに、レーザーに対して高い吸収特性をもたらすことで、従来よりも低出力および短時間で信頼性の高いレーザー溶接を行なうことが可能な銅線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、無酸素銅からなる銅線に含まれる酸素濃度の分布の適正化を図ることで、微量添加元素の導入による導電率の低下を回避しながらも、銅線の繰り返し屈曲したときの疲労特性の改善を図り、かつレーザー吸収特性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)無酸素銅からなる銅線であって、前記銅線の横断面で見て、前記横断面の中心位置Cから、前記銅線の外表面輪郭線O上にある外表面位置Pに引いた線分長さをLとし、前記中心位置Cから前記線分長さLの0.9倍の長さだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第1境界包囲線BL1で包囲される前記銅線の前記中心位置Cを含む領域を第1内側領域とし、前記外表面輪郭線Oと前記仮想第1境界包囲線BL1とで区画される表面環状領域を第1外側領域とするとき、前記第1外側領域における酸素濃度は、前記第1内側領域における酸素濃度で除したときの比率が、2.00以上5.00以下である、銅線。
(2)前記横断面で見て、前記中心位置Cから、前記線分長さLの6分の1に相当する長さ1/6Lだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第2境界包囲線BL2で包囲される前記銅線の前記中心位置Cを含む領域を第2内側領域とし、前記外表面輪郭線Oから、前記線分長さLの3分の1に相当する長さ1/3Lだけ離れた位置を、前記中心位置Cの周りに結んで得られる仮想第3境界包囲線BL3と、前記外表面輪郭線Oとで区画される表面環状領域を第2外側領域とするとき、
前記第2内側領域における比重は、前記第2外側領域における比重に比べて、0.002以上0.007以下の範囲で大きい値である、上記(1)に記載の銅線。
(3)前記銅線が丸線であり、直径が0.01mm以上3.5mm以下の範囲である、上記(1)または(2)に記載の銅線。
(4)前記銅線がリボン線であり、前記横断面の断面積が、70μm
2
以上9.5mm
2
以下の範囲である、上記(1)または(2)に記載の銅線。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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