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公開番号2025122511
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-21
出願番号2024018058
出願日2024-02-08
発明の名称銅合金板
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C22C 9/06 20060101AFI20250814BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い耐力と優れた曲げ加工性を実成できるCu-Ni-Si系銅合金板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Ni:1.50~3.00質量%、及びSi:0.10~1.00質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、金属組織内に含まれる粒径30nm以上のNi2Si粒子の面密度が1.0×10-6個/nm2以下であり、圧延方向に対して直角方向の0.2%耐力が680MPa以上で、G.W.密着曲げによる割れが生じない、銅合金板。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
Ni:1.50~3.00質量%、及び
Si:0.10~1.00質量%を含み、
残部がCu及び不可避不純物からなり、
金属組織内に含まれる粒径30nm以上のNi

Si粒子の面密度が1.0×10
-6
個/nm

以下であり、
圧延方向に対して直角方向の0.2%耐力が680MPa以上で、G.W.密着曲げによる割れが生じない、銅合金板。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
以下に記載の(a)~(c)の1つ以上を満足する、請求項1に記載の銅合金板。
(a)さらに、Sn及びMgの1種以上を、
Sn:0質量%超1.00質量%以下、
Mg:0質量%超0.20質量%以下の範囲で含有する、
(b)さらに、Zn:0質量%超2.00質量%以下の範囲で含有する、
(c)さらに、Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Fe、P、及びAgからなる群から選択される1種以上を、合計で0質量%超0.50質量%以下含有する。
【請求項3】
Ni:1.50~3.00質量%、及びSi:0.10~1.00質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合金鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理、時効処理、及び仕上げ冷間圧延をこの順で行い、
前記溶体化処理は、該溶体化処理後の冷間圧延材が以下の式(1)を満たす条件で行い、
前記仕上げ冷間圧延は40~70%の圧延率で冷間圧延を行う、
銅合金板の製造方法。
X≦Y<1.13X (1)
ここで、Xは、前記銅合金鋳塊の化学成分組成と等しい化学成分組成を有する銅合金材料において、Ni及びSiの固溶量が最大であるときの導電率であり、
Yは、前記溶体化処理後の前記冷間圧延材の導電率である。
【請求項4】
前記銅合金鋳塊は、以下に記載の(a)~(c)の1つ以上を満足する、請求項3に記載の銅合金板の製造方法。
(a)さらに、Sn及びMgの1種以上を、
Sn:0質量%超1.00質量%以下、
Mg:0質量%超0.20質量%以下の範囲で含有する
(b)さらに、Zn:0質量%超2.00質量%以下の範囲で含有する
(c)さらに、Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Fe、P、及びAgからなる群から選択される1種以上を、合計で0質量%超0.50質量%以下含有する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、銅合金板に関し、特に、高い耐力を有し、且つ曲げ加工性に優れた銅合金板に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電気電子部品用銅合金には、高い導電率、高い耐力(降伏応力)、高い引張強度、優れた曲げ加工性、優れた耐疲労特性、優れた耐応力緩和特性、高いヤング率などが要求される。それらの特性を満たすために、銅合金板の金属組織を制御することが行われている。
特に、高強度(高い耐力及び高い引張強度)と、優れた曲げ加工性とは両立が難しいため、様々な工夫がされている。
【0003】
銅合金のうちで、Cu-Ni-Si系銅合金は、0.2%耐力が比較的高く、曲げ加工性が良好であり(つまり、耐力-曲げ性バランスが良好である)、さらに、比較的高い導電率と、良好な耐応力緩和特性を有している。そのため、Cu-Ni-Si系銅合金は、電気電子部品用銅合金に好適とされている(たとえば、特許文献1~特許文献3)。
【0004】
特許文献1には、Cu-Ni-Si系銅合金板とその製造方法が開示されている。銅合金板は、圧延方向に対して平行及び直角方向とも、耐力が450N/mm

以上670N/mm

以下、耐力と引張強さの比が0.85以上0.95以下、均一伸びと全伸びの比が0.5以上0.88以下、かつ加工硬化指数(n値)が0.05以上0.12以下であり、曲げ加工性に優れているとされている。
【0005】
特許文献2には、Cu-Ni-Si系の電気電子部品用銅合金板の製造方法が開示されており、固溶量が最大のときの導電率をXとしたとき溶体化焼鈍後の導電率YがX<Y≦1.5Xを満たし、かつ圧延平行方向及び圧延垂直方向の耐力がいずれも150MPa以上となるように、10℃/秒以上の昇温速度で実体温度700~1000℃に加熱し、その温度で3秒未満保持した後、30℃/秒以上の冷却速度で空冷する連続溶体化焼鈍を行い、続いて50%以下の加工率で仕上げ冷間圧延と時効焼鈍を行うことを特徴としている。この製造方法により、耐力と曲げ加工性の両方の異方性が小さい電気電子部品用銅合金板が得られるとされている。
【0006】
特許文献3には、Cu-Ni-Si系銅合金板とその製造方法が開示されており、平均結晶粒径が10μm~40μmであり、且つ、SEM-EBSP法による測定結果で、Cube方位{001}<100>の平均面積率が20%以上であると共に、1/4t(tは板厚)部と1/2t部のCube方位の面積率の差が5%以内であり、且つ、KAM値が1.00以上3.00以下のCu-Ni-Si系銅合金と、その製造方法が開示されている。このような特徴を有するCu-Ni-Si系銅合金は、高強度、優れた曲げ加工性、及び優れた耐応力緩和特性を兼ね備えているとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第3797882号公報
特許第4566020号公報
特許第5314663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
自動車分野においては、環境規制対応、快適性、安全性の追求、また近年のCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)を背景とした先進運転支援システムにより、多種類の電子機器が実装され、その数が増加している。このため、端子、コネクター、リレー部品等には、さらなる小型化が要求されている。小型部品を製造するためには、特許文献1~3と同等の高い耐力と、さらに優れた曲げ加工性(特に、密着曲げ性)を実現することが求められている。
【0009】
本発明の実施形態では、高い耐力と優れた曲げ加工性を実成できるCu-Ni-Si系銅合金板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様1は、
Ni:1.50~3.00質量%、及び
Si:0.10~1.00質量%を含み、
残部がCu及び不可避不純物からなり、
金属組織内に含まれる粒径30nm以上のNi

Si粒子の面密度が1.0×10
-6
個/nm

以下であり、
圧延方向に対して直角方向の0.2%耐力が680MPa以上で、G.W.密着曲げによる割れが生じない、銅合金板である。
(【0011】以降は省略されています)

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