TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025158728
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-17
出願番号2024061558
出願日2024-04-05
発明の名称有機ケイ素化合物の製造方法
出願人株式会社トクヤマ
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C07F 7/18 20060101AFI20251009BHJP(有機化学)
要約【課題】簡便かつ安全に副生塩の濾過及び除去が可能な、作業性に優れた有機ケイ素化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機ケイ素化合物の製造方法であって、ハロゲン化ケイ素化合物と第1のアルコールとを反応させてアルコキシシランを含む液体又はスラリーを得る反応工程、前記反応工程で生じた塩を濾過する濾過工程、及び前記濾過工程の後、前記塩と、炭素数1~3の第2のアルコールを含む溶解剤とを接触させ、前記塩を溶解させる溶解工程を含む、有機ケイ素化合物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機ケイ素化合物の製造方法であって、
ハロゲン化ケイ素化合物と第1のアルコールとを反応させてアルコキシシランを含む液体又はスラリーを得る反応工程、
前記反応工程で生じた塩を濾過する濾過工程、及び
前記濾過工程の後、前記塩と、炭素数1~3の第2のアルコールを含む溶解剤とを接触させ、前記塩を溶解させる溶解工程
を含む、有機ケイ素化合物の製造方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記第2のアルコールがメタノールである、請求項1に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
【請求項3】
前記アルコキシシランが、下記式(6)で表されるアルコキシシランである、請求項1に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
JPEG
2025158728000006.jpg
30
89
式(6)中、R

はそれぞれ独立して水素原子又は1価の有機基を表し、R

はそれぞれ独立して任意の有機基を表し、R

はそれぞれ独立してアルキル基を表し、nは繰り返し数を表し、2以上の整数である。
【請求項4】
前記溶解工程において、前記第2のアルコールの供給量が、前記塩に対して質量基準で0.5倍以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ケイ素化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
有機ケイ素化合物は幅広い分野で用いられており、例えば、材料工学分野、光学分野、医薬品分野、又は農芸分野等の分野において、重要な化合物として注目されている。
有機ケイ素化合物の製造においては、その用途に応じて構造を制御することが重要である。所望の構造を有する有機ケイ素化合物を得るための方法の一つとして、グリニャール反応を利用した合成方法が知られている。グリニャール反応は、マグネシウムと有機ハロゲン化物の反応により生じるグリニャール試薬を用いた反応であり、該反応を利用することにより有機ケイ素化合物中のケイ素元素に所望の有機基等を付加することができる。
例えば、特許文献1には、ジクロロシランと特定の構造を有するグリニャール試薬とを反応させることによりジアルキルジアルコキシシランを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平09-012584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有機ケイ素化合物を製造する場合において、その反応工程に特定の反応、特にアルコキシ化反応が含まれる場合、多量の副生塩が生じ、反応液が高粘度の液体又はスラリーとなる場合がある。
そのため、所望の有機ケイ素化合物を得るためには、副生塩を濾過等の手段で除去する必要がある。副生塩の濾過は、通常反応液を収容する容器(槽)と、濾紙等の濾過部材とを備えた濾過装置を用いて、反応液の液状成分を回収した後、濾過部材上に残った副生塩を除去するが、そのためには濾過装置の攪拌を一度止め、槽上部の取り出し口を開き、そこから副生塩を取り出す、といった作業が必要になる。しかしながら、このような作業は、作業性や安全性の観点から課題があり、改善の余地がある。
そこで本発明は、簡便かつ安全に副生塩の濾過及び除去が可能な、作業性に優れた有機ケイ素化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、所定の攪拌手段を備えた濾過装置を用いて濾過を行うことで、上記課題を解決できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、具体的には以下の通りである。
<1> 有機ケイ素化合物の製造方法であって、
ハロゲン化ケイ素化合物と第1のアルコールとを反応させてアルコキシシランを含む液体又はスラリーを得る反応工程、
前記反応工程で生じた塩を濾過する濾過工程、及び
前記濾過工程の後、前記塩と、炭素数1~3の第2のアルコールを含む溶解剤とを接触させ、前記塩を溶解させる溶解工程
を含む、有機ケイ素化合物の製造方法。
<2> 前記第2のアルコールがメタノールである、<1>に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
<3> 前記アルコキシシランが、下記式(6)で表されるアルコキシシランである、<
1>又は<2>に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
JPEG
2025158728000002.jpg
30
89
式(6)中、R

はそれぞれ独立して水素原子又は1価の有機基を表し、R

はそれぞれ独立して任意の有機基を表し、R

はそれぞれ独立してアルキル基を表し、nは繰り返し数を表し、2以上の整数である。
<4> 前記溶解工程において、前記第2のアルコールの供給量が、前記塩に対して質量基準で0.5倍以上である、<1>~<3>のいずれかに記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、簡便かつ安全に副生塩の濾過及び除去が可能な、作業性に優れた有機ケイ素化合物の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、濾過装置の一例を示す断面模式図である。
図2は、シャフト及び攪拌羽根の一例を示す概略図である。
図3は、攪拌羽根の形状の一例を説明するための断面模式図である。
図4は、濾過部材の一例を垂直方向から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。さらに、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
また、本明細書における「A又はB」の表現は、「A及びBからなる群から選択される少なくとも1つ」と読み替えてもよい。
また、本明細書における「Aの量に対するBの量」の表現は、「Bの量/Aの量」を表す。
また、本明細書では複数の実施形態を説明するが、適用できる範囲で各実施形態における種々の条件を互いに適用し得る。
【0010】
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社トクヤマ
組成物
11日前
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
25日前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
18日前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
1か月前
株式会社トクヤマ
シリコンエッチング液
4日前
株式会社トクヤマ
シリコンエッチング液
4日前
株式会社トクヤマ
ケトン誘導体の製造方法
3日前
株式会社トクヤマ
有機ケイ素化合物の製造方法
3日前
株式会社トクヤマ
改質フライアッシュの製造方法
11日前
株式会社トクヤマ
チオラクトン誘導体の製造方法
21日前
株式会社トクヤマデンタル
歯科用硬化性組成物およびその製造方法
21日前
株式会社トクヤマ
有機ケイ素化合物の製造方法及び濾過装置
3日前
株式会社トクヤマ
廃石膏粒体の貯蔵方法および貯蔵システム
1か月前
株式会社トクヤマ
廃石膏ボードから紙片と石膏粒体を回収する方法
1か月前
株式会社トクヤマ
垂直循環バケットコンベヤによる粉粒体の搬送方法
1か月前
株式会社トクヤマ
ジオポリマー組成物及びジオポリマー組成物の製造方法
11日前
株式会社トクヤマ
高純度水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液の製造方法
1か月前
株式会社トクヤマデンタル
ポリウレタン系歯科切削加工用ミルブランクとその製造方法
6日前
株式会社トクヤマ
窒化アルミニウム焼結基板、その製造方法および電子回路用絶縁基板
17日前
株式会社トクヤマ
デリバリー用複合粒子、ならびにその製造方法およびその製造キット
17日前
株式会社トクヤマ
縞状流体の形成方法、化学物質の製造方法、及び縞状流体の形成装置
11日前
株式会社トクヤマ
縞状流体の形成方法、化学物質の製造方法、及び縞状流体の形成装置
11日前
株式会社トクヤマ
シリコンエッチング抑制剤、エッチング液、基板の処理方法及び半導体素子の製造方法
10日前
東ソー株式会社
タンパク質の発現方法
1か月前
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
3か月前
株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
3か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
3か月前
株式会社トクヤマ
ビオチン誘導体の製造方法
3か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物
2か月前
栗田工業株式会社
ギ酸の回収方法
13日前
株式会社トクヤマ
ベンザゼピン化合物の製造方法
2か月前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
2か月前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
2か月前
株式会社トクヤマ
ホルムアミド化合物の製造方法
2か月前
株式会社トクヤマ
チオラクトン誘導体の製造方法
21日前
東ソー株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
1か月前
続きを見る