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公開番号2025073767
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184818
出願日2023-10-27
発明の名称圧電型角速度センサ
出願人多摩川精機株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人
主分類G01C 19/5733 20120101AFI20250502BHJP(測定;試験)
要約【課題】高い電気機械結合係数が期待できる三方晶イルメナイト系単結晶圧電材料を用いて振動子を形成し、小型化と低い共振周波数とを両立できる圧電型角速度センサを提供する。
【解決手段】(a)外周面14t及び内周面14sを有する中空円筒状の側壁14と、互いに平行な一対の主面16a,16bを有し側壁14の中心軸44方向一方端を覆う底板16とを含む本体12と、(b)側壁14の外周面14tと内周面14sとのうち、いずれか一方又は両方に形成された側壁電極21~28と、(c)底板16の一対の主面16a,16bの一方又は両方に形成された底板電極30,32と、を備える。本体12は、弾性コンプライアンスが主面内の方位によらず略一定であるように結晶方位を選択したウエハを用いて、駆動軸40,42と検出軸41,43が振動の腹又は節となる2つの振動モードで共振するように形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外周面及び内周面を有する中空円筒状の側壁と、互いに平行な一対の主面を有し前記側壁の中心軸方向の一方端を覆う底板とを含む本体と、
前記側壁の前記外周面と前記内周面とのうち、いずれか一方又は両方に、互いに間隔を設けて形成された複数の側壁電極と、
前記底板の前記一対の主面のいずれか一方又は両方に形成された底板電極と、
を備え、
前記側壁電極及び前記底板電極のいずれか一方が、前記底板の前記主面に平行かつ互いに直交する2つの駆動軸の方向に前記本体を振動させる電界を印加するための駆動用電極であり、他方が、2つの前記駆動軸の間を等分する2つの検出軸の方向の前記本体の振動によって励起される電界を検出するための検出用電極であり、
前記本体は、三方晶系の点群3mに分類される単結晶の圧電材料からなる、圧電型角速度センサ。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記単結晶の結晶軸X,Y,ZのうちZ軸が分極方向であり、
前記結晶軸X,Y,Zによる結晶XYZ座標系を右手系オイラー角の定義に従って、前記Z軸周りに角度ψ回転したX'Y'Z'座標系を、さらにX'軸周りに角度θ回転したX''Y''Z''座標が前記本体のウエハ座標系であるとすると、
2つの前記駆動軸と2つの前記検出軸とのうち一方は、X''軸又はY''軸に平行であり、他方は、前記X''軸と前記Y''軸との間を等分する2つの直線のうち一方又は他方に平行であり、
前記本体の前記底板の前記主面方向の弾性コンプライアンスが前記主面内の方位によらず略一定である、請求項1に記載の圧電型角速度センサ。
【請求項3】
前記側壁電極が、前記駆動用電極であり、
前記底板電極が、前記検出用電極であり、前記底板の前記一対の主面の両方に形成された、請求項1に記載の圧電型角速度センサ。
【請求項4】
前記側壁電極が、前記駆動用電極であり、
前記底板電極が、前記検出用電極であり、前記底板の前記一対の主面の両方に形成され、 2つの前記検出軸は、前記X''軸又は前記Y''軸に平行であり、
2つの前記駆動軸は、前記X''軸及び前記Y''軸の間を等分する2つの直線のうち一方又は他方に平行である、請求項2に記載の圧電型角速度センサ。
【請求項5】
前記側壁電極は、前記本体の前記側壁の中心軸を通り、かつ、前記駆動軸及び前記検出軸のうち一つとそれぞれ平行である4つの平面によって分割された前記側壁の前記内周面の8つの領域それぞれに、互いに間隔を設けて形成され、
互いに隣り合う前記領域に形成され互いに隣り合う前記側壁電極に、逆極性の交流電圧が印加される、請求項3に記載の圧電型角速度センサ。
【請求項6】
前記本体の前記底板の中央部分を支持する固定部材を、さらに備え、
前記固定部材は、前記駆動用電極及び前記検出用電極に電気的に接続された電極を有する、請求項1ないし5のいずれか一つに記載の圧電型角速度センサ。
【請求項7】
前記本体の前記側壁及び前記底部が、ニオブ酸リチウムからなる、請求項6に記載の圧電型角速度センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電型角速度センサに関し、詳しくは、振動子が三方晶イルメナイト系単結晶圧電材料で形成された振動ジャイロスコープに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年研究開発が盛んな車両、小型航空機の自動運転システムには、慣性航法システムが搭載され、そこには高性能で低価格な角速度センサ(振動型ジャイロスコープ、以下振動ジャイロ)が必要不可欠である。このような用途に用いる振動ジャイロのバイアス安定性は1°/h以下が求められているが、従来は高価格な光ファイバジャイロでしか実現できていない。そのため、微小電気機械システム(MEMS)技術を用いた振動ジャイロの低コストを保ったままの高性能化が求められている。
【0003】
MEMS振動ジャイロは、ある軸方向に振動する質量に、振動方向に直交する軸周りの回転角速度に比例して両者の軸にともに直交する第3軸に作用するコリオリ力で励起される振動の振幅から角速度を検出する慣性センサである。性能向上には、機械-電気間の変換効率を表す電気機械結合係数と、共振ピークの鋭さを表すQ値との2つの特性を向上させるのが有効な手段である。
【0004】
これら2つの特性が高い材料として、ニオブ酸リチウム(LiNbO

、以下LN)が注目される。LNは、結晶点群3mに属する三方晶イルメナイト系単結晶圧電材料であり、10,000以上の高いQ値と30~70%という高い電気機械結合係数を示す。
【0005】
一方、振動子の形状については、円盤型、円環型、半球面型などの軸対称形状にすると、振動ジャイロの動作モードの中で漏れ振動に対してロバストで応答性が良い Force to Rebalance 方式や、温度変化に耐性がある全角度検出方式が適用可能であり、高性能が期待される。
【0006】
しかしながら、LNを用いた軸対称形状の振動ジャイロは、単結晶材料としての材料特性の異方性と脆性材料としての難加工性が課題であった。
【0007】
この課題に対し、結晶方位を適切に選択して機械加工により高精度に寸法を制御した振動子を作製することによって解決した振動ジャイロが提案されている。
【0008】
すなわち、三方晶イルメナイト系単結晶圧電材料であっても、結晶方位を適切に選択すると、図11に示すように、振動体90の円形の輪郭90aを含む面と平行、かつ、互いに直交する第1軸及び第2軸に対して2つの振動モードで振動するように、振動体90を形成できる。図11(a)に示す第1の振動モードは、振動体90の輪郭線90aが、実線、鎖線、破線で示す変形を繰り返し、第1軸と第2軸が振動の腹になり、第1軸と第2軸の間を等分する2つの軸方向が振動の節となる。図11(b)に示す第2の振動モードは、振動体90の輪郭線90aが、実線、鎖線、破線で示す変形を繰り返し、第1軸と第2軸が振動の節になり、第1軸と第2軸の間を等分する2つの軸方向が振動の腹となる。
【0009】
図12(a)は、振動ジャイロ111の平面図、図12(b)はその断面図である。図12に示すように、振動ジャイロ111は、圧電基板112の主面112s,112tに、内側電極121~128,131~138と、外側電極141~148,151~158とが形成されている。内側電極と外側電極とのうち一方を用いて、圧電基板112に電界を印加することによって、2つの振動モードのうち一方で振動させ、他方の電極を用いて、他方の振動モードの振動によって励起される電界を、検出する。
【0010】
155°YカットLNウエハを研削加工することにより、加工が容易な直径25.8mmの圧電基板112を作製した振動ジャイロ111の試作例では、図11に示したバルクワイングラス振動モードの共振周波数が約95kHzであり、角速度を検出できることが確認されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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