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公開番号2025075115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186052
出願日2023-10-31
発明の名称衛生材料の表面材の製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人個人
主分類D06M 13/402 20060101AFI20250508BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】 体液の滞留量が少ない表面材を得る方法を提供する。
【解決手段】 鞘成分がポリエチレンで芯成分がポリエチレンテレフタレートよりなる芯鞘型複合短繊維を準備する。未脱脂漂白木綿を準備する。芯鞘型複合短繊維と未脱脂漂白木綿を混合して、カード機に掛けて繊維ウェブを得る。繊維ウェブに高圧水流を施して、各繊維相互間を交絡させて繊維フリースを得る。繊維フリースに熱を与え、高圧水流由来の水を蒸発させて不織布を得る。撥水剤と水を含むエマルジョン溶液中に不織布を浸漬する。不織布にエマルジョン溶液が飽充された後、マングルロールで搾って脱液し、次いで乾燥し水を蒸発させる。これにより、不織布内部まで全体に亙って撥水剤が付与された、衛生材料の表面材が得られる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも繊維表面がポリオレフィン系重合体よりなる熱可塑性短繊維と、セルロース系短繊維とが混合されてなる繊維ウェブを得る工程、
前記繊維ウェブに高圧水流を施し、前記各短繊維相互間を交絡させて繊維フリースを得る工程、
前記繊維フリースに熱を与え、前記高圧水流由来の水を蒸発させて不織布を得る工程及び
前記不織布に、撥水剤と水を含むエマルジョン溶液を飽充し、次いでマングルロールで搾った後、乾燥し該水を蒸発させて撥水剤を付与する工程
を具備することを特徴とする衛生材料の表面材の製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
熱可塑性短繊維は芯鞘型複合短繊維であって、鞘成分がオレフィン系重合体であり芯成分が該オレフィン系重合体よりも高い融点を持つ重合体である請求項1記載の衛生材料の表面材の製造方法。
【請求項3】
鞘成分がポリエチレンで芯成分がポリエステルである請求項2記載の衛生材料の表面材の製造方法。
【請求項4】
セルロース系短繊維が木綿繊維である請求項1記載の衛生材料の表面材の製造方法。
【請求項5】
木綿繊維が未脱脂の木綿繊維である請求項1記載の衛生材料の表面材の製造方法。
【請求項6】
熱可塑性短繊維とセルロース系短繊維との混合割合が、質量%で、熱可塑性短繊維:セルロース系短繊維=30~70:70~30(合計100質量%)である請求項1記載の衛生材料の表面材の製造方法。
【請求項7】
撥水剤がオクタデカンアミドを主成分とするものである請求項1記載の衛生材料の表面材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の衛生材料の表面材の製造方法に関し、特に体液が滞留しにくい表面材の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の衛生材料は、表面材、体液吸収体及び防漏材の順に積層されてなるものである。この表面材として、従来より各種の不織布が用いられているが、不織布の中でも、体液が滞留しにくいものが用いられている。体液が表面材に滞留すると、使用中にべたつき感が生じるからである。体液の滞留しにくい不織布として、特許文献1には、ポリオレフィン系熱可塑性短繊維と未脱脂の木綿繊維とを混合した繊維ウェブに、高圧水流を施して、各短繊維相互間を交絡してなる不織布が記載されている(特許文献1)。特許文献1記載の技術において、ポリオレフィン系熱可塑性短繊維を用いているのは、疎水性であって体液を吸収保水しにくいからである。また、未脱脂の木綿繊維を用いている理由は、木綿繊維にコットンワックス等の油脂成分を残存させ、体液の吸収を抑制するためである。
【0003】
一方、木綿繊維よりなる繊維ウェブに、高圧水流を施して、木綿繊維相互間を交絡してなる不織布を衛生材料の表面材とすることも知られている(特許文献2)。木綿繊維よりなる不織布は体液をよく吸収するので、この不織布にキスコーター法で、親油性モノステアリン酸グリセリル及びポリオキシエチレンラウリルエーテル等を含む油剤を付与して、表面材にスポット吸収性を与え、使用中にべたつき感が生じにくいようにすることが提案されている(特許文献2、段落0016)。しかしながら、特許文献1及び2に記載されている衛生材料の表面材は、未だに体液の滞留量が多く、使用中のべたつき感が十分に解消されていないものであった。
【0004】
特開2005-139594号公報
実用新案登録第3224098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、体液の滞留量が少ない表面材を得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特定の不織布に特定の方法で撥水剤を付与することにより、表面材に体液が滞留しにくいようにしたものである。すなわち、本発明は、少なくとも繊維表面がポリオレフィン系重合体よりなる熱可塑性短繊維と、セルロース系短繊維とが混合されてなる繊維ウェブを得る工程、前記繊維ウェブに高圧水流を施し、前記各短繊維相互間を交絡させて繊維フリースを得る工程、前記繊維フリースに熱を与え、前記高圧水流由来の水を蒸発させて不織布を得る工程及び前記不織布に、撥水剤と水を含むエマルジョン溶液を飽充し、次いでマングルロールで搾った後、乾燥し該水を蒸発させて撥水剤を付与する工程を具備することを特徴とする衛生材料の表面材の製造方法に関するものである。
【0007】
本発明においては、まず、少なくとも繊維表面がポリオレフィン系重合体よりなる熱可塑性短繊維を準備する。熱可塑性短繊維を用いる理由は、以下のとおりである。すなわち、表面がポリオレフィン系重合体よりなる熱可塑性短繊維は疎水性であり、水と接触しても剛性が低下しにくく、エマルジョン溶液を飽充しマングルロールで搾っても、圧潰しにくいためである。また、体液を吸収しにくいためである。具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体単独からなる単相型の熱可塑性短繊維又は鞘成分がポリエチレン等のポリオレフィン系重合体で形成され、芯成分がポリエステル等のポリオレフィン系重合体よりも融点の高い重合体で形成されている芯鞘型複合熱可塑性短繊維が用いられる。特に、本発明においては後者の芯鞘型複合熱可塑性短繊維を用いるのが好ましい。かかる芯鞘型複合熱可塑性短繊維を用いて、芯成分は当初の繊維形態を維持したまま鞘成分の軟化又は溶融によって、短繊維相互間を結合した不織布は、マングルロールで搾ってもより圧潰しにくく、不織布の嵩高性や柔軟性が低下しにくいので、好ましい。
【0008】
熱可塑性短繊維に混合して木綿繊維等のセルロース系短繊維が用いられる。木綿繊維は未脱脂のものでも脱脂後のものでもよく、特に未脱脂で漂白された未脱脂漂白木綿を用いるのが好ましい。かかるセルロース系短繊維は、肌当たりを良好にするために用いられる。熱可塑性短繊維とセルロース系短繊維の混合割合は、質量%で、熱可塑性短繊維:セルロース系短繊維=30~70:70~30(合計100質量%)であるのが好ましい。熱可塑性短繊維の質量%が30質量%未満になると、マングルロールで絞った際に、不織布が圧潰しやすくなる傾向が生じる。一方、セルロース系短繊維の質量%が30質量%未満になると、得られる表面材の肌当たりが悪くなる傾向が生じる。
【0009】
熱可塑性短繊維とセルロース系短繊維を混合し、カード機等で開繊して繊維ウェブを得る。この繊維ウェブに従来公知の高圧水流処理を施して、短繊維相互間を交絡させて、繊維フリースを得る。そして、繊維フリースに乾燥処理を施し、繊維フリース中に残存している高圧水流由来の水を蒸発させて不織布を得る。熱可塑性短繊維として、鞘成分がポリエチレン等のオレフィン系重合体であり、芯成分がオレフィン系重合体よりも高い融点を持つポリエステル等の重合体を用いた場合、この乾燥処理において、鞘成分のみを軟化又は溶融させて、各短繊維相互間を結合させてもよい。
【0010】
得られた不織布に撥水剤を付与する。撥水剤としては従来公知のものが採用され、たとえば、オクタデカンアミドを主成分とするものが用いられる。撥水剤を付与する方法は、撥水剤と水を含むエマルジョン溶液を不織布に飽充し、次いでマングルロールで搾った後に、乾燥して水のみを蒸発させる。かかる方法により、不織布内部まで撥水剤が付与され、撥水効果が高くなり、表面材として使用したとき、体液が滞留しにくくなる。エマルジョン溶液を不織布に飽充するには、エマルジョン溶液中に不織布を浸漬すればよい。これにより、不織布中に過剰のエマルジョン溶液を含ませることができる。この後、マングルロールで搾って、エマルジョン溶液を脱液する。マングルロールの圧力を調整して絞り率を設定することで、所望の量の撥水剤を不織布全体に付与することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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