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公開番号2025075463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186644
出願日2023-10-31
発明の名称床版取替え方法
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E01D 19/12 20060101AFI20250508BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】主桁上に設置した型枠を損傷させることなく、新設の床版を主桁に対して横移動可能に施工でき、作業効率を向上させることができる。
【解決手段】既設の鉄筋コンクリート床版を撤去する工程と、主桁10の上方に間隔をあけた高さに新設するプレキャストPC床版20を仮置きする工程と、主桁10とプレキャストPC床版20との間に設けられ、硬化材が充填されて高さ調整モルタル30の領域を囲む型枠として機能しかつ水膨潤性を有するシール部材40を、主桁10の上面10aに配置する工程と、シール部材40に水Wを供給し、シール部材40を膨張させてプレキャストPC床版20に液密に接触させる工程と、シール部材40で囲まれた領域の内側に硬化材を充填して硬化させることで、プレキャストPC床版20と主桁10との間に高さ調整モルタル30を設ける工程と、を有する床版取替え方法を提供する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
橋梁の主桁に支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版をプレキャスト床版に取り替える床版取替え方法であって、
既設の前記鉄筋コンクリート床版を撤去する工程と、
前記主桁の上方に間隔をあけた高さに新設するプレキャスト床版を仮置きする工程と、
前記主桁と前記プレキャスト床版との間に設けられ、硬化材が充填されてなる高さ調整部の領域を囲む型枠として機能しかつ水膨潤性を有するシール部材を、前記主桁の上面に配置する工程と、
前記シール部材に水を供給し、前記シール部材を膨張させて前記プレキャスト床版に液密に接触させる工程と、
前記シール部材で囲まれた領域の内側に前記硬化材を充填して硬化させることで、前記プレキャスト床版と前記主桁との間に前記高さ調整部を設ける工程と、
を有する、床版取替え方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記プレキャスト床版を仮置きした後に、前記シール部材を前記主桁上に配置する、請求項1に記載の床版取替え方法。
【請求項3】
前記主桁上に高さ調整ボルトを設け、前記プレキャスト床版における前記主桁との間の高さ寸法を調整する、請求項1に記載の床版取替え方法。
【請求項4】
前記シール部材は、膨張させる前において水遮蔽材によって包装された状態で設けられ、
前記シール部材を膨張させる際に前記水遮蔽材を取り除く、請求項1に記載の床版取替え方法。
【請求項5】
膨張前の前記シール部材の高さ寸法は、前記プレキャスト床版と前記主桁との間隔よりも小さい、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床版取替え方法。
【請求項6】
前記シール部材は、前記高さ調整部と一体的に設けられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床版取替え方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、床版取替え方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高速道路の橋梁に使用される鉄筋コンクリート床版では、建設50年を超え、疲労劣化により損傷したものが増加している。そのため、既設の鉄筋コンクリート床版を新設のプレキャスト床版(PCa床版)に取り替える工事が行われている。PCa床版は、既設コンクリート桁の上に設置されるが、高さの調整はPCa床版と既設の主桁との間に無収縮モルタルを充填する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この無収縮モルタル層の厚さは、既設主桁(橋梁)の出来形により各位置で変化し、設定される高さ調整範囲(例えば、20~70mm)に収まるように計画される。そこで、厚さが変化する無収縮モルタルの型枠として、モルタルの漏れ止め防止機能を有する合成樹脂のソールスポンジ等から形成される型枠シール材が一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-73847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の型枠シール材を用いた床版取替え方法では、以下のような問題があった。
床版取替え方法において、交通量の多い路線では、橋梁を通行止めにして全断面の床版取替え工事を実施することが困難である。そのため、半断面(幅員の半分)の床版取替え工事の需要が増加している。半断面1期施工では、全断面による床版取替え工事と同様に床版を真上から所定の位置に降ろすことができる。一方で、半断面2期施工は、1期と2期の接合面にあるせん断キーを嵌め込むため、床版を降ろしながら30~50mm程度の横移動が必要となる。
【0005】
そのため、従来の型枠シール材を用いた床版取替え方法により半断面2期施工を行った場合、ソールスポンジ等からなる型枠シール材を押し潰しながら横移動を行うこととなり、ソールスポンジがせん断変形したり、倒れたりするおそれがある。また、押し潰し型の型枠シール材の場合には、新設するPCa床版と主桁との間に後挿入することは困難である。
さらに、主桁の上フランジの端面位置に型枠(鋼材・木材)を設置し、無収縮モルタルを打設した後に解体・撤去するという方法もあるが、作業効率が悪いことから、その点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、主桁上に設置した型枠を損傷させることなく、新設の床版を主桁に対して横移動可能に施工でき、作業効率を向上させることができる床版取替え方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る床版取替え方法は、橋梁の主桁に支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版をプレキャスト床版に取り替える床版取替え方法であって、既設の前記鉄筋コンクリート床版を撤去する工程と、前記主桁の上方に間隔をあけた高さに新設するプレキャスト床版を仮置きする工程と、前記主桁と前記プレキャスト床版との間に設けられ、硬化材が充填されてなる高さ調整部の領域を囲む型枠として機能しかつ水膨潤性を有するシール部材を、前記主桁の上面に配置する工程と、前記シール部材に水を供給し、前記シール部材を膨張させて前記プレキャスト床版に液密に接触させる工程と、前記シール部材で囲まれた領域の内側に前記硬化材を充填して硬化させることで、前記プレキャスト床版と前記主桁との間に前記高さ調整部を設ける工程と、を有することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る床版取替え方法では、新設するプレキャスト床版を主桁の上方に間隔をあけた高さに仮置きした後、仮置きしたプレキャスト床版と主桁との間にシール部材を設置することができる。また、本発明では、主桁の上面に膨張前のシール部材を配置した後、新設するプレキャスト床版を主桁の上方に間隔をあけた高さに仮置きする。このとき、仮置きしたプレキャスト床版と膨張前のシール部材とが液密に接触していない状態であり、すなわちプレキャスト床版との間に隙間を有する状態でシール部材を配置できるので、例えば、新設するプレキャスト床版を仮置きする際に、シール部材に干渉することなくプレキャスト床版を降ろしながら横移動することも可能であり、橋梁の半断面2期施工にも適用することができる。
また、本発明では、シール部材が水の供給により容易に膨張させることができ、作業効率を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る床版取替え方法は、前記プレキャスト床版を仮置きした後に、前記シール部材を前記主桁上に配置することが好ましい。
【0010】
この場合には、シール部材は水の供給により膨張する部材であり、膨張前のシール部材を仮置きしたプレキャスト床版と主桁との間の高さよりも厚みの小さい寸法のものを採用できる。そのため、薄いシール部材を仮置きしたプレキャスト床版と主桁との間に挿入する後施工が可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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